JPH05268782A - マイクロアクチュエータ - Google Patents

マイクロアクチュエータ

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JPH05268782A
JPH05268782A JP6297792A JP6297792A JPH05268782A JP H05268782 A JPH05268782 A JP H05268782A JP 6297792 A JP6297792 A JP 6297792A JP 6297792 A JP6297792 A JP 6297792A JP H05268782 A JPH05268782 A JP H05268782A
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JP
Japan
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magnetic
microactuator
magnetic field
magnetic body
driven body
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Pending
Application number
JP6297792A
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English (en)
Inventor
Iwao Hatakeyama
巌 畠山
Osamu Ishii
修 石井
Etsu Hashimoto
悦 橋本
Yuji Uenishi
祐司 上西
Akinori Watabe
昭憲 渡部
Hidenao Tanaka
秀尚 田中
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】マイクロマシン等の微小部品を駆動する必要が
ある様々な分野に適用される、磁場と熱で駆動するマイ
クロアクチュエータに於いて、磁性体のサイズを小さく
しても、かつ当該磁性体が磁場中心に正確に配置されて
いなくても比較的一様な力が得られる様にすると共に、
薄膜状での製作を容易ならしめるマイクロアクチュエー
タを提供する。 【構成】温度により磁化の大きさが変化する磁性材から
なる磁性体4を移行方向に取付延在する被駆動物体5
と、被駆動物体5の所要位置に臨ませた対極間にある磁
性体4に磁場印加自在に設けられた対極磁石1と、当該
対極間の磁性体4の対極中心を外れた箇所を加熱するた
めの光源6,光源6からの光を調節する光学系機器及び
光スイッチ8とからなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロマシン等の微
小部品を駆動する必要のある、例えば電気や光のスイッ
チが必要となる電気,光学機器,遠隔操作を必要とする
医療機器,ロボット分野等、あらゆる分野に適用され
る、磁場と熱で駆動するマイクロアクチュエータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種、磁場と電気を用いて回転するバ
ルクを用いたアクチュエータは、これまでにも開発され
ている(例えば日経メカニカル47頁,1989年3月
20日号)。図5(a),(b)は従来発表されている
磁場と熱で回転するアクチュエータの原理図である。図
中、1は対極磁石、2は図示しない円盤の中心を軸とし
て回転出来る様にした円盤状ロータ、3は円盤状ロータ
2の円周上に等間隔に張り付けたNdCo5 磁性体、αは磁
石1から発生する磁場の中心線、βは熱である。亦、図
中の矢印はNdCo5 磁性体3の磁化の方向を示す。
【0003】図5(a)に示す様、最初の状態では対極
磁石1間の磁場の中心線αに対して、円盤状ロータ2外
周上のNdCo5 磁性体3の位置は左右対称に設定されてお
り、当該NdCo5 磁性体3に於ける矢印で示す磁化の方向
が前記対極磁石1間の磁場により受ける力も左右対称で
釣り合っているため、円盤状ロータ2は動かない。
【0004】次に同図(b)に示す様、対極磁石1間の
磁場の中心線αから外れた位置のNdCo5 磁性体3を図示
