JPH05261588A - セラミックスと金属の接合用ロウ材及びその接合方法 - Google Patents
セラミックスと金属の接合用ロウ材及びその接合方法Info
- Publication number
- JPH05261588A JPH05261588A JP9207192A JP9207192A JPH05261588A JP H05261588 A JPH05261588 A JP H05261588A JP 9207192 A JP9207192 A JP 9207192A JP 9207192 A JP9207192 A JP 9207192A JP H05261588 A JPH05261588 A JP H05261588A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metal
- joining
- brazing material
- ceramics
- brazing filler
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高温大気中におけるロウ材の劣化を抑制し、
接合強度の低下を防止するセラミックスと金属の接合用
ロウ材及びその接合方法を提供すること。 【構成】 セラミックスと金属の接合用ロウ材として、
AuとNiを主成分とし、これに1〜10wt%のTiを
配合したロウ材を用い、かつ、接合温度として、用いる
ロウ材の液相線温度乃至その液相線温度より100℃高い
温度の範囲内で加熱すること。 【効果】 従来のAg−Cu−Ti系ロウ材よりも高温
特性に優れたセラミックス−金属接合体が得られる効果
が生ずる。特に本発明により、高温強度の低下という問
題をAu−Ni−Ti系ロウ材を用いることによって改
善することができたため、高温構造部材としての用途が
大幅に拡大するセラミックス−金属接合体を提供するこ
とができる。
接合強度の低下を防止するセラミックスと金属の接合用
ロウ材及びその接合方法を提供すること。 【構成】 セラミックスと金属の接合用ロウ材として、
AuとNiを主成分とし、これに1〜10wt%のTiを
配合したロウ材を用い、かつ、接合温度として、用いる
ロウ材の液相線温度乃至その液相線温度より100℃高い
温度の範囲内で加熱すること。 【効果】 従来のAg−Cu−Ti系ロウ材よりも高温
特性に優れたセラミックス−金属接合体が得られる効果
が生ずる。特に本発明により、高温強度の低下という問
題をAu−Ni−Ti系ロウ材を用いることによって改
善することができたため、高温構造部材としての用途が
大幅に拡大するセラミックス−金属接合体を提供するこ
とができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックスと金属の
接合用ロウ材及びその接合方法に関し、特にAu−Ni
−Ti系ロウ材からなるセラミックスと金属の接合用ロ
ウ材及び該ロウ材を使用してセラミックスと金属とを接
合する方法に関する。
接合用ロウ材及びその接合方法に関し、特にAu−Ni
−Ti系ロウ材からなるセラミックスと金属の接合用ロ
ウ材及び該ロウ材を使用してセラミックスと金属とを接
合する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス−金属接合体は、高温構造
部材として利用が期待されている材料である。そして、
セラミックスと金属の従来の接合法としては、Ag−C
u−Ti系ロウ材を用い、このロウ材をセラミックスと
金属との間に挟み、加熱し、接合する手段が試みられて
いる。
部材として利用が期待されている材料である。そして、
セラミックスと金属の従来の接合法としては、Ag−C
u−Ti系ロウ材を用い、このロウ材をセラミックスと
金属との間に挟み、加熱し、接合する手段が試みられて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
ら用いられている上記Ag−Cu−Ti系ロウ材は、高
温域での耐酸化特性に乏しいという欠点があり、このた
め、高温大気中で使用する場合には、Niメッキ等を施
し、ロウ材表面を保護しなければならないという問題点
を有している。また、耐酸化特性に優れているAu−N
i系ロウ材は知られており、市販されているが、このロ
ウ材は、セラミックスに濡れず、このため、セラミック
スと金属とを接合させることができない。
