JPH0525151A - γ‐ブチロラクトンの製造方法 - Google Patents
γ‐ブチロラクトンの製造方法Info
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- JPH0525151A JPH0525151A JP3201067A JP20106791A JPH0525151A JP H0525151 A JPH0525151 A JP H0525151A JP 3201067 A JP3201067 A JP 3201067A JP 20106791 A JP20106791 A JP 20106791A JP H0525151 A JPH0525151 A JP H0525151A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- catalyst
- butyrolactone
- butanediol
- reaction
- hydrogen
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Abstract
(57)【要約】
【目的】副生成物を抑制し、高収率でかつ選択率の高い
γ‐ブチロラクトンの製造方法を提供する 【構成】銅、クロム、ならびにナトリウムおよび/また
はカリウムを含む触媒の存在下に、気相で、1,4−ブ
タンジオールを接触脱水素することによる、γ‐ブチロ
ラクトンの製造方法。
γ‐ブチロラクトンの製造方法を提供する 【構成】銅、クロム、ならびにナトリウムおよび/また
はカリウムを含む触媒の存在下に、気相で、1,4−ブ
タンジオールを接触脱水素することによる、γ‐ブチロ
ラクトンの製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、γ‐ブチロラクトンの
製造方法に関し、さらに詳しくは、1,4−ブタンジオ
ールを、触媒の存在下に気相で接触脱水素してγ‐ブチ
ロラクトンを製造する方法に関する。
製造方法に関し、さらに詳しくは、1,4−ブタンジオ
ールを、触媒の存在下に気相で接触脱水素してγ‐ブチ
ロラクトンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】γ‐ブチロラクトンは溶剤として、また
N−メチルピロリドンなどのピロリドン類の製造の際の
中間原料として有用な化合物である。したがって、γ‐
ブチロラクトンの安価でかつ効率の良い製造方法の開発
が強く望まれている。
N−メチルピロリドンなどのピロリドン類の製造の際の
中間原料として有用な化合物である。したがって、γ‐
ブチロラクトンの安価でかつ効率の良い製造方法の開発
が強く望まれている。
【0003】従来、γ‐ブチロラクトンの製造方法とし
ては、(1) 1,4−ブタンジオールを、パラジウム、白
金、銀などの触媒の存在下に酸化脱水素する方法、(2)
無水マレイン酸またはそのエステルを触媒の存在下に接
触水素化する方法、(3) 1,4−ブタンジオールを、C
u‐Cr系触媒の存在下に脱水素する方法等が知られて
いる。
ては、(1) 1,4−ブタンジオールを、パラジウム、白
金、銀などの触媒の存在下に酸化脱水素する方法、(2)
無水マレイン酸またはそのエステルを触媒の存在下に接
触水素化する方法、(3) 1,4−ブタンジオールを、C
u‐Cr系触媒の存在下に脱水素する方法等が知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(1) の
方法は、触媒が低活性であるとともに、γ‐ブチロラク
トンの選択率が低いという問題点を有しており、また
(2) の方法は液相および気相反応とも触媒ライフが短い
という問題点を有している。(3) の方法は一般的に行わ
れている方法であるが、テトラヒロドフラン等の副生物
が生成するために、γ‐ブチロラクトンの収率、選択率
が必ずしも良好ではないという問題点を有している。C
u‐Cr系触媒については、さらにMnやZnを添加し
たり(特開昭61-246173 号公報)、MnおよびBaを添
加したりする(特願平2-28214 号)等の検討もなされて
いるが、いずれも満足のいくものとはいえない。
