JPH05270913A - 黒色系ジルコニアセラミックス及びその製造方法 - Google Patents

黒色系ジルコニアセラミックス及びその製造方法

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JPH05270913A
JPH05270913A JP4068441A JP6844192A JPH05270913A JP H05270913 A JPH05270913 A JP H05270913A JP 4068441 A JP4068441 A JP 4068441A JP 6844192 A JP6844192 A JP 6844192A JP H05270913 A JPH05270913 A JP H05270913A
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実 中須賀
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ZrO2 を主成分とし、Y2 3 、CaO、M
gOなどの安定化剤、およびLaB6 を添加した原料粉
末を所定形状に成形し、得られた成形体を真空または還
元処理して黒色系ジルコニアセラミックスを得る。 【効果】ジルコニアセラミックスの表面から内部まで均
一に深黒色とすることができ、かつ強度、硬度などの特
性を優れたものとすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、装飾部品等に用いられ
る黒色系ジルコニアセラミックス及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ジルコニアセラミックスは、セラミック
スの中でも強靱性を具備するものとして広く知られてい
る。特に安定化剤としてY23 を2〜3モル%含有す
る部分安定化ジルコニアセラミックスは、とりわけ強靱
性に優れ、刃物や鋏等の他、家庭用、工業用を問わずそ
の用途が拡大している。これに伴い、装飾部材として着
色を施したジルコニアセラミックスが用いられるように
なってきた。
【0003】ジルコニアセラミックスに着色を施す手法
として、特開昭59−105055号公報や特開昭60
−246262号公報等に示されるものが知られてい
る。即ち、前者はY2 3 、MgO、CaOなどを安定
化剤とするジルコニアセラミックスに、Cr2 3 、C
oO、NiO、MnO2 等の金属酸化物からなる顔料を
含有せしめるものであり、一方後者は、Y2 3 を安定
化剤とするジルコニアセラミックスを焼成した後、還元
性雰囲気で熱処理して黒色系ジルコニアセラミックスを
得るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記顔
料を含有してなる着色ジルコニアセラミックスは、金属
酸化物からなる顔料を含むことによって、通常の部分安
定化ジルコニアセラミックスよりも強度が低下してしま
う傾向があった。特に黒色系ジルコニアセラミックスを
得るためには、多種類の顔料を添加する必要があるため
に、強度低下の傾向が顕著になるという問題点があっ
た。
【0005】一方、安定化剤を添加したジルコニアセラ
ミックスを焼成後、還元性雰囲気で熱処理することによ
り得られた黒色系ジルコニアセラミックスでは、表面か
ら内部にかけて黒色が薄くなる傾向があった。そのた
め、得られた黒色系ジルコニアセラミックスを研削加工
するような場合は、黒色の濃淡が異なる面が製品表面に
現れ、装飾用としては好ましくないという問題があっ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の問題点
を解決するべく種々実験を行った結果、主成分であるZ
rO2 に、Y2 3 、MgO、CaOなどの安定化剤
と、LaB6 を添加混合してなる原料を用いて、真空ま
たは還元雰囲気で焼成するか、あるいは得られた成形体
を焼成後、真空または還元処理を施すことによって得ら
れた黒色系ジルコニアセラミックスが、表面部と内部と
の黒色の濃淡の差がなく、かつ優れた強度を有すること
を見出したものである。
【0007】つまり、本発明によれば、ジルコニアセラ
ミックスを真空または還元処理することで、ジルコニア
自体を還元して黒色化するものであるが、その際にLa
6が存在することによって、ジルコニアの還元を促進
し、内部まで均一に黒色化することができるのである。
また、このようにして得られた黒色系ジルコニアセラミ
ックスは、強度低下の原因となる金属酸化物の顔料を含
んでいないため、通常の部分安定化ジルコニアセラミッ
クスと同程度の優れた強度を有するものである。
【0008】このように、上記LaB6 は顔料ではな
く、ジルコニアの還元促進剤として作用するものである
が、その添加量がZrO2 100重量%に対して0.1
重量%より少ないと黒色化の程度が低く、逆に3.0重
量%より多いと焼結性が悪くなってセラミックスの強度
が低下する。そのため、LaB6 の添加量は0.1〜
3.0重量%が良く、好ましくは0.1〜1.0重量%
が良い。
【0009】また、本発明の黒色系ジルコニアセラミッ
クスは、Y2 3 、MgO、CaOなどの少なくとも一
種を安定化剤として添加することにより、正方晶の結晶
相を存在させた部分安定化ジルコニアとして、強度、靱
性を高くしたものである。これらの安定化剤を単独で添
加する場合は、Y2 3 は2〜7モル%、CaOは8〜
11モル%、MgOは7〜13モル%の範囲でそれぞれ
添加することが望ましい。
【0010】さらに、本発明の黒色系ジルコニアセラミ
ックスは、これらの他に、SiO2、Al2 3 などを
2重量%以下含んでいてもよい。また、本発明の黒色系
ジルコニアセラミックスの平均結晶粒子径は、2μm以
下、好ましくは1μm以下とすることによって強度を高
めることができ、特に0.35〜0.7μmの範囲内と
したものが最も優れている。
【0011】かかる本発明の黒色系ジルコニアセラミッ
クスは、主成分であるZrO2 に、安定化剤とLaB6
を添加混合した原料を、プレス成形などによって所定形
