JPH0525774A - エアージエツトルーム用緯糸 - Google Patents
エアージエツトルーム用緯糸Info
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- JPH0525774A JPH0525774A JP34618191A JP34618191A JPH0525774A JP H0525774 A JPH0525774 A JP H0525774A JP 34618191 A JP34618191 A JP 34618191A JP 34618191 A JP34618191 A JP 34618191A JP H0525774 A JPH0525774 A JP H0525774A
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- Japan
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- weft yarn
- ajl
- liquid paraffin
- weft
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 低い打込圧でエアジェットルームによる打込
みを可能にした緯糸を提供する。 【構成】 炭素数9〜18の流動パラフィン70〜50
重量%、炭素数19以上の流動パラフィン30〜50重
量%からなり、かつ86゜Fに於ける粘度が5.7〜
8.7センチストークスである流動パラフィン(I)を8
0〜90重量部、炭素数8〜18のアルコールのエチレ
ンオキサイド付加物の末端水酸基を、炭素数8〜18の
脂肪族カルボン酸でエステル封鎖した化合物(II)5〜
15重量部、炭素数8〜18のアルキル燐酸エステルア
ミン塩(III)5〜10重量部よりなるエアージェット
ルーム(AJL)用緯糸処理剤を繊維重量に対し1.0%
〜2.5%付着させたことを特徴とするAJL用緯糸。
みを可能にした緯糸を提供する。 【構成】 炭素数9〜18の流動パラフィン70〜50
重量%、炭素数19以上の流動パラフィン30〜50重
量%からなり、かつ86゜Fに於ける粘度が5.7〜
8.7センチストークスである流動パラフィン(I)を8
0〜90重量部、炭素数8〜18のアルコールのエチレ
ンオキサイド付加物の末端水酸基を、炭素数8〜18の
脂肪族カルボン酸でエステル封鎖した化合物(II)5〜
15重量部、炭素数8〜18のアルキル燐酸エステルア
ミン塩(III)5〜10重量部よりなるエアージェット
ルーム(AJL)用緯糸処理剤を繊維重量に対し1.0%
〜2.5%付着させたことを特徴とするAJL用緯糸。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィラメント糸をAJ
Lで製織するにあたり、適性の高い緯糸を供給するため
の処理剤及びその付着緯糸に関するものである。
Lで製織するにあたり、適性の高い緯糸を供給するため
の処理剤及びその付着緯糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】AJLは、ウォータージェットルーム
(WJL)と並ぶ高生産性の革新織機として注目され、ア
セテートやレーヨンなど潤滑性能の低下するセルロース
系フィラメント糸に対して、WJLよりも適性があるこ
とから近年急速に普及しつつある。
(WJL)と並ぶ高生産性の革新織機として注目され、ア
セテートやレーヨンなど潤滑性能の低下するセルロース
系フィラメント糸に対して、WJLよりも適性があるこ
とから近年急速に普及しつつある。
【0003】一般にセルロース系フィラメント糸をAJ
Lで製織する場合経糸については、従来通りサイジング
処理を実施するのが普通であり、WJLと異なり乾燥状
態での製織であることから、従来織機(有杼織機)での製
織と比較して格別大きな問題はないが、緯糸については
搬送方式がエアージェットによる特殊な方式であること
から、通常の生産糸をそのまま用いた場合には、織機の
稼動率の低下あるいは織物品質の低下をきたすという問
題がある。
Lで製織する場合経糸については、従来通りサイジング
処理を実施するのが普通であり、WJLと異なり乾燥状
態での製織であることから、従来織機(有杼織機)での製
織と比較して格別大きな問題はないが、緯糸については
搬送方式がエアージェットによる特殊な方式であること
から、通常の生産糸をそのまま用いた場合には、織機の
稼動率の低下あるいは織物品質の低下をきたすという問
題がある。
【0004】稼動率、品質低下は、緯糸が搬送流体であ
るエアージェットに乗り難く必要な速度で緯入れができ
ない、あるいはエアージェットによって緯糸が撹乱され
てもつれ、あるいは単糸切れが発生するなどによってお
こるが、このような問題はエアージェットが拡散性で非
拡散性のウォータージェットに比べて搬送力が弱いこと
から、緯糸の形態及びその長さ方向のバラツキによって
搬送力が影響をうけ変動することが原因でおこる。この
ようなエアージェットでの搬送され易さは、一般に飛走
性と称するAJL緯糸にのみ必要な特殊な性能であり、
AJLに適性の高い緯糸とは良好な飛走性、即ち低いエ
アー圧でかつ一定の圧力で安定に緯打ちの可能な糸であ
るということができる。特にAJLでの高生産性を追及
していく上では、緯糸の飛走性の改良が最も大きな課題
の1つである。
るエアージェットに乗り難く必要な速度で緯入れができ
ない、あるいはエアージェットによって緯糸が撹乱され
てもつれ、あるいは単糸切れが発生するなどによってお
こるが、このような問題はエアージェットが拡散性で非
拡散性のウォータージェットに比べて搬送力が弱いこと
から、緯糸の形態及びその長さ方向のバラツキによって
搬送力が影響をうけ変動することが原因でおこる。この
ようなエアージェットでの搬送され易さは、一般に飛走
性と称するAJL緯糸にのみ必要な特殊な性能であり、
AJLに適性の高い緯糸とは良好な飛走性、即ち低いエ
アー圧でかつ一定の圧力で安定に緯打ちの可能な糸であ