方法は、触媒が低活性であるとともに、γ‐ブチロラク
トンの選択率が低いという問題点を有しており、また
(2) の方法は液相および気相反応とも触媒ライフが短い
という問題点を有している。(3) の方法は一般的に行わ
れている方法であるが、テトラヒロドフラン等の副生物
が生成するために、γ‐ブチロラクトンの収率、選択率
が必ずしも良好ではないという問題点を有している。C
u‐Cr系触媒については、さらにMnやZnを添加し
たり(特開昭61-246173 号公報)、MnおよびBaを添
加したりする(特願平2-28214 号)等の検討もなされて
いるが、いずれも満足のいくものとはいえない。
【0005】そこで本発明は、副生成物を抑制し、高収
率でかつ選択率の高いγ‐ブチロラクトンの製造方法を
提供することを目的とする。
率でかつ選択率の高いγ‐ブチロラクトンの製造方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、気相にお
ける1,4−ブタンジオールの接触脱水素によるγ‐ブ
チロラクトンの製造方法について鋭意検討を重ねた結
果、Cu−Cr系の触媒として、Cu−CrにさらにN
aおよび/またはKを含む触媒を使用して反応させる
と、副生成物が抑制され、高収率でかつ選択率が高くγ
‐ブチロラクトンを製造できることを見出した。
ける1,4−ブタンジオールの接触脱水素によるγ‐ブ
チロラクトンの製造方法について鋭意検討を重ねた結
果、Cu−Cr系の触媒として、Cu−CrにさらにN
aおよび/またはKを含む触媒を使用して反応させる
と、副生成物が抑制され、高収率でかつ選択率が高くγ
‐ブチロラクトンを製造できることを見出した。
【0007】すなわち本発明は、気相で1,4−ブタン
ジオールを接触脱水素してγ‐ブチロラクトンを製造す
る方法において、銅、クロム、ならびにナトリウムおよ
び/またはカリウムを含む触媒の存在下に反応を行うこ
とを特徴とするγ‐ブチロラクトンの製造方法を提供す
るものである。
ジオールを接触脱水素してγ‐ブチロラクトンを製造す
る方法において、銅、クロム、ならびにナトリウムおよ
び/またはカリウムを含む触媒の存在下に反応を行うこ
とを特徴とするγ‐ブチロラクトンの製造方法を提供す
るものである。
【0008】本発明の方法で使用する触媒は、Cuおよ
びCrの他に、Naおよび/またはKを含む。Naおよ
びK以外のアルカリ金属(Li、Rb、Cs等)は使用
に適さない。Cu/Crの原子比は0.4〜1.8であ
るのが好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.4であ
る。NaおよびKはアルカリ金属として、CuおよびC
rの和100重量部に対して好ましくは0.1〜10重
量部、さらに好ましくは0.5〜7重量部含まれる。こ
の他に少量のSiを、CuおよびCrの和100重量部
に対して10重量部まで含むことができる。
びCrの他に、Naおよび/またはKを含む。Naおよ
びK以外のアルカリ金属(Li、Rb、Cs等)は使用
に適さない。Cu/Crの原子比は0.4〜1.8であ
るのが好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.4であ
る。NaおよびKはアルカリ金属として、CuおよびC
rの和100重量部に対して好ましくは0.1〜10重
量部、さらに好ましくは0.5〜7重量部含まれる。こ
の他に少量のSiを、CuおよびCrの和100重量部
に対して10重量部まで含むことができる。
【0009】上記のような触媒は、例えば次のようにし
て製造することができる。まず、Cu源として、例えば
硝酸銅、硫酸銅、塩化銅、酢酸銅等を、Cr源として重
クロム酸塩(例えばNa2 Cr2 O7 )、クロム酸塩、
硝酸クロム等を使用できる。また、Naおよび/または
K源としては特に制限はなく、炭酸塩、ケイ酸塩(水ガ
ラス)、硫酸塩、水酸化物等を使用できる。Crを含む
溶液をアンモニアで塩基性にして、これと、Cuを含む
溶液とを混合して沈殿を生成させる。
て製造することができる。まず、Cu源として、例えば
硝酸銅、硫酸銅、塩化銅、酢酸銅等を、Cr源として重
クロム酸塩(例えばNa2 Cr2 O7 )、クロム酸塩、