ら用いられている上記Ag−Cu−Ti系ロウ材は、高
温域での耐酸化特性に乏しいという欠点があり、このた
め、高温大気中で使用する場合には、Niメッキ等を施
し、ロウ材表面を保護しなければならないという問題点
を有している。また、耐酸化特性に優れているAu−N
i系ロウ材は知られており、市販されているが、このロ
ウ材は、セラミックスに濡れず、このため、セラミック
スと金属とを接合させることができない。
【0004】本発明は、上記欠点、問題点を解消するセ
ラミックスと金属の接合用ロウ材及びその接合方法を提
供することを目的とする。特に、本発明の目的は、高温
大気中におけるロウ材の劣化を抑制し、接合強度の低下
を防止するセラミックスと金属の接合用ロウ材及びその
接合方法を提供するにある。
ラミックスと金属の接合用ロウ材及びその接合方法を提
供することを目的とする。特に、本発明の目的は、高温
大気中におけるロウ材の劣化を抑制し、接合強度の低下
を防止するセラミックスと金属の接合用ロウ材及びその
接合方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そして、本発明は、セラ
ミックスと金属の接合手段として、Au−Ni−Ti系
ロウ材を使用すること、並びに、接合条件として、該ロ
ウ材の液相線温度乃至その液相線温度より100℃高い温
度の範囲で加熱することを特徴とし、これによって上記
目的を達成したものであり、特に高温構造部材として利
用できるセラミックス−金属接合体を提供するものであ
る。
ミックスと金属の接合手段として、Au−Ni−Ti系
ロウ材を使用すること、並びに、接合条件として、該ロ
ウ材の液相線温度乃至その液相線温度より100℃高い温
度の範囲で加熱することを特徴とし、これによって上記
目的を達成したものであり、特に高温構造部材として利
用できるセラミックス−金属接合体を提供するものであ
る。
【0006】即ち、本発明は、 (1) AuとNiを主成分とし、これに1〜10wt%のT
iを配合してなることを特徴とするセラミックスと金属
の接合用ロウ材、及び、 (2) AuとNiを主成分とし、これに1〜10wt%のT
iを配合してなる接合用ロウ材をセラミックスと金属と
の間に挟み、非酸化雰囲気中で該ロウ材の液相線温度乃
至その液相線温度より100℃高い温度の範囲で加熱し、
接合することを特徴とするセラミックスと金属の接合方
法、を要旨とするものである。
iを配合してなることを特徴とするセラミックスと金属
の接合用ロウ材、及び、 (2) AuとNiを主成分とし、これに1〜10wt%のT
iを配合してなる接合用ロウ材をセラミックスと金属と
の間に挟み、非酸化雰囲気中で該ロウ材の液相線温度乃
至その液相線温度より100℃高い温度の範囲で加熱し、
接合することを特徴とするセラミックスと金属の接合方
法、を要旨とするものである。
【0007】本発明者等は、従来の前記したAg−Cu
−Ti系ロウ材の使用で生ずる高温大気中におけるロウ
材の劣化を抑制し、接合強度の低下を防止するセラミッ
クス−金属接合体の接合方法について鋭意研究を重ねた
結果、本発明を完成したものである。即ち、本発明者等
は、前記したとおり、セラミックスと金属の間にAuと
Niを主成分とし、Tiが1〜10wt%含まれているロ
ウ材を挟み、非酸化雰囲気中で、ロウ材の液相線温度か
ら液相線温度より100℃高い温度範囲で加熱処理するこ
とにより、従来の前記したAg−Cu−Ti系ロウ材よ
りも高温特性に優れたセラミックス−金属接合体が得ら
れるとの知見を得、本発明を完成したものである。
−Ti系ロウ材の使用で生ずる高温大気中におけるロウ
材の劣化を抑制し、接合強度の低下を防止するセラミッ
クス−金属接合体の接合方法について鋭意研究を重ねた
結果、本発明を完成したものである。即ち、本発明者等
は、前記したとおり、セラミックスと金属の間にAuと
Niを主成分とし、Tiが1〜10wt%含まれているロ
ウ材を挟み、非酸化雰囲気中で、ロウ材の液相線温度か
ら液相線温度より100℃高い温度範囲で加熱処理するこ
とにより、従来の前記したAg−Cu−Ti系ロウ材よ
りも高温特性に優れたセラミックス−金属接合体が得ら
れるとの知見を得、本発明を完成したものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明すると、本発明
において、接合用セラミックスとしては、窒化物系、炭
化物系、酸化物系等の何れのセラミックスをも使用する
