JP2000342969A - 水素の選択的酸化触媒、水素の選択的酸化方法及び炭化水素の脱水素方法 - Google Patents
水素の選択的酸化触媒、水素の選択的酸化方法及び炭化水素の脱水素方法Info
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Abstract
的に酸化して、反応の平衡的制約を解除することがで
き、かつ、原料及び脱水素された炭化水素の燃焼による
消失を実質上問題のないレベルに低く押さえることがで
きる触媒を提供する。 【解決手段】 水素及び炭化水素を含有する混合ガス
を、酸素含有ガスと接触させて、該混合ガス中の水素を
選択的に酸化するための触媒であって、白金族元素のう
ち少なくとも1種の元素と周期表第5族元素のうち少な
くとも1種の元素、そしてアルカリ金属及びアルカリ土
類金属のうち少なくとも1種の元素とを含有することを
特徴とする水素の選択的酸化触媒、また該触媒を使用し
た水素の選択的酸化方法、さらには、該触媒を使用した
炭化水素の脱水素方法。
Description
して、脱水素された炭化水素を製造する際に、生成した
混合ガス中に存在する水素を選択的に酸化する触媒、該
触媒を使用する水素の選択的な酸化方法、さらには該触
媒を使用した炭化水素の脱水素方法に関する。
化水素を製造するプロセスは、従来多くの文献に記載さ
れている。例えば、エチルベンゼンを脱水素してスチレ
ンを合成するプロセスは、鉄系の触媒を用いて工業的に
実施されている。しかしながら、一般に脱水素反応で
は、平衡の制約を強く受け高い収率を得ることができな
い。また、断熱反応器での反応においては、脱水素反応
が吸熱反応であるため、反応温度が反応と共に低下して
しまい高い収率で目的物を得ることが困難である。この
ような状況から、既にいくつかの方法が提案されてい
る。例えば米国特許4,565,898号明細書におい
て、エチルベンゼンを脱水素した後に、未反応エチルベ
ンゼン、スチレン、及び水素を含む混合ガス中の水素を
選択的に酸化するプロセス及び触媒が開示されている。
その触媒は、白金、スズ及びリチウム等を担持した触媒
である。この方法はスチレン合成に有効な方法であるも
のの、水素のみを酸化する性能は十分なものとは言えな
かった。また、特開平9−29095号公報には、同様
のプロセスで酸化ニオブに白金を担持した触媒を用いる
方法が開示されている。この酸化ニオブを用いた触媒の
水素を選択的に酸化する性能は高く有効な触媒である
が、長時間の反応条件下での性能の安定性に問題があ
り、その性能は充分に満足できるとは言えなかった。
を選択的に酸化する性能が高く、かつ、長時間の反応条
件下においても安定した性能を有する水素と炭化水素と
を含有する混合ガス中に存在する水素を、より選択的に
酸化できる新規な触媒を提供することであり、また、該
触媒を使用して安定的に炭化水素の脱水素方法を提供す
ることである。
素及び炭化水素を含有する混合ガスを、酸素含有ガスと
接触させて、該混合ガス中の水素を選択的に酸化するた
めの触媒であって、白金族元素のうち少なくとも1種の
元素と周期表第5族元素のうち少なくとも1種の元素、
そしてアルカリ金属及びアルカリ土類金属のうち少なく
とも1種の元素とを含有する水素の選択的酸化触媒に関
する。また、本発明の請求項7は、水素及び炭化水素を
含有する混合ガスを、酸化触媒の存在下で酸素含有ガス
と接触させて、該混合ガス中の水素を選択的に酸化させ
る方法において、酸化触媒として白金族元素のうち少な
くとも1種の元素と周期表第5族元素のうち少なくとも
1種の元素、そしてアルカリ金属及びアルカリ土類金属
のうち少なくとも1種の元素とを含有する触媒を使用す
ることに関する。さらに、本発明の請求項9は、原料炭
化水素を脱水素触媒の存在下で脱水素反応させることに
より得られた脱水素された炭化水素、未反応原料炭化水
素及び水素を含有する混合ガスを、酸化触媒の存在下で
酸素含有ガスと接触させて、該混合ガス中の水素を選択
的に酸化させ、前記酸化反応により得られた炭化水素含
有ガスをさらに脱水素させる炭化水素の脱水素方法にお
いて、酸化触媒として白金族元素のうち少なくとも1種
の元素と周期表第5族元素のうち少なくとも1種の元
素、そしてアルカリ金属及びアルカリ土類金属のうち少
なくとも1種の元素とを含有する触媒を使用することに
関する。
酸化触媒は、白金族元素のうち少なくとも1種の元素と
周期表第5族元素のうち少なくとも1種の元素、そして
