JPH05256317A - 軸受及びその製造方法 - Google Patents

軸受及びその製造方法

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JPH05256317A
JPH05256317A JP4325402A JP32540292A JPH05256317A JP H05256317 A JPH05256317 A JP H05256317A JP 4325402 A JP4325402 A JP 4325402A JP 32540292 A JP32540292 A JP 32540292A JP H05256317 A JPH05256317 A JP H05256317A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸受の機能を向上して耐用期間を高めた軸受
及びその製造方法を提供すること。 【構成】 本軸受は、想定軸線を同軸で取り囲む2個の
中空円筒形支持輪を含み、該支持輪がエラストマー材料
からなる波形要素により半径方向に弾力性をもたせて結
合してあり、波形要素の断面形が軸方向に広がりを有す
る軸方向に突出した少なくとも1つのひだを有し、該ひ
だの軸方向広がりは支持輪からは延びておらず、ひだの
軸方向広がりの外側に少なくとも1個の止めパッドを設
けてなる軸受において、波形要素(3) が熱可塑性エラス
トマー材料からなり、止めパッド(5,6) の断面形が、規
定どおり使用する間、支持輪(1,2) の少なくとも一方か
ら出発して他方の支持輪(2,1) の方向に半径方向に延
び、止めパッド(5,6) が部分的にひだ(3.1,3.2) と重な
り合うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軸受及びその製造方法
に関し、例えばプロペラシャフトの支承等に利用され
る。
【0002】
【従来の技術】従来の軸受として、想定軸線を同軸で取
り囲む2個の中空円筒形支持輪を含み、該支持輪がエラ
ストマー材料からなる波形要素により半径方向に弾力性
をもたせて結合してあり、波形要素の断面形が軸方向に
広がりを有する軸方向に突出した少なくとも1つのひだ
を有し、該ひだの軸方向広がりは支持輪からは延びてお
らず、ひだの軸方向広がりの外側に少なくとも1個の止
めパッドを設けてなる軸受がある。
【0003】かかる種類の軸受がドイツ実用新案明細書
第8100855号により知られている。それによれば
可撓性材料からなる環状要素が内輪の外被面と外輪の内
面との間に直接強固に配置してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの場合注意す
べき点として、弾性材料からなる環状要素は、特に軸方
向に突出したその折込み部の範囲で、半径方向の荷重が
大きい場合、圧縮応力及びスラスト応力によって不規則
に負荷される。更に、くさびとして構成され環状要素の
可撓性材料中に配置されたパッドの緩衝作用はあまり満
足できるものでない。パッドのくさび状構成により材料
が不規則に負荷され、また半径方向の変位運動が大きい
場合、凹部を制限する面が互いに当接し、このことから
スラスト応力が現れる結果、周方向で亀裂が発生して耐
用期間が著しく制限される。
【0005】本発明の目的は、かかる軸受を改良し、軸
受の機能を向上して耐用期間を高めた軸受及びその製造
方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的が、本発明によ
れば、想定軸線を同軸で取り囲む2個の中空円筒形支持
輪を含み、該支持輪がエラストマー材料からなる波形要
素により半径方向に弾力性をもたせて結合してあり、波
形要素の断面形が軸方向に広がりを有する軸方向に突出
した少なくとも1つのひだを有し、該ひだの軸方向広が
りは支持輪からは延びておらず、ひだの軸方向広がりの
外側に少なくとも1個の止めパッドを設けてなる軸受に
おいて、波形要素が熱可塑性エラストマー材料からな
り、止めパッドの断面形が、規定どおり使用する間、支
持輪の少なくとも一方から出発して他方の支持輪の方向
に半径方向に延び、止めパッドが部分的にひだと重なり
合うことを特徴とする軸受で達成される。従属請求項は
有利な構成に関係している。そして、請求項1〜6記載
の軸受を製造する方法であって、高分子材料を金型内で
軸受の形状にして固化し、軸受が2個の同心で取り囲ん
だ実質的に中空円筒形の支持輪と、支持輪を結合する1