ことができ、これを限定するものではない。また、接合
用金属としても、本発明において限定されるものでな
く、SNCM 439の耐熱鋼など所望により任意の金属を接合
用として使用することができる。
において、接合用セラミックスとしては、窒化物系、炭
化物系、酸化物系等の何れのセラミックスをも使用する
ことができ、これを限定するものではない。また、接合
用金属としても、本発明において限定されるものでな
く、SNCM 439の耐熱鋼など所望により任意の金属を接合
用として使用することができる。
【0009】本発明は、Au−Ni−Ti系ロウ材を用
いる点を特徴とするものであるが、このロウ材は、Au
とNiを主成分とし、これに1〜10wt%のTiを配合
した組成からなるものが好ましい。Ti含有量が1wt
%未満では、ロウ材がセラミックスに濡れ難く、このた
めセラミックスと金属とを接合させることができ難いの
で好ましくない。一方、10wt%を超えると、ロウ材が
脆化し、このため、接合強度が極端に低下し、実用に供
しない。
いる点を特徴とするものであるが、このロウ材は、Au
とNiを主成分とし、これに1〜10wt%のTiを配合
した組成からなるものが好ましい。Ti含有量が1wt
%未満では、ロウ材がセラミックスに濡れ難く、このた
めセラミックスと金属とを接合させることができ難いの
で好ましくない。一方、10wt%を超えると、ロウ材が
脆化し、このため、接合強度が極端に低下し、実用に供
しない。
【0010】本発明におけるAu−Ni−Ti系ロウ材
は、AuおよびNiに上記配合量のTiを添加して溶融
混合し、次にロ−ルで圧延して作製することができる。
そして、本発明では、このロウ材をセラミックスと金属
の間に挟み、非酸化雰囲気中で加熱することによりセラ
ミックス−金属接合体を製造する。
は、AuおよびNiに上記配合量のTiを添加して溶融
混合し、次にロ−ルで圧延して作製することができる。
そして、本発明では、このロウ材をセラミックスと金属
の間に挟み、非酸化雰囲気中で加熱することによりセラ
ミックス−金属接合体を製造する。
【0011】上記加熱温度(接合温度)についても本発
明の特徴の1つとするものであり、これは、使用するA
u−Ni−Ti系ロウ材の液相線温度乃至その液相線温
度より100℃高い温度の範囲で加熱するのが好ましい。
接合温度がロウ材の液相線温度よりも低い場合、ロウ材
が溶解せず、そのため接合不能となり、接合体を得るこ
とができない。一方、ロウ材の液相線温度より100℃を
超える高温の場合、両接合材料の熱膨張係数等の違いに
より生じる残留応力が大きくなり、このため炉冷中に破
壊してしまう恐れがあるので、好ましくない。
明の特徴の1つとするものであり、これは、使用するA
u−Ni−Ti系ロウ材の液相線温度乃至その液相線温
度より100℃高い温度の範囲で加熱するのが好ましい。
接合温度がロウ材の液相線温度よりも低い場合、ロウ材
が溶解せず、そのため接合不能となり、接合体を得るこ
とができない。一方、ロウ材の液相線温度より100℃を
超える高温の場合、両接合材料の熱膨張係数等の違いに
より生じる残留応力が大きくなり、このため炉冷中に破
壊してしまう恐れがあるので、好ましくない。
【0012】特に本発明は、この接合温度として、液相
線温度乃至それよりも50℃高い温度の範囲内であれば、
接合強度が大きいセラミックス−金属接合体が得られる
のでより好ましい。しかしながら、液相線温度より50℃
高い温度から更にそれより50℃高い温度の範囲内であっ
ても、前記温度範囲(液相線温度乃至それよりも50℃高
い温度の範囲)よりも効果が小さいものの、実用範囲内
であり、本発明で採用することができる。
線温度乃至それよりも50℃高い温度の範囲内であれば、
接合強度が大きいセラミックス−金属接合体が得られる
のでより好ましい。しかしながら、液相線温度より50℃
高い温度から更にそれより50℃高い温度の範囲内であっ
ても、前記温度範囲(液相線温度乃至それよりも50℃高
い温度の範囲)よりも効果が小さいものの、実用範囲内
であり、本発明で採用することができる。
【0013】本発明は、以上のとおり、AuとNiとを
主成分とし、これに1〜10wt%のTiを配合した組成
からなるロウ材を使用し、そして、接合条件として、該
ロウ材の液相線温度乃至その液相線温度より100℃高い
温度の範囲で加熱することにより、高温大気中における
ロウ材の劣化による接合強度の低下の少ないセラミック