アルカリ金属及びアルカリ土類金属のうち少なくとも1
種の元素とを含有する触媒である。白金族元素とは、白
金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム及
びオスミウムより成る群のことであり、これらは単独で
または2種以上で使用される。このうち白金及びパラジ
ウムが好ましい。白金族元素の含有量は特に制限はない
が、担持量が少なすぎると酸化反応の活性が低下する傾
向があり、また多すぎても反応特性にほとんど影響を与
えないので高価な白金族元素を多く使用することはコス
ト面で不利となるので、好ましくは触媒全体量に対し、
白金族元素の金属量として0.001〜10重量%、さ
らに好ましくは0.05〜5重量%である。白金族元素
を含有する触媒を調製する際に、白金族元素は原料塩と
して使用される。原料塩としては、特に制限はないが、
酸化物、ハロゲン化物及び有機錯体等として用いること
ができる。
のうち少なくとも1種の元素のうちのアルカリ金属とは
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム及びフランシウムである。これらは単独でまたは2種
以上で使用される。これらのうちリチウム、ナトリウ
ム、カリウム及びセシウムが好ましい。アルカリ金属も
触媒を調製する際に、原料塩として使用される。原料塩
としては特に制限はなく、酸化物、ハロゲン化物、水酸
化物、硫酸塩、炭酸塩及び有機塩等を用いることができ
る。また、アルカリ土類金属とはベリリウム、マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びラジ
ウムである。これらも単独でまたは2種以上で使用され
る。これらのうちカルシウム及びストロンチウムが好ま
しい。アルカリ土類金属も触媒を調製する際に、原料塩
として使用される。原料塩としては特に制限はなく、酸
化物、ハロゲン化物、水酸化物、硫酸塩及び有機塩等を
用いることができる。
量は、特に制限はないが、好ましくは、触媒全体量に対
し、金属量として、0.1〜30重量%、さらに好まし
くは0.5〜20重量%である。そして、周期表第5族
元素とはIUPACの長周期型周期表の18族方式によ
る第5族の元素であり、具体的にはバナジウム、ニオブ
及びタンタルである。これらは単独でまたは2種以上で
使用される。これらのうち好ましくはニオブ及びタンタ
ルである。さらに、値段及び触媒性能の面からニオブが
特に好ましい。周期表第5族元素も触媒を調製する際
に、原料塩として使用される。原料塩としては特に制限
はなく、酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、硫酸塩及び
有機塩等を用いることができる。周期表第5族元素の含
有量は、白金族元素と周期表第5族元素とアルカリ金属
及びアルカリ土類金属のうち少なくとも1種の元素とか
らのみなる触媒の場合は、100重量%の内、白金族元
素の必要量とアルカリ金属及びアルカリ土類金属のうち
少なくとも1種の元素の必要量の残り重量%であればよ
く、好ましくは60〜99.899重量%、さらに好ま
しくは90〜99.499重量%である。
るには、従来公知の方法により調製することができる。
具体的には、例えば、周期表第5族元素のうち少なくと
も1種の元素の原料塩を適当な温度で焼成し、酸化物等
の固体成分とした後、白金族元素のうち少なくとも1種
の元素を含有する溶液を含浸し乾燥、焼成し調製するこ
とができる。白金族元素を担持した後に特に特別な処理
は必要ではないが、水素含有ガスによる還元処理や還元
性物質を含む溶液下の還元処理をしてもよい。本発明の
触媒は、白金族元素のうち少なくとも1種の元素と周期
表第5族元素のうち少なくとも1種の元素、そしてアル
カリ金属及びアルカリ土類金属のうち少なくとも1種の
元素とを含有していればよく、これらの元素から調製す
ることはもちろん、これら元素を耐熱性無機担体に担持
させて使用することもできる。耐熱性無機担体は、活性
成分の希釈による発熱の適正化、高価元素の希釈による
低価格化、触媒強度の向上等の目的で使用される。耐熱
性無機担体とは、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チ
タン、酸化ゲルマニウム、酸化スズ及び酸化ガリウム等
が挙げられる。これらのうち、好ましくは酸化アルミニ
ウム、酸化珪素及び酸化チタンである。さらに好ましく
