JPH0525337A - 環状オレフイン系ランダム共重合体組成物およびその用途 - Google Patents

環状オレフイン系ランダム共重合体組成物およびその用途

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JPH0525337A
JPH0525337A JP3212414A JP21241491A JPH0525337A JP H0525337 A JPH0525337 A JP H0525337A JP 3212414 A JP3212414 A JP 3212414A JP 21241491 A JP21241491 A JP 21241491A JP H0525337 A JPH0525337 A JP H0525337A
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cyclic olefin
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Toshihiro Aine
根 敏 裕 相
Masayuki Okabe
部 雅 行 岡
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の環状オレフィン系ランダム共重合体
組成物は、エチレンと特定の環状オレフィンとがランダ
ムに共重合した環状オレフィン系ランダム共重合を少な
くとも2種類含有する組成物であり、135℃のデカリ
ン中で測定した極限粘度[η]が0.6dl/g以下で
あり、かつ重量平均分子量(Mw)数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)が3以上である組成物であ
る。さらに、本発明は上記の組成物からなる情報記録媒
体基板及び光学材料をも提供する。 【効果】 本発明の組成物は、優れた成形性を有してお
り、この組成物を用いることにより、転写性の良い情報
記録媒体基板を製造することができると共に、この組成
物から形成された成形体は、優れた透明性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、情報記録媒体用基板など
の光学材料成形時の成形性、転写性などの特性に優れた
樹脂組成物ならびにこの樹脂組成物から形成された情報
記録媒体用基板および光学材料に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】本出願人は、エチレンと特定の環
状オレフィンとから形成される環状オレフィン系ランダ
ム共重合体について既に種々の提案を行なっている。た
とえば特開昭60-168708号公報ならびに特願昭59-220550
号、同59-236828号、同59-236829号および同59-242336
号明細書等である。これらの公報あるいは明細書の記載
されている環状オレフィン系ランダム共重合体は、優れ
た透明性を有するとともに、耐熱性、耐熱老化性、耐薬
品性、耐溶剤性、誘電特性および機械的特性等の諸特性
にも優れている。さらに、この環状オレフィン系ランダ
ム共重合体は、一種のポリオレフィンであるにもかかわ
らず、種々の材質の機材との接着性にも優れている。し
たがって、この環状オレフィン系ランダム共重合体は、
情報記録媒体基板用の樹脂、あるいは光学ファイバーな
どの光学材料を形成するための樹脂として基本的に適し
た特性を有している。
【0003】上記のような環状オレフィン系ランダム共
重合体は、基本的に光学部材を形成するための樹脂とし
て好適な特性を有しているが、さらに詳細に検討してみ
ると、たとえば、光ディスク、CDディスク、レーザー
ディスクなどの情報記録媒体用基板を形成するためにこ
の環状オレフィン系ランダム共重合体を使用する場合、
成形性や記録の転写性が必ずしも良好でないことが判明
した。すなわち、光ディスク、CDディスク、レーザー
ディスクなどの情報記録媒体すなわち再生専用光ディス
クでは、基板上に形成されたピットの有無を「0」、
「1」信号に対応させることにより情報が記録されてい
る。情報が記録された基板を作成するためには、記録原
盤を用い、樹脂を射出成形する成形方法が通常採用され
ている。ピット径は通常1μm以下と極めて微小であ
り、樹脂の流動性が低いと、記録原盤からの転写の際
に、ピットがうまく転写されずエラーの原因となり、成
形性も低下することがあった。一方、流動性の高い樹脂
を用いるとピットの転写性は向上するが、得られる基板
の機械的特性が劣化することがあった。
【0004】このような状況下で、本出願人は、極限粘
度の異なる二種類の環状オレフィン系ランダム共重合体
または環状オレフィン系ランダム共重合体組成物を特定
の割合で配合することにより、成形性が高く、ピットの
転写性も良好な樹脂組成物が得られることを見出して本
発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の目的】本発明は、優れた成形性、透明性、耐熱
性、耐熱老化性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特性および
機械的特性等を有するとともに、ピットの転写性にも優
れた成形体を形成しうる新規な樹脂組成物を提供するこ
とを目的としている。
【0006】さらに、本発明は、上記のような特性を有
する樹脂組成物から形成される情報記録媒体用基板を提
供することを目的としている。また、本発明は、上記の
ような特性を有する樹脂組成物から形成される光学材料
を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る環状オレフィン系ランダム
共重合体組成物は、(a)エチレンと、(b)下記式
[I]または[II]
【0008】
【化3】
【0009】(式中、nは0または1であり、mは0ま
たは正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R
18およびRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子
もしくは基を表し、R15〜R18は、互いに結合して単環
