JPH0665662A - 軟磁性合金 - Google Patents

軟磁性合金

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JPH0665662A
JPH0665662A JP22625792A JP22625792A JPH0665662A JP H0665662 A JPH0665662 A JP H0665662A JP 22625792 A JP22625792 A JP 22625792A JP 22625792 A JP22625792 A JP 22625792A JP H0665662 A JPH0665662 A JP H0665662A
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JP
Japan
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magnetic
alloy
soft magnetic
heat treatment
magnetic field
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JP22625792A
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English (en)
Inventor
Akinobu Kojima
章伸 小島
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フェライトと同程度の十分な飽和磁束密度を
有しながら、高い透磁率と、高い耐熱性を有する軟磁性
合金。 【構成】 CoxTayHfzで示される組成を有し、組
成比x,y,zが原子%で、78<x≦81、8<y<15、
5<z<13、1<y/z<2.5、x+y+z=100、な
る関係を満足する。 【効果】 フェライトと同程度の飽和磁束密度を有しな
がらも、非常に高い透磁率を有し、かつ磁歪はほとんど
0に近く、耐熱性も非常に高い。従って、磁気特性の優
れた磁気ヘッドを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】各種磁気ヘッドの磁気コアや、特
にMIGヘッドの磁性薄膜に適用できる軟磁性合金。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の分野においては、記録
密度を高めるために磁気記録媒体の高保磁力化が進めら
れ、対する磁気ヘッドの材料にも飽和磁束密度の高いも
のが要求されている。その上、最近の磁気ヘッドにおい
ては、磁気特性が優れている上に耐環境性や耐摩耗性に
も優れ、ガラス溶着工程の高温にも耐えられる耐熱性を
有した材料が要求されている。
【0003】図1は高記録密度に適したメタルインギャ
ップ型磁気ヘッド(以下、MIGヘッドと称する)の概
略構成を示し、図2はその要部構成を示すものである。
両図において、符号10がMIGヘッド、12は図中
央、矢印方向に走行する磁気記録媒体である。MIGヘ
ッド10はフェライト等からなる磁気コア14とギャッ
プ部16とから概略構成されている。ギャップ部14に
は非磁性体18が設けられ、非磁性体18には、SiO
2等が使用される。さらに、MIGヘッド10において
は、フェライト14と非磁性体18の間に磁性薄膜20
が形成されている。MIGヘッド10の記録密度を高め
るためには、この磁性薄膜20が高い飽和磁束密度(B
s)と高い透磁率(μ)を有することが必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来一般に、この磁性
薄膜20には、7500G≦Bs≦9000G、|μ|
1MHz=1000〜2000、耐熱温度が500℃〜54
0℃の特性を有するCo−Ta−Hfアモルファス薄膜
が使用されている。磁気記録媒体の保持力(Hc)が高
い場合は、磁性薄膜に高い飽和磁束密度が要求される
が、磁気記録媒体の保持力があまり高くない場合には、
磁性薄膜には、より高い透磁率を有することが重要とな
る。また、高い透磁率と共に、ガラスボンディングに耐
え得る高い耐熱性を有し、磁歪がほぼ0である特性を有
する軟磁性合金が切望されている。高性能の磁気ヘッド
を得るためには、磁歪の絶対値は5×10-7程度以下の
低磁歪に抑える必要がある。耐熱性が低く、ガラスボン
ディングの処理温度が低い(例えば、500℃以下)こ
とは、信頼性に欠け、腐食などの問題の生じ易いもので
ある。
【0005】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、フェライトと同程度の十分な飽和磁束密度を
有しながら、高い透磁率と、高い耐熱性を有する軟磁性
合金を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の軟磁性合金膜
は、CoxTayHfzで示される組成を有し、組成比x,
y,zが原子%で、 78<x≦81 8<y<15 5<z<13 1<y/z<2.5 x+y+z=100 なる関係を満足することを特徴とするものである。