個の波形要素とを含むものにおいて、熱可塑性エラスト
マー材料を使用し、支持輪の少なくとも一方を、軸方向
に突出した末端の範囲で、成形及び固化に続いて再度熱
で軟化し、他方の支持輪の方向で二次成形して冷却固化
することを特徴とする方法がある。
【0007】本発明による軸受では、波形要素が熱可塑
性エラストマー材料からなり、止めパッドの断面形が、
規定どおり使用する間、支持輪の少なくとも一方から出
発して他方の支持輪の方向に半径方向に延び、止めパッ
ドが部分的にひだと重なり合う。熱可塑性エラストマー
材料からなる波形要素の実施は、部品の製造が簡単で問
題ないので経済的観点から有利である。実質的に軸受の
半径方向に延びた止めパッドを構成することにより、半
径方向に極端に変位した場合、機能上重要な諸部品の破
損が効果的に防止される。止めパッドの長さにより、半
径方向で軸受の最大変位を正確に調整することができ
る。
【0008】有利な一構成によれば、波形要素が2つの
互いに軸方向で逆向きに突出したひだを有し、該ひだが
想定軸線を基準に互いに相違した軸方向平面上に配置し
てあり、また半径方向では互いに一体に移行するよう構
成してある。この構成により軸受の半径方向運動性が大
きくなり、また半径方向変位運動のとき波形要素及び波
形要素の内部に配置したひだに加わる荷重がきわめて小
さくなる。このように構成した軸受は長い耐用期間の間
一定した良好な使用特性を示す。
【0009】波形要素の製造簡素化を考慮して、波形要
素の少なくとも1つの軸方向境界の範囲に幾つかの周方
向で間隔をとって分離して止めパッドが設けてあり、止
めパッドを半径方向止め及び軸方向止めとして、又はい
ずれか一方の方向の止めとして構成しておくことができ
る。
【0010】別の一構成によれば、止めパッドは環状に
構成しておくことができる。この構成により、両支持輪
相互の極端な変位を制限する場合、止めパッドの接面圧
力が比較的小さくなり、このことで材料の比荷重が低下
し、また耐用期間が高まる。
【0011】波形要素はその断面形の角であって、互い
に直径上で対向した角に、逆方向に突出した止めパッド
を備えておくことができる。止めパッドのこの構成によ
り、半径方向で軸受の最大変位のとき密封波形の均一な
負荷が保証される。更に、軸受により取り囲まれた部分
に曲げモーメントが現れない。
【0012】止めパッドはエラストマー材料から構成し
て波形要素と一体に形成しておくことができる。この場
合、利点としてかかる構成は製造技術的観点から有利で
あり、またきわめて重要でもある。更にエラストマー材
料からなる止めパッドの故に、軸受の極端な変位のとき
突接騒音が確実に防止される。
【0013】別の一構成によれば、支持輪の少なくとも
一方の範囲に配置した止め薄板により止めパッドを形成
しておくことができる。止めパッドを薄板から分離構成
することにより、さまざまに造形した止めパッドを比較
的簡単に製造し、後から軸受に設けることができる。特
に止めパッドを半径方向止め及び軸方向止めとして構成
すると、かかる構成は、止めパッド自体も又使用する波
形要素も製造技術的に簡単に分離製造することができる
ので有利である。
【0014】有利な一構成によれば、波形要素が少なく
とも一方の支持輪の範囲で金属挿入材により補強してあ
る。金属挿入材は穴を備え、且つこの穴の範囲に波形要
素を挿通しておくことができる。この金属挿入材の故
に、比較的柔らかい波形要素の外周面の安定性が大きく
なる。この金属挿入材により、ケーシングの円形開口内
に軸受を直接取り付けることも考えられ、その際、熱可
塑性エラストマー材料が破損することもない。金属挿入
材の、波形要素を挿通した穴は金属挿入材での波形要素
の簡単で申し分のない固定を引き起こす。
【0015】穴に挿通した波形要素の構成部分は穴の裏
面範囲で波形要素と互いに移行するよう構成しておくこ
とができる。この場合利点として、軸受の例えば脚部の
形の取付要素はやはり安価な熱可塑性エラストマー材料
から製造し、直接波形要素に一体に成形することができ
る。
【0016】軸受の製造方法では、熱可塑性エラストマ
ー材料が使用され、支持輪の少なくとも一方は軸方向に
突出した末端の範囲で、成形及び固化に続いて再度熱で
軟化され、他方の支持輪の方向で二次成形して冷却固化
される。この方法は軸受の簡単な製造を可能とする。軸
受を成形できるようにするため、まず止めが軸方向で波
形要素の支持輪に一体に成形してある。離型後、止めが
再度加熱して希望する方向に成形される。
【0017】
【実施例】以下一実施例の添付図面を基に本発明対象を
