JPH05258364A - 光磁気記録媒体 - Google Patents
光磁気記録媒体Info
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- JPH05258364A JPH05258364A JP8641292A JP8641292A JPH05258364A JP H05258364 A JPH05258364 A JP H05258364A JP 8641292 A JP8641292 A JP 8641292A JP 8641292 A JP8641292 A JP 8641292A JP H05258364 A JPH05258364 A JP H05258364A
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- JP
- Japan
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- film
- magneto
- aln
- recording medium
- optical recording
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐食性を向上させたPd−Co系人工格子膜
またはPt−Co系人工格子膜を記録層とする光磁気記
録媒体を得る。 【構成】 透明基板上にPdとCoが交互に積層された
Pd−Co系人工格子膜またはPtとCoが交互に積層
されたPt−Co系人工格子膜を記録層とする光磁気記
録媒体において、該記録層と該透明基板との間に熱伝導
率が1.0W/cm・K以上の透明な膜を製膜する。
またはPt−Co系人工格子膜を記録層とする光磁気記
録媒体を得る。 【構成】 透明基板上にPdとCoが交互に積層された
Pd−Co系人工格子膜またはPtとCoが交互に積層
されたPt−Co系人工格子膜を記録層とする光磁気記
録媒体において、該記録層と該透明基板との間に熱伝導
率が1.0W/cm・K以上の透明な膜を製膜する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Pd−Co系人工格子
膜またはPt−Co系人工格子膜を記録層とする光磁気
記録媒体に関する。
膜またはPt−Co系人工格子膜を記録層とする光磁気
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】透明基板上にPdとCoとが交互に積層
されたPd−Co系人工格子膜またはPtとCoとが交
互に積層されたPt−Co系人工格子膜を記録層とする
光磁気記録媒体は、耐食性に優れたものとして知られて
いる(特開平2−29956)。この光磁気記録媒体に
は、記録層のみから成る1層構造のもの、記録層の上に
SiNやAlNなどの透明誘電体干渉膜やAlなどの金
属膜が製膜された2層構造のもの、および記録層の上下
にSiN、AlNなどの誘電体干渉膜や金属膜が製膜さ
れた3層構造のものがある。
されたPd−Co系人工格子膜またはPtとCoとが交
互に積層されたPt−Co系人工格子膜を記録層とする
光磁気記録媒体は、耐食性に優れたものとして知られて
いる(特開平2−29956)。この光磁気記録媒体に
は、記録層のみから成る1層構造のもの、記録層の上に
SiNやAlNなどの透明誘電体干渉膜やAlなどの金
属膜が製膜された2層構造のもの、および記録層の上下
にSiN、AlNなどの誘電体干渉膜や金属膜が製膜さ
れた3層構造のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者は、このような光磁気記録媒体に対してレーザビーム
を照射し、記録と消去を繰り返して行くと、記録媒体の
性能が劣化し、信号強度が次第に低下しノイズが大きく
なることを見出した。
者は、このような光磁気記録媒体に対してレーザビーム
を照射し、記録と消去を繰り返して行くと、記録媒体の
性能が劣化し、信号強度が次第に低下しノイズが大きく
なることを見出した。
【0004】そこで、本発明の目的は、さらに耐食性を
向上させたPd−Co系人工格子膜またはPt−Co系
人工格子膜を記録層とする光磁気記録媒体を提供するこ
とにある。
向上させたPd−Co系人工格子膜またはPt−Co系
人工格子膜を記録層とする光磁気記録媒体を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明は、透明基板上にPdとCoが交互に積層