または多環を形成していてもよく、かつ該単環または多
環が 二重結合を有していてもよく、また、R15とR16
とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成して
いてもよい)。
【0010】
【化4】
【0011】(式[II]中、rは0または1以上の整数
であり、sおよびtは、0、1または2であり、R1
15はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族
炭化水素基、芳香族炭化水素基、およびアルコキシ基よ
りなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、R5(ま
たはR6)とR9(またはR7)とは、炭素数1〜3のア
ルキレン基を介して結合していてもよく、また何の基も
介さずに直接結合していてもよい。)で表される少なく
とも1種の環状オレフィンとを共重合してなる軟化温度
( TMA) が70℃以上である環状オレフィン系ランダム
共重合体であって、135℃のデカリン中で測定した極限
粘度[η]が0.10dl/g以上で、かつGPCにより測
定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(M
w/Mn)が4以下である2種以上の該共重合体からなる環
状オレフィン系ランダム共重合体組成物であって、135
℃のデカリン中で測定した該共重合体組成物の極限粘度
[η]が0.2〜0.7dl/g以下であり、かつGPCによ
り測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との
比(Mw/Mn)が3以上であることを特徴としている。
【0012】また本発明に係る情報記録媒体用基板は、
上記の樹脂組成物からなることを特徴としている。さら
に本発明に係る光学材料は、上記の樹脂組成物からなる
ことを特徴としている。
【0013】特に本発明においては、環状オレフィン系
ランダム共重合体を極限粘度0.45dl/gで2種類に区
別して、低極限粘度のものと高極限粘度のものとを、得
られる組成物の極限粘度が本発明の範囲内になるよう
に、組み合わせて用いることが好ましい。
【0014】本発明に係る環状オレフィン系ランダム共
重合体組成物は、上記のように特定の環状オレフィンと
エチレンとの共重合体からなり、極限粘度あるいは分子
量分布の異なる二種以上の環状オレフィン系ランダム共
重合体を配合して得られているため、環状オレフィン系
の樹脂が本質的に有している優れた透明性を損なうこと
なく、成形体製造の際の成形性および情報の転写性を向
上させることができる。
【0015】したがって、上記の環状オレフィン系ラン
ダム共重合体組成物から形成される情報記録媒体用基板
などの光学材料は、高い透明性を有するとともに、記録
された情報の信頼性にも優れる。
【0016】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る環状オレフィ
ン系ランダム共重合体組成物について具体的に説明す
る。
【0017】本発明の環状オレフィン系ランダム共重合
体組成物は、極限粘度[η]が0.10dl/g以上でか
つ、GPCにより測定した重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4以下である2種類以上の
該共重合体からなる環状オレフィン系ランダム共重合体
組成物である。
【0018】本発明において使用される環状オレフィン
系共重合体は、エチレン(a)と特定の環状オレフィン
(b)とのランダム共重合体であって、軟化温度(TM
A)が70℃以上、好ましくは80〜250℃、特に好ましく
は90〜200℃の範囲にあり、そして、135℃のデカリン中
で測定した極限粘度[η]が0.10dl/g以上、好まし
くは0.15〜2.0 dl/g、特に好ましくは0.15〜1.5d
l/gの範囲にある。また、GPCにより測定した重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4
以下、好ましくは3.5以下、特に好ましくは1.9〜3.3の
範囲にある。
【0019】上記のような環状オレフィン系共重合体
は、エチレン(a)に由来する繰り返し単位と、以下に
記載する式[I]および[II]のいずれかの式で表され
る環状オレフィン(b)に由来する繰り返し単位とから
形成されるランダム共重合体を含む。ここで環状オレフ
ィンは、2種類以上を組み合わせて使用することもでき
る。
【0020】
【化5】
【0021】(式中、nは0または1であり、mは0ま
たは正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R
18およびRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子
もしくは基を表し、R15〜R18は、互いに結合して単環
または多環を形成していてもよく、かつ該単環または多
環が 二重結合を有していてもよく、また、R15とR16
とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成して
いてもよい)。
【0022】
【化6】
【0023】(式[II]中、rは0または1以上の整数
であり、sおよびtは、0、1または2であり、R1
15はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族
炭化水素基、芳香族炭化水素基、およびアルコキシ基よ
りなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、R5(ま
たはR6)とR9(またはR7)とは、炭素数1〜3のア
ルキレン基を介して結合していてもよく、また何の基も
介さずに直接結合していてもよい。)ただし、上記式
[I]において、nは0または1であり、好ましくは0
である。また、mは0または正の整数であり、好ましく
は0〜3である。そして、qは0または1である。
【0024】また上記式[II]において、rは0または
1以上の整数であり、好ましくは0〜3の整数である。
そして、R1〜R18ならびにRaおよびRb(式
[I])、またはR1〜R15(式[II])は、それぞれ
独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基より
なる群から選ばれる原子もしくは基を表す。ここで、ハ
ロゲン原子としては、たとえば、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子およびヨウ素原子をあげることができる。
また、炭化水素基としては、それぞれ独立に、通常は炭
素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数3〜6のシク
ロアルキル基をあげることができ、アルキル基の具体的
な例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、
イソブチル基、アミル基をあげることができ、シクロア
ルキル基の具体的な例としては、シクロヘキシル基、シ
クロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基を
あげることができる。
【0025】また上記式[II]において、R5(または
6)とR9(またはR7)とは、炭素数1〜3のアルキ
レン基を介して結合していてもよく、また何の基も介さ
ずに直接結合していてもよい。
【0026】なお、上記式[I]において、qが0の場
合は、qを用いて表される環は五員環を形成する。さら
に、上記式[I]において、R15〜R18は互いに結合し
て(共同して)単環または多環を形成していてもよく、
かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよい。
このような単環または多環としては、以下に挙げる単環
または多環を例示することができる。さらに、これらの
環は、メチル基などの置換基を有していてもよい。
【0027】
【化7】
【0028】なお、上記式において、1および2を付し
て示した炭素原子は、式[I]においてR15〜R18で表
される基が結合している脂環構造の炭素原子を表す。ま
た、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基
は、通常は炭素原子数2〜4のアルキリデン基をあげる
ことができ、その具体的な例としては、エチリデン基、
プロピリデン基、イソプロピリデン基およびイソブチリ
デン基をあげることができる。
【0029】前記式[I]または[II]で表される環状
オレフィンは、シクロペンタジエン類と、相応するオレ
フィン類あるいは環状オレフィン類とをディールス・ア
ルダー反応により縮合させることにより容易に製造する
ことができる。
【0030】前記式[I]または[II]で表される環状
オレフィンとしては、具体的には、たとえば、ビシクロ
[2.2.1]ヘプト-2-エン誘導体、テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]- 3-ドデセン誘導体、ヘキ
サシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4
-ヘプタデセン誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.
4,7. 111,1813,16.03,8.012,17]-5-ドコセン
誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.
9,14]-4-ヘキサデセン誘導体、ヘプタシクロ-5-エ
イコセン誘導体、ヘプタシクロ-5-ヘンエイコセン誘導
体、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体、
トリシクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセン誘導体、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペ
ンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導
体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-
3-ペンタデセン誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.1
3,6.110,17.112,15.02,7 .011,16]-4-エイコセン
誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.1
15,18.03,8.02,10.012,21. 01 4,19]-5-ペンタコ
セン誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.0
8,13]-3-ヘキサデセン誘導体、ヘプタシクロ[8.8.
0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ヘンエ
イコセン誘導体、ノナシクロ[10.10.1.15,8.1
14,21.116,19.02,11.04,9.013,22.0 15,20]-5-ヘ
キサコセン誘導体、5-フェニル-ビシクロ[2.2.1]
ヘプト-2-エン、5-メチル-5-フェニル-ビシクロ
[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ベンジル-ビシクロ
[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-トリル-ビシクロ
[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-( エチルフェニル)-
ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-( イソプロ
ピルフェニル)- ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エ