【0007】請求項2記載の軟磁性合金は、請求項1記
載の軟磁性合金に、静磁場中で熱処理を施してなること
を特徴とするものである。
【0008】請求項3記載の軟磁性合金は、請求項1記
載の軟磁性合金に、回転磁場中で熱処理を施してなるこ
とを特徴とするものである。
【0009】
【作用】Coは本発明の軟磁性合金においては主成分で
あり、磁性を担う成分である。飽和磁束密度を5000
G以上にする為に、78原子%以上有することが必須で
ある。しかし、高い透磁率を得るために、81原子%以
下に抑えることが重要である。TaとHfはアモルファ
ス形成成分であり、良好な軟磁気特性を得るためにはT
aとHfの比率y/zは、1<y/z<2.5であることが
好ましい。特に、Hfは、磁歪を低下する作用があるも
のと考えられる。軟磁性合金膜に回転磁場中もしくは静
磁場中で熱処理を施すことで、さらに透磁率を高めるこ
とができる。回転磁場中で熱処理を施すことで透磁率が
高まる理由としては、熱処理中の高温状態でも軟磁性合
金膜を常に単磁区の状態として、磁壁が存在しない状態
で処理できるので、磁区の固着化(熱処理中に存在して
いた磁壁がその場所で安定化してしまい、動きにくくな
ること)が妨げられるからと考えられる。静磁場中での
熱処理は、無磁場あるいは磁場中で成膜した後に、高い
透磁率を得たい方向と略直交する方向(好ましくは直交
する方向)に印加された静磁場中で施すことが好まし
い。尚、アモルファス化促進の為に、他の元素を2原子
%以下の範囲でならば添加しても良い。
【0010】
【実施例】RFマグネトロンスパッタ装置を用いて、幅
4mm、長さ24mmの矩形状の結晶化ガラス基板上に、厚
さ約2μmのCo−Ta−Hf系の軟磁性合金膜を成膜
し、さらに、520℃〜560℃の温度範囲で、真空無
磁場中(5×10-6Torr以下)で45分間の熱処理を行
い、表1に示す6種類の軟磁性合金膜を得た。無論、軟
磁性合金薄膜は、マグネトロンスパッタ法以外でも他の
スパッタ法をはじめとする各種真空薄膜形成技術を適用
して製造することも可能である。尚、本実施例に該当す
るCo79.6Ta10.0Hf10.4、Co80.6Ta9.7
9.7、Co79.9Ta11.8Hf8.3、Co80.1Ta11.7
8.2の組成を有する各合金膜は、順に、Co82Ta9
9、Co82Ta9Hf9、Co81.5Ta11.5Hf7、Co
81.5Ta11.5Hf7をターゲットとし、かつ表1に示す
電力にてスパッタして得られたものである。同様に比較
例に該当するCo82.9Ta11.1Hf6.0、Co85.6Ta
9.0Hf5.4の組成を有する各合金膜もCo83.8Ta10.0
Hf6.2、Co84.3Ta8.2Hf5.5をターゲットとし
て、スパッタに要する電力をそれぞれ200wとして得
られたものである。得られた6種類の軟磁性合金膜につ
いて、飽和磁束密度Bs、磁歪λs、透磁率|μ
1MHz、保持力Hcを測定した。測定結果を表1に示
す。
【0011】
【表1】
【0012】表1から、比較例の合金膜に対して、本実
施例の合金膜は、飽和磁束密度Bsこそ少し低下してい
るものの、磁歪の絶対値は小さく、透磁率μは大幅に増
加していることがわかる。保持力Hcは同程度である。
尚、飽和磁束密度Bsは、フェライトの飽和磁束密度
(5〜6kG)と同程度であり、十分な値を有している
と云える。
【0013】さらに、同様にして得られた軟磁性合金膜
において、520〜560℃で45分間の真空無磁場中
での熱処理を施したものと、この真空無磁場中での熱処
理に加えて、回転磁場中で熱処理を施したものと、静磁
場中で熱処理を施したものの透磁率μを測定した。測定
結果を表2に示す。ここで、回転磁場中の熱処理とは、
例えば、図4に示すように、電磁石のポールピースのN
極1とS極2の間に、軟磁性合金膜3が形成された基板
4を配置し、基板4を回転軸Gを中心として矢印方向に
回転させながら熱処理することを示す。また、静磁場を
つくる炉は、図4に示す回転磁場をつくる炉と同一のも
のを使用できる。この場合、高透磁率を得たい方向と略
直交する方向となる位置で、試料を回転させるモータな
どの駆動装置を停止して、試料を所定の方向に向けて停
止し、この状態で熱処理を行なえば良い。さらに、熱処
理条件は下記の通りとした。 ・回転磁場中熱処理 昇温速度:設定温度まで1時間かけて昇温 保持時間:1時間 降温速度:−1.5℃/分 熱処理温度:400℃ 雰囲気:真空雰囲気 磁場:2000 Oe 回転数:20rpm ・静磁場中熱処理 昇温速度:設定温度まで1時間かけて昇温 保持時間:1時間 降温速度:−1.5℃/分 熱処理温度:400℃ 雰囲気:N2ガス気流 磁場:基板の幅方向に500 Oe印加
【0014】
【表2】
【0015】試験に供した4種類の軟磁性合金膜の組成
は、Co79.6Ta10.0Hf10.4、Co80.6Ta9.7Hf
9.7、Co79.9Ta11.8Hf8.3、Co80.1Ta11.7Hf
8.2であり、真空無磁場中での熱処理だけでも高い透