硝酸クロム等を使用できる。また、Naおよび/または
K源としては特に制限はなく、炭酸塩、ケイ酸塩(水ガ
ラス)、硫酸塩、水酸化物等を使用できる。Crを含む
溶液をアンモニアで塩基性にして、これと、Cuを含む
溶液とを混合して沈殿を生成させる。
【0010】得られた沈殿を濾別、水洗、乾燥した後、
300〜400℃で熱分解する。得られた粉体を稀酸水
溶液で洗い、さらに水洗し、乾燥する。得られた触媒前
駆体に、Naおよび/またはKを含む化合物を添加し、
乾燥し、400〜500℃で焼成する。Naおよび/ま
たはKの添加の時期に制限はないが、アルカリ金属の水
溶性が高いことから、上記の沈殿生成後に、水洗、乾燥
をおこなってから、またその後焼成してから添加するの
が普通である。その後、必要であれば黒鉛等の成形助剤
を添加して成形機を用いて所定の形状に成形する。得ら
れた触媒中の各成分は酸化物の形として存在している。
300〜400℃で熱分解する。得られた粉体を稀酸水
溶液で洗い、さらに水洗し、乾燥する。得られた触媒前
駆体に、Naおよび/またはKを含む化合物を添加し、
乾燥し、400〜500℃で焼成する。Naおよび/ま
たはKの添加の時期に制限はないが、アルカリ金属の水
溶性が高いことから、上記の沈殿生成後に、水洗、乾燥
をおこなってから、またその後焼成してから添加するの
が普通である。その後、必要であれば黒鉛等の成形助剤
を添加して成形機を用いて所定の形状に成形する。得ら
れた触媒中の各成分は酸化物の形として存在している。
【0011】触媒の還元は、例えば、3体積%程度の水
素を含む窒素ガスを触媒に対して、常温常圧換算でのガ
ス空間速度(G.H.S.V.、以下G.H.S.V.はすべて常温、常
圧換算値で示す)4000〜8000時間-1程度で数Kg
/cm2 Gの加圧下、昇温して、140〜160℃にて、
触媒床の発熱が観測されなくなるまで流通し、さらに水
素濃度と温度を徐々に上げ、100体積%として、触媒
床温度200℃にて数時間流通することにより行う。
素を含む窒素ガスを触媒に対して、常温常圧換算でのガ
ス空間速度(G.H.S.V.、以下G.H.S.V.はすべて常温、常
圧換算値で示す)4000〜8000時間-1程度で数Kg
/cm2 Gの加圧下、昇温して、140〜160℃にて、
触媒床の発熱が観測されなくなるまで流通し、さらに水
素濃度と温度を徐々に上げ、100体積%として、触媒
床温度200℃にて数時間流通することにより行う。
【0012】1,4−ブタンジオールと水素との混合気
体と触媒との接触は、従来知られている方法のなかから
適宜選択できる。例えば、混合気体と触媒とを固定床方
式で接触させる方法、移動床方式で接触させる方法、流
動床方式で接触させる方法などを採用することができ
る。また場合によっては、混合気体と触媒を回分方式で
接触させることもできる。
体と触媒との接触は、従来知られている方法のなかから
適宜選択できる。例えば、混合気体と触媒とを固定床方
式で接触させる方法、移動床方式で接触させる方法、流
動床方式で接触させる方法などを採用することができ
る。また場合によっては、混合気体と触媒を回分方式で
接触させることもできる。
【0013】本発明にかかる反応は、次式(化1):
【0014】
【化1】 で示される平衡反応である。上記の平衡は、高温、低圧
および低水素/1,4−ブタンジオール(体積比)の方
がγ‐ブチロラクトンの生成に有利である。反応温度が
高すぎると、コークの生成および銅金属粒子のシンタリ
ングなどの問題が生じ、触媒の寿命が短くなり、また、
副反応の進行によりγ‐ブチロラクトンの選択率が低下
する。しかし、本発明の方法は副反応を抑制することが
できるので、従来よりも高い温度においても反応を行う
ことができる。反応温度は好ましくは150〜300
℃、さらに好ましくは190〜270℃である。また、
反応圧力は低い方がγ‐ブチロラクトンの生成に有利で
あるが、平衡がγ‐ブチロラクトン側にある範囲では加
圧した方がγ‐ブチロラクトンの生成速度が早くなり、
したがって高収率でγ‐ブチロラクトンを得ることがで
きる。このため、本発明における反応は数Kg/cm2 G程
度の加圧下で行うことが好ましい。具体的には反応圧力
は好ましくは0〜8Kg/cm2 G、さらに好ましくは0.
