JPH0526556A - 野菜貯蔵用冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、直冷式冷凍サイクルを用いた野菜
貯蔵用冷蔵庫に関するもので、庫内温度ムラ及び除霜信
頼性を改善し、露垂れによる野菜の損傷防止も含めて長
期保存能力を高めることを目的としている。 【構成】 内箱３の裏面に密着固定した冷却パイプ６で
冷却する直冷式冷蔵庫の本体１の庫内に、強制対流用の
送風機１３を設け、圧縮機７の停止時に運転させる構成
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、野菜を新鮮な状態で保
存する野菜貯蔵用冷蔵庫に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来例を図２に従い説明する。図におい
て、１は野菜貯蔵用冷蔵庫の本体で、外箱２、内箱３お
よびこれら両箱２、３間に充填された断熱材４によって
構成されている。５は本体１の開口面を開閉する扉であ
り、６は内箱３の断熱材４側側面に密着固定された冷却
器パイプである。７は冷凍サイクルの圧縮機であり、８
は庫内温度を検知して圧縮機７を運転・停止するサーモ
スタットである。９は上面が開口した野菜貯蔵容器であ
り、１０は野菜貯蔵容器９の上部開口面に密接して設け
られ、前後にゴム製パッキン（図示せず）が配設された
ガラス製蓋体である。１１は前記野菜貯蔵容器９内に収
納された野菜、１２は食品収納棚である。

【０００３】かかる構成において、圧縮機７の運転時に
は冷却器パイプ６に冷媒が流れて内箱３の庫内が冷却さ
れ、サーモスタット８が一定温度を検知すると圧縮機７
が停止し、庫内温度が上昇する。このようにして内箱３
の庫内温度は常に一定に保たれる。

【０００４】また、野菜貯蔵容器９はガラス製蓋体１０
によりほぼ密閉した状態となるため、貯蔵した野菜１１
の蒸散作用により発生する水蒸気が野菜貯蔵容器９内に
保持され、野菜１１が乾燥萎縮するのを抑制し、極力長
期保存できるよう工夫されている。

【０００５】さらに、圧縮機７の停止中は、冷却器パイ
プ６の温度上昇に伴い、熱伝導的に内箱３の温度がプラ
ス温度域に転じ、庫内温度に近づいて行くため内箱３が
除霜される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な構成では、野菜貯蔵容器９は、その蓋体１０とともに
所定の位置に固定されて使用するものであり、また野菜
貯蔵容器９の大きさに収容する野菜が限定されることも
あり、有効内容積を大きく取れないため使い勝手がよい
とはいえなかった。

【０００７】また、ほとんど密閉構造であるために、野
菜１１から蒸散する水蒸気が、野菜貯蔵容器９の内表面
や、ガラス製蓋体１０の内表面に結露して付着する。こ
れは、野菜貯蔵容器９内は野菜１１の呼吸及び蒸散作用
によって絶対湿度が高まり、また呼吸熱のため温度が上
昇するのに対して、野菜貯蔵容器９およびガラス製蓋体
１０の内表面は自然対流する冷気によって冷却されて温
度が低下し、相対的に露点温度以下になるためである。

【０００８】こうして、野菜貯蔵容器９、蓋体１０の内
面に付着した水滴は、自然落下あるいは野菜貯蔵容器９
を着脱するときの振動により落下し、貯蔵している野菜
１１の表面や野菜貯蔵容器９の底面に溜まって野菜１１
が損傷し、ひどいときには腐敗に至るという問題点があ
り、実質的に野菜１１が新鮮な状態で保持される期間は
それほど長くなかった。

【０００９】本発明は上記した従来の問題点を解消する
ものであり、温度分布および除霜信頼性を向上して野菜
から生じる水蒸気の結露による野菜の損傷を未然に防止
し、野菜を長期間保存するとともに、野菜貯蔵庫として
の内容積を大きく確保し、使い勝手の良い野菜貯蔵用冷
蔵庫を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の野菜貯蔵用冷蔵庫は、冷却パイプで庫内を冷
却する直接冷却方式のものであって、密閉された野菜貯
蔵容器を設けず、庫内の一画に強制対流用の送風機を設
けて、圧縮機の停止時に運転させるものである。

【００１１】

【作用】本発明は上記した構成によって、野菜貯蔵容器
がないため、庫内の有効内容積を大きくできる。また、
圧縮機の停止中に庫内に澱んだ湿った冷気が送風機によ
り強制対流されることによって、庫内表面近傍の相対湿
度が低下し、結露が抑制されるとともに除霜時の昇華作
用が促進される。さらに同時に庫内温度のムラも縮小さ
れるものである。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を、図１に従い説明
する。なお、従来と同一構成については同一符号を付
し、その詳細な説明を省略する。