るということができる。特にAJLでの高生産性を追及
していく上では、緯糸の飛走性の改良が最も大きな課題
の1つである。
【0005】従来この用途には、一般的に鉱物油系の平
滑剤を主成分としてこれに非イオン活性剤、陰イオン活
性剤を乳化剤、帯電防止剤として配合した処理剤が使用
されて来た。この主成分の鉱物油は繊維と摩擦体(ガイ
ド、貯留ドラム等)との間の摩擦抵抗低下に効果があ
り、特に低炭素分布(低粘度5.7cst前後)の鉱物油を使
用して平滑性向上の目的を達成しているのが現状であ
る。ところがこのような鉱物油を主成分とした処理剤の
場合には、紡糸工程で給油後チーズに巻き取られるが巻
取時にはもとより製織工程までの経時の間に、一部残存
するアセトンの揮散と共に特にチーズの表層部分の低粘
度鉱物油成分の一部もしくはかなりの部分が揮散し、本
来の処理剤組成から、バランスがくずれた処理剤が糸上
に付着している結果になったり、又、チーズ内外層の処
理剤の付着水準が異なってくるため、製織時の後加工工
程で摩擦変動の原因となり、AJL製織時の大きな欠点
(ゆるみ、毛羽節等)を生じ、織物品位を低下させる。
滑剤を主成分としてこれに非イオン活性剤、陰イオン活
性剤を乳化剤、帯電防止剤として配合した処理剤が使用
されて来た。この主成分の鉱物油は繊維と摩擦体(ガイ
ド、貯留ドラム等)との間の摩擦抵抗低下に効果があ
り、特に低炭素分布(低粘度5.7cst前後)の鉱物油を使
用して平滑性向上の目的を達成しているのが現状であ
る。ところがこのような鉱物油を主成分とした処理剤の
場合には、紡糸工程で給油後チーズに巻き取られるが巻
取時にはもとより製織工程までの経時の間に、一部残存
するアセトンの揮散と共に特にチーズの表層部分の低粘
度鉱物油成分の一部もしくはかなりの部分が揮散し、本
来の処理剤組成から、バランスがくずれた処理剤が糸上
に付着している結果になったり、又、チーズ内外層の処
理剤の付着水準が異なってくるため、製織時の後加工工
程で摩擦変動の原因となり、AJL製織時の大きな欠点
(ゆるみ、毛羽節等)を生じ、織物品位を低下させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点のな
いAJL用緯糸を提供する。
いAJL用緯糸を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素数9〜1
8の流動パラフィン70〜50重量%、炭素数19以上
の流動パラフィン30〜50重量%からなり、かつ86
゜Fに於ける粘度が5.7〜8.7センチストークスで
ある流動パラフィン(I)を80〜90重量部、炭素数8
〜18のアルコールのエチレンオキサイド付加物の末端
水酸基を、炭素数8〜18の脂肪族カルボン酸でエステ
ル封鎖した化合物(II)5〜15重量部、炭素数8〜1
8のアルキル燐酸エステルアミン塩(III)5〜10重
量部よりなるエアージェットルーム(AJL)用緯糸処理
剤を繊維重量に対し1.0%〜2.5%付着させたこと
を特徴とするAJL用緯糸に関するものである。
8の流動パラフィン70〜50重量%、炭素数19以上
の流動パラフィン30〜50重量%からなり、かつ86
゜Fに於ける粘度が5.7〜8.7センチストークスで
ある流動パラフィン(I)を80〜90重量部、炭素数8
〜18のアルコールのエチレンオキサイド付加物の末端
水酸基を、炭素数8〜18の脂肪族カルボン酸でエステ
ル封鎖した化合物(II)5〜15重量部、炭素数8〜1
8のアルキル燐酸エステルアミン塩(III)5〜10重
量部よりなるエアージェットルーム(AJL)用緯糸処理
剤を繊維重量に対し1.0%〜2.5%付着させたこと
を特徴とするAJL用緯糸に関するものである。
【0008】本発明処理剤の主成分である(I)成分の流
動パラフィンは、実質上、芳香族系化合物を含有しない
ハイグレードの流動パラフィンであり、更にその粘度範
囲、炭素分布等が、AJL製織性と密接に関係するた
め、粘度範囲が5.7〜8.7cst/86゜Fで、しかも炭
素分布は、C9〜C1870〜50重量%、C19以上30
〜50重量%からなり、中でも粘度範囲が6.5〜8.5
cst/86゜Fで、しかも炭素分布は、C9〜C1865〜
55重量%、C19以上35〜45重量%からなるものが
特に好ましい。
動パラフィンは、実質上、芳香族系化合物を含有しない
ハイグレードの流動パラフィンであり、更にその粘度範
囲、炭素分布等が、AJL製織性と密接に関係するた
め、粘度範囲が5.7〜8.7cst/86゜Fで、しかも炭
素分布は、C9〜C1870〜50重量%、C19以上30
〜50重量%からなり、中でも粘度範囲が6.5〜8.5
cst/86゜Fで、しかも炭素分布は、C9〜C1865〜
55重量%、C19以上35〜45重量%からなるものが
特に好ましい。
【0009】炭素分布と性能との関係は次の様になる。
C9〜C18部分は、低重合度のため分子量が低く、その
ため流動パラフィンとしての粘度が低くなり、従って、
処理剤全体の粘度を下げることから、処理剤の繊維上へ
の拡散力を上げ均一付着性を高め、摩擦抵抗を低下させ
ることが出来る。反面、揮散性が大きくなり、チーズ内
外層の処理剤の付着水準が変動し後加工工程で摩擦変動
を生じ、製織効率や織物品位を低下させる。一方、C19
以上の部分は揮散性が小さいため、紡糸後のコーン表層
からの揮散が少なくなり、AJLでの製織等を含めた後
加工工程の通過性の均一化を得ることが出来る。
C9〜C18部分は、低重合度のため分子量が低く、その
ため流動パラフィンとしての粘度が低くなり、従って、
処理剤全体の粘度を下げることから、処理剤の繊維上へ
の拡散力を上げ均一付着性を高め、摩擦抵抗を低下させ
ることが出来る。反面、揮散性が大きくなり、チーズ内
外層の処理剤の付着水準が変動し後加工工程で摩擦変動
を生じ、製織効率や織物品位を低下させる。一方、C19
以上の部分は揮散性が小さいため、紡糸後のコーン表層
からの揮散が少なくなり、AJLでの製織等を含めた後
加工工程の通過性の均一化を得ることが出来る。
【0010】しかし、粘度が5.7〜8.7cst/86゜F