磁率を有するが、回転磁場中で熱処理を施すことによ
り、または静磁場中で熱処理を施すことにより、さらに
大幅に透磁率が増加することが表2より明らかになって
いる。
【0016】また、スパッタで成膜して得られたCo−
Ta−Hf系の軟磁性合金膜において、熱処理温度と透
磁率μの関係を調べた。測定結果を図3に示す。図3
中、(○印)と(□印)が本実施例に該当する軟磁
性合金膜であり、の合金の組成は、Co80.5Ta
13.0Hf6.5であり、の合金の組成は、Co79.6Ta
10.0Hf10.4である。またの合金の飽和磁束密度は6
000G、の合金の飽和磁束密度は5700Gであっ
た。図3中、(△印)と(×印)は比較例の合金膜
の測定結果を示すもので、の合金の組成は、Co85.5
Ta9.7Hf4.8であり、の合金の組成はCo87.5Ta
9.2Hf3.3である。の合金の飽和磁束密度は9000
G、の合金の飽和磁束密度は11000Gであった。
【0017】図3から、本実施例の合金膜であるの合
金の、透磁率が最も大きくなる最適熱処理温度は、約5
40℃、の合金の最適熱処理温度は、約560℃であ
ることがわかる。同様に、比較例の合金膜であるの合
金の最適熱処理温度は約500℃、の合金の最適熱処
理温度は490℃以下であることがわかる。このこと
は、即ち、本実施例のの合金との合金は、比較例の
との合金よりも耐熱性が高いことを意味している。
また、耐熱性が高く、熱処理温度を高くできることで、
異方性磁界を下げ、透磁率をより高めることができる。
耐熱性が高いことで、磁気ヘッドの製造工程におけるガ
ラス融着温度を高く設定でき、また融着ガラスの種類の
選択幅を広くすることができる。
【0018】
【発明の効果】本発明の軟磁性合金は、CoxTayHf
zで示される組成を有し、組成比x,y,zが原子%
で、78<x≦81、8<y<15、5<z<13、1<
y/z<2.5、x+y+z=100、なる関係を満足するこ
とを特徴とするものである。さらに、請求項2記載の軟
磁性合金は、請求項1記載の軟磁性合金に、静磁場中で
熱処理を施してなることを特徴とするものである。請求
項3記載の軟磁性合金は、請求項1記載の軟磁性合金
に、回転磁場中で熱処理を施してなることを特徴とする
ものである。この発明の軟磁性合金であれば、フェライ
トと同程度の飽和磁束密度を有しながらも、非常に高い
透磁率を有し、かつ磁歪はほとんど0に近く、耐熱性も
非常に高いものである。また、回転磁場中もしくは静磁
場中で熱処理を施せば、さらに透磁率を高くすることが
できる。よって、本発明の軟磁性合金を使用すれば、特
に磁気特性の優れた磁気ヘッドを製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】MIGヘッドの概略構成図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】各合金の熱処理温度と透磁率の関係を示すグラ
フである。
【図4】回転磁場中での熱処理の一例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10 MIGヘッド 20 磁性薄膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CoxTayHfzで示される組成を有
    し、組成比x,y,zが原子%で、 78<x≦81 8<y<15 5<z<13 1<y/z<2.5 x+y+z=100 なる関係を満足することを特徴とする軟磁性合金。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の軟磁性合金に、静磁場中
    で熱処理を施してなることを特徴とする軟磁性合金。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の軟磁性合金に、回転磁場
    中で熱処理を施してなることを特徴とする軟磁性合金。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006086412A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 National Institute For Materials Science ナノグラニュラー軟磁性膜およびその製造方法
JP2014148052A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Hagihara Industries Inc 図柄入り防水シート

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6235506A (ja) * 1985-08-08 1987-02-16 Nec Corp 非晶質軟磁性材料
JPH01242748A (ja) * 1988-03-23 1989-09-27 Alps Electric Co Ltd 耐熱性非晶質合金

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