JPH0525506U - 無人搬送車の磁性材料収集装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【構成】 安全バンパ２の走行方向後方車体幅両端に遊
輪７を配設し、この遊輪間を固定軸により接続する様に
して、この軸の少なくとも位置検出センサ６の通過する
範囲に磁性体からなる磁性材料吸着部８を設け、安全バ
ンパ側に取り付けられ磁性材料吸着部の外周面の幅方向
に接する磁性材料収納箱12を設けてなるものである。 【効果】 位置検出センサの通過する範囲にある磁性材
料を、センサが通過する直前に収集するように構成した
ので、誤検知を防止することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、各種工場内や倉庫内で走行する無人搬送車の走行床面上の落下物の 切粉を吸着除去する無人搬送車の磁性材料収集装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、無人搬送車には、その前後左右に安全バンパが取付けられ、安全バン パに、周辺機器、他の無人搬送車あるいは人間等が接触した際に、無人搬送車を 停止させて安全を図るようになっている。

【０００３】 この種の無人搬送車には、その走行方式が数種類あり、代表的なものとしては 、電磁誘導方式、磁気誘導方式、光学誘導方式および自立航法式（ジャイロ）等 がある。そして近年、技術の進歩により自立航法式が多く採用されるようになっ てきている。

【０００４】 ところで、この自立航法式の場合には、ジャイロ装置により位置を自認しなが ら走行していくことになるが、この際、ジャイロ装置は微小な回転誤差が生じる ので、このジャイロ装置とは別に位置検出センサを設け、走行上の位置を確認し て走行姿勢を修正する必要がある。この位置検出センサは、遊輪方式で、ダブル キャスタの間にセンサを配し、床との隙間を一定に保つように構成されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、走行ルートの床面に、切粉やゴミ等の落下物が落ちていると、位置 検出センサが誤ってマーカと検知したり、落下物がジャイロ修正キャスタの表面 に付着して車輪が肥大化し、センサと床との隙間が変化して本来のマーカ検出精 度が悪くなり、ジグザグ走行や暴走を招くおそれがある。

【０００６】 また、自立航法式以外の方式の場合にも、走行ルート上に落下物があると、無 人搬送車のキャスタや駆動車輪等に巻き付いたり、ゴム車輪にささり、脱線する 等の問題がある。

【０００７】 これらを防ぐ為無人搬送車に清掃ブラシと磁石からなる清掃装置を走行車輪の 前方に取り付けて、床を清掃しながら走行する方法があるが、この場合磁石が切 り粉を多量に吸着し、最低１回／日多い時で２回／日くらいも清掃装置の清掃の ため、前後のカバーを取り外して清掃しなければならなく、切り粉を磁石から取 るのに多くの労力を必要とすることが分かった。

【０００８】 また、磁石と清掃用ブラシを別々に取り付けているとその交換にも多くの手間 を要し、しかも、これらの作業は定期的に実施しないと切り粉、ごみが大量に溜 まり時には床に落としてしまう恐れもあり、このようなことになると清掃装置を 設けた意味がなくなってしまうことにもなる。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は、安全バンパの走行方向後方車体幅両端に遊輪を配設し、この遊輪間 を固定軸により接続する様にして、この軸の少なくとも前記位置検出センサの通 過する範囲に磁性体からなる磁性材料吸着部を配設し、安全バンパ側に取り付け られ磁性材料吸着部の外周面の幅方向に接する磁性材料収納箱を配設してなるも のである。

【００１０】

【作用】

位置検出センサの通過する範囲にある磁性材料を、センサが通過する直前に収 集するように構成したので、誤検知を防止することができる。

【００１１】

【実施例】

以下に図１乃至図３を用いて本考案の実施例を説明する。

【００１２】 図１は無人搬送車両の全体を示した側面図で、車体１の前方及び後方には安全 バンパ２を取付けている。また３は車体１の走行制御を行なう制御箱である。車 両１の中央部には駆動輪４が取付けられ、この前後には従輪としてのキャスタ５ が取付けられている。６は床面に配置された図示しないマークを検出する位置修 正用センサで、このセンサ６の検出結果により、制御箱３が車体１の姿勢制御を 行なう。車体の走行方向前方（図中左側）の安全バンパ２の後方には、リンク受 け11が取付けられ、このリンク受け11に一端を回動可能に固定したリンク10の他 端（可動端）には従輪となるキャスタ７が回動可能に取付けられる。 車体１前方の安全バンパ２からキャスタ７にかけて、円で囲った矢印部分の拡 大図を図２に、またキャスタ７の部分の正面図を図３に示して詳細を説明する。