は酸化アルミニウム及び酸化珪素である。これらの耐熱
性無機担体は、2種以上を用いてもよい。
3価の酸化アルミニウムが好ましく、結晶形はアルファ
酸化アルミニウム、ガンマ酸化アルミニウム等が挙げら
れる。好ましくはアルファ酸化アルミニウムである。酸
化珪素は、珪素4価の酸化珪素が好ましく、結晶形は無
定形酸化珪素、結晶性酸化珪素等が使用できる。酸化チ
タンは、チタン4価の酸化チタンが好ましく、結晶形は
無定形酸化チタン、結晶性酸化チタン等が使用できる。
耐熱性無機担体に担持される場合は、触媒全体量100
重量%のうち、白金族元素の必要量とアルカリ金属及び
アルカリ土類金属のうち少なくとも1種の元素の必要量
の残りの重量%が、周期表第5族元素のうち少なくとも
1種の元素と耐熱性無機担体との和となるようにすれば
よい。この場合、周期表第5族元素の含有量は、好まし
くは0.1重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以
上である。
媒は様々な方法にて調製することができる。触媒の調製
方法としては、例えば、耐熱性無機担体に白金族元素、
周期表第5族元素と、アルカリ金属及びアルカリ土類金
属のうち少なくとも1種の元素とを一度に担持する方
法、周期表第5族元素と耐熱性無機担体とを含有する固
体成分に白金族元素とアルカリ金属及びアルカリ土類金
属のうち少なくとも1種の元素とを一度に担持する方
法、周期表第5族元素と耐熱性無機担体とを含有する固
体成分に白金族元素を担持した後、さらにアルカリ金属
及びアルカリ土類金属のうち少なくとも1種の元素を担
持する方法など様々な方法をとることができる。周期表
第5族元素と耐熱性無機担体とを含有する固体成分の調
製方法は、耐熱性無機担体に周期表第5族元素のうち少
なくとも1種の元素の化合物溶液を含浸し、乾燥後焼成
する方法、周期表第5族元素のうち少なくとも1種の元
素の化合物と耐熱性無機担体とを混合し焼成する方法、
また、これらを組み合わせた方法等がありいずれの方法
も用いることができる。
た白金族元素と周期表第5族元素とアルカリ金属及びア
ルカリ土類金属のうち少なくとも1種の元素とを含有し
た触媒、及びこれら元素を耐熱性無機担体に担持した触
媒における白金族元素の白金及びパラジウム等の状態
は、2価または0価であり2価としては、通常、酸化物
となっており、0価は、メタルまたは合金である。ま
た、周期表第5族元素のうち、バナジウムの状態として
は、例えば、5価、4価及び3価よりなる群の1種以上
を含有したものであり、好ましくは5価であり、この場
合、通常、酸化物である。次に、ニオブ及びタンタルの
状態としては、例えば、5価、4価、3価及び0価より
なる群の1種以上含有したものであり、好ましくは5価
であり、この場合、通常、酸化物である。更に、アルカ
リ金属の状態としては、例えば、1価及び0価よりなる
群の1種以上を含有したものである。1価は通常酸化物
であり、0価はメタルまたは合金である。アルカリ土類
金属の状態としては、例えば、2価及び0価よりなる群
の1種以上を含有したものである。2価は通常酸化物で
あり、0価はメタルまたは合金である。
含有する混合ガスを、酸素含有ガスと接触させて、該混
合ガス中の水素を選択的に酸化する反応に用いられる。
前記の反応は、温度が高すぎると水素の選択率が減少
し、炭化水素の燃焼が多くなる傾向があり、温度が低す
ぎる場合には、選択率にはあまり影響を与えないが、活
性が低下する可能性があるので、300〜800℃で行
われることが好ましく、さらに好ましくは400〜70
0℃の温度範囲である。水素及び炭化水素を含有する混
合ガスとは、原料炭化水素を脱水素触媒により脱水素反
応させて得られる脱水素された炭化水素、未反応原料炭
化水素及び水素からなるものである。また、酸素含有ガ
スとは、分子状酸素を1〜100%含有するガスが用い
られ、具体的には空気、酸素富化空気、不活性ガスで希
釈した空気などが好適に用いられる。また、酸素含有ガ
スに水蒸気を含有させることもできる。通常のプロセス
において炭化水素と酸素を導入して、反応器内にて反応
させ酸素を全て消費するプロセスでは、触媒上にコーキ
ングが起こることが知られている。本発明の酸化触媒
も、水素を選択的酸化方法及び炭化水素の脱水素方法に
用いて酸素を全て消費させた場合には、触媒上にコーキ
ングが起こるが、水素を選択的に酸化する選択性におい
ては劣ることがなく問題なく使用できる。
法が適用される代表的なプロセスは次のようなものであ