ス−金属接合体を製造することができる。
主成分とし、これに1〜10wt%のTiを配合した組成
からなるロウ材を使用し、そして、接合条件として、該
ロウ材の液相線温度乃至その液相線温度より100℃高い
温度の範囲で加熱することにより、高温大気中における
ロウ材の劣化による接合強度の低下の少ないセラミック
ス−金属接合体を製造することができる。
【0014】
【作用】次に、本発明のAu−Ni−Ti系ロウ材の作
用について説明すると、AuとNiを主成分とするロウ
材は、耐酸化性に優れている利点があるが、セラミック
スに対する濡れ性が悪い欠点を有している。しかしなが
ら、本発明において、AuとNiを主成分とするロウ材
に対し、更に1〜10wt%のTiを含有させることによ
り、セラミックスとの濡れ性が向上し、そのため、ロウ
材とセラミックスとの接合界面の密着性が良好となる作
用が生ずる。これは、接合界面近傍にロウ材中のTiと
セラミックス中の元素(例えば窒化物系ではN2、炭化
物系ではC、酸化物系ではO2)とが反応し、金属間化
合物が生成し、その結果、接合強度の高いセラミックス
−金属接合体を得ることができるものと考えられる。
用について説明すると、AuとNiを主成分とするロウ
材は、耐酸化性に優れている利点があるが、セラミック
スに対する濡れ性が悪い欠点を有している。しかしなが
ら、本発明において、AuとNiを主成分とするロウ材
に対し、更に1〜10wt%のTiを含有させることによ
り、セラミックスとの濡れ性が向上し、そのため、ロウ
材とセラミックスとの接合界面の密着性が良好となる作
用が生ずる。これは、接合界面近傍にロウ材中のTiと
セラミックス中の元素(例えば窒化物系ではN2、炭化
物系ではC、酸化物系ではO2)とが反応し、金属間化
合物が生成し、その結果、接合強度の高いセラミックス
−金属接合体を得ることができるものと考えられる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明をより詳細に説明する。 (実施例1〜7)図1は、本発明の実施例を説明するた
めの接合体の寸法、形状を示す図であって、図中aはセ
ラミックス、bは金属、cはロウ材である。また、接合
用セラミックスa及び接合用金属bの寸法は20mm×4mm
×3mmであり、ロウ材cは0.05mm厚のものである。
本発明をより詳細に説明する。 (実施例1〜7)図1は、本発明の実施例を説明するた
めの接合体の寸法、形状を示す図であって、図中aはセ
ラミックス、bは金属、cはロウ材である。また、接合
用セラミックスa及び接合用金属bの寸法は20mm×4mm
×3mmであり、ロウ材cは0.05mm厚のものである。
【0016】(使用材料)接合用セラミックスaとして
次のものを用いた。窒化物系としてSi3N4、炭化物系
としてSiC、酸化物系としてAl2O3(いずれも日本
セラテック社製)を使用した。また、接合用金属bとし
ては、耐熱鋼のSNCM 439(愛知製鋼社製)を用い、ロウ
材cとしては、JIS Z 3266に示されているBAu-4ロウ(8
2wt%Au−18wt%Ni)に対し外割で表1に示す
量のTiを溶融混合したものを使用した。各ロウ材の液
相線温度を表1に示す。
次のものを用いた。窒化物系としてSi3N4、炭化物系
としてSiC、酸化物系としてAl2O3(いずれも日本
セラテック社製)を使用した。また、接合用金属bとし
ては、耐熱鋼のSNCM 439(愛知製鋼社製)を用い、ロウ
材cとしては、JIS Z 3266に示されているBAu-4ロウ(8
2wt%Au−18wt%Ni)に対し外割で表1に示す
量のTiを溶融混合したものを使用した。各ロウ材の液
相線温度を表1に示す。
【0017】(接合体の製造、接合体の強度)表1に示
すセラミックスと上記耐熱鋼の間に上記ロウ材を挟んで
炉内に挿入し、接合界面に対して垂直に負荷(10gf/mm
2)を掛けた後、炉内圧を1×10-4Torrに保持し、表1に
示す接合温度で加熱して接合体を得た。得られた接合体
について、600℃で大気中で4点曲げ試験を行なった。
その試験結果を表1に示す。
すセラミックスと上記耐熱鋼の間に上記ロウ材を挟んで
炉内に挿入し、接合界面に対して垂直に負荷(10gf/mm
2)を掛けた後、炉内圧を1×10-4Torrに保持し、表1に
示す接合温度で加熱して接合体を得た。得られた接合体
について、600℃で大気中で4点曲げ試験を行なった。
その試験結果を表1に示す。