しない赤外線ランプで熱βを加えて暖める。NdCo5 磁性
体3は、62℃に加熱されると、磁化の方向は90°向
きを変えるので、この結果、前記対極磁石1間の磁場の
中心線αの左右に於いて、磁場よりNdCo5 磁性体3の磁
化の方向が受ける力のバランスが崩れる。従って、前記
円盤状ロータ2は力の弱い方向へ回転することになる。
実際に縦2mm,横2mm,厚さ1mmのNdCo5 磁性体3と、
117Wの赤外線ランプを用いて4cm径程度の円盤状ロ
ータ2を回転させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら当該従来
の原理により1mm以下のミクロンオーダのマイクロアク
チュエータを作製することは可能ではあるが、実際には
次の理由によって甚だ困難である。 1)円盤状ロータ2上に張り付けた磁性体3の磁化の方
向が90°向きを変えるだけでは力の差分が小さく、十
分な駆動力が出ない。
【0006】2)磁性体3であるNdCo5 のサイズをバル
クのままでmm以下にすることは加工技術上困難であり、
薄膜状に作製してからフォトリソグラフィ等の工程で成
形することが必須となる。しかるに、NdCo5 は非常に酸
化され易い材料であり、薄膜で特性が優れたもの(磁化
の方向が揃いしかも加熱により90°方向を変える特
性)を作製することが非常に困難である。
【0007】ここで、温度によって磁化の大きさを変え
る材料の特徴を図面に付き定量的に詳説する。図6
(a),(b)は駆動力計算のためのモデル図である。
図中、4は磁性体の1ブロック、γは磁性体4と磁場を
含む面内での磁場の中心線(N極とS極からの等距離の
線)、aは対極磁石1の中心線αから磁性体4までの距
離、bは前記磁場の中心線γと一方の磁石1までの距
離、cは前記磁場の中心線γに対する磁性体4の中心の
ズレである。
【0008】亦、磁性体4中の矢印は当該磁性体4の磁
化の方向を示す。尚、前記図5と同一部材には同一符号
を付した。磁性体4は、長さ,幅共にLの正面正方形の
ブロックで、本説明では厚さは無視する。
【0009】ここで、図6(a)に示す様に磁性体4の
磁化の方向が磁場の中心線γに対して平行の場合と、同
図(b)に示す様に直角の場合に於いて、磁性体4が磁
場によって受ける力の差を計算で示す。尚、対極磁石1
と前記磁性体4の磁荷はそれぞれ磁極の表面の一点に集
中しているとし、クーロン力を計算する。
【0010】図6(a)の場合のクーロン力F1は、
【数1】 図6(b)の場合のクーロン力F2は、
【数2】
【0011】亦、前記式を利用して実際に計算した結果
を図7に示す。但し、a=1,b=2とし、Lをパラメ
ータとしてc/bに対する引力を示した。図7より分か
る様に、F1とF2の差は、磁性体4のサイズLが小さ
くなると共に急激に小さくなる。
【0012】前記従来の磁化の向きが90°変わるタイ
プでは、その駆動力はF1とF2の差分であるため、サ
イズの減少と共に駆動力が小さくなる弊害が起きるので
ある。しかもcの大きさによっては、F1とF2が交差
する場合もあり、この場合には全く駆動力は得られない
ことになる。
【0013】これはモータの様にステータとロータが固
定されており、ロータが前記磁場中心線γ上に必ず設定
されている場合には問題ないが、被駆動体たる磁性体4
が必ずしも磁場中心線γ上にないような場合には、動か
ない場合が生じるという致命的欠陥になる。亦、F2と
比してF1のcに対する変化が大きいので、従来の原理
のアクチュエータでは、磁性体4の場所場所により力が
大きく変化することに相当し、不安定な駆動となる。
【0014】ここに於いて、本発明は前記従来の課題に
鑑み、磁場と熱によって駆動するミクロンオーダのマイ
クロアクチュエータに於いて、基本的にはF2の状態か
ら磁化を零にして力を零にする、或いは磁化の向きをそ
のままにしてその大きさを減じることで、その結果磁性
体のサイズを小さくしてもF1と零の間の力が得られ、
かつ磁性体が磁場中心にいなくても比較的一様な力が得
られる様にして、従来の原理では困難であった駆動力の
増加を達成するとともに、当該磁性体の薄膜状での製作
を容易ならしめるマイクロアクチュエータを提供せんと
するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題の解決は、本発