る。例えば、第1段反応器において脱水素触媒により原
料炭化水素の脱水素反応を行った後に、この1段の反応
層から出る脱水素された炭化水素、未反応原料炭化水素
及び水素を含む混合ガスは第2段の反応層へ送られる。
この第2段反応層において、本発明の選択的酸化触媒の
存在下で、新たに導入された酸素含有ガスを用いて、水
素の選択的酸化を行う。これにより、第1段の、吸熱反
応である脱水素反応により低下した温度を発熱反応によ
り上昇させ、かつ、水素を消費することにより脱水素反
応の平衡的制約を除去する。さらに、この第2段反応層
から出たガスを第1段反応層と同様の第3段脱水素反応
層に送り、未反応の炭化水素の脱水素を実施する。既に
第2段反応層において反応に必要な温度が回復されてお
り、かつ平衡的制約も解除されているので、第3脱水素
反応層においてさらに高い収率を得ることができる。ま
た、必要に応じて更に上記の選択的酸化反応層と脱水素
反応層との組み合わせを追加して反応を実施することも
できる。一般に脱水素反応では水蒸気を共存させること
が多いが、上記反応プロセスにおいても水蒸気を共存さ
せることもできる。本発明の炭化水素とは、芳香環を有
しさらに脱水素可能な炭化水素鎖を有する化合物であ
る。好ましくは、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、
エチルナフタレン、ジエチルナフタレン等である。
エチルベンゼンの脱水素プロセスを挙げることができ
る。これは例えば、エチルベンゼンと水蒸気の混合ガス
を鉄とアルカリ金属を主要活性成分とした鉄系触媒が存
在する第1段反応層に送り、500℃〜800℃の範囲
の温度、0.05〜10気圧の範囲の圧力で脱水素反応
を行い、この後、未反応エチルベンゼン、生成したスチ
レン、水素、水蒸気の混合ガスを第2段反応層へ送る。
第2段反応層で本発明の酸化触媒の存在下で新たに導入
された酸素含有ガスを用いて水素の選択的酸化を行う。
次に、この反応ガスを第3反応層へ送り、ここで再び鉄
系触媒により未反応のエチルベンゼンの脱水素を行いよ
り高い収率でスチレンを得る。このように本発明の方法
を用いれば、平衡的制約が除かれ、かつ反応温度の低下
を回復することができるため、通常の脱水素反応に比較
して遥かに高い収率でスチレンを得ることができる。
を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及
び比較例に限定されるものではない。 実施例1 (触媒調製)五酸化ニオブ(Nb2O5)70gにイオン
交換水100gを加えて、混練し乾燥後、直径3mmの
ペレットに押出し成型した。成型品は、乾燥器中120
℃にて3時間乾燥し、さらにマッフル炉にて1200℃
で3時間焼成した。得られた成型体を折り長さ1mmか
ら5mmにそろえた。続いて、白金0.14gを含有す
る塩化白金酸(H2PtCl6・6H2O)水溶液21m
lに浸漬後、ロータリーエバポレーターにて減圧下60
℃にて1時間乾燥後、乾燥器にて120℃で3時間乾燥
した。その後、空気下650℃で3時間焼成した。その
後、リチウム1.4gを含有する硝酸リチウム(LiN
O3)水溶液21mlに浸漬後、ロータリーエバポレー
ターにて減圧下60℃にて1時間乾燥後、乾燥器にて1
20℃で3時間乾燥した。その後、空気下650℃にて
3時間焼成して、白金/リチウム/酸化ニオブ触媒を得
た。担持組成は、白金0.2重量%、リチウム2重量
%、他は酸化ニオブである。
mlを上下に触媒と略同粒径の石英チップを充填した内
径6.7mmの石英製反応管に充填した後、10%の水
素を含有する、水素と窒素の混合ガス流通下600℃で
1時間還元処理を施した。次いで、スチレン、エチルベ
ンゼン、水、水素、及び空気の混合ガスを反応管に導入
して反応を開始した。混合ガス組成は、
窒素=1/0.4/11.5/0.43/0.18/
0.69(モル比)
の空間速度(SV)は、SV=6550hr-1(0℃、
1気圧換算)であった。630℃で、反応開始から5時
間後に反応管出口のガス及び液受器でトラップされた液
についてガスクロマトグラフで分析を行った結果は、水
素転化率81.1%、酸素転化率100%、スチレン及
びエチルベンゼン燃焼率0.81%であった。ここでス
チレン及びエチルベンゼン燃焼率とは反応層に供給され
たスチレンとエチルベンゼンのモル比に対して燃焼反応
で消失したスチレンとエチルベンゼンのモル数の比率を