ン、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロ
フルオレン、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,
10a-ヘキサヒドロアントラセン、シクロペンタジエ
ン-アセナフチレン付加物、5-( α-ナフチル) -ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-( アントラセニル)
-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エンなどを挙げるこ
とができる。
【0031】以下にこのような化合物のさらに具体的な
例を示す。
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】
【化25】
【0050】本発明で使用される環状オレフィン系共重
合体は、上記のような特定の環状オレフィンを単独で、
あるいは組み合わせて、エチレンと共重合させることに
より調製できる。
【0051】本発明に係る環状オレフィン系ランダム共
重合体組成物は2種以上の環状オレフィン系共重合体か
らなる組成物であるが、その具体的な調製法について、
2種の該共重合体を調製する場合について例を挙げて説
明する。(ここで2種の共重合体のうち、極限粘度
[η]の大きい方を(A)、小さい方を(B)とする。)ここ
で使用される高極限粘度環状オレフィン系共重合体(A)
の極限粘度は、通常は、0.45dl/g以上、好ましくは
0.45〜2.0dl/gの範囲内にある。また、低極
限粘度環状オレフィン系共重合体の極限粘度は、通常
0.1dl/g以上0.45dl/g未満、好ましくは
0.15〜0.43dl/gの範囲内にある。上記のよ
うな極限粘度を有する共重合体(A)および(B)を、それぞ
れ少なくとも1種類ずつ使用することにより、特に情報
記録媒体基板あるいは光学材料に好適な特性を有する樹
脂組成物を得ることができる。
【0052】この場合、上記のような高極限粘度環状オ
レフィン系共重合体(A)と低極限粘度環状オレフィン
系共重合体(B)とは、得られる組成物の極限粘度が、
本発明の範囲内になるような重量比で用いればよく、通
常は共重合体(A)と共重合体(B)とを95/5〜5
/95、好ましくは90/10〜10/90の重量比で
用いられる。
【0053】該組成物は、高粘度環状オレフィン系共重
合体(A)および低粘度環状オレフィン系共重合体(B)を別
々に製造した後、これらをブレンドすることにより調製
することができるし、また多段重合法により高粘度環状
オレフィン系共重合体(A)と低粘度環状オレフィン系共
重合体(B)とを含む組成物をひとつの連続プロセスによ
り調製することもできる。
【0054】環状オレフィン系共重合体は、たとえば、
エチレンと上記環状オレフィンとを、炭化水素媒体中、
炭化水素可溶性バナジウム化合物およびハロゲン含有有
機アルミニウム化合物とから形成される触媒の存在下で
重合させることにより製造することができる。このよう
な重合方法自体はすでに公知であり、特開昭60-168708
号公報などに提案されている。
【0055】上記のような環状オレフィン類とエチレン
との共重合体である環状オレフィン系共重合体は、エチ
レンおよび前記環状オレフィンを必須成分とするもので
あるが、該必須の二成分の他に本発明の目的を損なわな
い範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体
成分を含有していてもよい。任意に共重合されていても
よい該不飽和単量体として、具体的には、プロピレン、
1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オク
テン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキ
サデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの炭素原
子数が3〜20のα-オレフィンなどを例示することがで
きる。これらの不飽和単量体は、一般にはランダム共重
合体中におけるエチレンから誘導される繰り返し単位に
対して等モル未満の範囲内の量で用いられる。
【0056】さらに、本発明においては、上記のような
環状オレフィン系共重合体を製造するに際して、得られ
る重合体等の物性を損なわない範囲で、前記式[I]ま
たは[II]で表される環状オレフィン以外の環状オレフ
ィンを重合させることもできる。このような環状オレフ
ィンとしては、たとえば、シクロブテン、シクロペンテ
ン、シクロヘキセン、3,4-ジメチルシクロヘキセン、3-
メチルシクロヘキセン、2-(2-メチルブチル)-1-シクロ
ヘキセン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-イ
ンデンなどをあげることができる。このような他の環状
オレフィンは単独で、あるいは組み合わせて使用するこ
とができ、通常、前記式[I]または[II]で表わされ
る環状オレフィンの0〜50モル%の範囲の量で用いられ
る。
【0057】上記のような環状オレフィン系共重合体
は、エチレンに由来する繰り返し単位は、40〜90モル
%、好ましくは50〜85モル%の範囲で存在しており、ま
た該環状オレフィンに由来する繰り返し単位は10〜60モ
ル%、好ましくは15〜50モル%の範囲で存在しており、
エチレンに由来する繰り返し単位および該環状オレフィ
ンに由来する繰り返し単位は、ランダムに実質上線状に
配列している。なお、エチレン組成および環状オレフィ
ン組成は13C−NMRによって測定した。この環状オレ
フィン系共重合体が実質上線状であり、ゲル状架橋構造
を有していないことは、該共重合体が135℃のデカリン
中に完全に溶解することによって確認できる。
【0058】このような環状オレフィン系共重合体の13
5℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、前述の
ように0.10dl/g以上、好ましくは0.15〜2.0dl/
g、特に好ましくは0.15〜1.5dl/gの範囲にある。