5〜4Kg/cm2 Gである。また、水素/1,4−ブタン
ジオール比は低い方がγ‐ブチロラクトンの生成には有
利であるが、系に水素が存在しないと触媒ライフが短く
なることおよび系を気相に保つために希釈剤が必要であ
ることにより、本発明における反応は適度の水素/1,
4−ブタンジオール比で行うのが好ましい。具体的には
水素/1,4−ブタンジオール比(モル比)は少なくと
も系を気相に保てる値、すなわち0.5〜10とするこ
とが好ましく、さらに好ましくは2〜6とする。また、
1,4−ブタンジオールの重量空間速度(W.H.S.V.) は
0.2〜16時間-1であるのが好ましく、さらに好まし
くは0.4〜6.0時間-1である。
および低水素/1,4−ブタンジオール(体積比)の方
がγ‐ブチロラクトンの生成に有利である。反応温度が
高すぎると、コークの生成および銅金属粒子のシンタリ
ングなどの問題が生じ、触媒の寿命が短くなり、また、
副反応の進行によりγ‐ブチロラクトンの選択率が低下
する。しかし、本発明の方法は副反応を抑制することが
できるので、従来よりも高い温度においても反応を行う
ことができる。反応温度は好ましくは150〜300
℃、さらに好ましくは190〜270℃である。また、
反応圧力は低い方がγ‐ブチロラクトンの生成に有利で
あるが、平衡がγ‐ブチロラクトン側にある範囲では加
圧した方がγ‐ブチロラクトンの生成速度が早くなり、
したがって高収率でγ‐ブチロラクトンを得ることがで
きる。このため、本発明における反応は数Kg/cm2 G程
度の加圧下で行うことが好ましい。具体的には反応圧力
は好ましくは0〜8Kg/cm2 G、さらに好ましくは0.
5〜4Kg/cm2 Gである。また、水素/1,4−ブタン
ジオール比は低い方がγ‐ブチロラクトンの生成には有
利であるが、系に水素が存在しないと触媒ライフが短く
なることおよび系を気相に保つために希釈剤が必要であ
ることにより、本発明における反応は適度の水素/1,
4−ブタンジオール比で行うのが好ましい。具体的には
水素/1,4−ブタンジオール比(モル比)は少なくと
も系を気相に保てる値、すなわち0.5〜10とするこ
とが好ましく、さらに好ましくは2〜6とする。また、
1,4−ブタンジオールの重量空間速度(W.H.S.V.) は
0.2〜16時間-1であるのが好ましく、さらに好まし
くは0.4〜6.0時間-1である。
【0015】
【作用】上記(化1)で示される平衡反応においては、
反応温度が高すぎると、次式(化2):
反応温度が高すぎると、次式(化2):
【0016】
【化2】 で示される副反応が進行しやすくなり、γ‐ブチロラク
トンの選択率が低下してしまう。この副反応は脱水反応
であり、Cu−Cr系触媒上に存在する酸点がこの反応
を触媒しているものと考えられている。本発明において
は、上記したように、触媒中に塩基性のアルカリ金属で
あるNaやKが含まれているので、上記(化1)の脱水
素反応の活性を保持したまま、副反応である(化2)の
脱水反応のみを抑制することができる。このため、反応
を高温で行っても、γ‐ブチロラクトンの選択率が低下
することがなく、1,4−ブタンジオールの平衡転化率
を上げることができ、γ‐ブチロラクトンを高収率で得
ることができると推測される。しかし、NaとK以外の
アルカリ金属を含んだCu−Cr系触媒を用いても、本
発明の効果は発揮されない。これは、Liでは塩基性が
弱いのでCu−Cr系触媒の酸性質を制御する効果がほ
とんどなく、またRb、Cs等では塩基性が強すぎるた
め、副生物(THF)の生成反応は抑制されるものの、
目的とする脱水素反応の活性を著しく低下させてしまう
ためと考えられる。
トンの選択率が低下してしまう。この副反応は脱水反応
であり、Cu−Cr系触媒上に存在する酸点がこの反応
を触媒しているものと考えられている。本発明において
は、上記したように、触媒中に塩基性のアルカリ金属で
あるNaやKが含まれているので、上記(化1)の脱水
素反応の活性を保持したまま、副反応である(化2)の
