JPH05270225A - アルミニウム合金製サスペンションアームの製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金製サスペンションアームの製造方法

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JPH05270225A
JPH05270225A JP6608092A JP6608092A JPH05270225A JP H05270225 A JPH05270225 A JP H05270225A JP 6608092 A JP6608092 A JP 6608092A JP 6608092 A JP6608092 A JP 6608092A JP H05270225 A JPH05270225 A JP H05270225A
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JP
Japan
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suspension arm
aluminum alloy
weight
fatigue strength
ingot
Prior art date
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Pending
Application number
JP6608092A
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English (en)
Inventor
Hideo Mizukoshi
秀雄 水越
Shinichi Matsuda
眞一 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Light Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 充分な疲労強度を有するアルミニウム合金製
サスペンションアームを製造する。 【構成】 Si:0.8重量%,Cu:0.9重量%,
Mn:0.8重量%,Mg:1.0重量%,Ti:0.
05重量%を含むアルミニウム合金鋳塊(S1)を、熱
間鍛造によりサスペンションアームに成形する(S
3)。ここで、細長い形状のサスペンションアームを製
造する場合は、押し出し加工にて棒状に成形して(S
5)から鍛造する。T6処理にて時効硬化した後(S
7)、0.05〜0.02mmA2 の範囲でショットピー
ニング加工を施す(S9)。表面圧縮残留応力の増加に
より疲労強度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム合金製サ
スペンションアームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、サスペンションアームには、充分
な強度が保証されることから鋼製のプレス品或いは鍛造
品が用いられている。ところが、近年自動車の省エネル
ギ対策として車両の軽量化が進められている。特に、サ
スペンションアームなどの所謂バネ下重量を軽減するこ
とは、操舵性の向上など副次的効果が得られるため特に
要望が高い。そこで、Al−Mg−Si系合金(例えば
6061合金)を用いた鍛造品、或いはAl−Si−M
g系合金(例えばAC4CH合金)を用いた鋳造品など
アルミニウム合金によってサスペンションアームを製造
する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、サスペンシ
ョンアームは駆動力並びに制動力を車体に伝達すると共
に、旋回時の遠心力に抗して車体を略水平に保持すると
いった重要な役割を有している。このため、車両の走行
中に万一サスペンションアームが破損或いは変形すれ
ば、安全に関わる重要な問題となる。従ってサスペンシ
ョンアームでは、充分な疲労強度を有していることが重
要となる。
【0004】そこで本発明は、充分な疲労強度を有する
アルミニウム合金製サスペンションアームを製造するこ
とを目的としてなされた。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達するために
なされた本発明は、Al−Mg−Si系アルミニウム合
金鋳塊を、熱間鍛造によりサスペンションアームに成形
し、続いて時効硬化した後、0.05〜0.20mmA2
の範囲でショットピーニング加工を施したことを特徴と
するアルミニウム合金製サスペンションアームの製造方
法を要旨としている。
【0006】
【作用】このように構成された本発明では、図1に例示
するように、先ずAl−Mg−Si系アルミニウム合金
鋳塊を原料として使用する(ステップS1)。ここで、
Al−Mg−Si系合金鋳塊は、Si:0.4〜1.2
重量%,Cu:0.5〜1.1重量%,Mn:0.1〜
1重量%,およびMg:0.5〜1.3重量%を含むア
ルミニウム合金より製造するのが好ましい。この理由は
次の通りである。 (a)MgおよびSi MgおよびSi成分には、焼入れ後Al素地中に均一微
細に分散し、その後の時効硬化で金属間化合物(Mg2
Si)を形成して強度を向上させる作用があるが、その
含有量がMg:0.5重量%未満、Si:0.4重量%
未満では金属間化合物の析出が少なくなる傾向にある。
一方Mg:1.3重量%、Si:1.2重量%をそれぞ
れ超えて含有させると、鋳塊に押出し加工を施す場合の
加工性が低下する。そこで、それぞれの含有量をMg:
0.5〜1.3重量%、Si:0.4〜1.2重量%と
するのが好ましい。 (b)Cu Cu成分には、強度を向上させる作用があるが、0.5
重量%未満では強度の向上が見られない傾向にある。一
方1.1重量%を超えて含有させると、押出し加工性,
耐食性が劣化する傾向にある。そこで、その含有量を
0.5〜1.1重量%とするのが好ましい。 (c)Mn Mn成分には、Al素地全体を微細再結晶化すると共
に、Siの粒界析出を防止して靱性を向上させる作用が
あるが、0.1重量%未満ではさほど顕著な効果が得ら
れない。一方1重量%を超えて含有させると、鍛造時に
粗大な金属間化合物が生成され、靱性を低下させる傾向
にある。そこで、その含有量を0.1〜1重量%とする
のが好ましい。 (d)その他 上記組成に、更にTi:0.01〜0.2重量%を添加
すると、鋳造組織を微細化してひび割れを防止すること
ができ、より一層好ましい。
【0007】次にこのようにして製造されたアルミニウ
ム合金鋳塊を熱間鍛造によりサスペンションアームに成