以内であっても流動パラフィン中のC9〜C18部分が7
0%をこえると、あるいはC9以下のものが含まれる
と、処理剤の粘度が下がり、繊維上での処理剤の拡散、
付着均一性の面では都合が良いが、揮散性が極端に大き
くなる一方、相対的にC19以上の部分が少なくなるた
め、後加工工程での性能が低下し、実用上好ましくな
い。逆に、C9〜C18部分が50%より少なくなると、
相対的にC19以上の部分が多くなるため、前述の逆の功
罪が生じ、製糸(紡糸、撚糸等)収率を低下せしめる結果
となって好ましくない。
以内であっても流動パラフィン中のC9〜C18部分が7
0%をこえると、あるいはC9以下のものが含まれる
と、処理剤の粘度が下がり、繊維上での処理剤の拡散、
付着均一性の面では都合が良いが、揮散性が極端に大き
くなる一方、相対的にC19以上の部分が少なくなるた
め、後加工工程での性能が低下し、実用上好ましくな
い。逆に、C9〜C18部分が50%より少なくなると、
相対的にC19以上の部分が多くなるため、前述の逆の功
罪が生じ、製糸(紡糸、撚糸等)収率を低下せしめる結果
となって好ましくない。
【0011】本発明による処理剤処方では(I)成分であ
る流動パラフィンを80〜90重量部使用するのが最も
好ましい範囲である。次に、(II)の成分である炭素数
8〜18のアルコールのエチレンオキサイド付加物末端
水酸基を炭素数8〜18の脂肪族カルボン酸でエステル
封鎖した化合物について言及する。
る流動パラフィンを80〜90重量部使用するのが最も
好ましい範囲である。次に、(II)の成分である炭素数
8〜18のアルコールのエチレンオキサイド付加物末端
水酸基を炭素数8〜18の脂肪族カルボン酸でエステル
封鎖した化合物について言及する。
【0012】本発明において用いる炭素数8以上のアル
コールとしては、特に限定はないが、エチレンオキサイ
ド付加による親水部分を結合させ、活性剤とした時、液
状化するものが処理剤として調整した時に都合が良く、
その点から、直鎖の一級アルコールであれば、C10〜C
12(デシルアルコール、ラウリルアルコール)が望まし
く、側鎖アルコールであるならばC10〜C18(イソデシ
ルアルコール、イソヘキサデシルアルコール、インステ
アリルアルコール等)が望ましい。特にアセテート処理
剤の精練性の面から、商品名ドバノール(シェル化学社
製)、オキソコール(日産化学工業社製)、ダイヤドール
(三菱化成工業社製)などのオキソ法による合成アルコー
ルや、C10〜C16のセカンダリーアルコール(商品名タ
ージトール:ユニオンカーバイド社製、ソフタノール:日
本触媒化学工業社製など)が望ましい。
コールとしては、特に限定はないが、エチレンオキサイ
ド付加による親水部分を結合させ、活性剤とした時、液
状化するものが処理剤として調整した時に都合が良く、
その点から、直鎖の一級アルコールであれば、C10〜C
12(デシルアルコール、ラウリルアルコール)が望まし
く、側鎖アルコールであるならばC10〜C18(イソデシ
ルアルコール、イソヘキサデシルアルコール、インステ
アリルアルコール等)が望ましい。特にアセテート処理
剤の精練性の面から、商品名ドバノール(シェル化学社
製)、オキソコール(日産化学工業社製)、ダイヤドール
(三菱化成工業社製)などのオキソ法による合成アルコー
ルや、C10〜C16のセカンダリーアルコール(商品名タ
ージトール:ユニオンカーバイド社製、ソフタノール:日
本触媒化学工業社製など)が望ましい。
【0013】一般的には、アルコールに酸化エチレンを
重合せしめて得られる非イオンエーテル系活性剤が用い
られるが、その場合には、酸化エチレンの重合度を下げ
る事によってアセテートに対する失透を防止する手段が
講じられているものの充分ではなく、又、処理剤の冷却
安定性、摩擦性能等においても問題がある。
重合せしめて得られる非イオンエーテル系活性剤が用い
られるが、その場合には、酸化エチレンの重合度を下げ
る事によってアセテートに対する失透を防止する手段が
講じられているものの充分ではなく、又、処理剤の冷却
安定性、摩擦性能等においても問題がある。
【0014】本発明による(II)成分である前記アルコ
ールのエチレンオキサイド付加物の末端水酸基を、C8
〜C18の脂肪族カルボン酸で封鎖した化合物を用いるこ
とにより、上記非イオン系活性剤の欠点を防止するもの
である。付加するエチレンオキサイドの量は、特に限定
はなく、広い範囲で変えることが可能であるが、とりわ
けアルコール1モルに対し、3〜10モルのエチレンオ
キサイド付加物が特に好ましい。更に、炭素数8〜18
のアルコールのエチレンオキサイド付加物の末端水酸基
を封鎖するC8〜C18の脂肪族カルボン酸としては、直
鎖又は、側鎖を有する飽和あるいは不飽和のカルボン
酸、例えばカプリル酸、ラウリン酸、オレイン酸、イソ
ステアリン酸などあるいは、これらを主体とする混合脂
肪酸などが使用できる。尚、(II)としては、精練性、
摩擦特性などを考慮すると、本発明の処理剤処方では、
5〜15重量部の添加量が最も望ましい範囲である。
ールのエチレンオキサイド付加物の末端水酸基を、C8
〜C18の脂肪族カルボン酸で封鎖した化合物を用いるこ
とにより、上記非イオン系活性剤の欠点を防止するもの
である。付加するエチレンオキサイドの量は、特に限定
はなく、広い範囲で変えることが可能であるが、とりわ
けアルコール1モルに対し、3〜10モルのエチレンオ
キサイド付加物が特に好ましい。更に、炭素数8〜18
のアルコールのエチレンオキサイド付加物の末端水酸基
を封鎖するC8〜C18の脂肪族カルボン酸としては、直
鎖又は、側鎖を有する飽和あるいは不飽和のカルボン
酸、例えばカプリル酸、ラウリン酸、オレイン酸、イソ
ステアリン酸などあるいは、これらを主体とする混合脂
肪酸などが使用できる。尚、(II)としては、精練性、
摩擦特性などを考慮すると、本発明の処理剤処方では、
5〜15重量部の添加量が最も望ましい範囲である。
【0015】次に、(III)成分である炭素数8〜18