【0018】(比較例1〜6)なお、比較のため、Ti
を本発明の範囲外である0.5wt%配合した例(比較例
1、同4)及び同じく範囲外である12wt%配合した例
(比較例3、同6)を表1に示す。また、本発明の範囲内
である1wt%Tiを配合したロウ材を用いるが、接合
温度として本発明の範囲外である該ロウ材の液相線温度
より低い接合温度とした例(比較例2、同5)を表1に示
す。得られた接合体について、前記実施例と同様600℃
で大気中で4点曲げ試験を行い、その結果を同じく表1
に示した。
を本発明の範囲外である0.5wt%配合した例(比較例
1、同4)及び同じく範囲外である12wt%配合した例
(比較例3、同6)を表1に示す。また、本発明の範囲内
である1wt%Tiを配合したロウ材を用いるが、接合
温度として本発明の範囲外である該ロウ材の液相線温度
より低い接合温度とした例(比較例2、同5)を表1に示
す。得られた接合体について、前記実施例と同様600℃
で大気中で4点曲げ試験を行い、その結果を同じく表1
に示した。
【0019】(比較例7)更に、比較のため、セラミッ
クスと金属との接合用ロウ材として、従来から用いられ
ているAg−Cu−Ti系ロウ材を使用し、表1に示す
接合温度で加熱して接合体を得た。なお、Ag−Cu−
Ti系ロウ材として、TKC-710(液相線温度:785℃、田
中貴金属工業社製)を用いた。得られた接合体につい
て、前記実施例と同様600℃で大気中で4点曲げ試験を
行い、その結果を同じく表1に示した。
クスと金属との接合用ロウ材として、従来から用いられ
ているAg−Cu−Ti系ロウ材を使用し、表1に示す
接合温度で加熱して接合体を得た。なお、Ag−Cu−
Ti系ロウ材として、TKC-710(液相線温度:785℃、田
中貴金属工業社製)を用いた。得られた接合体につい
て、前記実施例と同様600℃で大気中で4点曲げ試験を
行い、その結果を同じく表1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、本発明のロウ材
(AuとNiを主成分とし、これに1〜10wt%のTi
を配合したロウ材)を使用し、かつ、接合温度として本
発明で限定する範囲内(液相線温度乃至その液相線温度
より100℃高い温度の範囲内)で加熱して得られた接合
体(実施例1〜7)では、600℃、大気中の4点曲げ強度
が80 MPa以上の高強度を示し、充分に実用化できる接合
体が得られることが理解できる。また、実施例4のよう
に、接合温度として液相線温度よりも100℃高い1060℃
で接合すると、92 MPaの強度が得られ、実用可能な接合
体が得られるが、液相線温度で接合した実施例1又は液
相線温度より50℃高い温度で接合した実施例3では、そ
れぞれ125 MPa、123 MPaという高強度のものが得られ、
実施例4に比しより高強度の接合体が得られることが理
解できる。
(AuとNiを主成分とし、これに1〜10wt%のTi
を配合したロウ材)を使用し、かつ、接合温度として本
発明で限定する範囲内(液相線温度乃至その液相線温度
より100℃高い温度の範囲内)で加熱して得られた接合
体(実施例1〜7)では、600℃、大気中の4点曲げ強度
が80 MPa以上の高強度を示し、充分に実用化できる接合
体が得られることが理解できる。また、実施例4のよう
に、接合温度として液相線温度よりも100℃高い1060℃
で接合すると、92 MPaの強度が得られ、実用可能な接合
体が得られるが、液相線温度で接合した実施例1又は液
相線温度より50℃高い温度で接合した実施例3では、そ
れぞれ125 MPa、123 MPaという高強度のものが得られ、
実施例4に比しより高強度の接合体が得られることが理
解できる。
【0022】これに対して、Tiを本発明の範囲外であ
る0.5wt%配合した比較例1、同4では、いずれも接合
不能であり、また、同じく範囲外である12wt%配合し
た比較例3、同6では、25 MPa、20 MPaの強度の接合体が
得られるにすぎなかった。更に、本発明の範囲内である
1wt%Tiを配合したロウ材を用いるが、接合温度と
して本発明の範囲外である該ロウ材の液相線温度より低
い接合温度とした比較例2、同5では、いずれも接合不能
であった。なお、従来のAg−Cu−Ti系ロウ材(TK
C−710ロウ材)を使用した比較例7では、10 MPaの値が
得られたが、これは該ロウ材部分で破壊してしまった。