明が次に列挙する新規な特徴的構成手段を採用すること
により達成される。即ち、本発明の第1の特徴は、温度
により磁化の大きさが変化する磁性材からなる磁性体を
移行方向に取付け延在する被駆動体と、当該被駆動体の
所要位置に臨ませた対極間にある前記磁性体に磁場印加
自在に設けられた対極磁石と、当該対極間の磁性体の対
極中心を外れた箇所を加熱するための加熱手段と、当該
加熱手段の制御手段とからなるマイクロアクチュエータ
である。
【0016】本発明の第2の特徴は、前記第1の特徴に
おける加熱手段と制御手段が、それぞれ光源と、当該光
源からの光を調節する光学系機器及び光スイッチとから
なるマイクロアクチュエータである。
【0017】本発明の第3の特徴は、前記第1の特徴に
於ける加熱手段が、ニクロム線等の抵抗加熱用部品、或
いは高周波加熱用部品であるマイクロアクチュエータで
ある。
【0018】本発明の第4の特徴は、前記第1,第2又
は第3の特徴に於ける磁性体が、基板上にフォトリソグ
ラフィ等によって短冊状に分割し、等間隔並行配置した
磁性膜からなるマイクロアクチュエータである。
【0019】本発明の第5の特徴は、前記第1,第2,
第3又は第4の特徴に於ける被駆動体の磁性体が、その
磁性材として、Fe,Co,Ni及びそれらの合金であ
る強磁性体、又はFe,Co,Niの酸化物及びそれら
にMn,Zn等を添加したフェライト、又はRhを48
〜54at%含む合金、若しくはFe,Co,Ni等の
遷移金属とGd,Tb,Nd等の希土類との金属間化合
物を用い、形態をバルク状,薄膜状又は微粒子状等にし
てなるマイクロアクチュエータである。
【0020】本発明の第5の特徴は、前記第4の特徴に
於ける被駆動体の磁性体が、その磁性材に一軸磁気異方
性を付与してなるマイクロアクチュエータである。
【0021】
【作用】本発明は、前記の様な手段を講じたので、磁場
と光による熱効果で作動し、しかも1mm以下のミクロン
サイズのマイクロアクチュエータを作製することが可能
となる。当該アクチュエータは駆動力も大きく、磁場の
不均一性にも大きく影響を受けない安定した駆動力が得
られる。
【0022】
【実施例】(実施例1)本発明の第1実施例を図面につ
き説明する。図1は長さ数μm から数10μm の微小な
素子を直進運動する駆動系の構成原理図、図2(a)は
図1の被駆動体の先端と後端を連結して円盤状にした全
体構成原理図、(b)は同図(a)の中央縦断拡大側面
図である。
【0023】図中、2′は円盤、5は一軸磁気異方性膜
の磁性体4を張付けた被駆動体、6は光源、7はレン
ズ、8は光スイッチ、δは光スポット、9は回転軸であ
る。亦、図中の矢印は磁性体4の磁化の方向を示す。
尚、従来例と同一部材には同一符号を付した。
【0024】本実施例の磁性体4は比較的広く、キュリ
ー点で磁化が零となる強磁性体を用いることが出来る
が、Fe,Co,Ni及びその合金は、キュリー点での
磁化の減少が急峻であり、優れた材料である。但し、薄
膜状で作製する場合には大きな一軸磁気異方性が必要で
あり、室温では磁化の方向が一定である必要がある。
【0025】前記Fe,Co,Ni等の合金薄膜に対す
る一軸磁気異方性の付与方法は磁場中蒸着,磁場中アニ
ール,形状効果の付与等幾つか知られている。一方、F
e,Co,Ni及びそれらの合金はキュリー点が400
〜700℃と比較的高く、高いパワーの光源6が必要で
あるという問題があるが、近年ハイパワーレーザの開発
が目ざましいこと、アクチュエータを小さくすることに
より、加熱部分も小さくなり、光を絞って用いることが
出来るので十分対処出来る。
【0026】キュリー点が低いということではMn,Z
n等を含むフェライト(90〜200℃程度),希土類
−遷移金属の金属間化合物等(100〜200℃)があ
り、異方性を付与した薄膜として用いることが出来る。
亦、Rhを50at%程度含むFeとの合金は室温では
磁化はほぼ零であり、77℃付近で磁化が出現すること
が知られている(J.Appl.Phys.33,1343(1962))。
【0027】これを薄膜状にして異方性を付与して図
1,2に示した構成にすることにより更に安定したアク
チュエータが出来る。即ち、通常は被駆動体5は磁化を