また、GPCにより測定した重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4以下、好ましくは3.5以
下、特に好ましくは1.9〜3.3の範囲にある。
【0059】また環状オレフィン系共重合体のサーマル
・メカニカル・アナライザーで測定した軟化温度(TM
A)は、70℃以上、好ましくは80〜250℃、さらに好ま
しくは90〜200℃範囲にある。なお軟化温度(TMA)
は、デュポン社製Thermo Mechanical Analyserを用いて
厚さ1mmのシートの熱変形挙動により測定した。すなわ
ちシート上に石英製針をのせ、荷重49gをかけ、5℃/
分で昇温していき、針が0.635mm侵入した温度をTMA
とした。また、環状オレフィン系共重合体のガラス転移
温度(Tg)は、通常60〜240℃、好ましくは70〜200℃
の範囲にあることが望ましい。
【0060】また、この環状オレフィン系共重合体のX
線回析法によって測定した結晶化度は、0〜10%、好ま
しくは0〜7%、とくに好ましくは0〜5%の範囲であ
る。このような環状オレフィン系共重合体は、特開昭60
-168708号公報、特開昭61-120816号公報、特開昭61-115
912号公報、特開昭61-115916号公報、特願昭61-95905号
公報、特願昭61-95906号公報、特開昭61-271308号公
報、特開昭61-272216号公報などにおいて本出願人が提
案した方法に従い適宜条件を選択することにより、製造
することができる。
【0061】より具体的には、たとえば、連続重合装置
を用いてシクロヘキサン媒体中において、環状オレフィ
ンとしてテトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−
3−ドデセン(以下TCD−3と略することがある)を
用い、触媒としてVO(OCH2CH3)Cl2/Al
(CH2CH31.5Cl1.5を用い、反応温度10℃、反応
時間(重合滞留時間)30分でエチレンとTCD−3の
共重合反応を行う条件を採用することにより製造するこ
とができる。
【0062】本発明に係る環状オレフィン系ランダム共
重合体組成物は、上記環状オレフィン系共重合体を2種
以上含有してなる。このような環状オレフィン系ランダ
ム共重合体組成物は、たとえば2種の該共重合体からな
る組成物を例にすると高粘度環状オレフィン系共重合体
(A)と低粘度環状オレフィン系(B)共重合体とを種々の方
法を採用して混合することにより製造することができ
る。ことに高粘度環状オレフィン系共重合体(A)と低粘
度環状オレフィン系共重合体(B)とを、たとえばシクロ
ヘキサンなどの良溶媒に溶解した後、溶液状態で重合体
を混合し、次いでこの混合溶液をアセトンのような貧溶
媒中に投入して重合体組成物を析出させ、析出した重合
体組成物をペレタイズする方法を採用することにより組
成物の均一性が向上する。
【0063】なお、本発明に係る環状オレフィン系ラン
ダム共重合体組成物は、前述したとおり多段重合法を採
用し、ひとつの連続プロセスから製造することもでき
る。多段重合法を採用する場合には前述のように高粘度
環状オレフィン系共重合体(A)と低粘度環状オレフィン
共重合体(B)とをそれぞれ別々の重合器で重合し、それ
らを1つのプロセスで混合させる方法を採用することが
でき、あるいは、たとえば、第1の重合プロセスにおい
てシクロヘキサン媒体中において、環状オレフィンとし
てTCD−3を用い、触媒としてVO(OCH2CH3
Cl2/Al(CH2CH31.5Cl1.5を用い、反応温
度10℃、反応時間(連続重合における滞留時間)30
分、でエチレンとTCD−3の共重合反応を下記第2の
プロセスよりH2を多く使用する条件下で行い低粘度環
状オレフィン系樹脂(B)を製造し、次いで得られた重合
溶液(未反応のエチレンと未反応環状オレフィンを含
む)とを第2の重合プロセスに供給し、シクロヘキサン
媒体中において、触媒として同上のものをさらに供給
し、またエチレンとTCD−3をさらに供給し、反応温
度10℃、反応時間(滞留時間)30分、で上記第1のプ
ロセスよりH2を少ない量使用する条件下で高粘度環状
オレフィン系樹脂(A)を該樹脂(B)の存在下に製造するこ
とにより、本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重
合体組成物を調製することができる。
【0064】上記のようにして調製される環状オレフィ
ン系ランダム共重合体組成物の135℃デカリン中で測定
した極限粘度[η]は、0.2〜0.7dl/g、好まし
くは0.3〜0.6dl/gの範囲内にある。また、該共重
合体組成物の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と
の比(Mw/Mn) は、3以上であり、好ましくは3.2〜50で
あり、さらに好ましくは3.4〜30である。ここで重量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn) はゲル
パーミーションクロマトグラフィー(GPC)により決
定される値である。該共重合体組成物の極限粘度[η]
およびMw/Mnが上記の範囲にあると、該組成物を成形に
供した際の成形性、記録情報の転写性が向上する。
【0065】このような環状オレフィン系ランダム共重
合体組成物を構成する環状オレフィン系共重合体中にお
いて、前記式[I]または[II]で表される環状オレフ
ィンから導かれる構成単位は下記式[III ]または[I
V]で表される構造の繰り返し単位を形成していると考
えられる。
【0066】
【化26】
【0067】(式[III ]中、m、n、qおよびR1
18ならびにRa、Rbは前記式[I]における定義と同
様である。)
【0068】
【化27】
【0069】(式[IV]中、r、s、tおよびR1〜R
15は前記式[II]における定義と同様である。)本発明
においては、上記の環状オレフィン系ランダム共重合体
のほかに、同種または異種の環状オレフィン単量体を開
環して得られる環状オレフィン開環重合体、開環共重合