脱水反応のみを抑制することができる。このため、反応
を高温で行っても、γ‐ブチロラクトンの選択率が低下
することがなく、1,4−ブタンジオールの平衡転化率
を上げることができ、γ‐ブチロラクトンを高収率で得
ることができると推測される。しかし、NaとK以外の
アルカリ金属を含んだCu−Cr系触媒を用いても、本
発明の効果は発揮されない。これは、Liでは塩基性が
弱いのでCu−Cr系触媒の酸性質を制御する効果がほ
とんどなく、またRb、Cs等では塩基性が強すぎるた
め、副生物(THF)の生成反応は抑制されるものの、
目的とする脱水素反応の活性を著しく低下させてしまう
ためと考えられる。
【0017】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに詳しく
説明する。比較例1 Na2 Cr2 O7 ・2H2 O 178.3gを蒸留水9
00mlに溶解し、この溶液に28%アンモニア水22
5mlを加えた。これを溶液aとする。
説明する。比較例1 Na2 Cr2 O7 ・2H2 O 178.3gを蒸留水9
00mlに溶解し、この溶液に28%アンモニア水22
5mlを加えた。これを溶液aとする。
【0018】Cu(NO3 )2 ・3H2 O 260.1
gを蒸留水900mlに溶解させ、80℃に加熱した。
この溶液を溶液bとする。
gを蒸留水900mlに溶解させ、80℃に加熱した。
この溶液を溶液bとする。
【0019】溶液aに、撹拌しながら溶液bを加え、生
じた沈殿物を濾別し、水洗、乾燥した後粉砕し、これを
350℃で熱分解した。得られた粉体を10%酢酸水溶
液で洗浄し、水洗し、乾燥し、触媒前駆体を得た。この
触媒前駆体を450℃で3時間焼成したものに、さらに
黒鉛を0.5重量%添加して、これをペレットに成形し
た。得られた触媒(酸化形)の組成を蛍光X線分析にて
調べたところ、Cu36.2重量%、Cr 33.3重
量%であった。
じた沈殿物を濾別し、水洗、乾燥した後粉砕し、これを
350℃で熱分解した。得られた粉体を10%酢酸水溶
液で洗浄し、水洗し、乾燥し、触媒前駆体を得た。この
触媒前駆体を450℃で3時間焼成したものに、さらに
黒鉛を0.5重量%添加して、これをペレットに成形し
た。得られた触媒(酸化形)の組成を蛍光X線分析にて
調べたところ、Cu36.2重量%、Cr 33.3重
量%であった。
【0020】この触媒(酸化形)2.5gをSUS31
6製固定床反応器(径15mm、長さ600mm)に充填
し、窒素気流中で5Kg/cm2 Gに加圧、120℃まで昇
温した。その後、窒素中に水素を3体積%加え、触媒の
還元を開始した。この時の全ガス流量はG.H.S.V.720
0時間-1であった。還元による発熱が見られないことを
確認しながら、温度を徐々に上げ、150℃とした。さ
らに発熱が見られないことを確認しながら水素濃度を増
加させ、30体積%とし、さらに温度、水素濃度のいず
れかを徐々に上げて、最終的に200℃水素濃度100
体積%とした。ここで発熱がないことを確認して還元終
了とした。この触媒を次の反応に供した。
6製固定床反応器(径15mm、長さ600mm)に充填
し、窒素気流中で5Kg/cm2 Gに加圧、120℃まで昇
温した。その後、窒素中に水素を3体積%加え、触媒の
還元を開始した。この時の全ガス流量はG.H.S.V.720
0時間-1であった。還元による発熱が見られないことを
確認しながら、温度を徐々に上げ、150℃とした。さ
らに発熱が見られないことを確認しながら水素濃度を増
加させ、30体積%とし、さらに温度、水素濃度のいず
れかを徐々に上げて、最終的に200℃水素濃度100
体積%とした。ここで発熱がないことを確認して還元終
了とした。この触媒を次の反応に供した。
【0021】まず、反応器を230℃に加熱し、1,4
−ブタンジオールおよび水素を、1,4−ブタンジオー
ル1モルに対して水素4モルの割合で、4Kg/cm2 Gの
加圧下、1,4−ブタンジオールの重量空間速度(W.H.