形する(ステップS3)。熱間鍛造は350〜500℃
で行うことが好ましい。鍛造温度が350℃未満では、
鋳塊の変形能が不足してひび割れや欠肉を生じる傾向に
ある。また、500°を超えても鍛造割れを生じる傾向
にあるからである。また、ストラットタイプのように細
長い形状のサスペンションアームを製造する場合は、ア
ルミニウム鋳塊に400〜500℃で押出し加工を施し
(ステップS5)、棒状に成形した後に熱間鍛造を施し
てもよい。
【0008】続いて成形したサスペンションアームを時
効硬化する(ステップS7)。時効硬化の方法としては
例えば、溶体化処理,焼入れ,および焼き戻しを順次施
す所謂T6処理が挙げられる。この場合、焼入れは水冷
で行ない、焼き戻しは最高強度が得られる条件で行なう
とよい。
【0009】最後に、時効硬化後のサスペンションアー
ム表面に0.05〜0.20mmA2の範囲でショットピ
ーニング加工を施す。ショットピーニング加工は例え
ば、サスペンションアーム外表面にはインペラの回転に
より、内表面にはノズルからの噴射により行うことがで
きる。このショットピーニング加工により、サスペンシ
ョンアームの表面圧縮残留応力が増加して疲労強度が向
上する。なお、ショットピーニング加工のアークハイト
が0.05mmA2 未満であると、表面圧縮残留応力が小
さく疲労強度の向上が見られない。一方、ショットピー
ニング加工のアークハイトが0.20mmA2 を超える
と、表面粗さが過大となり疲労強度は低下する。
【0010】
【実施例】次に本発明の実施例を詳細に説明する。S
i:0.8重量%,Cu:0.9重量%,Mn:0.8
重量%,Mg:1.0重量%,Ti:0.05重量%を
含むアルミニウム合金鋳塊を押出し用ビレットとした。
そのビレットに400℃,押出し比10で押出し加工を
施し、断面の直径が55mmの棒状に成形した。次に、こ
の棒状材を450℃でサスペンションアームに熱間鍛造
した。この後、鍛造したサスペンションアームに次に述
べるT6処理を施した。即ち、570℃にて1.5時間
加熱し、水冷し、続いて195℃にて4時間加熱した。
最後にサスペンションアーム表面にショットピーニング
加工を施してサスペンションアームを製造した。このシ
ョットピーニング加工は、サスペンションアーム外表面
にはインペラの回転により剛球を投射し、内表面にはノ
ズルからの噴射によりガラスビーズを投射することによ
って行なった。
【0011】表1に、ショットピーニング加工のアーク
ハイトを種々に変更して製造したサスペンションアーム
の、表面粗さおよび疲労強度を示す。
【0012】
【表1】
【0013】表1に示すように、アークハイトが増加す
るとこれに応じて表面粗さも増加する。また、アークハ
イトの増加に伴って表面圧縮残留応力が増加する。とこ
ろが、アークハイトを0.03mmA2 とした比較例の試
料2では、表面圧縮残留応力の増加の度合が小さいた
め、ショットピーニング加工を施さなかった比較例の試
料1に比べて疲労強度の向上が見られない。
【0014】アークハイトを0.05〜0.20mmA2
とした実施例の試料3〜6ではいずれも疲労強度が向上
しており、中でもアークハイトを0.10mmA2 とした
試料4では、ショットピーニング加工を施さなかった試
料1に比べて約15%の疲労強度向上が見られた。これ
は、表面圧縮残留応力の増加によってサスペンションア
ームの疲労強度が向上したものと考えられる。
【0015】更に、アークハイトを0.25mmA2 ,
0.30mmA2 とした比較例の試料7,8では、ショッ
トピーニング加工を施さなかった試料1に比べて、返っ
て疲労強度が低下している。これは、表面粗さが過大と
なり疲労強度が低下したものと考えられる。
【0016】このように上記方法ではAl−Mg−Si
系合金鋳塊より製造したアルミ合金製サスペンションア
ームに0.05〜0.20mmA2 の範囲でショットピー
ニング加工を施すことにより、疲労強度を良好に向上さ
せることができる。このため、充分な疲労強度を有する
アルミニウム合金製サスペンションアームを製造して、
車両の安全性を確保しつつ軽量化および操舵性の向上を
図ることができる。
【0017】以上本発明はこのような実施例に何等限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様で実施し得る。
【0018】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明方法ではA
l−Mg−Si系合金鋳塊より製造したアルミ合金製サ
スペンションアームに0.05〜0.20mmA2 の範囲
でショットピーニング加工を施すことにより、疲労強度
を良好に向上させることができる。このため、充分な疲
労強度を有するアルミニウム合金製サスペンションアー
ムを製造して、車両の安全性を確保しつつ軽量化および
操舵性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の工程を表す工程図である
【符号の説明】
S1…Al−Mg−Si系合金鋳塊 S3…熱間鍛造工程 S5…押出し加工工程 S7…時効硬化工程 S9…ショットピーニング工程

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al−Mg−Si系アルミニウム合金鋳
    塊を、熱間鍛造によりサスペンションアームに成形し、
    続いて時効硬化した後、0.05〜0.20mmA2 の範
    囲でショットピーニング加工を施したことを特徴とする
    アルミニウム合金製サスペンションアームの製造方法。
JP6608092A 1992-03-24 1992-03-24 アルミニウム合金製サスペンションアームの製造方法 Pending JPH05270225A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008248283A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Kobe Steel Ltd アルミニウム合金鍛造材の焼入れ処理方法
CN103302226A (zh) * 2012-03-16 2013-09-18 上海瑞尔实业有限公司 一种汽车底盘悬架系统前上臂零件的精密锻造工艺
JP2016182657A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム合金製サスペンションアームおよびその製造方法

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