体またはそれらの水素添加物を用いることもできる。こ
のような環状オレフィン開環重合体、開環共重合体およ
びこれらの水素添加物について、前記式[I]で表され
る環状オレフィンを例にして説明すると、以下に記載す
るように反応して開環(共)重合体およびこれらの水素
添加物を構成していると考えられる。
【0070】
【化28】
【0071】このような重合体の例として、テトラシク
ロドデセンとノルボルネン及びそれらの誘導体との開環
共重合体、及びその水素添加物をあげることができる。
なお、本発明においては上記のような開環重合体、開環
共重合体、これらの水素添加物、環状オレフィン系共重
合体の一部が無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸等で
変性されていてもよい。このような変性物は、上記のよ
うな環状オレフィン系樹脂と、不飽和カルボン酸、これ
らの無水物、および不飽和カルボン酸のアルキルエステ
ル等の誘導体とを反応させることにより製造することが
できる。なお、この場合の環状オレフィン系共重合体の
変性物中における変性剤から導かれる構成単位の含有率
は、通常は50〜10モル%以下である。このような環状オ
レフィン系共重合体変性物は、所望の変性率になるよう
に環状オレフィン系共重合体に変性剤を配合してグラフ
ト重合させて製造することもできるし、予め高変性率の
変性物を調製し、次いでこの変性物と未変性の環状オレ
フィン系共重合体とを混合することによっても製造する
ことができる。
【0072】本発明において、上記の開環重合体、開環
共重合体、これらの水素添加物、環状オレフィン系共重
合体ならびにこれらの変性物は、単独で、あるいは組み
合わせて使用することができる。
【0073】また本発明においては、上記のような環状
オレフィン系共重合体の他に、所望により、軟化温度(T
MA)が70℃未満である他の環状オレフィン系共重合体を
配合して用いてもよい。
【0074】また本発明の環状オレフィン系ランダム共
重合体組成物には、上記環状オレフィン系共重合体の他
に、衝撃強度を向上させるためのゴム成分を配合した
り、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ
剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔
料、天然油、合成油、ワックスなどを配合することがで
き、その配合割合は適宜量である。たとえば、任意成分
として配合される安定剤として具体的には、テトラキス
メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)
プロピオネート メタン、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド
ロキシフェニル) プロピオン酸アルキルエステル、2,2'
-オキザミドビス エチル-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロ
キシフェニル)プロピオネートなどのフェノール系酸化
防止剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、
12-ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金
属塩、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラ
ウレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリ
トールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステ
アレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の
多価アルコールの脂肪酸エステルなどを挙げることがで
きる。これらは単独で配合してもよいが、組み合わせて
配合してもよく、たとえば、テトラキス メチレン-3(3,
5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート
メタンとステアリン酸亜鉛およびグリセリンモノステア
レートとの組合せ等を例示することができる。
【0075】本発明では特に、フェノール系酸化防止剤
および多価アルコールの脂肪酸エステルとを組み合わせ
て用いることが好ましく、該多価アルコールの脂肪酸エ
ステルは3価以上の多価アルコールのアルコール性水酸
基の一部がエステル化された多価アルコール脂肪酸エス
テルであることが好ましい。このような多価アルコール
の脂肪酸エステルとしては、具体的には、グリセリンモ
ノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリ
ンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グ
リセリンジステアレート、グリセリンジラウレート等の
グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールモノ
ステアレート、ペンタエリスリトールモノラウレート、
ペンタエリスリトールジラウレート、ペンタエリスリト
ールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステア
レート等のペンタエリスリトールの脂肪酸エステルが用
いられる。このようなフェノール系酸化防止剤は、環状
オレフィン系樹脂100重量部に対して0〜10重量部好まし
くは0〜5重量部さらに好ましくは0〜2重量部の量で用い
られ、また多価アルコールの脂肪酸エステルは環状オレ
フィン系樹脂100重量部に対して0〜10重量部、好ましく
は0〜5重量部の量で用いられる。
【0076】また本発明においては、本発明の目的を損
なわない範囲で、環状オレフィン系ランダム共重合体組
成物にシリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化
マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、
ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸
バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイ
カ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラス
ビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベント
ナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデ
ン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、
ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊
維等の充填剤を配合してもよい。
【0077】本発明に係る情報記録媒体用基板は、上記
のような環状オレフィン系ランダム共重合体組成物から
形成されている。また本発明の情報記録媒体用基板の形
状には特に制限はなく、たとえば二枚の基板を空気層を
介して配置したいわゆるエアーサンドイッチ型など種々
の形態にすることができる。
【0078】本発明に係る光学材料は、上記のような環
状オレフィン系ランダム共重合体組成物から形成されて
いる。また本発明の光学材料の形状には特に制限はな
く、たとえば光学レンズ、光ファイバー等として使用す
ることができる。
【0079】本発明の情報記録媒体用基板および光学材
料は、本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体
組成物を押出成形法、射出成形法等周知の方法を採用し
て所望の形状に成形することにより製造することができ
る。
【0080】
【発明の効果】本発明に係る環状オレフィン系ランダム
共重合体組成物は、上記のように2種以上の分子量の異
なる特定の環状オレフィン系共重合体を含有してなるた
め、環状オレフィン系の樹脂が本来的に有している優れ
た透明性を損なうことなく、成形時の成形性および情報
の転写性を向上させることができ、情報記録媒体用基板
あるいは光学レンズ、光ファイバーなどの光学材料の製
造に好適に用いられる。
【0081】
【実施例】以下本発明を実施例によって説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0082】なお、本発明における各種物性値の測定方
法および評価方法を次に示す。 (1)極度粘度(〔η〕) 135℃、デカリン溶液(1g/リットル)中でウベロー
デ型粘度計を用いて測定した。 (2)分子量分布(Mw/Mn) GPC法により測定。 (3)揮発成分量(Vm) 300℃、1Torr、1Hrの条件下で重量変化を測定し、重量
%で示した。 (4)試験片の作成 東芝機械(株)社製射出成形機IS-55EPN及び所定の試験
片金型を用い、以下の成形条件で成形した。試験片は成
形後、室温で48時間放置した後、測定した。 成形条件:シリンダー温度220℃、金型温度60℃ 射出圧力一次/二次=1000/800kg/cm2 射出速度(一次)=30mm/sec スクリュー回転数150rpm (5)軟化温度(TMA) デュポン社製Thermal Mechanical Analyzerを用いて厚
さ1mmのシートの熱変形挙動により測定した。すなわ
ち、シート上に石英製針をのせ、荷重49gをかけ、5℃/
minの速度で昇温していき、針が0.635mm浸入した温度を
TMAとした。 (6)透明性評価 ASTM D-1003-52に準じ、ヘイズ計により1mm厚プレスシ
ートについて評価した。 (7)流動性評価 ASTM D-1238に準じ260℃荷重2.16kgで測定したMFR
2.16と、同様の手法を用い荷重10kgで測定した。MFR
10との比:MFRr=MFR10/MFR2.16により流動
性を評価した。一般にMFRrの大きいものは流動性が
良く、転写性も良好となる。 (8)溝転写性評価 東芝機械(株)社製射出成形機IS-55EPNを用いて、厚さ
1mm、80mmφのディスク板(片面は鏡面、片面は、グル
ーブ溝(間隔1.4 μm、深さ0.01μm、幅5μm、のスパ
イラル))を成形し、得られたディスク板の溝形状を顕
微鏡観察により評価した。
【0083】
【実施例1】エチレンとテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン(以下TCD−3と略記
する)とのランダム共重合体であって、13C−NMRで
測定したエチレン含有量が62.8mol%、TCD−3含有量
が37.2mol%、TMAが150℃、〔η〕が0.60dl/g、Mw/M
nが2.8 であるエチレン・TCD−3ランダム共重合体
(以下C成分と呼ぶ) 50重量%と、13C−NMRで測定
したエチレン含有量が64.8mol%、TCD−3含有量が3
5.2mol%、TMAが146℃、〔η〕が0.30dl/g、Mw/Mnが
2.9であるエチレン・TCD−3ランダム共重合体(以
下E成分と呼ぶ) 50重量%とを充分混合した後、二軸押
出機(池貝鉄工(株)製、PCM 45)によりシリンダー温
度220℃で溶融ブレンド、ペレタイザーにてペレット化
し、環状オレフィン系ランダム共重合体組成物を作成し
た。得られたペレットを用いて前記の方法により試験片
を作成し、物性を評価した。
【0084】結果を表1に示す。
【0085】
【実施例2】13C−NMRで測定したエチレン含有量が
63.1mol%、TCD−3含有量が36.9mol%、TMAが152℃、
〔η〕が0.95dl/g、Mw/Mnが2.9 であるエチレン・
TCD−3ランダム共重合体(以下A成分と呼ぶ) 20重
量%と、C成分40重量%と、13C−NMRで測定したエ
チレン含有量が62.3mol%、TCD−3含有量が37.7mol
%、TMAが149℃、〔η〕が0.22dl/g、Mw/Mnが2.8 で
あるエチレン・TCD−3ランダム共重合体(以下F成
分と呼ぶ) 40重量%とを用いた以外は実施例1と同様の
操作を行い、環状オレフィン系ランダム共重合体組成物
を作成した。得られたペレットを用いて前記の方法によ
り試験片を作成し、物性を評価した。
【0086】結果を表1に示す。
【0087】
【比較例1】13C−NMRで測定したエチレン含有量が
62.5mol%であってTCD−3含有量が37.5mol%、TMAが1
51℃、[η]が0.75dl/g、Mw/Mnが6.3 であるエチ
レン・TCD−3ランダム共重合体(以下B成分と呼
ぶ) 50重量%と、F成分50重量%とを用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、環状オレフィン系ランダム共
重合体組成物を作成した。得られたペレットを用いて前
記の方法により試験片を作成し、物性を評価した。
【0088】結果を表1に示す。
【0089】
【比較例2】C成分50重量%と、13C−NMRで測定し
たエチレン含有量が62.1mol%であって、TCD−3含有
量が37.9mol%、TMAが150℃、[η]が0.21dl/g、Mw
/Mnが5.9 であるエチレン・TCD−3ランダム共重合
体(以下G成分と呼ぶ) 50重量%とを用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、環状オレフィン系ランダム共
重合体組成物を作成した。得られたペレットを用いて前
記の方法により試験片を作成し、物性を評価した。
【0090】結果を表1に示す。
【0091】
【比較例3】13C−NMRで測定したエチレン含有量が
61.9mol%であってTCD−3含有量が38.1mol%、TMAが1
48℃、[η]が0.47dl/g、Mw/Mnが2.7 であるエチ
レン・TCD−3ランダム共重合体(以下D成分と呼
ぶ) 50重量%用い二軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM
45)によりシリンダー温度220℃で溶融、ペレタイザー
にてペレット化し、環状オレフィン系ランダム共重合体
組成物を作成した。得られたペレットを用いて前記の方
法により試験片を作成し、物性を評価した。
【0092】結果を表1に示す。
【0093】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/08 LCD 7107−4J G02B 1/04 7132−2K G11B 7/24 Z 7215−5D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エチレンと、(b)下記式[I]
    または[II] 【化1】 (式中、nは0または1であり、mは0または正の整数
    であり、qは0または1であり、R1〜R18およびRa
    bは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子およ
    び炭化水素基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を
    表し、R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を
    形成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合
    を有していてもよく、また、R15とR16とで、またはR
    17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい)。 【化2】 (式[II]中、rは0または1以上の整数であり、sお
    よびtは、0、1または2であり、R1〜R15はそれぞ
    れ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、
    芳香族炭化水素基、およびアルコキシ基よりなる群から
    選ばれる原子もしくは基を表し、R5(またはR6)とR
    9(またはR7)とは、炭素数1〜3のアルキレン基を介
    して結合していてもよく、また何の基も介さずに直接結
    合していてもよい。)で表される少なくとも1種の環状
    オレフィンとを共重合してなる軟化温度( TMA) が70
    ℃以上である環状オレフィン系ランダム共重合体であっ
    て、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1
    0dl/g以上で、かつ、GPCにより測定した重量平
    均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4以
    下である2種類以上の該共重合体からなる環状オレフィ
    ン系ランダム共重合体組成物であって、135℃のデカリ
    ン中で測定した該共重合体組成物の極限粘度[η]が0.
    2〜0.7dl/g以下であり、かつGPCにより測定した
    重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
    が3以上であることを特徴とする環状オレフィン系ラン
    ダム共重合体組成物。
  2. 【請求項2】 環状オレフィン系ランダム共重合体が、
    高粘度環状オレフィン系ランダム共重合体(A)と低粘
    度環状オレフィン系ランダム共重合体(B)とからな
    り、高粘度環状オレフィン系ランダム共重合体(A)の
    極限粘度が0.45dl/g以上であり、低粘度環状オレフ
    ィン系ランダム共重合体(B)の極限粘度が0.45dl/
    g未満であることを特徴とする請求項1記載の環状オレ
    フィン系ランダム共重合体組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の組成物から形成
    されていることを特徴とする情報記録媒体用基板。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の組成物から形成
    されていることを特徴とする光学材料。
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