示すものである。さらに630℃で、反応開始から10
0時間後に同様に分析を行った結果は、水素転化率7
9.3%、酸素転化率100%、スチレン及びエチルベ
ンゼン燃焼率0.83%であった。
1.4gを含有する硝酸リチウム(LiNO3)水溶液
21mlを、カリウム3.5gを含有する炭酸カリウム
(K2CO3)水溶液21mlに代えた他は、実施例1と
同様な方法で、白金/カリウム/酸化ニオブ触媒を得
た。担持組成は、白金0.2重量%、カリウム5重量
%、他は酸化ニオブである。 (反応)得られた触媒を、実施例1と同様の方法にて反
応試験を実施した。630℃で、反応開始から5時間後
に反応管出口のガス及び液受器でトラップされた液につ
いてガスクロマトグラフで分析を行った結果は、水素転
化率75.3%、酸素転化率100%、スチレン及びエ
チルベンゼン燃焼率0.89%であった。さらに630
℃で、反応開始から100時間後に同様に分析を行った
結果は、水素転化率74.9%、酸素転化率100%、
スチレン及びエチルベンゼン燃焼率0.91%であっ
た。
1.4gを含有する硝酸リチウム(LiNO3)水溶液
21mlを、ナトリウム1.4gを含有する炭酸ナトリ
ウム(Na2CO3)水溶液21mlに代えた他は、実施
例1と同様な方法で、白金/ナトリウム/酸化ニオブ触
媒を得た。担持組成は、白金0.2重量%、ナトリウム
2重量%、他は酸化ニオブである。 (反応)得られた触媒を、実施例1と同様の方法にて反
応試験を実施した。630℃で、反応開始から5時間後
に反応管出口のガス及び液受器でトラップされた液につ
いてガスクロマトグラフで分析を行った結果は、水素転
化率73.9%、酸素転化率100%、スチレン及びエ
チルベンゼン燃焼率0.74%であった。さらに630
℃で、反応開始から100時間後に同様に分析を行った
結果は、水素転化率73.3%、酸素転化率100%、
スチレン及びエチルベンゼン燃焼率0.71%であっ
た。
1.4gを含有する硝酸リチウム(LiNO3)水溶液
21mlを、セシウム1.4gを含有する硝酸セシウム
(CsNO3)水溶液21mlに代えた他は、実施例1
と同様な方法で、白金/セシウム/酸化ニオブ触媒を得
た。担持組成は、白金0.2重量%、セシウム2重量
%、他は酸化ニオブである。 (反応)得られた触媒を、実施例1と同様の方法にて反
応試験を実施した。630℃で、反応開始から5時間後
に反応管出口のガス及び液受器でトラップされた液につ
いてガスクロマトグラフで分析を行った結果は、水素転
化率75.3%、酸素転化率100%、スチレン及びエ
チルベンゼン燃焼率0.69%であった。さらに630
℃で、反応開始から100時間後に同様に分析を行った
結果は、水素転化率74.1%、酸素転化率100%、
スチレン及びエチルベンゼン燃焼率0.69%であっ
た。
1.4gを含有する硝酸リチウム(LiNO3)水溶液
21mlを、カルシウム1.4gを含有する硝酸カルシ
ウム(Ca(NO3)2・4H2O)水溶液21mlに代
えた他は、実施例1と同様な方法で、白金/カルシウム
/酸化ニオブ触媒を得た。担持組成は、白金0.2重量
%、カルシウム2重量%、他は酸化ニオブである。 (反応)得られた触媒を、実施例1と同様の方法にて反
応試験を実施した。630℃で、反応開始から5時間後
に反応管出口のガス及び液受器でトラップされた液につ
いてガスクロマトグラフで分析を行った結果は、水素転
化率68.9%、酸素転化率100%、スチレン及びエ
チルベンゼン燃焼率0.99%であった。さらに630
℃で、反応開始から100時間後に同様に分析を行った
結果は、水素転化率71.3%、酸素転化率100%、
スチレン及びエチルベンゼン燃焼率0.78%であっ
た。
1.4gを含有する硝酸リチウム(LiNO3)水溶液
21mlを、ストロンチウム1.4gを含有する硝酸ス
トロンチウム(Sr(NO3)2)水溶液21mlに代え
た他は、実施例1と同様な方法で、白金/ストロンチウ
ム/酸化ニオブ触媒を得た。担持組成は、白金0.2重
量%、ストロンチウム2重量%、他は酸化ニオブであ
る。 (反応)得られた触媒を、実施例1と同様の方法にて反
応試験を実施した。630℃で、反応開始から5時間後
に反応管出口のガス及び液受器でトラップされた液につ
いてガスクロマトグラフで分析を行った結果は、水素転
化率60.7%、酸素転化率100%、スチレン及びエ
チルベンゼン燃焼率0.90%であった。さらに630
℃で、反応開始から100時間後に同様に分析を行った