【００１３】図において、１３は庫内底部の一画に設け
た強制対流用送風機であり、１４は前記送風機１３を覆
うカバーである。また前記送風機１３は圧縮機７の停止
時に運転されるよう構成されている。１５は庫内温度補
償用ヒータで、冷却器パイプ６と同様に内箱３の断熱材
４側側面に密着固定されており、前記送風機１３と同様
に前記圧縮機７の停止時に通電される。１６は本体１の
外殻の一部に設けた外気温度検知手段であり、前記外気
温度検知手段１６が所定温度以下を検知したときには、
前記送風機１３及び庫内温度補償ヒータ１５は圧縮機７
の停止中に、予め定めた通電率に基づき断続通電される
よう構成されている。

【００１４】かかる構成において、圧縮機７の停止時に
送風機１３及び庫内温度補償ヒータ１５に通電される
と、加熱により内箱３の温度上昇が速くなり、送風機１
３による強制対流作用によって、内箱３の着霜に対する
昇華作用が促進されて、内箱３の除霜を確実に終了する
ことができる。

【００１５】また、停止中の湿り気を含んだ冷気の澱み
が送風機１３の強制対流作用で拡散され、内箱３近傍の
雰囲気温度が上昇して相対湿度が低下する。このため内
箱３への結露が抑制され、この面からも除霜の信頼性が
高められる。また、収納された野菜１１への露垂れも抑
えられ、この結果野菜１１の腐敗が未然に防止されて長
期間の鮮度保持が可能となる。さらに、強制対流効果に
より庫内温度ムラが減少し、野菜１１の収納条件が均一
化されて全体的な保鮮能力の向上が図れる。

【００１６】次に外気温度が低下して、外気温度検知手
段１６が予め定めた所定温度（例えば１０℃）より低い
温度を検知すると、圧縮機７の停止中に送風機１３と庫
内温度補償ヒータ１５は適当な間隔で断続通電される。
このため停止時間が長いことによる必要以上の加熱が防
止され、庫内温度の変動幅が小さく抑えられるとともに
電力ロスも抑えられる。これにより外気温度が広範囲に
変化しても、野菜１１の保存条件はほぼ一定に維持さ
れ、安定した保鮮能力を発揮できる。

【００１７】一方、構造的には野菜貯蔵のための密閉容
器を必要とせず、内箱３の内面全体を貯蔵空間として利
用できるため内容積が増大し、使い勝手も向上する。

【００１８】

【発明の効果】以上の様に、本発明の野菜貯蔵用冷蔵庫
によると以下のような効果が得られる。

【００１９】（１）送風機の強制対流効果で庫内の温度
ムラが縮小されるため、野菜の貯蔵条件が均一化され、
全体として安定した保鮮能力が得られる。

【００２０】（２）送風機の強制対流により、圧縮機停
止中の湿った冷気の澱みが拡散されるため内箱への結露
が抑制され、露垂れによる野菜の腐敗が防止でき長期保
鮮が可能となる。

【００２１】（３）内箱内面全体を貯蔵空間として利用
できるため内容積が増大し、使い勝手が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す野菜貯蔵用冷蔵庫の断
面図

【図２】従来例を示す野菜貯蔵用冷蔵庫の断面図

【符号の説明】

１ 本体 ２ 外箱 ３ 内箱 ４ 断熱材 ６ 冷却器パイプ ７ 圧縮機 ８ サーモスタット １３ 送風機 １５ 庫内温度補償ヒータ １６ 外気温度検知手段

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体の庫内を冷却する冷却器パイプと、
   この冷却パイプに連結され、庫内を冷却する冷凍サイク
   ルの圧縮機と、前記圧縮機の運転を制御するサーモスタ
   ットと、前記圧縮機の停止時に庫内の冷気を強制循環す
   る送風機とを備えて成る野菜貯蔵用冷蔵庫。
2. 【請求項２】 圧縮機の停止時に動作する庫内温度補償
   ヒータを設けて成る請求項１記載の野菜貯蔵用冷蔵庫。
3. 【請求項３】 外気温度検知手段を設け、前記外気温度
   検知手段が所定温度以下を検知した時は、庫内温度補償
   ヒータと送風機とを圧縮機の停止時に断続的に動作させ
   て成る請求項２記載の野菜貯蔵用冷蔵庫。