状に成形した後、得られた成形体をを真空雰囲気または
還元雰囲気中、1400〜1520℃の温度で焼成する
か、あるいは上記成形体を酸化雰囲気中で焼成した後、
真空雰囲気または還元雰囲気中で再度熱処理することに
よって得られる。
【0012】なお、本発明において真空雰囲気とは、1
×10-1torr以下の真空度のことであり、また還元
雰囲気とはArなどの不活性ガス中での熱処理等、実質
的にLaB6 が化学反応されず、かつ、ジルコニアセラ
ミックスが還元される雰囲気であれば何ら限定されるも
のではない。また、還元雰囲気の一種として炭素または
炭素ガスの存在下で熱処理を行うと、ジルコニアの還元
に加えて、これら炭素成分がジルコニア中に含浸するた
め、より黒色化の程度を高くすることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0014】実施例1 ZrO2 を100重量%に対し、安定化剤としてY2
3 を5.4重量%(3モル%)、さらに、LaB6
0.01〜5.0重量%の範囲で添加し、通常の方法で
造粒した。造粒された粉末を乾式プレスにて成形を行
い、真空雰囲気(真空度1×10-2torr)で145
0℃で焼結した。得られた焼結体について、抗折強度と
ビッカース硬度を測定し、色調を調べたところ、表1に
示す通りであった。
【0015】この結果より明らかに、LaB6 の添加量
を0.1〜3.0重量%としたものは、表面と内部との
黒色の濃淡の差がない深黒色のジルコニアセラミックス
を得ることができた。特にLaB6 の含有量を0.1〜
1.0重量%としたものは、抗折強度110kg/mm
2 以上、ビッカース硬度1200kg/mm2 以上と優
れた特性を示した。
【0016】
【表1】
【0017】実施例2 ZrO2 100重量%に対し、安定化剤としてY23
を5.4重量%、さらにLaB6 を0.01〜5.0重
量%含有させ、通常の方法で造粒をする。造粒された粉
末を乾式プレスにて成形を行い、還元雰囲気(Arガス
濃度99.9%以上)中1410℃で焼結させたとこ
ろ、上記実施例1と同様に、LaB6 の添加量を0.1
〜3.0重量%としたものは、表面と内部との黒色の濃
淡の差がない深黒色のジルコニアセラミックスが得られ
た。また、LaB6 の含有量変化に伴うセラミックスの
抗折強度及びビッカース硬度の変化も実施例1とほぼ同
等であった。
【0018】実施例3 次に、本発明実施例として、表1中No.6の黒色系ジ
ルコニアセラミックスを用意し、比較例としてLaB6
を添加せずに還元処理のみを行った黒色系ジルコニアセ
ラミックス、および顔料としてCr2 3 、Fe
2 3 、TiO3 、CoO、MnO2 を合計3.5重量
%添加した黒色系ジルコニアセラミックスを用意した。
これらの黒色系ジルコニアセラミックスに対し、表面と
内部の色調、および抗折強度を測定した。結果は表2に
示す通りである。
【0019】なお、色調は、色調計によりL値を測定し
たものであって、値が小さいほど黒色の程度が高いこと
を表す。また、内部の色調とはサンプルを切断して断面
の中央部を測定したものである。
【0020】表2の結果より明らかに、比較例である還
元処理のみを行ったものは、表面に比べて内部の黒色度
が低く、色調に濃淡があるものであった。また、顔料を
添加したものは、内部まで黒色化されているものの抗折
強度が低かった。これらに対し、本発明の黒色系ジルコ
ニアセラミックスは、全体的に黒色度が高く、かつ内部
まで均一に黒色化されており、しかも抗折強度も優れて
いることがわかる。
【0021】
【表2】
【0022】なお、上記実施例では、真空または還元処
理の例として、真空雰囲気または還元雰囲気で焼成した
ものを示したが、この他に成形体を予め酸化雰囲気で焼
成しておいて、その後真空雰囲気または還元雰囲気中で
熱処理したものであっても、同様の結果であった。
【0023】また、本発明の黒色系ジルコニアセラミッ
クスは、刃物、鋏、時計用側部材、時計用バンドなどの
他、各種装飾用部材や、産業機械用部材などに好適に用
いることができる。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ZrO2
を主成分とし、Y2 3 、CaO、MgOなどの安定化
剤、およびLaB6 を添加した原料粉末を所定形状に成
形し、得られた成形体を真空または還元雰囲気で焼成す
るか、あるいは得られた成形体を焼成後、真空または還
元処理して黒色ジルコニアセラミックスを得ることによ
って、ジルコニアセラミックスの表面から内部まで均一
に深黒色とすることができ、かつ強度、硬度などの特性
を優れたものとすることができる。これにより、装飾用
部材だけでなく各種産業機械用部品等に好適に用いるこ
とができる黒色系ジルコニアセラミックスを提供でき
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ZrO2 を主成分とし、Y2 3 、Ca
    O、MgOなどの安定化剤、およびLaB6 を含有して
    いることを特徴とする黒色系ジルコニアセラミックス。
  2. 【請求項2】ZrO2 を主成分とし、Y2 3 、Ca
    O、MgOなどの安定化剤、およびLaB6 を添加混合
    してなる原料を所定形状に成形し、得られた成形体を真
    空または還元雰囲気で焼成するか、あるいは得られた成
    形体を焼成後、真空または還元処理する工程からなる黒
    色系ジルコニアセラミックスの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006342036A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Tosoh Corp 黒色ジルコニア焼結体、その原料粉末ならびにそれらの製造方法
CN112552046A (zh) * 2020-12-22 2021-03-26 江苏奥能耐火材料有限公司 一种添加硼化铈的低膨胀耐侵蚀材料及其制备方法

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