のアルキル燐酸エステル・アミン塩について説明する。
アセテートAJL専用処理剤を、非水系で用いる場合第
一の適正条件は処理剤の安定性(特に低温安定性)即ち、
ベースオイルとの相溶性が良好な事である。この点か
ら、帯電防止を目的として使用する陰イオン活性剤も、
硫酸エステル系、スルホネート系、脂肪酸系は適合性が
なく、特に、それらの金属塩は不適である。
のアルキル燐酸エステル・アミン塩について説明する。
アセテートAJL専用処理剤を、非水系で用いる場合第
一の適正条件は処理剤の安定性(特に低温安定性)即ち、
ベースオイルとの相溶性が良好な事である。この点か
ら、帯電防止を目的として使用する陰イオン活性剤も、
硫酸エステル系、スルホネート系、脂肪酸系は適合性が
なく、特に、それらの金属塩は不適である。
【0016】即ち、アセテートAJL製織専用で非水系
の処理剤を考慮する場合、C8〜C18のアルキル燐酸エ
ステル・アミン塩が望ましい。使用するアルコールは、
常温下で液状である事が望ましく、オクチルアルコー
ル、デシルアルコール、ラウリルアルコールなどが使用
出来るがとりわけ、ドバノール、オキソコール、ダイヤ
ドールなどのオキソ法によるアルコールやC12〜C15の
側鎖アルコール、例えば、タージトール、ソフタノール
などが最も望ましい。又、使用するアミン類も特に限定
はないが、非水溶型の液状アミン、例えば、トリブチル
アミン、ジブチルエタノールアミン等が最も望ましい。
の処理剤を考慮する場合、C8〜C18のアルキル燐酸エ
ステル・アミン塩が望ましい。使用するアルコールは、
常温下で液状である事が望ましく、オクチルアルコー
ル、デシルアルコール、ラウリルアルコールなどが使用
出来るがとりわけ、ドバノール、オキソコール、ダイヤ
ドールなどのオキソ法によるアルコールやC12〜C15の
側鎖アルコール、例えば、タージトール、ソフタノール
などが最も望ましい。又、使用するアミン類も特に限定
はないが、非水溶型の液状アミン、例えば、トリブチル
アミン、ジブチルエタノールアミン等が最も望ましい。
【0017】アセテートAJL製織を行う場合、その静
電気的特徴は緯糸貯留ドラムより糸が放出されるとき、
貯留ドラム付近で200〜500Vの静電気を発生する
事が望ましい。何故なら、静電気の発生により糸が若干
ふくらみ、エアージェットに乗りやすいからである。こ
の場合、静電気が発生しすぎると、糸がふくらみ過ぎ毛
羽、糸切れ等を生じ更に毛羽節を生じる原因となるた
め、あくまでも適度な静電気発生量であることが望まれ
る。
電気的特徴は緯糸貯留ドラムより糸が放出されるとき、
貯留ドラム付近で200〜500Vの静電気を発生する
事が望ましい。何故なら、静電気の発生により糸が若干
ふくらみ、エアージェットに乗りやすいからである。こ
の場合、静電気が発生しすぎると、糸がふくらみ過ぎ毛
羽、糸切れ等を生じ更に毛羽節を生じる原因となるた
め、あくまでも適度な静電気発生量であることが望まれ
る。
【0018】そのためには、上記C8〜C18のアルキル
燐酸エステル・アミン塩の量を適度にコントロールする
必要がある。しかし、この静電気量は相対的なベースオ
イルの量にも関連するため、本発明の処理剤処方では、
10〜5重量部の添加量が最も望ましい。
燐酸エステル・アミン塩の量を適度にコントロールする
必要がある。しかし、この静電気量は相対的なベースオ
イルの量にも関連するため、本発明の処理剤処方では、
10〜5重量部の添加量が最も望ましい。
【0019】本発明による処理剤をアセテート糸に処理
する方法としては、特に限定されないが、非水系で処理
するのが好ましい。また、本発明の処理剤を用いて、A
JL緯糸用アセテートフィラメント糸を製造する場合、
繊維に対する処理剤の付着量は、1.5〜2%で充分で
ある。通常、アセテートフィラメント糸には紡糸時と後
工程通過性を向上させる目的で、2〜3%の処理剤を付
着させるのが普通である。本発明の処理剤は、アセテー
トフィラメント糸に対する均一付着性も向上しているこ
とから、付着量を低減させることができ、付着量を2%
以下にすることができる。
する方法としては、特に限定されないが、非水系で処理
するのが好ましい。また、本発明の処理剤を用いて、A
JL緯糸用アセテートフィラメント糸を製造する場合、
繊維に対する処理剤の付着量は、1.5〜2%で充分で
ある。通常、アセテートフィラメント糸には紡糸時と後
工程通過性を向上させる目的で、2〜3%の処理剤を付
着させるのが普通である。本発明の処理剤は、アセテー
トフィラメント糸に対する均一付着性も向上しているこ
とから、付着量を低減させることができ、付着量を2%
以下にすることができる。
【0020】但し、付着量を、1.0%以下にするとコ
ーン捲時の毛羽、ループ及び、糸切れが多発することか
ら好ましくなく、糸の収率及び、処理剤の経済性を考慮
した最適の付着量は1.5〜1.7%である。
ーン捲時の毛羽、ループ及び、糸切れが多発することか
ら好ましくなく、糸の収率及び、処理剤の経済性を考慮
した最適の付着量は1.5〜1.7%である。
【0021】以下実施例により本発明を説明する。
【実施例】実施例Iおよび比較例I
本発明の実施例において製織試験は、AJL機種には津
田駒ZA100を用い、経糸ジアセテートフィラメント
B75/21(糸密度:100本/インチ、サイジング
糸)、緯糸ジアセテートフィラメント ダル75/21
(糸密度:80本/インチ、捲形態コーン)で、織巾12
2cmのタフタを回転数500rpmで製織して行った。コ
ーン表層及び内層の緯打ちに要するエアー圧とは、所定
の回転数で運転されるAJLにおいて適正な飛走速度を
得るために、必要な噴射ノズル(メインノズル)のエアー
圧をコーンの表層と内層でそれぞれ測定した結果を言
う。更に詳しくは、搬送ノズル(サブノズル)エアー圧を
3.5kg/cm2で一定とし、緯糸の織端到達角が225〜
230度となるメインノズルの圧力である。織端到達角
とは、オサ打ち〜開口〜緯打ち〜オサ打ちの織機の基本
動作をクランクシャフト1回転(360度)に対応させ、
オサ打ちの角度を0度として他の動作タイミングを角度