る0.5wt%配合した比較例1、同4では、いずれも接合
不能であり、また、同じく範囲外である12wt%配合し
た比較例3、同6では、25 MPa、20 MPaの強度の接合体が
得られるにすぎなかった。更に、本発明の範囲内である
1wt%Tiを配合したロウ材を用いるが、接合温度と
して本発明の範囲外である該ロウ材の液相線温度より低
い接合温度とした比較例2、同5では、いずれも接合不能
であった。なお、従来のAg−Cu−Ti系ロウ材(TK
C−710ロウ材)を使用した比較例7では、10 MPaの値が
得られたが、これは該ロウ材部分で破壊してしまった。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、セラミ
ックスと金属の接合用ロウ材として、AuとNiを主成
分とし、これに1〜10wt%のTiを配合したロウ材を
用い、かつ、接合温度として、用いるロウ材の液相線温
度乃至その液相線温度より100℃高い温度の範囲内で加
熱することを特徴とするものであり、これにより、高温
大気中におけるロウ材の劣化を抑制し、接合強度の低下
を防止することができ、従来のAg−Cu−Ti系ロウ
材よりも高温特性に優れたセラミックス−金属接合体が
得られる効果が生ずる。特に、本発明により、高温強度
の低下という問題をAu−Ni−Ti系ロウ材を用いる
ことによって改善することができたため、高温構造部材
としての用途が大幅に拡大するセラミックス−金属接合
体を提供することができる。
ックスと金属の接合用ロウ材として、AuとNiを主成
分とし、これに1〜10wt%のTiを配合したロウ材を
用い、かつ、接合温度として、用いるロウ材の液相線温
度乃至その液相線温度より100℃高い温度の範囲内で加
熱することを特徴とするものであり、これにより、高温
大気中におけるロウ材の劣化を抑制し、接合強度の低下
を防止することができ、従来のAg−Cu−Ti系ロウ
材よりも高温特性に優れたセラミックス−金属接合体が
得られる効果が生ずる。特に、本発明により、高温強度
の低下という問題をAu−Ni−Ti系ロウ材を用いる
ことによって改善することができたため、高温構造部材
としての用途が大幅に拡大するセラミックス−金属接合
体を提供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するための接合体の寸
法、形状を示す図。
法、形状を示す図。
【符号の説明】 a セラミックス b 金属 c ロウ材
Claims (2)
- 【請求項1】 AuとNiを主成分とし、これに1〜10
wt%のTiを配合してなることを特徴とするセラミッ
クスと金属の接合用ロウ材。 - 【請求項2】 AuとNiを主成分とし、これに1〜10
wt%のTiを配合してなる接合用ロウ材をセラミック
スと金属との間に挟み、非酸化雰囲気中で該ロウ材の液
相線温度乃至その液相線温度より100℃高い温度の範囲
で加熱し、接合することを特徴とするセラミックスと金
属の接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9207192A JPH05261588A (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | セラミックスと金属の接合用ロウ材及びその接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9207192A JPH05261588A (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | セラミックスと金属の接合用ロウ材及びその接合方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05261588A true JPH05261588A (ja) | 1993-10-12 |
Family
ID=14044230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9207192A Pending JPH05261588A (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | セラミックスと金属の接合用ロウ材及びその接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05261588A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003531731A (ja) * | 2000-04-28 | 2003-10-28 | エリオット ターボマシナリー カンパニー インコーポレイテッド | ろう付け方法およびそれから製造された製品 |
JP2011051015A (ja) * | 2009-06-15 | 2011-03-17 | Schneider Electric Industries Sas | 反応性ろう付によるアセンブリ方法及びこの方法を用いて構成した真空カートリッジ |
CN106346098A (zh) * | 2016-08-19 | 2017-01-25 | 哈尔滨工业大学(威海) | 一种人造视网膜中镀金Al2O3陶瓷与镀金钛环的连接方法 |
-
1992
- 1992-03-18 JP JP9207192A patent/JPH05261588A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003531731A (ja) * | 2000-04-28 | 2003-10-28 | エリオット ターボマシナリー カンパニー インコーポレイテッド | ろう付け方法およびそれから製造された製品 |
JP2011051015A (ja) * | 2009-06-15 | 2011-03-17 | Schneider Electric Industries Sas | 反応性ろう付によるアセンブリ方法及びこの方法を用いて構成した真空カートリッジ |
CN106346098A (zh) * | 2016-08-19 | 2017-01-25 | 哈尔滨工业大学(威海) | 一种人造视网膜中镀金Al2O3陶瓷与镀金钛环的连接方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100709544B1 (ko) | 접합체 및 접합 방법 | |
JPH02175673A (ja) | セラミックスと金属との接合体 | |
EP0146024A2 (en) | Method for bonding ceramics to metals | |
JPH0367985B2 (ja) | ||
JP3095490B2 (ja) | セラミックス−金属接合体 | |
JPH05261588A (ja) | セラミックスと金属の接合用ロウ材及びその接合方法 | |
JPH0288482A (ja) | セラミックスのメタライズ又は接合方法 | |
JP2797011B2 (ja) | セラミックスと金属との接合体およびその製造法 | |
JPS62270483A (ja) | セラミックスのメタライズ組成物、メタライズ方法及びメタライズ製品 | |
JPH0930870A (ja) | セラミックス金属接合体および加速器用ダクト | |
JPH02108493A (ja) | セラミックス接合材 | |
JP3298235B2 (ja) | セラミックスとニッケルとの接合方法 | |
JPH07196380A (ja) | 非酸化物セラミックスと金属との接合方法 | |
JPH01205053A (ja) | セラミックと金属との接合応力緩衝合金、およびその緩衝合金を用いたセラミックと金属との接合体 | |
JP2755455B2 (ja) | セラミックス接合用ろう粉末 | |
JP3316578B2 (ja) | セラミックス部材とアルミニウム部材との接合体の製造方法 | |
JP2001048670A (ja) | セラミックス−金属接合体 | |
JPH07149578A (ja) | 炭化けい素セラミックスと金属の高強度ろう付け接合体及びその接合方法 | |
JPH07172944A (ja) | 接着用組成物、接合体およびその接合方法 | |
JP3289860B2 (ja) | セラミックスとシリコンとの接合方法 | |
JP3292767B2 (ja) | 炭化珪素セラミックスとシリコンとの接合方法 | |
JPH0497968A (ja) | セラミックス―金属接合体 | |
JP3153872B2 (ja) | 金属−窒化物系セラミックスの接合構造 | |
JPH07187839A (ja) | 窒化物系セラミックス−金属接合体およびその製造方法 | |
JPH0725674A (ja) | セラミックスと金属の接合体の製造方法 |