S.V.)3.0時間-1の条件下で流通し、脱水素反応を行
った。生成物をガスクロマトグラフィーにより分析し
た。結果を表1に示す。実施例1 比較例1において焼成前の触媒前駆体10gに、少量の
水に溶解したNa2 CO3 0.62gを添加したもの
を乾燥した後、450℃で3時間焼成した。これにさら
に黒鉛を0.5重量%添加して、ペレットに成形した。
得られた触媒(酸化形)の組成を蛍光X線分析にて調べ
た。その組成を表1に示す。
−ブタンジオールおよび水素を、1,4−ブタンジオー
ル1モルに対して水素4モルの割合で、4Kg/cm2 Gの
加圧下、1,4−ブタンジオールの重量空間速度(W.H.
S.V.)3.0時間-1の条件下で流通し、脱水素反応を行
った。生成物をガスクロマトグラフィーにより分析し
た。結果を表1に示す。実施例1 比較例1において焼成前の触媒前駆体10gに、少量の
水に溶解したNa2 CO3 0.62gを添加したもの
を乾燥した後、450℃で3時間焼成した。これにさら
に黒鉛を0.5重量%添加して、ペレットに成形した。
得られた触媒(酸化形)の組成を蛍光X線分析にて調べ
た。その組成を表1に示す。
【0022】この触媒(酸化形)を比較例1と同様にし
て還元した後、比較例1と同様にして、1,4−ブタン
ジオールの脱水素反応に使用した。ただし、反応温度は
230℃および270℃で行った。それぞれの生成物の
ガスクロマトグラフィー分析の結果を表1に示す。実施例2 Na2 CO3 の代わりにK2 CO3 0.50gを添加
した以外は実施例1と同様にして触媒(酸化形)を調製
した。その組成を表1に示す。
て還元した後、比較例1と同様にして、1,4−ブタン
ジオールの脱水素反応に使用した。ただし、反応温度は
230℃および270℃で行った。それぞれの生成物の
ガスクロマトグラフィー分析の結果を表1に示す。実施例2 Na2 CO3 の代わりにK2 CO3 0.50gを添加
した以外は実施例1と同様にして触媒(酸化形)を調製
した。その組成を表1に示す。
【0023】この触媒(酸化形)を比較例1と同様にし
て還元した後、比較例1と同様にして1,4−ブタンジ
オールの脱水素反応に使用した。ただし、反応温度は2
30℃および270℃で行った。それぞれの結果を表1
に示す。実施例3 Na2 CO3 の代わりにケイ酸ナトリウム(水ガラス1
号)2.59gを添加した以外は実施例1と同様にして
触媒(酸化形)を調製した。その組成を表1に示す。
て還元した後、比較例1と同様にして1,4−ブタンジ
オールの脱水素反応に使用した。ただし、反応温度は2
30℃および270℃で行った。それぞれの結果を表1
に示す。実施例3 Na2 CO3 の代わりにケイ酸ナトリウム(水ガラス1
号)2.59gを添加した以外は実施例1と同様にして
触媒(酸化形)を調製した。その組成を表1に示す。
【0024】この触媒(酸化形)を比較例1と同様にし
て還元した後、比較例1と同様にして1,4−ブタンジ
オールの脱水素反応に使用した。ただし、反応温度は2
30℃および270℃で行った。それぞれの結果を表1
に示す。実施例4 Na2 CO3 の代わりにケイ酸カリウム(水ガラス4
号)3.90gを添加した以外は実施例1と同様にして
触媒(酸化形)を調製した。その組成を表1に示す。
この触媒(酸化形)を比較例1と同様にして還元した
後、比較例1と同様にして1,4−ブタンジオールの脱
水素反応に使用した。ただし、1,4−ブタンジオール
のW.H.S.V.は3時間-1および9時間-1で行った。それぞ
れの結果を表1に示す。比較例2 Na2 CO3 の代わりにLi2 CO3 0.31gを添
加した以外は実施例1と同様にして触媒(酸化形)を調
製した。その組成を表1に示す。
て還元した後、比較例1と同様にして1,4−ブタンジ
オールの脱水素反応に使用した。ただし、反応温度は2
30℃および270℃で行った。それぞれの結果を表1
に示す。実施例4 Na2 CO3 の代わりにケイ酸カリウム(水ガラス4
号)3.90gを添加した以外は実施例1と同様にして
触媒(酸化形)を調製した。その組成を表1に示す。
この触媒(酸化形)を比較例1と同様にして還元した
後、比較例1と同様にして1,4−ブタンジオールの脱
水素反応に使用した。ただし、1,4−ブタンジオール
のW.H.S.V.は3時間-1および9時間-1で行った。それぞ
れの結果を表1に示す。比較例2 Na2 CO3 の代わりにLi2 CO3 0.31gを添
加した以外は実施例1と同様にして触媒(酸化形)を調
製した。その組成を表1に示す。
【0025】この触媒(酸化形)を比較例1と同様にし
て還元した後、比較例1と同様にして1,4−ブタンジ
オールの脱水素反応に使用した。ただし、1,4−ブタ