で表したとき、緯糸がメインノズルから噴射されて、サ
ブノズルにより搬送され、反対側の織端に到達した瞬間
の角度を言う。
田駒ZA100を用い、経糸ジアセテートフィラメント
B75/21(糸密度:100本/インチ、サイジング
糸)、緯糸ジアセテートフィラメント ダル75/21
(糸密度:80本/インチ、捲形態コーン)で、織巾12
2cmのタフタを回転数500rpmで製織して行った。コ
ーン表層及び内層の緯打ちに要するエアー圧とは、所定
の回転数で運転されるAJLにおいて適正な飛走速度を
得るために、必要な噴射ノズル(メインノズル)のエアー
圧をコーンの表層と内層でそれぞれ測定した結果を言
う。更に詳しくは、搬送ノズル(サブノズル)エアー圧を
3.5kg/cm2で一定とし、緯糸の織端到達角が225〜
230度となるメインノズルの圧力である。織端到達角
とは、オサ打ち〜開口〜緯打ち〜オサ打ちの織機の基本
動作をクランクシャフト1回転(360度)に対応させ、
オサ打ちの角度を0度として他の動作タイミングを角度
で表したとき、緯糸がメインノズルから噴射されて、サ
ブノズルにより搬送され、反対側の織端に到達した瞬間
の角度を言う。
【0022】本発明の実施例では緯糸がメインノズルか
ら、噴射され始める角度を90度とし、この時最も好ま
しい織端到達角が、225〜230度となるようAJL
を調整した。緯糸打ちこみのエアー圧は、製織中一定値
に設定されるがこの値は通常緯糸コーン中最も飛走し難
い部分の緯打ち適正値に設定され、普通はコーン表層に
合わせて設定される。しかしながら、表層と内層間の飛
走性差が大きい場合、内層は速く飛走しすぎることか
ら、もつれなどにより織機の停台や製品の欠点の増加の
原因となる。
ら、噴射され始める角度を90度とし、この時最も好ま
しい織端到達角が、225〜230度となるようAJL
を調整した。緯糸打ちこみのエアー圧は、製織中一定値
に設定されるがこの値は通常緯糸コーン中最も飛走し難
い部分の緯打ち適正値に設定され、普通はコーン表層に
合わせて設定される。しかしながら、表層と内層間の飛
走性差が大きい場合、内層は速く飛走しすぎることか
ら、もつれなどにより織機の停台や製品の欠点の増加の
原因となる。
【0023】このような理由から、表層と内層間の適正
エアー圧の差は0.3kg/cm2以下であることが好まし
く、0.5kg/cm2以上では、安定な操業は不可能であ
る。又、噴射ノズルの設定値が高すぎると緯糸単糸にか
かる衝撃により単糸切れが多発し、機械の停止や欠点の
増加の原因となることから低いことが望ましく、本実施
例の場合は2kg/cm2以下である必要がある。以上より
本実施例では、コーン表層の適正エアー圧が2kg/cm2
以下でありかつ表層と内層間の差が0.3kg/cm2以下の
ものを緯糸適正の高い処理剤と判定した。
エアー圧の差は0.3kg/cm2以下であることが好まし
く、0.5kg/cm2以上では、安定な操業は不可能であ
る。又、噴射ノズルの設定値が高すぎると緯糸単糸にか
かる衝撃により単糸切れが多発し、機械の停止や欠点の
増加の原因となることから低いことが望ましく、本実施
例の場合は2kg/cm2以下である必要がある。以上より
本実施例では、コーン表層の適正エアー圧が2kg/cm2
以下でありかつ表層と内層間の差が0.3kg/cm2以下の
ものを緯糸適正の高い処理剤と判定した。
【0024】(I) 流動パラフィン粘度および炭素数分
布が適正でない例: 成分I 流動パラフィン:粘度: 5.5cst/86゜F 炭素分析: C9〜C18/C19以上=75/25 ガスクロマトグラフィー分析結果を表1に示す。 成分II 非イオン活性剤: POE(3)タージトール・ラウリル
エステル 成分III 陰イオン活性剤: ドバノールホスフェート・ジブチル
エタノールアミン塩
布が適正でない例: 成分I 流動パラフィン:粘度: 5.5cst/86゜F 炭素分析: C9〜C18/C19以上=75/25 ガスクロマトグラフィー分析結果を表1に示す。 成分II 非イオン活性剤: POE(3)タージトール・ラウリル
エステル 成分III 陰イオン活性剤: ドバノールホスフェート・ジブチル
エタノールアミン塩
【0025】
【表1】
【0026】(2) 流動パラフィン粘度および炭素数分
布が適正でない例: 成分I 流動パラフィン:粘度: 4.4cst/86゜F 炭素分布: C7以下/C8〜C18/C19以上=20/6 0/20 ガスクロマトグラフィー分析結果を図2に示す。 成分II 非イオン活性剤: POE(3)ソフタノール・ラウリル
エステル 成分III 陰イオン活性剤: ダイヤドールホスフェート・ジブチ
ルエタノールアミン塩
布が適正でない例: 成分I 流動パラフィン:粘度: 4.4cst/86゜F 炭素分布: C7以下/C8〜C18/C19以上=20/6 0/20 ガスクロマトグラフィー分析結果を図2に示す。 成分II 非イオン活性剤: POE(3)ソフタノール・ラウリル
エステル 成分III 陰イオン活性剤: ダイヤドールホスフェート・ジブチ
ルエタノールアミン塩
【0027】
【表2】
【0028】(3) 粘度および炭素分布範囲が適正な流
動パラフィンを用い、成分I〜IIIの配合比を変えた
例: 成分I 流動パラフィン: 粘度: 7.6cst/86゜F 炭素分布: C9〜C18/C19以上=60/40 ガスクロマトグラフィー分析結果を図3に示す。 成分II 非イオン活性剤: POE(3)タージトール・ラウリル
エステル 成分III 陰イオン活性剤: ドバノールホスフェート・ジブチル
エタノールアミン塩
動パラフィンを用い、成分I〜IIIの配合比を変えた
例: 成分I 流動パラフィン: 粘度: 7.6cst/86゜F 炭素分布: C9〜C18/C19以上=60/40 ガスクロマトグラフィー分析結果を図3に示す。 成分II 非イオン活性剤: POE(3)タージトール・ラウリル
エステル 成分III 陰イオン活性剤: ドバノールホスフェート・ジブチル
エタノールアミン塩
【0029】
【表3】