【００１３】 車体幅を被う長さの非磁性体から成る細長い円筒状の磁石収納ケース９の中に 強力な磁石８を内蔵して磁性材料吸着部を形成し、その両端にキャスタ７を一体 固定し、その内側に隣接して回動自在なリンク10を取付け、これを無人搬送車の 前頭部に取付けている安全バンパ２の裏側のリンク受11にピン19により回動自在 に連結されている。

【００１４】 そして前記、円筒状の磁石収納ケース９に接する様に非磁性体により形成され た磁性材料収納箱12を設け、そして磁石収納ケース９に接する部分はアール状に して、他方は搬送車体に取付けている受け18に差し込む様に逆Ｕ字状の切粉受箱 取付部16を形成し、底部は空間17を設けて磁石14を底板13に取付け、その上部に は取手15を取付け簡単に着脱出来る構造としている。

【００１５】 次にその作用について説明するとキャスタ７と磁石収納ケースは一体に固定さ れている為キャスタ７が回転すると磁石収納ケースも同時に回り磁石収納ケース ９に付着した切粉20は切粉受箱12と接する所まで行き、切粉受箱12側に分離され る。 切粉受箱12の底部には磁石14が取付けられているので切粉20は底部に集められ る。

【００１６】 切粉20が満杯になった場合は取手15を上方に持ち上げると外ずれ、そして取付 ける場合は、受け18の部分に切粉受箱取付部16を差し込めば良いわけで切粉受箱 12の着脱は容易に出来る。

【００１７】 この様な構成により、磁性材料吸着部は、車体１にリンク10を介して接続され たキャスタに取付けられている為、無人車のピッチングとは関係なく床面と磁石 収納ケースの隙間を一定に保つことが出来るので切粉を落すことはなく完全に切 粉受箱に集める事ができる。 また清掃する際には磁性材料収納箱が差込み方式支持であるので、取付部を上 下にスライドさせワンタッチで着脱する事が可能で作業が容易である。

【００１８】 従って、従来方式の場合は切粉が多量にたまっても完全な清掃をやらず切粉を 残して走行してしまう事があったが、本考案では清掃が簡単な為短ピッチで清掃 作業が出来、位置修正センサの誤動作を発生させる事がなく無人車の走行性能が 一段と向上する。 さらに駆動車輪、キャスタ及び位置修正センサの車輪に切粉がささり車輪が肥 大化したり亀裂する事がないので、走行上の障害を防止し保守が容易となる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案によれば、位置検出センサの通過する範囲にある切粉などの磁性材料を センサが検出する直前に収集する様に構成したので、誤検知を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る無人搬送車の全体側面図

【図２】図１のＡ部分拡大図

【図３】本考案の磁性体収集装置の正面図

【符号の説明】

７…キャスタ、 ８…磁石 10…リンク、 12…磁性材収納箱

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 位置検出センサにより走行位置を修正し
   ながら走行する無人搬送車において、 安全バンパの走行方向後方車体幅両端に配設された遊輪
   と、この遊輪間を固定接続する軸と、この軸の少なくと
   も前記位置検出センサの通過する範囲に設けられた磁性
   体からなる磁性材料吸着部と、前記安全バンパ側に取り
   付けられ前記磁性材料吸着部の外周面の幅方向に接する
   磁性材料収納箱とを具備することを特徴とする無人搬送
   車の磁性材料収集装置。
2. 【請求項２】 磁性材料収納箱の底部に底板を介して磁
   性材を配したことを特徴とする請求項１に記載の無人搬
   送車の磁性材料収集装置。