更に説明する。
【0018】図1に示した軸受は想定軸線7を同軸で取
り囲む2個の中空円形支持輪1,2を含み、該支持輪は
熱可塑性エラストマー材料からなる波形要素3により、
半径方向に弾力性をもたせて結合してある。波形要素3
は軸方向で逆向きに突出した2つのひだ3.1,3.2
と、軸受の半径方向変位を制限するため設けてある止め
パッド5,6とを有する。止めパッド5,6は軸受の離
型後に破線で示した位置を占め、再度加熱したのち成形
すると実質的に想定軸線7に垂直に延びる。有利には、
周方向で間隔をとって分離した幾つかの止めパッドが設
けてあり、軸受の不利な材料集積や重量増がこれにより
防止される。止め5,6は波形要素3のひだ3.1,
3.2を破損から保護し、また軸受が半径方向で大きく
変位したとき機械的過負荷から保護する。第2の支持輪
2が曲折金属輪により形成してあり、これが穴4を有
し、この穴に波形要素3が挿通してある。波形要素3を
支持輪2で良好に耐久性をもたせて接続的に固定し、又
軸受の外側を取り囲むケーシング内で支承することがこ
れにより問題なく可能となる。
【0019】図2は図1に示した軸受の正面図である。
この実施例では軸受を固着するため設けてある取付脚部
10が金属からなり、支持輪2の金属挿入材に固着して
ある。類似の取付構成も可能であり、特にあまり強い荷
重を受けない軸受の場合、取付脚部10が支持輪2の範
囲で波形要素3の熱可塑性材料に直接成形してあるとき
有利である。図の理解を助けるため止め5は離型し半径
方向に二次成形する直前の状態が示してある。
【0020】図1と図2に示した軸受は例えばプロペラ
シャフトを支承するのに利用することができる。
【0021】図3に示した別の実施例の本発明による軸
受では止めパッド6が薄板から半径方向止めとして構成
してあり、軸方向で支持輪1,2の変位運動を制限する
ため、この半径方向止めに軸方向止め11が成形してあ
る。この場合外側支持輪2の範囲に別の止め12が半径
方向外向きに突出させて設けてあり、この止めは概略示
した部材に当接する。半径方向外側の支持輪2の範囲に
配置してある周方向弾性突起13はエラストマー材料か
らなり、波形要素3と一体に構成してある。両支持輪
1,2相互の変位運動のとき突起13は軸方向止め11
と係合することができる。この場合、路程制限は例えば
累進的力・路程曲線を有することができる。
【0022】図4には図3に示した軸受が平面図で示し
てある。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明した通りに構成され
ているので、以下に述べる効果を奏する。
【0024】波形要素が熱可塑性エラストマー材料から
なることにより、部品が簡単にかつ安価に製造できるよ
うになり、経済的観点から有利となる。
【0025】軸受の半径方向に延びる止めパッドを構成
することにより、半径方向に極端に変位した場合、機能
上重要な諸部品の破損が効果的に防止される。また、止
めパッドの長さにより、半径方向で軸受の最大変位を正
確に調整することができる。これによって、軸受の機能
が損なわれることがなく、耐用期間の長い軸受が実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による軸受の横断面図である。
【図2】 図1に示した軸受の正面図である。
【図3】 図4のA−A線に沿って示す断面図である。
【図4】 本発明による軸受の別の実施例の平面図であ
る。
【符号の説明】
1,2 支持輪 3 波形要素 3.1,3.2 ひだ 5,6 止めパッド 7 想定軸線

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 想定軸線を同軸で取り囲む2個の中空円
    筒形支持輪を含み、該支持輪がエラストマー材料からな
    る波形要素により半径方向に弾力性をもたせて結合して
    あり、波形要素の断面形が軸方向に広がりを有する軸方
    向に突出した少なくとも1つのひだを有し、該ひだの軸
    方向広がりは支持輪からは延びておらず、ひだの軸方向
    広がりの外側に少なくとも1個の止めパッドを設けてな
    る軸受において、波形要素(3)が熱可塑性エラストマ
    ー材料からなり、止めパッド(5,6)の断面形が、規
    定どおり使用する間、支持輪(1,2)の少なくとも一
    方から出発して他方の支持輪(2,1)の方向に半径方
    向に延び、止めパッド(5,6)が部分的にひだ(3.