【0030】(4) 粘度および炭素分布範囲が適正な流
動パラフィンを用い、成分I〜IIIの配合比を変えた
例: 成分I 流動パラフィン: 粘度: 8.0cst/86゜F 炭素分布: C9〜C18/C19以上=50/50/20
/60/20 ガスクロマトグラフィー分析結果を図4に示す。 成分II 非イオン活性剤: POE(3)ソフタノール・ラウリル
エステル 成分III 陰イオン活性剤: ダイヤドールホスフェート・ジブチ
ルエタノールアミン塩
動パラフィンを用い、成分I〜IIIの配合比を変えた
例: 成分I 流動パラフィン: 粘度: 8.0cst/86゜F 炭素分布: C9〜C18/C19以上=50/50/20
/60/20 ガスクロマトグラフィー分析結果を図4に示す。 成分II 非イオン活性剤: POE(3)ソフタノール・ラウリル
エステル 成分III 陰イオン活性剤: ダイヤドールホスフェート・ジブチ
ルエタノールアミン塩
【0031】
【表4】
【0032】(5) 流動パラフィン粘度が高く、炭素数
分布が適正でない例: 成分I 流動パラフィン: 粘度: 9.5cst/86゜F 炭素分布: C9〜C18/C19以上=40/60 ガスクロマトグラフィー分析結果を図5に示す。 成分II 非イオン活性剤: POE(3)タージトール・ラウリル
エステル 成分III 陰イオン活性剤: ダイヤドールホスフェート・ジブチ
ルエタノールアミン塩
分布が適正でない例: 成分I 流動パラフィン: 粘度: 9.5cst/86゜F 炭素分布: C9〜C18/C19以上=40/60 ガスクロマトグラフィー分析結果を図5に示す。 成分II 非イオン活性剤: POE(3)タージトール・ラウリル
エステル 成分III 陰イオン活性剤: ダイヤドールホスフェート・ジブチ
ルエタノールアミン塩
【0033】
【表5】
【0034】なお、流動パラフィンの炭素分布を測定し
たガスクロマトグラフィーの測定条 件は次の通りである: GLC条件 カラム: L=1m ID=3mm パッキング シリコーン OV−17(0.75%) サポート フロモソルブ W (80〜100mesh) カラム温度 70℃→250℃ 10℃/min インジェクション(Det) 温度 300℃ 検出器 FID キャリア・ガス: He
たガスクロマトグラフィーの測定条 件は次の通りである: GLC条件 カラム: L=1m ID=3mm パッキング シリコーン OV−17(0.75%) サポート フロモソルブ W (80〜100mesh) カラム温度 70℃→250℃ 10℃/min インジェクション(Det) 温度 300℃ 検出器 FID キャリア・ガス: He
【0035】実施例IIおよび比較例II
実施例Iの処理剤成分中、非イオン活性剤の部分につき
検討を行った。なお、流動パラフィンは実施例I−(3)
に用いたのと同一のものを使用した。評価は、実施例I
の評価の他に、静電気発生量、精練性について検討し
た。実施例中、静電気発生量は、油剤処理糸を摩擦体
(鏡面クロムシリンダー、φ15mm)に擦過させながら走
行させた場合、摩擦体上に発生する静電気量を春日式集
電計にて測定した。結果を表6に示す。表6中、○印は
−200〜−500Vの発生量を示し、×印はそれ以外
の量を発生する場合を示す。
検討を行った。なお、流動パラフィンは実施例I−(3)
に用いたのと同一のものを使用した。評価は、実施例I
の評価の他に、静電気発生量、精練性について検討し
た。実施例中、静電気発生量は、油剤処理糸を摩擦体
(鏡面クロムシリンダー、φ15mm)に擦過させながら走
行させた場合、摩擦体上に発生する静電気量を春日式集
電計にて測定した。結果を表6に示す。表6中、○印は
−200〜−500Vの発生量を示し、×印はそれ以外
の量を発生する場合を示す。
【0036】次に、精練性は、油剤処理糸を温水精練
し、精練前後の油剤付着量より残脂率として算出した。
精練は、カセ取りした試料糸10gを45℃の温水30
0mlに精練剤(商品名SSK−4;松本油脂製薬(株)製
アセテート用精練剤)2g/lを加えた精練液に入れ、ゆ
るやかな攪拌を行いながら、10分間保持する。所定の
時間を経過した後、試料糸を取り出し、5分間流水洗を
行う。表6中、○印は残脂率5%未満のもので、これを
精練性良好とし、×印は5%以上のもので、精練性不良
とした。 成分I 流動パラフィン:粘度: 7.6cst/86゜F 炭素分布: C9〜C18/C19以上=60/40 成分II 非イオン活性剤:POE(3)タージトール・ラウリル
エステルまたは POE(5)ソフタノールエーテル 成分III 陰イオン活性剤:ドバノールホスフェート・ジブチルエ
タノールアミン塩
し、精練前後の油剤付着量より残脂率として算出した。
精練は、カセ取りした試料糸10gを45℃の温水30
0mlに精練剤(商品名SSK−4;松本油脂製薬(株)製
アセテート用精練剤)2g/lを加えた精練液に入れ、ゆ
るやかな攪拌を行いながら、10分間保持する。所定の
時間を経過した後、試料糸を取り出し、5分間流水洗を
行う。表6中、○印は残脂率5%未満のもので、これを
精練性良好とし、×印は5%以上のもので、精練性不良
とした。 成分I 流動パラフィン:粘度: 7.6cst/86゜F 炭素分布: C9〜C18/C19以上=60/40 成分II 非イオン活性剤:POE(3)タージトール・ラウリル
エステルまたは POE(5)ソフタノールエーテル 成分III 陰イオン活性剤:ドバノールホスフェート・ジブチルエ
タノールアミン塩
【0037】
【表6】
【0038】実施例IIIおよび比較例III
実施例Iおよび比較例Iの処理剤の中から27種の処理
剤を選んで紡糸油剤としてアセテートフィラメントダル
75/21を紡糸し、捲量3kgのコーンを作成し、実施
例Iおよび比較例Iと同品番のタフタを生産した。本実
施例および比較例中、噴射ノズルエアー圧は各処理剤を
使用した緯糸コーンの表層の到達角が225〜230゜
となる圧力に設定した。タフタ生産工程における織機の
経糸因による停止台数および緯糸因による停止台数を測