持たないので、磁性体4を用いる場合に必要な磁場に対
するバランスを考慮する必要がない。よって形状や磁化
の均一性を厳密に考慮する必要性が小さいために作製が
楽になる。
【0028】亦、磁化の向きは揃える必要があるが、磁
気異方性の方向まで素子全体に亙って揃える必要性も小
さくなる。これは特に不均一な磁場の中で駆動させる場
合重要な特性となる。尚、ここに挙げたFe,Co,N
i及びその合金,フェライト,希土類−遷移金属の金属
間化合物,Rh−Fe合金等は何れも薄膜の作製が可能
であり、しかも種々の方法で磁気異方性付与することも
可能である。酸化に対する安定性は希土類−遷移金属の
金属間化合物を除いて全て安定である。
【0029】膜の作製と同時にある方向に磁気異方性を
付与出来れば、その後加工する必要がないので磁性膜作
製と同時に保護膜をつけて酸化を防止する方法が取れ
る。この場合、アクチュエータとしての素子の形状は、
磁性膜を付ける基板で既に加工しておく。この様な方法
で希土類−遷移金属の金属間化合物も用いることが出来
る。
【0030】本実施例の仕様は、このような具体的実施
態様であって、次にその動作を説明する。磁場の広がり
は磁性体4の磁気異方性の成因であるμm オーダの構造
分布よりも十分大きいとし、亦、磁化の向きは磁場の向
きと同じとする。最初光は照射されていないとする。こ
の状態では、磁石1の中心線αに対する被駆動体5の磁
性体4の磁化分布は対称であるので、磁場と磁化によっ
て生じる力は釣合い、被駆動体5は停止している。
【0031】次に、光スイッチ8により被駆動体5に張
り付けられた磁性膜状の磁性体4に光を照射し、光スポ
ットδ部分を加熱すると、当該光スポットδ部分は、キ
ュリーワイスの法則で磁化が減少する。なお、前記光ス
ポットδは対極磁石1の中心線αから僅かにずらすもの
とする。この結果、被駆動体5に於ける前記対極磁石1
の中心線αに対する磁化分布が非対称となり、力のバラ
ンスが崩れるため、移動する際の抵抗が小さいとすれ
ば、当該被駆動体5は力が釣り合う位置まで移動するこ
とになる。
【0032】例えば、図1に示した様に、被駆動体5の
対極磁石1の中心線αの右側に光を照射したとすれば、
右側の磁化が左側よりも小さくなり、左側が前記中心線
αに引っ張られる力が大きくなるため、被駆動体5全体
は右に移動する。前記光の照射位置たる光スポットδ位
置を固定し、連続して光を照射すると、加熱部は光が照
射されていない場所に相対移動するから、次々と反対
(左)側から新しい部分が照射されることとなり、連続
して前記被駆動体5が右側へ移動し続けることになる。
【0033】この様な運動は、磁性体4の磁性膜が一軸
磁気異方性を有し、磁化の向きが一様に揃っていること
が重要である。亦、温度が下がったときに磁化が最初の
状態に戻るためにも大きな一軸磁気異方性が必要であ
る。図2に於いて、外周に沿って環状に取付けられた磁
性体4の磁性膜の異方性の方向は円盤2′の径方向とす
る。この様な構成にすることで、光の照射によって被駆
動体5は回転する。
【0034】(第2実施例)本発明のマイクロアクチュ
エータの第2実施例を図面につき説明する。図3は本実
施例のマイクロアクチュエータを構成する被駆動体の要
部拡大構成図,図4は本実施例のマイクロアクチュエー
タの一部構成図である。図中、10は基板、11は磁性
膜、12は磁性帯体、εは被駆動体5の中心線である。
尚、前記第1実施例を示す図1及び2と同一の部材には
同一符号を付してある。
【0035】本実施例では、磁性膜11の素材として4
0%Ni−60%Fe合金を用い、スパッタリングによ
りポリイミドフィルムからなる基板10上に厚さ100
0Aの薄膜を作製した。これをフォトリソグラフィの技
術を用いて図3に示した様に、幅d=2μm ,長さe=
10μm ,間隔f=2μm の短冊状に2cmの範囲で加工
して磁性帯体12として被駆動体5を作製した。
【0036】トルクメータで測定した結果、前記磁性膜
11は短冊の長手方向を磁化容易軸とする一軸磁気異方
性を有しており、その大きさは、4×10 6erg /ccで
あった。前記磁性膜11のキュリー点はVSM測定した
結果330℃であった。一方、ポリイミド基板10のサ