ンジオールのW.H.S.V.は3時間-1および9時間-1で行っ
た。それぞれの結果を表1に示す。比較例3 Na2 CO3 の代わりにRb2 CO3 1.14gを添
加した以外は実施例1と同様にして触媒(酸化形)を調
製した。
て還元した後、比較例1と同様にして1,4−ブタンジ
オールの脱水素反応に使用した。ただし、1,4−ブタ
ンジオールのW.H.S.V.は3時間-1および9時間-1で行っ
た。それぞれの結果を表1に示す。比較例3 Na2 CO3 の代わりにRb2 CO3 1.14gを添
加した以外は実施例1と同様にして触媒(酸化形)を調
製した。
【0026】この触媒(酸化形)を比較例1と同様にし
て還元した後、比較例1と同様にして1,4−ブタンジ
オールの脱水素反応に使用したところ、1,4−ブタン
ジオールの転化率、γ‐ブチロラクトンの選択率共に低
く、かつ経時劣化も激しく、実用には供せないことが分
かった。
て還元した後、比較例1と同様にして1,4−ブタンジ
オールの脱水素反応に使用したところ、1,4−ブタン
ジオールの転化率、γ‐ブチロラクトンの選択率共に低
く、かつ経時劣化も激しく、実用には供せないことが分
かった。
【0027】
【表1】 参考例 Cu−Cr系触媒へのアルカリ金属(Na、K)添加に
より、テトラヒドロフラン等の副生物の生成が抑制され
たのは、アルカリ金属(Na、K)により触媒の酸強度
および酸量が減少したためと考えられる。この点を明ら
かにするために、ピリジンの昇温脱離法(TPD)を行
い、触媒の酸性質を測定した。測定法を以下に示す。こ
こで使用した触媒は、比較例1で製造したCu−Cr触
媒(aおよびa´)、実施例1で製造したCu−Cr−
Na触媒(b)、実施例3で製造したCu−Cr−Na
触媒(b´)である。 測定方法 触媒(30〜100メッシュ)0.3gを石英管につめ
て測定を行った。まず、前処理として、水素気流下、2
0℃/分で100℃まで昇温し、その後5℃/分で25
0℃まで昇温して2時間保持し、還元を行った。ピリジ
ン吸着は、窒素気流下、200℃で行い、その後窒素を
流したまま200℃で数時間保持した。昇温脱離は10
℃/分で200℃から950℃まで昇温し、脱離してく
るピリジンをガスクロマトグラフィーのFIDで検出し
た。
より、テトラヒドロフラン等の副生物の生成が抑制され
たのは、アルカリ金属(Na、K)により触媒の酸強度
および酸量が減少したためと考えられる。この点を明ら
かにするために、ピリジンの昇温脱離法(TPD)を行
い、触媒の酸性質を測定した。測定法を以下に示す。こ
こで使用した触媒は、比較例1で製造したCu−Cr触
媒(aおよびa´)、実施例1で製造したCu−Cr−
Na触媒(b)、実施例3で製造したCu−Cr−Na
触媒(b´)である。 測定方法 触媒(30〜100メッシュ)0.3gを石英管につめ
て測定を行った。まず、前処理として、水素気流下、2
0℃/分で100℃まで昇温し、その後5℃/分で25
0℃まで昇温して2時間保持し、還元を行った。ピリジ
ン吸着は、窒素気流下、200℃で行い、その後窒素を
流したまま200℃で数時間保持した。昇温脱離は10
℃/分で200℃から950℃まで昇温し、脱離してく
るピリジンをガスクロマトグラフィーのFIDで検出し
た。
【0028】結果を図1〜2に示す。Cu−Cr触媒
(aおよびa´)に対して、アルカリ金属(Na)を添
加した(b)および(b´)は、いずれの触媒も全体の
酸量が減少した。特に500〜600℃の高温側のピー
クが、アルカリ金属(Na)の添加によりほとんど消失
しており、酸強度も弱められていることがわかった。
(aおよびa´)に対して、アルカリ金属(Na)を添
加した(b)および(b´)は、いずれの触媒も全体の
酸量が減少した。特に500〜600℃の高温側のピー
クが、アルカリ金属(Na)の添加によりほとんど消失
しており、酸強度も弱められていることがわかった。
【0029】このように、アルカリ金属(Na)を添加
したCu−Cr系触媒では、触媒の酸性質が変化してい
ることがTPD測定により確認できた。
したCu−Cr系触媒では、触媒の酸性質が変化してい
ることがTPD測定により確認できた。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、副生成物を抑制し、高
収率でかつ選択率の高いγ‐ブチロラクトンの製造方法
を提供することができる。
収率でかつ選択率の高いγ‐ブチロラクトンの製造方法
を提供することができる。
【図1】図1は、ピリジンの昇温脱離法(TPD)によ
る、触媒のTPDプロファイルを示す。
る、触媒のTPDプロファイルを示す。
【図2】図2は、ピリジンの昇温脱離法(TPD)によ