定し、これわ製織条件と共に表7に示した。
剤を選んで紡糸油剤としてアセテートフィラメントダル
75/21を紡糸し、捲量3kgのコーンを作成し、実施
例Iおよび比較例Iと同品番のタフタを生産した。本実
施例および比較例中、噴射ノズルエアー圧は各処理剤を
使用した緯糸コーンの表層の到達角が225〜230゜
となる圧力に設定した。タフタ生産工程における織機の
経糸因による停止台数および緯糸因による停止台数を測
定し、これわ製織条件と共に表7に示した。
【0039】織機の経糸因、緯糸因の停止率とは、一定
の条件で連続的に製織を行ったとき、その間に発生した
停止台数を経糸因(経糸ケバ、経糸切れ)、緯糸因(緯糸
もつれ、飛走遅延など)に分類して集計し、それぞれ経
糸因による停止台数または緯糸因による停止台数につい
て運転時間で割って、1台/時間当たりの回数として表
したものである。安定な操業を続けるためには、緯糸
因、経糸因ともそれぞれ0.2回/台・時間以下である
ことが好ましい。緯糸欠点数とは、織りあげたタフタの
緯糸因による欠点(もつれ、ケバ、単繊維切れ)を集計し
て50m当たり個数に換算したものであり、タフタの品
質上、欠点は5個/50m以下である必要がある。
の条件で連続的に製織を行ったとき、その間に発生した
停止台数を経糸因(経糸ケバ、経糸切れ)、緯糸因(緯糸
もつれ、飛走遅延など)に分類して集計し、それぞれ経
糸因による停止台数または緯糸因による停止台数につい
て運転時間で割って、1台/時間当たりの回数として表
したものである。安定な操業を続けるためには、緯糸
因、経糸因ともそれぞれ0.2回/台・時間以下である
ことが好ましい。緯糸欠点数とは、織りあげたタフタの
緯糸因による欠点(もつれ、ケバ、単繊維切れ)を集計し
て50m当たり個数に換算したものであり、タフタの品
質上、欠点は5個/50m以下である必要がある。
【0040】
【表7】
【0041】以上、実施例で示したように本発明の処理
剤を適用したAJL用緯糸によれば、噴射ノズルのエア
ー圧力を低く設定できることから、製品欠点の減少と織
機停止率の減少を実現できるばかりではなく、省エルネ
ギー効果もあり、AJLによるフィラメント糸織物製造
にあたり、品質と操業成績の向上に顕著な効果がある。
剤を適用したAJL用緯糸によれば、噴射ノズルのエア
ー圧力を低く設定できることから、製品欠点の減少と織
機停止率の減少を実現できるばかりではなく、省エルネ
ギー効果もあり、AJLによるフィラメント糸織物製造
にあたり、品質と操業成績の向上に顕著な効果がある。
【0042】
【発明の効果】本発明の繊維処理剤の第1の特徴は、緯
糸の打ち込みを低いエアー圧で可能とすることである。
一般にAJLに於いて緯糸は、噴射ノズルから噴射さ
れ、エアーガイド又は、搬送ノズルによってオサに作ら
れた所定の通路を通って、一定時間内にもう一方の織端
に到達する必要があり、エアー圧は必要な飛走速度を得
るための圧力に設定される。緯糸の打ち込みエアー圧力
を低下させるということは、言いかえると低エアー圧力
の下で緯糸の飛走速度を上げることであり、この効果は
エアージェットによる緯糸のもつれや単糸切れを減少
し、稼動率、品質を向上させるだけでなくより高速化へ
の道を開くものである。
糸の打ち込みを低いエアー圧で可能とすることである。
一般にAJLに於いて緯糸は、噴射ノズルから噴射さ
れ、エアーガイド又は、搬送ノズルによってオサに作ら
れた所定の通路を通って、一定時間内にもう一方の織端
に到達する必要があり、エアー圧は必要な飛走速度を得
るための圧力に設定される。緯糸の打ち込みエアー圧力
を低下させるということは、言いかえると低エアー圧力
の下で緯糸の飛走速度を上げることであり、この効果は
エアージェットによる緯糸のもつれや単糸切れを減少
し、稼動率、品質を向上させるだけでなくより高速化へ
の道を開くものである。
【0043】本発明の繊維処理剤の第2の特徴は飛走性
の長さ方向のバラツキが小さいことである。一般にAJ
Lの緯糸はパーン,コーン,チーズ等の捲形態で供給され
るが、これらは表層−内層、上部−下部など糸の長さ方
向で飛走性が異なるのが普通である。
の長さ方向のバラツキが小さいことである。一般にAJ
Lの緯糸はパーン,コーン,チーズ等の捲形態で供給され
るが、これらは表層−内層、上部−下部など糸の長さ方
向で飛走性が異なるのが普通である。
【0044】長さ方向の飛走性差は、緯打ちのエアー圧
が一定値に設定されることから、飛走の速すぎる部分あ
るいは、遅すぎる部分が生じることとなり遅すぎると停
台の、また速すぎると糸の乱れにより品質低下の原因と
なり好ましくない。長さ方向で飛走性差の生じる原因と
しては吸湿度差、解舒張力差、処理剤の変性、揮散など
の他にアセテートフィラメント糸の場合は紡糸原液の溶
剤であるアセトン、塩化メチレンの残存率の差などが考
えられる。本発明の処理剤は、これら飛走性の不均一現
象をも改良すべく吸湿性、平滑性、揮発性にも着目し開
発した。
が一定値に設定されることから、飛走の速すぎる部分あ
るいは、遅すぎる部分が生じることとなり遅すぎると停
台の、また速すぎると糸の乱れにより品質低下の原因と
なり好ましくない。長さ方向で飛走性差の生じる原因と
しては吸湿度差、解舒張力差、処理剤の変性、揮散など
の他にアセテートフィラメント糸の場合は紡糸原液の溶
剤であるアセトン、塩化メチレンの残存率の差などが考
えられる。本発明の処理剤は、これら飛走性の不均一現
象をも改良すべく吸湿性、平滑性、揮発性にも着目し開
発した。
【図1】 実施例および比較例で使用した流動パラフィ
ンの構成炭素数分布を表すガスクロマトグラフィーを示
す図である。
ンの構成炭素数分布を表すガスクロマトグラフィーを示
す図である。
【図2】 実施例および比較例で使用した流動パラフィ
ンの構成炭素数分布を表すガスクロマトグラフィーを示
す図である。
ンの構成炭素数分布を表すガスクロマトグラフィーを示
す図である。
【図3】 実施例および比較例で使用した流動パラフィ
ンの構成炭素数分布を表すガスクロマトグラフィーを示
す図である。