結果は、水素転化率71.9%、酸素転化率100%、
スチレン及びエチルベンゼン燃焼率0.74%であっ
た。
交換水100gを加えて、混練し乾燥後、直径3mmの
ペレットに押出し成型した。成型品は、乾燥器中120
℃にて3時間乾燥し、さらにマッフル炉にて1200℃
で3時間焼成した。得られた成型体を折り長さ1mmか
ら5mmにそろえた。続いて、白金0.14gを含有す
る塩化白金酸(H2PtCl6・6H2O)及びカリウム
3.5gを含有する炭酸カリウム(K2CO3)両方を含
有する水溶液21mlに浸漬後、ロータリーエバポレー
ターにて減圧下60℃にて1時間乾燥後、乾燥器にて1
20℃で3時間乾燥した。その後、空気下650℃で3
時間焼成して白金/カリウム/酸化ニオブ触媒を得た。
担持組成は、白金0.2重量%、カリウム5重量%、他
は酸化ニオブである。 (反応)得られた触媒を、実施例1と同様の方法にて反
応試験を実施した。630℃で、反応開始から5時間後
に反応管出口のガス及び液受器でトラップされた液につ
いてガスクロマトグラフで分析を行った結果は、水素転
化率71.8%、酸素転化率100%、スチレン及びエ
チルベンゼン燃焼率0.76%であった。さらに630
℃で、反応開始から100時間後に同様に分析を行った
結果は、水素転化率74.3%、酸素転化率100%、
スチレン及びエチルベンゼン燃焼率0.69%であっ
た。
交換水100gを加えて、混練し乾燥後、直径3mmの
ペレットに押出し成型した。成型品は、乾燥器中120
℃にて3時間乾燥し、さらにマッフル炉にて1200℃
で3時間焼成した。得られた成型体を折り長さ1mmか
ら5mmにそろえた。続いて、白金0.14gを含有す
る塩化白金酸(H2PtCl6・6H2O)水溶液21m
lに浸漬後、ロータリーエバポレーターにて減圧下60
℃にて1時間乾燥後、乾燥器にて120℃で3時間乾燥
した。その後、空気下650℃で3時間焼成した。担持
組成は、白金0.2重量%、他は酸化ニオブである。 (反応)得られた触媒を、実施例1と同様の方法にて反
応試験を実施した。630℃で、反応開始から5時間後
に反応管出口のガス及び液受器でトラップされた液につ
いてガスクロマトグラフで分析を行った結果は、水素転
化率74.7%、酸素転化率100%、スチレン及びエ
チルベンゼン燃焼率0.86%であった。さらに630
℃で、反応開始から100時間後に同様に分析を行った
結果は、水素転化率68.8%、酸素転化率100%、
スチレン及びエチルベンゼン燃焼率0.99%であっ
た。
は、比較例の触媒を使用した反応に比べて、安定した運
転時間における水素転化率が高く、また共存するスチレ
ン及びエチルベンゼンの燃焼率が小さく、反応により得
られたスチレン及び原料のエチルベンゼンの消失が低い
ことが分かる。
選択的に酸化することができ炭化水素の脱水素方法に好
適に使用することができる。また、共存する炭化水素類
の燃焼による消失を実質上問題のないレベルに低く押さ
え、高い水素転化率で安定した運転を提供することがで
きる。
Claims (10)
- 【請求項1】 水素及び炭化水素を含有する混合ガス
を、酸素含有ガスと接触させて、該混合ガス中の水素を
選択的に酸化するための触媒であって、白金族元素のう
ち少なくとも1種の元素と周期表第5族元素のうち少な
くとも1種の元素、そしてアルカリ金属及びアルカリ土
類金属のうち少なくとも1種の元素とを含有することを
特徴とする水素の選択的酸化触媒。 - 【請求項2】 触媒全体における白金族元素の含有量
が、0.001〜10重量%である請求項1に記載の触
媒。 - 【請求項3】 触媒全体におけるアルカリ金属及びアル
カリ土類金属のうち少なくとも1種の元素の含有量が
0.1〜30重量%である請求項1または2に記載の触
媒。 - 【請求項4】 白金族元素が白金及びパラジウムのうち
少なくとも1種であり、周期表第5族元素がニオブであ
る請求項1ないし3のいずれか1項に記載の触媒。 - 【請求項5】 白金族元素のうち少なくとも1種の元素
と周期表第5族元素のうち少なくとも1種、そしてアル
カリ金属及びアルカリ土類金属のうち少なくとも1種の
元素とを耐熱性無機担体に担持した請求項1ないし4の
いずれか1項に記載の触媒。 - 【請求項6】 耐熱性無機担体が酸化アルミニウム及び
酸化珪素のうち少なくとも1種である請求項5に記載の
触媒。 - 【請求項7】 水素及び炭化水素を含有する混合ガス
を、酸化触媒の存在下で酸素含有ガスと接触させて、該
混合ガス中の水素を選択的に酸化させる方法において、
酸化触媒として請求項1ないし6のいずれか1項に記載
の触媒を使用することを特徴とする水素の選択的酸化方
法。 - 【請求項8】 300〜800℃の温度範囲で炭化水素
と水素との混合ガスと酸素含有ガスとを接触させる請求
項7に記載の方法。 - 【請求項9】 原料炭化水素を脱水素触媒の存在下で脱
水素反応させることにより得られた脱水素された炭化水
素、未反応の原料炭化水素及び水素を含有する混合ガス
を、酸化触媒の存在下で酸素含有ガスと接触させて、該
混合ガス中の水素を選択的に酸化させ、前記酸化反応に
より得られた炭化水素含有ガスをさらに脱水素させる炭
化水素の脱水素方法において、酸化触媒として請求項1
ないし6のいずれか1項に記載の触媒を用いることを特
徴とする炭化水素の脱水素方法。 - 【請求項10】 原料炭化水素がエチルベンゼンであ
り、脱水素された炭化水素がスチレンである請求項9に
記載の方法。
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JP2000056611A JP3794235B2 (ja) | 1999-04-02 | 2000-03-02 | 水素の選択的酸化触媒、水素の選択的酸化方法及び炭化水素の脱水素方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9599799 | 1999-04-02 | ||
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JP2000056611A JP3794235B2 (ja) | 1999-04-02 | 2000-03-02 | 水素の選択的酸化触媒、水素の選択的酸化方法及び炭化水素の脱水素方法 |
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---|---|
JP2000342969A true JP2000342969A (ja) | 2000-12-12 |
JP3794235B2 JP3794235B2 (ja) | 2006-07-05 |
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ID=26437154
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JP2000056611A Expired - Lifetime JP3794235B2 (ja) | 1999-04-02 | 2000-03-02 | 水素の選択的酸化触媒、水素の選択的酸化方法及び炭化水素の脱水素方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3794235B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105664904A (zh) * | 2014-11-20 | 2016-06-15 | 中国石油化工股份有限公司 | 阻钾剂的制备方法 |
WO2018026994A1 (en) | 2016-08-05 | 2018-02-08 | Dow Global Technologies Llc | Process for increasing the service life of a solar receiver |
-
2000
- 2000-03-02 JP JP2000056611A patent/JP3794235B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN105664904A (zh) * | 2014-11-20 | 2016-06-15 | 中国石油化工股份有限公司 | 阻钾剂的制备方法 |
WO2018026994A1 (en) | 2016-08-05 | 2018-02-08 | Dow Global Technologies Llc | Process for increasing the service life of a solar receiver |
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JP3794235B2 (ja) | 2006-07-05 |
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