イズは幅100μm ,長さ2cm,厚さg=100μm で
ある。
【0037】これを潤滑剤を塗布した平滑なシリコン基
板上に乗せ、磁極の径h=5mm,ギャップi=5mmで最
大磁束密度が10kGaussの対極磁石1の対極ギャップの
中心付近においた。尚、磁性帯体12の磁性膜11の方
向は短冊の長手方向が磁場と平行になるようにした。
【0038】対極磁石1の中心線αから2mm離れた磁性
帯体12の一部に図示しないYAGレーザ光を照射し
た。当該光の図示しないスポットδ径は10μm であ
り、光パワーは磁性帯体12面上で500mWであった。
この結果、前記磁性帯体12は基板10であるポリイミ
ドと共に光スポットδが当たっていない前記対極磁石1
の中心線αに向かって移動した。この時の移動速度は、
2mm/sec程度であった。
【0039】(第3実施例)本発明のマイクロアクチュ
エータの第3実施例を図面につき説明する。本実施例
は、前記第2実施例の図4で示した磁性帯体12と磁場
の構成で、YAGレーザの代わりに0.1mmのニクロム
線を磁性帯体12から0.2mm頭上に配置し、第1実施
例同様、磁石1の中心線αから2mm離れた所におき、前
記ニクロム線を0.2Wの電力で発熱させた。
【0040】その結果、前記第2実施例同様、前記磁性
帯体12は基板10であるポリイミドと共に対極磁石1
の中心線αに向かって移動した。この時の移動速度は、
3mm/sec程度であった。亦、本実施例に於いて、図4に
示した様に、磁性帯体12の載った被駆動体5の中心線
εを磁石1の中心線αから±1mmずらしても、移動速度
は殆ど変わらなかった。
【0041】(第4実施例)本発明のマイクロアクチュ
エータの第3実施例につき説明する。本実施例は、前記
第2実施例の図3で示した磁性膜11の素材として、R
h51at%Fe49at%合金ターゲットを用い、ス
パッタリングにより石英からなる基板10上に厚さ80
0Aの薄膜を作製した。
【0042】尚、基板10の温度は400℃であった。
製膜後、更に1500℃の0.1Torr水素雰囲気中で4
8時間アニーリングを行って取りだした。VSMで測定
した結果、室温での飽和磁化は20emu/ccであり、60
〜80℃の転移温度で560emu/ccの飽和磁気が生じ
た。転移温度は20℃程度の温度履歴を持った。
【0043】前記薄膜を前記第2実施例と同様の方法
で、かつ同サイズの短冊状に加工して磁性帯体12とし
た。これを、石英基板10ごと幅100μm ,長さ1cm
に成形し、基板10の裏面を鏡面研磨して被駆動体5と
した。これを前記第2実施例と同様の対極磁石1の対極
間においた。尚、土台は潤滑剤を塗布したシリコン基板
である。
【0044】前記第2実施例同様、本実施例の被駆動体
5の対極磁石1の中心線αから2mm離れた磁性帯体12
の一部にYAGレーザ光を照射した。光のスポットδ径
は10μm であり、光パワーは磁性帯体12面上で20
0mWであった。この結果、前記磁性帯体12は基板10
である石英と共に光スポットδが当たっていない対極磁
石1の中心線αに向かって移動した。尚、移動速度は3
mm/sec程度であった。亦、光パワーを400mWにすると
移動速度は4mm/secに増加した。
【0045】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、磁性体のサ
イズを小さくしても、かつ当該磁性体が磁場中心になく
ても比較的一様な力が得られる様にして、従来の技術で
は困難であった駆動力の増加を達成すると共に、当該磁
性体の薄膜状での製作を容易ならしめる磁場と光による
超小型なマイクロアクチュエータが作製出来るため、静
電気や超音波等を嫌う、或いは使用出来ない環境下で必
要とされる微小な駆動方法が実現される。
【0046】特に、光は空中を伝搬するため駆動エネル
ギを運ぶリード線を必要としないので、例えば電気や光
のスイッチが必要とされる電気,光学機器,遠隔操作を
必要とする医療機器,ロボット等の分野で多大な貢献が
期待出来る等、優れた有用性を具有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の長さ数μm から数10μ
m の微小な素子を直進運動する駆動系の概略構成図であ