ンの構成炭素数分布を表すガスクロマトグラフィーを示
す図である。
【図4】 実施例および比較例で使用した流動パラフィ
ンの構成炭素数分布を表すガスクロマトグラフィーを示
す図である。
ンの構成炭素数分布を表すガスクロマトグラフィーを示
す図である。
【図5】 実施例および比較例で使用した流動パラフィ
ンの構成炭素数分布を表すガスクロマトグラフィーを示
す図である。
ンの構成炭素数分布を表すガスクロマトグラフィーを示
す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
// D06M 101:06
7199−3B D06M 13/44
Claims (5)
- 【請求項1】 炭素数9〜18の流動パラフィン70〜
50重量%、炭素数19以上の流動パラフィン30〜5
0重量%からなり、かつ86゜Fに於ける粘度が5.7
〜8.7センチストークスである流動パラフィン(I)を
80〜90重量部、炭素数8〜18のアルコールのエチ
レンオキサイド付加物の末端水酸基を、炭素数8〜18
の脂肪族カルボン酸でエステル封鎖した化合物(II)5
〜15重量部、炭素数8〜18のアルキル燐酸エステル
アミン塩(III)5〜10重量部よりなるエアージェッ
トルーム(AJL)用緯糸処理剤を繊維重量に対し1.0
%〜2.5%付着させたことを特徴とするAJL用緯
糸。 - 【請求項2】 処理剤の(II)成分に用いるアルコール
が二級アルコール又は、分枝をもった一級アルコールで
ある第1項記載のAJL用緯糸。 - 【請求項3】 処理剤の(III)成分に用いるアルコー
ルが、二級アルコール又は分枝をもった一級アルコール
である第1項記載のAJL用緯糸。 - 【請求項4】 処理剤の(III)成分に用いるアミンが
ジブチルエタノールアミンである第1項記載のAJL用
緯糸。 - 【請求項5】 緯糸がアセテートフィラメント糸である
ことを特徴とする第1項記載のAJL用緯糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34618191A JPH0684591B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | エアージェットルーム用緯糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34618191A JPH0684591B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | エアージェットルーム用緯糸 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59270044A Division JPS61146872A (ja) | 1984-12-20 | 1984-12-20 | エア−ジエツトル−ム用緯糸処理剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0525774A true JPH0525774A (ja) | 1993-02-02 |
JPH0684591B2 JPH0684591B2 (ja) | 1994-10-26 |
Family
ID=18381662
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34618191A Expired - Fee Related JPH0684591B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | エアージェットルーム用緯糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0684591B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002129473A (ja) * | 2000-10-24 | 2002-05-09 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | アセテート繊維用処理剤及び該処理剤が付与されたアセテート繊維 |
JP2002129474A (ja) * | 2000-10-24 | 2002-05-09 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | アセテート繊維用処理剤及び該処理剤が付与されたアセテート繊維 |
-
1991
- 1991-12-27 JP JP34618191A patent/JPH0684591B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002129473A (ja) * | 2000-10-24 | 2002-05-09 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | アセテート繊維用処理剤及び該処理剤が付与されたアセテート繊維 |
JP2002129474A (ja) * | 2000-10-24 | 2002-05-09 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | アセテート繊維用処理剤及び該処理剤が付与されたアセテート繊維 |
JP4606563B2 (ja) * | 2000-10-24 | 2011-01-05 | 三菱レイヨン株式会社 | アセテート繊維用処理剤及び該処理剤が付与されたアセテート繊維 |
JP4606562B2 (ja) * | 2000-10-24 | 2011-01-05 | 三菱レイヨン株式会社 | アセテート繊維用処理剤及び該処理剤が付与されたアセテート繊維 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0684591B2 (ja) | 1994-10-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |