JPH052655B2 - - Google Patents

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JPH052655B2
JPH052655B2 JP2064784A JP2064784A JPH052655B2 JP H052655 B2 JPH052655 B2 JP H052655B2 JP 2064784 A JP2064784 A JP 2064784A JP 2064784 A JP2064784 A JP 2064784A JP H052655 B2 JPH052655 B2 JP H052655B2
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Makoto Sugyama
Atsuhiko Ookita
Junzo Seki
Kazuyoshi Pponda
Takashi Nakagawa
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Nippon Shinyaku Co Ltd
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Nippon Shinyaku Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は薬物をその中に包含し、血液中から目
標組織への移行を容易ならしめる薬物担体に関す
る。 水に難溶な薬物を注射剤として使用する場合、
従来は種々の水可溶性の溶媒や界面活性剤を用い
て可溶化する方法が一般に行われていた。この方
法によれば、投与された薬物は血液によつて可溶
化剤が希釈されて次第に可溶化能を失い、時に血
管内で薬物の結晶が析出し若しくは可溶化剤その
ものが血管に働いて血管障害を引き起こすこと等
の弊害が知られていた。 近年、リン脂質で調製したリポソームを担体と
して薬物の可溶化等を図る試みが行われている。
しかし、脂質のみからなるリポソームを血液中に
投与すると、リポソームは比較的長時間血中に保
たれ、その殆どは、肝、脾、肺等の網内系細胞に
取り込まれてその他の組織には僅かしか分配され
ないことが明らかになつており、薬物の組織への
移行速度と効率については改善されるべき余地が
まだまだ残されていた。 また最近の研究によつて、リポソーム表面にモ
ノクロナール抗体を埋め込むことによりリポソー
ムの細胞選択性が向上する可能性が示されたが、
細胞への取込み機構や抗原決定基の選択など、な
お多くの問題点を有していた。 本発明者らは、かかる事情に鑑み、薬物の薬理
作用そのものに影響を与えることなく薬物を選択
的に組織内に移行せしめてその投与量を減じつつ
しかも血管障害の少ない安全性の高い薬物投与方
法を検討し続けた結果、僥倖ではあつたが、終に
本発明を想到するに至つたものである。 本発明者らは、まず血液中から組織への薬物移
行を上昇せしめる上で有効な薬物担体について
種々検討を試みた。そして、薬物が組織に移行す
る際の最初の段階である血管壁細胞への移行を上
昇せしめることにより、薬物の組織への移行が改
善されると考えた上、検討を続けたところ、血中
リポタンパクの構成成分であるアポリポタンパク
を含有する担体が前述の目的を完全に達成し得る
ことを見いだしたものである。 本発明の要旨は、薬物をタンパクと脂質とから
なる薬物担体に包含せしめることにある。 本発明においては、ヒト及び動物由来の血中リ
ポタンパクの構成成分であるアポリポタンパクを
その薬物担体に使用することができる。 血中リポタンパクは脂質とタンパク(アポリポ
タンパク)との複合体であり、生体内で脂質の運
搬を行うという生理的役割を担うことが知られて
いる。また、このものは、超遠心法による粒子密
度により或いは電気泳動法による粒子荷電等によ
り数種に分類され、それぞれ特有の生体内挙動を
とることが知られている。これらの血中リポタン
パク特有の性質は、その構成成分であるアポリポ
タンパクに由来するものであると考えられ、アポ
リポタンパクに対する受容体が細胞表面に存在す
ることが判つている。 すなわち、組織細胞の表面において存在する受
容体がアポリポタンパクを認識し、その上で結合
し、リポタンパクを細胞内に取り込むのである。
本発明は、このアポリポタンパクの生理学的性質
を薬物担体として応用せんとするところに特徴を
有するものである。 本発明に使用するアポリポタンパクは、公知の
方法により血中リポタンパクを分画し脱脂するこ
とにより得ることができる。 従来から、性質の異なるアポリポタンパクの存
在が知られており、それらは一般に、Apo−A,
Apo−B,Apo−C,Apo−D及びApo−Eと大
別されている。これらは単味で用いても数種混合
して用いても、或いは限定加水分解や種々の化学
修飾を行つても、いずれでも使用することができ
る。また、本発明の薬物担体に使用される脂質と
しては、天然由来のリン脂質、中性脂質及びステ
ロール類又はこれらの混合物が挙げられる。例え
ば、血中リポタンパク、卵黄、大豆、綿花、ナタ
ネ、トウモロコシ、落花生由来のリン脂質、中性
脂質及びステロール類又は純合成的に製造された
リン脂質、中性脂質又はステロール類のいずれで
もよい。本発明の薬物担体のアポリポタンパク及
び脂質の構成比は通常血中リポタンパクの一般的
通常範囲が好ましい。すなわちアポリポタンパク
2〜50(重量/重量)%、リン脂質6〜50(重量/
重量)%、中性脂質5〜85(重量/重量)%、ス
テロール類3〜45(重量/重量)%、であるが、
これらの構成比は本発明の目的に対して臨界的で
はない。 本発明におけるアポリポタンパク及び脂質から
成る薬物担体にはそれらの構成成分の混合物であ
る血中リポタンパクそのものが含まれる。これを
用いて製剤するときは薬物を担体中に分散状態或
いは混合ミセル(複合体)状態で存在させること
ができる。すなわち、本発明の要旨のひとつは、
薬物を分散状態或いは混合ミセルの形態でタンパ
クと脂質とからなる薬物担体に包含せしめること
にある。 本発明の担体の粒径は薬物を包含した場合にお
いて5000Å以下のものが好ましく、とりわけ500
Å以下のものが良い。生体内に既存する血中リポ
タンパクの粒径に近似するほど安全性が高くさら
に体内での組織移行性、薬理効果などが優れてい
るからである。 本発明を適用しうる薬物としては、医薬上許容
されるものであれば特に限定されることはない
が、水に不溶若しくは難溶な薬物であつても使用
することができる。薬物が担体と容易に複合体を
形成するからである。水溶性の薬物については担
体の構成成分であるタンパク若しくは脂質に化学
的に結合させて使用することもできる。しかしこ
の場合には、生体内で活性型の薬物が酵素的或い
は非酵素的に遊離することが要求される。 本発明を適用する場合の薬物濃度、すなわち担
体に対する薬物量は、その薬物の生物学的活性に
よつて種々に変化させることができる。本発明に
係る薬物担体を使用した製剤の製造においては、
従来から実験的に行われてきた既知の手法を応用
することができる。例えば、薬物を含む各構成成
分を水に懸濁し超音波処理によつて混合ミセル
(複合体)を形成せしめる方法や、界面活性剤
(例えば胆汁酸)で可溶化した後、透析やゲルク
ロマトグラフイーにより界面活性剤を除去し混合
ミセル(複合体)を形成せしめる方法を用いるこ
とができる。また、血中リポタンパクそのものや
上記の手法で製造した担体に対してシリカゲル、
セライト、若しくは濾紙等の固体表面上での薬物
を担体中に移行せしめることにより製造する方法
をとることもできる。更に、薬物と脂質の混合物
にアポリポタンパクを添加して製造することもで
きる。 混合ミセル(複合体)の形成とその粒径は電子
顕微鏡で容易に確認することができる。 本発明に係る薬物担体の製剤の任意の成分とし
ては、一般注射剤に用いられる添加剤及び補助物
質、例えば酸化防止剤、防腐剤、安定化剤、等張
化剤、緩衝剤等を挙げることができる。これらの
添加剤、補助剤の要求量及び最適量は、所望によ
り変化させることができる。 このようにして得られる薬物を包含した薬物担
体は、滅菌し窒素ガスとともにアンプル中に封入
することができる。また所望により凍結乾燥する
こともできる。凍結乾燥させた薬物担体は、使用
前に常法に従つて静脈内投与に適当な溶液に水又
は等張食塩水の添加により復元することができ
る。 本発明の構成に欠くことのできない要素のひと
つであるアポリポタンパクは公知の物質であり、
その分画法や製造法についても既に多くの研究が
なされている。しかし、リポタンパクの生理学的
性質を応用し、これを薬物担体として利用するこ
とを明らかにした報告は未だなされてはいない。 本発明によれば、血中から組織中への薬物の選
択的かつ迅速な移行を可能にし、薬物の応用価値
を著しく高めることができるが、既に詳述したよ
うに、本発明のこの効果は、本発明者らの研究に
よつて始めて可能となつたものである。 以下に本発明の実施例をあげて本発明を更に詳
しく説明する。 実施例 1 (1) 一夜絶食した雄性ウイスター系ラツト(体重
約250g)より得た血清よりリポタンパクを、
密度1.063の溶媒中で、100000G・24時間の超
遠心処理を施しリポタンパクを浮上させること
により得た。このリポタンパク(アポリポタン
パクと脂質の複合体)をそのまま薬物担体とし
て以下の実験に用いた。 (2) 被験薬物として、血管強化、止血、膜透過性
抑制等の薬理作用を有する化合物であるβ−シ
トステリル−β−D−グルコサイドを用いた。
試験管にセライトNo.545(和光純薬製)を50mgと
り、α−トコフエロール0.5μg及びβ−シトス
テリル−β−D−グルコサイド100μgをそれぞ
れクロロホルム溶液として加え、減圧下溶媒を
完全に除去した。 上記の薬物担体溶液2.0mlを加え穏やかに攪
拌しながら37℃で20時間保温した。3600rpm、
10分の遠心処理によりセライトを沈澱せしめ、
上清にβ−シトステリル−β−D−グルコサイ
ドを取り込んだ薬物担体溶液を得た。 この溶液は0.2μmのメンブレンフイルターを
通過させるとにより巨大粒子を除去し、同時に
滅菌した。 上記操作により、約10μg/mlのβ−シトス
テリル−β−D−グルコサイドがリポタンパク
内に導入され、β−シトステリル−β−D−グ
ルコサイドを含有する薬物担体の製剤が得られ
た。 (3) ウイスター系ラツト(体重約200g)を用い
て、上記β−シトステリル−β−D−グルコサ
イドを導入した薬物担体製剤を検体試料として
静脈内投与し、その後の血中β−シトステリル
−β−D−グルコサイド濃度の経時的な推移を
測定した。比較のために、以下のような組成の
β−シトステリル−β−D−グルコサイドリポ
ソーム製剤と、対照試料として2%HCO−60
により可溶化したβ−シトステリル−β−D−
グルコサイド溶液についても同様に静脈内投与
し、血中濃度の推移を測定した(第1図)。 なおリポソーム製剤はβ−シトステリル−β
−D−グルコサイド7mg、卵黄ホスフアチジル
コリン29mg、コレステロール7mg、HCO−60
100mg、グルコース450mgが等張リン酸緩衝液10
ml中に含有されるものであり、常法に従つて超
音波処理により調製したものである。 ○印線は、検体試料を投与した場合のもの、
×印線はリポソーム製剤を投与した場合のも
の、●印線は対照試料を投与した場合のもの
で、それぞれ3例の平均値を示す。 第1図から検体試料中のβ−シトステリル−
β−D−グルコサイドの血中からの消失はリポ
ソーム製剤中や対照試料中のβ−シトステリル
−β−D−グルコサイドの消失より極めて速や
かであり、検体試料中のβ−シトステリル−β
−D−グルコサイドは組織移行性が優れている
ことが判る。 (4) 検体試料の静脈内投与後30分と6時間に得た
血液を、常法に従つて前記のように超遠心処理
により血中のリポタンパクを分画した。その結
果、検体試料中に含有されたβ−シトステリル
−β−D−グルコサイドはいずれの測定時間に
おいてもすべて血中リポタンパク画分に存在し
ていることが判つた。 (5) (a) ddy系雄性マウス(体重約30g)の尾端
止血時間を指標として止血効果を判定した。 上記β−シトステリル−β−D−グルコサ
イドを導入した薬物担体製剤を検体試料と
し、生理食塩水で種々の濃度に希釈して、尾
静脈内に投与した。投与後一定時間に鋭利な
刃物で尾端を切断し出血が認められなくなる
時間すなわち止血時間を分光光度計を用いて
測定した。対照試料としてHCO−60により
可溶化したβ−シトステリル−β−D−グル
コサイド溶液についても同様に静脈内投与し
て止血時間を測定した。検体試料又は対照試
料を投与した場合のβ−シトステリル−β−
D−グルコサイド用量と、投与後1時間後の
止血時間との関係すなわち用量作用曲線を第
2図に示した。 ○印線は検体試料を投与した場合のもの、
●印線は対照試料を投与した場合のもので、
それぞれ5例の平均と標準誤差値を示す。 対照試料は、約10μg/Kgの用量を変曲点
としたシグモイド形の用量作用曲線が得ら
れ、25μg/Kgの用量で明確な止血作用が得
られた。一方、検体試料は約0.1μg/Kgの用
量を変曲点としたシグモイド形の用量作用曲
線が得られ、0.23μg/Kgの用量で明確な止血
作用が得られることが判つた。すなわち、検
体試料中のβ−シトステリル−β−D−グル
コサイドは、対照試料の1/100以下の投与量
で同等の薬理効果をあげることができる。 (b) ウイスター形雄性ラツト(体重約200g)
のヒスタミン皮内投与による血管透過性亢進
に対する抑制作用を指標にした。検体試料又
は対照試料を頸静脈内に投与した。投与1時
間後に股静脈内にエバンスブルー(10mg/
0.5ml)を投与し直ちに腹部皮内にヒスタミ
ン(1.6μg/20μ)を注入した。30分後皮内
に漏出したエバンスブルーを620nmで比色定
量した。検体試料と対照試料を投与した場合
の血管透過性抑制効果を第1表に示した。
【表】 42μg/Kgのβ−シトステリル−β−D−グル
コサイドの投与で対照試料に血管透過性抑制効果
は得られなかつたが、検体試料中のβ−シトステ
リル−β−D−グルコサイドは同用量でエバンス
ブルーの漏出を約1/2に抑制し、明確な血管透過
性抑制効果を現した。 実施例 2 ddy系雄性マウスを用い、実施例1と同様の方
法で薬物担体を得た。 また、健常男子ボランテイアにより得た血液よ
り分画したリポタンパク(アポリポタンパクと脂
質の複合体)を担体として用い、実施例1と同様
の方法で薬物担体を得た。 これらの薬物担体についても、マウスに対する
止血効果を調べたところ、実施例1で得た薬物担
体の最低有効投与量0.23μg/Kgのβ−シトステリ
ル−β−D−グルコサイドと同じ用量で同様の明
確な薬理効果が得られることが判つた。 担体に用いるアポリポタンパクの由来は、本発
明を限定するものではないことが判明した。 実施例 3 実施例1と同様にラツト血中リポタンパク(ア
ポリポタンパクと脂質の複合体)をそのまま薬物
担体として用いた。 被験薬物として心機能の改善に有効な医薬品と
して臨床的にも利用されている化合物ユビデカレ
ノン(別名コエンザイムQ10)を用いた。担体へ
のユビデカレノンの導入は濾紙を用いて行つた。
ワツトマンNo.1濾紙をユビデカレノンのクロロホ
ルム溶液にいつたん浸し、窒素ガス気流で完全に
乾燥させる。このユビデカレノンを含んだ濾紙を
担体溶液中に投入し4℃で90分間穏やかに振盪し
ながら保温する。その後濾紙を取り出し担体溶液
を0.2μmメンブレンフイルターを通過させ滅菌す
る。この操作によりユビデカレノンが約100μg/
mlの濃度でリポタンパク中に導入され、ユビデカ
レノンを包含する薬物担体の製剤が得られる。 上記薬物担体製剤を検体試料とし、雄性モルモ
ツト(体重約300g)に静脈内投与して血中ユビ
デカレノン濃度の経時的推移を測定した。投与し
たユビデカレノン量は0.6mg/Kgであつた。比較
のためユビデカレノンのリポソーム製剤及び
HCO−60により可溶化したユビデカレノン溶液
を対照試料として検体試料と同様に静脈内投与し
血中ユビデカレノン濃度推移を測定した(第3
図)。ユビデカレノンリポソーム製剤は、常法に
従つて卵黄ホスフアチジルコリン、コレステロー
ル、ユビデカレノンをそれぞれモル比で30:10:
3で混合し生理食塩水を加えて超音波処理を行い
次にセフアデツクスG−50カラムに負荷してリポ
ソーム分画を集めて調製した。 ○印は検体試料を投与した場合のもの、×印は
リポソーム製剤を投与した場合のもの、●印は対
照試料を投与した場合のものである。それぞれ3
例の平均値を示す。第3図に示すように検体試料
中のユビデカレノンの血中からの消失は投与後90
分で折れ曲がる2本の直線で示され、その消失半
減期は第1相目が13.1分、第2相目が11.9時間で
あつた。また、リポソーム製剤中のユビデカレノ
ンの血中からの消失は投与後150分で折れ曲がる
2本の直線で示され、その消失半減期は第1相目
が35.3分、第2相目が17.7時間であつた。対照試
料中のユビデカレノンの血中からの消失は1本の
直線で示され、その消失半減期は23.7時間であつ
た。 これらのことから、検体試料の中のユビデカレ
ノンの血中からの消失、すなわち組織への移行
は、リポソーム製剤や対照試料に比べて極めて速
やかであることが判つた。 実施例 4 被験薬物としてコレステロール低下剤である
4,4−(イソプロピリデンジチオ)ビス−〔2,
6−ジ−tert−ブチルフエノール〕(一般名プロ
ブコール)を用いた。実施例1と同様にラツトよ
り得た血中リポタンパク溶液にヘプタンを加えて
振盪することにより脂質を抽出しリポタンパクを
脱脂する。水層を凍結乾燥しアポリポタンパクを
得た。試験管に卵黄ホスフアチジルコリン10mg、
コレステロール3mg、及びプロブコール1mgを取
り、生理食塩水2mlを加えて10分間超音波処理を
行い脂質−薬物複合体を作成する。別に凍結乾燥
したアポリポタンパク1mgを生理食塩水1mlに懸
濁しこれを先の脂質−薬物懸濁液に加えて30秒間
の超音波処理の後1時間37℃で穏やかに振盪す
る。この溶液を0.2μmのメンブレンフイルターを
通して巨大粒子を除くと同時に滅菌する。上記の
操作により約300μg/mlのプロブコールを包含し
た薬物担体製剤が得られた。 このプロブコールを包含する薬物担体溶液の凍
結乾燥物は、凝集して外観上はブロツク状を呈し
ている。 実施例 5 抗炎症剤として臨床的に利用されている合成副
腎皮質ホルモン剤であるデキサメタゾンを被検薬
物とした。担体への導入を容易にするために、デ
キサメタゾンに脂肪酸であるパルミチン酸を化学
的に結合させたデキサメタゾンパルミテートを用
いた。 実施例4で得られたアポリポタンパクの凍結乾
燥物2mgと卵黄ホスフアチジルコリン8mgとコレ
ステロール2mg及びデキサメタゾンパルミテート
1mgを試験管にとり、0.5%コール酸ナトリウム
水溶液を5ml加え穏やかに攪拌しながら4℃で20
時間保温する。次に透析用セルロースチユーブを
用い、生理食塩水を外液として透析を行い、コー
ル酸ナトリウムを除去した。透析終了後0.2μmの
メンブレンフイルターを通し巨大粒子を除去する
とともに濾過滅菌する。この操作により約
180μg/mlのデキサメタゾンパルミテートを包含
する薬物担体製剤が得られた。 このものの生理活性を測定するため、以下の実
験を行つた。 抗炎症作用の検討法として肉芽襄法を用いた。
ウイスター系雄性ラツト(体重約120g)の背部
に、2%λカラゲニン4mlを注入した。5日後、
6日後、7日後にそれぞれの薬剤を尾静脈内に計
3回投与した。被験薬剤としては、上記デキサメ
タゾンパルミテートを導入した薬物担体製剤を検
体試料とし、比較のためアポリポタンパクを添加
せず検体試料と同様の操作により得られるデキサ
メタゾンパルミテート脂質複合体製剤及び対照試
料として水溶性のデキサメタゾンジソジウムウホ
スフエートを生理食塩水に溶解したものを検体試
料と同様に静脈内に投与した。実験開始後8日目