されたPd−Co系人工格子膜またはPtとCoが交互
に積層されたPt−Co系人工格子膜を記録層とする光
磁気記録媒体において、該記録層と該透明基板との間に
熱伝導率が1.0W/cm・K以上の透明な膜が製膜さ
れていることを特徴とする光磁気記録媒体を採用するも
のである。
めに、本発明は、透明基板上にPdとCoが交互に積層
されたPd−Co系人工格子膜またはPtとCoが交互
に積層されたPt−Co系人工格子膜を記録層とする光
磁気記録媒体において、該記録層と該透明基板との間に
熱伝導率が1.0W/cm・K以上の透明な膜が製膜さ
れていることを特徴とする光磁気記録媒体を採用するも
のである。
【0006】
【作用】本発明において、Pd−Co系人工格子膜また
はPt−Co系人工格子膜で構成される記録膜と透明基
板との間に成膜される熱伝導率が1.0W/cm・K以
上の膜としては、スパッタリング法、CVD法によるA
lN、BeO等の透明誘電体膜が使用できる。しかし、
BeOが毒物であることから、AlNを用いることが好
ましい。
はPt−Co系人工格子膜で構成される記録膜と透明基
板との間に成膜される熱伝導率が1.0W/cm・K以
上の膜としては、スパッタリング法、CVD法によるA
lN、BeO等の透明誘電体膜が使用できる。しかし、
BeOが毒物であることから、AlNを用いることが好
ましい。
【0007】一般に、AlNは熱伝導率が2.0W/c
m・K以上の非常に高い値を持つと言われているが、こ
の値はAlNの単結晶の熱伝導率であって従来のスパッ
タリング法等で作成したAlNの熱伝導率は0.5W/
cm・K以下の単結晶よりも低い熱伝導率となってい
る。
m・K以上の非常に高い値を持つと言われているが、こ
の値はAlNの単結晶の熱伝導率であって従来のスパッ
タリング法等で作成したAlNの熱伝導率は0.5W/
cm・K以下の単結晶よりも低い熱伝導率となってい
る。
【0008】AlNの熱はフォノンによって伝えられる
ので、熱伝導率を良くするにはAlN薄膜の結晶中でフ
ォノンの散乱を少なくすること、即ち、AlN薄膜の結
晶性を良くすることが必要となる。この観点からスパッ
タリング法等で製膜したAlNの問題点を考えると、
(1)該AlN溥膜が粒径200オングストローム以下
程度の微結晶となっていること、(2)該AlN薄膜中
にSi、Fe、Mg等の不純物または酸素が混入してい
ること、(3)該AlN薄膜が微結晶の集まりのため密
度が低くなっていること、及び(4)該AlN薄膜の組
成がAlリッチになっていることの4つの問題点が考え
られる。
ので、熱伝導率を良くするにはAlN薄膜の結晶中でフ
ォノンの散乱を少なくすること、即ち、AlN薄膜の結
晶性を良くすることが必要となる。この観点からスパッ
タリング法等で製膜したAlNの問題点を考えると、
(1)該AlN溥膜が粒径200オングストローム以下
程度の微結晶となっていること、(2)該AlN薄膜中
にSi、Fe、Mg等の不純物または酸素が混入してい
ること、(3)該AlN薄膜が微結晶の集まりのため密
度が低くなっていること、及び(4)該AlN薄膜の組
成がAlリッチになっていることの4つの問題点が考え
られる。
【0009】これらの問題点は、(1)結晶粒径を大き
く、密度を高くするためにはスパッタリング中の製膜温
度を高くすること、(2)不純物を減らすにはターゲッ
ト中の不純物濃度の低減と真空度を良くすること、
(3)AlNの組成を一致させるには化合物ターゲット
と窒素ガス流量を最適に調節することで解決できる。
く、密度を高くするためにはスパッタリング中の製膜温
度を高くすること、(2)不純物を減らすにはターゲッ
ト中の不純物濃度の低減と真空度を良くすること、
(3)AlNの組成を一致させるには化合物ターゲット
と窒素ガス流量を最適に調節することで解決できる。
【0010】また、該AlNの膜は、300−2000
オングストローム程度の膜厚にすることが好ましい。膜
厚が300オングストロームよりも薄い場合は、結晶性
が悪くなり熱伝導率が悪くなり、また、2000オング
ストロームよりも厚く製膜するのは製膜に時間にかかる
ので好ましくない。
オングストローム程度の膜厚にすることが好ましい。膜
厚が300オングストロームよりも薄い場合は、結晶性
が悪くなり熱伝導率が悪くなり、また、2000オング
ストロームよりも厚く製膜するのは製膜に時間にかかる
ので好ましくない。
【0011】記録層と透明誘電体結晶膜の間には、透明
誘電体干渉膜が成膜されてもよい。
誘電体干渉膜が成膜されてもよい。
【0012】このような熱伝導率が1.0W/cm・K
以上の膜の成膜により、レーザビーム照射時に記録層か
ら熱を効率よく逃がすことができ、何回もの信号の書込
みと消去が可能となる。
以上の膜の成膜により、レーザビーム照射時に記録層か
ら熱を効率よく逃がすことができ、何回もの信号の書込
みと消去が可能となる。
【0013】次に、本発明の好ましい実施例と、該実施
例と比較するための比較例と従来例を説明する。
例と比較するための比較例と従来例を説明する。
【0014】(実施例1)AlNの製膜には高純度Al
N粉末を焼結して作成した高熱伝導率AlN化合物ター
ゲットを用いた。このターゲットに用いた高純度AlN
粉末は、Si、Fe、Mg等の不純物濃度を100重量
ppm、酸素の含有量を0.1重量%以下にした。得ら
れたAlN焼結体の熱伝導率は1.4W/cm・Kであ
った。
N粉末を焼結して作成した高熱伝導率AlN化合物ター
ゲットを用いた。このターゲットに用いた高純度AlN
粉末は、Si、Fe、Mg等の不純物濃度を100重量
ppm、酸素の含有量を0.1重量%以下にした。得ら
れたAlN焼結体の熱伝導率は1.4W/cm・Kであ
った。
【0015】次に、AlNのスパッタリング法を説明す
ると、最初に真空槽内を1×10-6Pa以下まで排気し
た後に基盤ホルダ内の抵抗加熱式のヒータと真空槽の底
に置いた赤外線加熱装置を用いて500°Cに加熱して
3時間排気を行った。次に、400°Cに温度を下げて
真空度が2×10-6Paを示すまで排気した。スパッタ
リングに用いたガスはアルゴンが90容量%、窒素10
容量%の混合ガスを用いた。このガスを真空槽に導入
し、、真空度が0.1Paを示すガス流量で高周波スパ
ッタリングを行った。この方法でガラス上に製膜した厚
み1μmのAlNの熱伝導率はACカロリメトリ法で測
定すると、1.2W/cm・Kであった。この膜の密度
は3.1g/ccと単結晶の95%の密度を持ってい
た。したがって、スパッタリングで作成した膜としては
結晶性のよい緻密な膜になっていると思われる。
ると、最初に真空槽内を1×10-6Pa以下まで排気し
た後に基盤ホルダ内の抵抗加熱式のヒータと真空槽の底
に置いた赤外線加熱装置を用いて500°Cに加熱して
3時間排気を行った。次に、400°Cに温度を下げて
真空度が2×10-6Paを示すまで排気した。スパッタ
リングに用いたガスはアルゴンが90容量%、窒素10
容量%の混合ガスを用いた。このガスを真空槽に導入
し、、真空度が0.1Paを示すガス流量で高周波スパ
ッタリングを行った。この方法でガラス上に製膜した厚
み1μmのAlNの熱伝導率はACカロリメトリ法で測
定すると、1.2W/cm・Kであった。この膜の密度
は3.1g/ccと単結晶の95%の密度を持ってい
た。したがって、スパッタリングで作成した膜としては
結晶性のよい緻密な膜になっていると思われる。
【0016】光磁気ディスクの作成は、ゾルゲル法で製
造したグルーブ付きガラス基板上に上述の方法でAlN
を500オングストローム製膜し、基板温度が50°C
以下になるまで冷却した後、AlN層上にPdとCoが
交互に積層されたPd−Co人工格子膜(Pd層12オ
ングストローム、Co層8オングストローム)を300
オングストローム積層し、さらにSiNx(熱伝導率
0.15W/cm・K)を500オングストローム積層
した。
造したグルーブ付きガラス基板上に上述の方法でAlN
を500オングストローム製膜し、基板温度が50°C
以下になるまで冷却した後、AlN層上にPdとCoが
交互に積層されたPd−Co人工格子膜(Pd層12オ
ングストローム、Co層8オングストローム)を300
オングストローム積層し、さらにSiNx(熱伝導率
0.15W/cm・K)を500オングストローム積層
した。
【0017】得られた光磁気記録媒体膜にレーザビーム
を当てて記録と消去を繰り返し行い、その前後のCNR
値を測定した。その結果、レーザビームを1回当てた後
も105 回繰り返して当てた後も38dBのままでほと
んど変化がなかった。
を当てて記録と消去を繰り返し行い、その前後のCNR
値を測定した。その結果、レーザビームを1回当てた後
も105 回繰り返して当てた後も38dBのままでほと
んど変化がなかった。
【0018】(比較例1)スパッタリング時の温度を3
50°Cにした以外は、前述のAlN製膜と全く同じ方
法で製膜した。このときのAlNの熱伝導率は0.8W
/cm・Kであり、その密度は2.9g/ccであっ
た。このAlNを用いて前述と同様にして光磁気ディス
クを作成した。
50°Cにした以外は、前述のAlN製膜と全く同じ方
法で製膜した。このときのAlNの熱伝導率は0.8W
/cm・Kであり、その密度は2.9g/ccであっ
た。このAlNを用いて前述と同様にして光磁気ディス
クを作成した。
【0019】得られた光磁気記録媒体膜にレーザビーム
を当てて記録と消去を繰り返し行い、その前後のCNR
値を測定した。その結果、レーザビームを1回当てた後
は38dBであったのに対して105 回繰り返して当て
た後は34dBへ下がった。
を当てて記録と消去を繰り返し行い、その前後のCNR
値を測定した。その結果、レーザビームを1回当てた後
は38dBであったのに対して105 回繰り返して当て
た後は34dBへ下がった。
【0020】(実施例2)スパッタリング法により、ガ
ラス基板上にAlN透明誘電体結晶膜(膜厚500オン
グストローム)、PtとCoが交互に積層されたPt−
Co系人工格子膜(全膜厚:300オングストローム、
Pt層:12オングストローム、Co層:8オングスト
ローム)、次いでSiN透明誘電体干渉膜(膜厚500
オングストローム、熱伝導率0.15W/cm・K)を
成膜した。AlN透明誘電体結晶膜としては、熱伝導率
が1.2W/cm・Kの膜を作製した。成膜時には、A
lの酸化防止のため真空度を2×10-6Paまで上げ
た。また、AlN膜の熱伝導率は、成膜時にガラス基板
の温度を調整し、結晶性を変えることによりコントロー
ルした。
ラス基板上にAlN透明誘電体結晶膜(膜厚500オン
グストローム)、PtとCoが交互に積層されたPt−
Co系人工格子膜(全膜厚:300オングストローム、
Pt層:12オングストローム、Co層:8オングスト
ローム)、次いでSiN透明誘電体干渉膜(膜厚500
オングストローム、熱伝導率0.15W/cm・K)を
成膜した。AlN透明誘電体結晶膜としては、熱伝導率
が1.2W/cm・Kの膜を作製した。成膜時には、A
lの酸化防止のため真空度を2×10-6Paまで上げ
た。また、AlN膜の熱伝導率は、成膜時にガラス基板
の温度を調整し、結晶性を変えることによりコントロー
ルした。
【0021】得られた光磁気記録媒体膜にレーザビーム
を当てて記録と消去を繰り返し行い、その前後のCNR
値を測定した。その結果、レーザビームを1回当てた後
も105 回繰り返して当てた後も40dBのままでほと
んど変化がなかった。
を当てて記録と消去を繰り返し行い、その前後のCNR
値を測定した。その結果、レーザビームを1回当てた後
も105 回繰り返して当てた後も40dBのままでほと
んど変化がなかった。
【0022】(比較例2)AlNの熱伝導率を0.8W
/cm・Kにした以外は、実施例2と同様にして光磁気
ディスクを作製した。得られた光磁気記録媒体膜にレー
ザビームを当てて記録と消去を繰り返し行い、その前後
のCNR値を測定した。その結果、レーザビームを1回
当てた後は40dBであったのに対して105 回繰り返
して当てた後は36dBへ下がった。
/cm・Kにした以外は、実施例2と同様にして光磁気
ディスクを作製した。得られた光磁気記録媒体膜にレー
ザビームを当てて記録と消去を繰り返し行い、その前後
のCNR値を測定した。その結果、レーザビームを1回
当てた後は40dBであったのに対して105 回繰り返
して当てた後は36dBへ下がった。
【0023】(従来例1)スパッタリング法により、ガ
ラス基板上にSiN透明誘電体干渉膜(膜厚500オン
グストローム)、PdとCoが交互に積層されたPd−
Co系人工格子膜(全膜厚:300オングストローム、
Pd層:12オングストローム、Co層:8オングスト
ローム)、次いでSiN透明誘電体干渉膜(膜厚500
オングストローム)を成膜した。SiN透明誘電体干渉
膜の熱伝導率は0.15W/cm・Kである。
ラス基板上にSiN透明誘電体干渉膜(膜厚500オン
グストローム)、PdとCoが交互に積層されたPd−
Co系人工格子膜(全膜厚:300オングストローム、
Pd層:12オングストローム、Co層:8オングスト
ローム)、次いでSiN透明誘電体干渉膜(膜厚500
オングストローム)を成膜した。SiN透明誘電体干渉
膜の熱伝導率は0.15W/cm・Kである。
【0024】得られた光磁気記録媒体膜にレーザビーム
を当てて記録と消去を繰り返し行い、その前後のCNR
値を測定した。その結果、レーザビームを1回当てた後
は38dBであったのに対して10回繰り返して当てた
後は32dBへ下がった。
を当てて記録と消去を繰り返し行い、その前後のCNR
値を測定した。その結果、レーザビームを1回当てた後
は38dBであったのに対して10回繰り返して当てた
後は32dBへ下がった。
【0025】(従来例2)スパッタリング法により、ガ
ラス基板上にSiN透明誘電体結晶膜(膜厚500オン
グストローム)、Pd−Co系人工格子膜をPtとCo
が交互に積層されたPt−Co系人工格子膜(全膜厚:
300オングストローム、Pt層:12オングストロー
ム、Co層:8オングストローム)とした以外は、従来
例1と同様に光磁気ディスクを作製した。次いでSiN
透明誘電体干渉膜(膜厚500オングストローム)を成
膜した。SiN透明誘電体干渉膜の熱伝導率は0,15
W/cm・Kである。
ラス基板上にSiN透明誘電体結晶膜(膜厚500オン
グストローム)、Pd−Co系人工格子膜をPtとCo
が交互に積層されたPt−Co系人工格子膜(全膜厚:
300オングストローム、Pt層:12オングストロー
ム、Co層:8オングストローム)とした以外は、従来
例1と同様に光磁気ディスクを作製した。次いでSiN
透明誘電体干渉膜(膜厚500オングストローム)を成
膜した。SiN透明誘電体干渉膜の熱伝導率は0,15
W/cm・Kである。
【0026】得られた光磁気記録媒体膜にレーザビーム
を当てて記録と消去を繰り返し行い、その前後のCNR
値を測定した。その結果、レーザビームを1回当てた後
は40dBであったのに対して10回繰り返して当てた
後は32dBへ下がった。
を当てて記録と消去を繰り返し行い、その前後のCNR
値を測定した。その結果、レーザビームを1回当てた後
は40dBであったのに対して10回繰り返して当てた
後は32dBへ下がった。
【0027】また、従来例1の光磁気記録媒体膜を真空
中50〜600°Cの下に置き、記録層の構造変化をX
線回折装置で調査した。得られた回折チャートを図1に
示す。図1によると、350°C以上でサテライトピー
クが消失しており、周期構造が崩れ合金化していること
がわかる。
中50〜600°Cの下に置き、記録層の構造変化をX
線回折装置で調査した。得られた回折チャートを図1に
示す。図1によると、350°C以上でサテライトピー
クが消失しており、周期構造が崩れ合金化していること
がわかる。
【0028】従来例1のSiN透明誘電体干渉膜(熱伝
導率0.15W/cm・K)および比較例1のAlN透
明誘電体結晶膜(熱伝導率0.8W/cm・K)が成膜
された光磁気記録媒体膜で、10回及び105 回の記
録、消去の繰り返しによってCNR値が下がったのは、
レーザビーム照射により膜の温度が人工格子膜の周期構
造が崩れて合金化するまで上昇し、記録層の垂直磁気異
方性が悪化したことによるものと考えられる。
導率0.15W/cm・K)および比較例1のAlN透
明誘電体結晶膜(熱伝導率0.8W/cm・K)が成膜
された光磁気記録媒体膜で、10回及び105 回の記
録、消去の繰り返しによってCNR値が下がったのは、
レーザビーム照射により膜の温度が人工格子膜の周期構
造が崩れて合金化するまで上昇し、記録層の垂直磁気異
方性が悪化したことによるものと考えられる。
【0029】一方、実施例1の熱伝導率が1.2W/c
m・KのAlN透明誘電体結晶膜を製膜した光磁気記録
媒体膜で、CNR値が105 回の記録、消去の後でも下
がらなかったのは、熱伝導率のよいAlN膜が付いてい
るために、記録層から熱が逃げやすく、記録層の温度が
人工格子膜の周期構造が崩れて合金化するまで上昇しな
かったためと考えられる。
m・KのAlN透明誘電体結晶膜を製膜した光磁気記録
媒体膜で、CNR値が105 回の記録、消去の後でも下
がらなかったのは、熱伝導率のよいAlN膜が付いてい
るために、記録層から熱が逃げやすく、記録層の温度が
人工格子膜の周期構造が崩れて合金化するまで上昇しな
かったためと考えられる。
【0030】実施例2、比較例2、従来例2のPt−C
o系多層膜でも同様のことが起こったものと考えられ
る。
o系多層膜でも同様のことが起こったものと考えられ
る。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、耐久性が極めて優れた、Pd−Co系人工格
子膜またはPt−Co系人工格子膜を記録層とする光磁
気記録媒体が得られる。
によれば、耐久性が極めて優れた、Pd−Co系人工格
子膜またはPt−Co系人工格子膜を記録層とする光磁
気記録媒体が得られる。
【図1】図1は、従来例の光磁気記録媒体膜の種々の温
度におけるX線回折チャートである。
度におけるX線回折チャートである。
Claims (5)
- 【請求項1】 透明基板上にPdとCoが交互に積層さ
れたPd−Co系人工格子膜またはPtとCoが交互に
積層されたPt−Co系人工格子膜を記録層とする光磁
気記録媒体において、該記録層と該透明基板との間に熱
伝導率が1.0W/cm・K以上の透明な膜が製膜され
ていることを特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項2】 請求項1記載の光磁気記録媒体におい
て、前記透明な膜がAlN膜であることを特徴とする光
磁気記録媒体。 - 【請求項3】 請求項2記載の光磁気記録媒体におい
て、前記AlN膜の膜厚が300〜2000オングスト
ロームの範囲内にあることを特徴とする光磁気記録媒
体。 - 【請求項4】 請求項2記載の光磁気記録媒体におい
て、前記AlN膜が高熱伝導率AlN化合物をターゲッ
トとして用いるスパッタリング法により製膜されること
を特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項5】 請求項4記載の光磁気記録媒体におい
て、前記高熱伝導率AlN化合物が、Si、Fe、Mg
等の不純物濃度が1000重量ppm以下であり、酸素
の含有量が0.1重量%以下である高純度AlNである
ことを特徴とする光磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8641292A JPH05258364A (ja) | 1992-03-10 | 1992-03-10 | 光磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8641292A JPH05258364A (ja) | 1992-03-10 | 1992-03-10 | 光磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05258364A true JPH05258364A (ja) | 1993-10-08 |
Family
ID=13886159
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8641292A Pending JPH05258364A (ja) | 1992-03-10 | 1992-03-10 | 光磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05258364A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6881497B2 (en) | 2001-06-04 | 2005-04-19 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | ‘Thermal spring’ magnetic recording media for writing using magnetic and thermal gradients |
-
1992
- 1992-03-10 JP JP8641292A patent/JPH05258364A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6881497B2 (en) | 2001-06-04 | 2005-04-19 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | ‘Thermal spring’ magnetic recording media for writing using magnetic and thermal gradients |
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