る。
【図2】(a)は同上、被駆動体の先端と後端を連結し
て円盤状にした全体構成正面図、(b)は(a)の中央
縦断拡大側面図である。
【図3】本発明の第2実施例のマイクロアクチュエータ
を構成する被駆動体に取付けられた磁性体の要部拡大図
である。
【図4】同上のマイクロアクチュエータの一部構成正面
図である。
【図5】(a),(b)はそれぞれ従来発表されている
磁場と熱で回転するアクチュエータの原理図である。
【図6】(a),(b)はそれぞれ駆動力計算のための
モデル図である。
【図7】同上に於いてクーロン力を実際に計算した結果
のグラフである。
【符号の説明】
1…対極磁石 2…円盤状ロータ 3…NdCo5 磁性体 α…対極磁石の中心線 β…熱 4…磁性体 γ…磁性体と磁場を含む面内での磁場の中心線(N極と
S極からの等距離の線) a…対極磁石の中心線から磁性体までの距離 b…磁場の中心線と一方の磁石までの距離 c…磁場の中心線に対する磁性体の中心のズレ 2′…円盤 5…被駆動体 6…光源 7…レンズ 8…光スイッチ δ…光スポット 9…回転軸 10…基板 11…磁性膜 12…磁性帯体 ε…被駆動体の中心線
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】 本発明の第5の特徴は、前記第1,第
2,第3又は第4の特徴に於ける被駆動物体の磁性体
が、その磁性材として、Fe,Co,Ni及びそれらの
合金である強磁性体、又はFe,Co,Niの酸化物及
びそれらにMn,Zn等を添加したフェライト、又はR
hを48〜54at%含むFe合金、若しくはFe,C
o,Ni等の遷移金属とGd,Tb,Nd等の希土類と
の金属間化合物を用い、形態をバルク状,薄膜状または
微粒子状等にしてなるマイクロアクチュエータである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上西 祐司 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 渡部 昭憲 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 田中 秀尚 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】温度により磁化の大きさが変化する磁性材
    からなる磁性体を移行方向に取付け延在する被駆動体
    と、当該被駆動体の所要位置に臨ませた対極間にある前
    記磁性体に磁場印加自在に設けられた対極磁石と、当該
    対極間の磁性体の対極中心を外れた箇所を加熱するため
    の加熱手段と、当該加熱手段の制御手段とからなること
    を特徴とするマイクロアクチュエータ
  2. 【請求項2】加熱手段と制御手段は、それぞれ光源と、
    当該光源からの光を調節する光学系機器及び光スイッチ
    であることを特徴とする請求項1記載のマイクロアクチ
    ュエータ
  3. 【請求項3】加熱手段は、ニクロム線等の抵抗加熱用部
    品、或いは高周波加熱用部品であることを特徴とする請
    求項1記載のマイクロアクチュエータ
  4. 【請求項4】磁性体は、基板上にフォトリソグラフィ等
    によって短冊状に分割し、等間隔並行配置した磁性膜か
    らなる請求項1,2又は3記載のマイクロアクチュエー
  5. 【請求項5】被駆動体の磁性体は、その磁性材として、
    Fe,Co,Ni及びそれらの合金である強磁性体、又
    はFe,Co,Niの酸化物及びそれらにMn,Zn等
    を添加したフェライト、又はRhを48〜54at%含
    む合金、若しくはFe,Co,Ni等の遷移金属とG
    d,Tb,Nd等の希土類との金属間化合物を用い、形
    態をバルク状,薄膜状または微粒子状等にしたことを特
    徴とする請求項1,2,3又は4記載のマイクロアクチ
    ュエータ
  6. 【請求項6】被駆動体の磁性体は、その磁性材に、一軸
    磁気異方性を付与したことを特徴とする請求項5記載の
    マイクロアクチュエータ
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