に肉芽襄を摘出し重量を測定した。 それぞれの薬剤の肉芽襄形成の抑制率を第4図
に示した。 ○印線は検体試料を投与した場合のもの、×印
線はデキサメタゾンパルミテート−脂質複合体製
剤を投与した場合のもの、●印線は対照試料を投
与した場合のもので、それぞれ5例の平均値を示
す。 これから判るように、検体試料の抗炎症作用は
かなり強く、デキサメタゾンとしてのED50を計
算すると検体試料は0.03mg/Kgでデキサメタゾン
パルミテート脂質複合体製剤のそれは0.45mg/Kg
であり、対照試料の水溶性デキサメタゾンは、
0.60mg/Kgであつた。 同じ薬理効果を得るためには、検体試料はそれ
ぞれの1/15、1/20の投与量でよいことが判つた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で製造した本発明の薬物担
体の効果を表わす。 縦軸は、血中β−シトステリル−β−D−グル
コサイドの量(血液1ml当たりの投与量に対する
割合(%))を表わす。横軸は、投与後の経過時
間(時間)を表わす。○印線は検体試料を、×印
線はリポソーム製剤の場合を、●印線は対照試料
をそれぞれ表わす。第2図は、実施例1で製造し
た本発明の薬物担体の効果を止血作用を指標とし
て表わす。縦軸は止血時間(分)を表わす。横軸
は、投与したβ−シトステリル−β−D−グルコ
サイドの量(μg/Kg i.v.)を表わす。○印線は
検体試料を、●印線は対照試料を、それぞれ表
す。第3図は、実施例2で製造した本発明の薬物
担体の効果をユビデカレノン血中消失速度を指標
として表わす。縦軸は血中ユビデカレノン濃度
(μg/ml)を、横軸は投与後の経過時間(時間)
を表わす。○印線は検体試料を、×印線はリポソ
ーム製剤試料を、●印線は対照試料を、それぞれ
表わす。第4図は、実施例5で製造した本発明の
薬物担体の効果を肉芽襄法による肉芽襄形成抑制
率でみた結果を表わす。縦軸は肉芽襄形成抑制率
(%)を、横軸は投与したデキサメタゾンの量
(mg/Kg)を表わす。○印線は検体試料を、×印線
はデキサメタゾンパルミテート−脂質複合体製剤
の試料を、●印線は対照試料を、それぞれ表わ
す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アポリポタンパクと脂質とから成る薬物担
    体。 2 脂質がリン脂質、中性脂質又はステロール類
    である特許請求の範囲第1項記載の薬物担体。
JP2064784A 1984-02-06 1984-02-06 薬物担体 Granted JPS60163824A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2064784A JPS60163824A (ja) 1984-02-06 1984-02-06 薬物担体

Applications Claiming Priority (1)

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JP2064784A JPS60163824A (ja) 1984-02-06 1984-02-06 薬物担体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60163824A JPS60163824A (ja) 1985-08-26
JPH052655B2 true JPH052655B2 (ja) 1993-01-13

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ID=12033011

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JP2064784A Granted JPS60163824A (ja) 1984-02-06 1984-02-06 薬物担体

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