    1,3.2)と重なり合うことを特徴とする軸受。
  2. 【請求項2】 波形要素(3)が2つの互いに軸方向で
    逆向きに突出したひだ(3.1,3.2)を有し、該ひ
    だが想定軸線(7)を基準に互いに相違した軸方向平面
    上に配置してあり又半径方向では互いに一体に移行する
    よう構成してあることを特徴とする請求項1記載の軸
    受。
  3. 【請求項3】 波形要素(3)の少なくとも1つの軸方
    向境界の範囲に幾つかの周方向で間隔をとって分離して
    止めパッド(5,6,…)が設けてあり、止めパッド
    (5,6,…)が半径方向止め及び軸方向止めとして、
    又はいずれか一方の方向の止めとして構成してあること
    を特徴とする請求項1又は2記載の軸受。
  4. 【請求項4】 波形要素(3)の少なくとも1つの軸方
    向境界の範囲に環状に形成した止めパッドが設けてあ
    り、これが半径方向止め及び軸方向止めとして、又はい
    ずれか一方の方向の止めとして構成してあることを特徴
    とする請求項1又は2記載の軸受。
  5. 【請求項5】 波形要素(3)がその断面形の角であっ
    て互いに直径上で対向した角(8,9)に、逆方向に突
    出した止めパッド(5,6)を備えていることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項記載の軸受。
  6. 【請求項6】 止めパッド(5,6)がエラストマー材
    料からなり、波形要素(3)と一体に構成してあること
    を特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の軸受。
  7. 【請求項7】 止めパッド(5,6)が支持輪(1,
    2)の少なくとも一方の範囲に配置した止め薄板により
    形成してあることを特徴とする請求項3〜5のいずれか
    1項記載の軸受。
  8. 【請求項8】 波形要素(3)が少なくとも一方の支持
    輪(1,2)の範囲で金属挿入材により補強してあるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の軸
    受。
  9. 【請求項9】 金属挿入材が穴(4)を備えており、こ
    の穴(4)の範囲に波形要素(3)を挿通したことを特
    徴とする請求項8記載の軸受。
  10. 【請求項10】 穴(4)に挿通した波形要素(3)の
    構成部分が穴(4)の裏面範囲で波形要素と互いに移行
    するように構成してあることを特徴とする請求項9記載
    の軸受。
  11. 【請求項11】 請求項1〜6記載の軸受を製造する方
    法であって、高分子材料を金型内で軸受の形状にして固
    化し、軸受が2個の同心で取り囲んだ実質的に中空円筒
    形の支持輪と、支持輪を結合する1個の波形要素とを含
    むものにおいて、熱可塑性エラストマー材料を使用し、
    支持輪(1,2)の少なくとも一方を、軸方向に突出し
    た末端の範囲で、成形及び固化に続いて再度熱で軟化
    し、他方の支持輪(2,1)の方向で二次成形して冷却
    固化することを特徴とする方法。
JP4325402A 1991-12-04 1992-12-04 軸受及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH0781583B2 (ja)

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JPH05256317A true JPH05256317A (ja) 1993-10-05
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