る、触媒のTPDプロファイルを示す。
る、触媒のTPDプロファイルを示す。
aおよびa´は比較例1で製造したCu−Cr触媒、b
は実施例1で製造したCu−Cr−Na触媒、b´は実
施例3で製造したCu−Cr−Na触媒をそれぞれ使用
した場合を示す。
は実施例1で製造したCu−Cr−Na触媒、b´は実
施例3で製造したCu−Cr−Na触媒をそれぞれ使用
した場合を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 廣 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 気相で1,4−ブタンジオールを接触脱
水素してγ‐ブチロラクトンを製造する方法において、
銅、クロム、ならびにナトリウムおよび/またはカリウ
ムを含む触媒の存在下に反応を行うことを特徴とするγ
‐ブチロラクトンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03201067A JP3080703B2 (ja) | 1991-07-17 | 1991-07-17 | γ‐ブチロラクトンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03201067A JP3080703B2 (ja) | 1991-07-17 | 1991-07-17 | γ‐ブチロラクトンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0525151A true JPH0525151A (ja) | 1993-02-02 |
JP3080703B2 JP3080703B2 (ja) | 2000-08-28 |
Family
ID=16434838
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03201067A Expired - Fee Related JP3080703B2 (ja) | 1991-07-17 | 1991-07-17 | γ‐ブチロラクトンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3080703B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1081948C (zh) * | 1997-12-16 | 2002-04-03 | 中国石油化工集团公司 | 1,4-丁二醇气相脱氢制γ-丁内酯的催化剂 |
JP2003508392A (ja) * | 1999-09-01 | 2003-03-04 | ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト | ガンマ−ブチロラクトンの製法 |
KR100464621B1 (ko) * | 1996-12-30 | 2005-04-06 | 에스케이 주식회사 | 감마부티로락톤(r-Butyrolactone)의제조방법 |
CN116272984A (zh) * | 2023-03-01 | 2023-06-23 | 陕西延长石油(集团)有限责任公司 | 一种催化1,4-丁二醇脱氢制备γ-丁内酯的催化剂及其制备方法与应用 |
-
1991
- 1991-07-17 JP JP03201067A patent/JP3080703B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100464621B1 (ko) * | 1996-12-30 | 2005-04-06 | 에스케이 주식회사 | 감마부티로락톤(r-Butyrolactone)의제조방법 |
CN1081948C (zh) * | 1997-12-16 | 2002-04-03 | 中国石油化工集团公司 | 1,4-丁二醇气相脱氢制γ-丁内酯的催化剂 |
JP2003508392A (ja) * | 1999-09-01 | 2003-03-04 | ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト | ガンマ−ブチロラクトンの製法 |
CN116272984A (zh) * | 2023-03-01 | 2023-06-23 | 陕西延长石油(集团)有限责任公司 | 一种催化1,4-丁二醇脱氢制备γ-丁内酯的催化剂及其制备方法与应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3080703B2 (ja) | 2000-08-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |