JPH07285898A - 1,4−ブタンジオ−ルの製造方法 - Google Patents

1,4−ブタンジオ−ルの製造方法

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JPH07285898A
JPH07285898A JP6104288A JP10428894A JPH07285898A JP H07285898 A JPH07285898 A JP H07285898A JP 6104288 A JP6104288 A JP 6104288A JP 10428894 A JP10428894 A JP 10428894A JP H07285898 A JPH07285898 A JP H07285898A
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JP
Japan
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catalyst
butanediol
reaction
weight
comparative example
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JP6104288A
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English (en)
Inventor
Kenji Kobayashi
健司 小林
Tatsumi Ichiki
達美 市来
Sadakatsu Suzuki
貞勝 鈴木
Hiroshi Ueno
廣 上野
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】副生成物を抑制し、選択率の向上した1,4−
ブタンジオ−ルの製造方法を提供する。 【構成】銅、クロム、マンガン及び/又はバリウム、な
らびにナトリウム及び/又はカリウムを含む触媒の存在
下に、気相で、マレイン酸ジエチル及び/又はコハク酸
ジエチルを接触水素化することによる、1,4−ブタン
ジオ−ルの製造方法。 【効果】副生成物が抑制され、向上した選択率で1,4
−ブタンジオ−ルが製造でき、しかも触媒寿命が改善で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1,4−ブタンジオ−
ルの製造方法に関し、さらに詳しくは、マレイン酸ジエ
チル及び/又はコハク酸ジエチルを、触媒の存在下に気
相で接触水素化して1,4−ブタンジオ−ルを製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1,4−ブタンジオ−ルは、樹脂原料、
特にポリブチレンテレフタレ−ト樹脂原料やウレタン樹
脂原料などとして有用な化合物である。従って、1,4
−ブタンジオ−ルの安価でかつ効率の良い製造方法の開
発が強く望まれている。
【0003】1,4−ブタンジオ−ルの製造方法として
は、無水マレイン酸及び/又は無水コハク酸、又はそれ
らの誘導体を接触水素化する方法が一般に行われてい
る。例えば、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステ
ルなどを、亜クロム酸銅触媒の存在下に、気相で水素添
加分解して、1,4−ブタンジオ−ルを製造する方法
(特開昭61−22035号公報及び特表昭62−50
1702号公報)がある。また、本発明者らも、無水マ
レイン酸及び/又は無水コハク酸を酸化銅−酸化亜鉛触
媒の存在下に、気相にて接触水素化を行うことによる
1,4−ブタンジオ−ルの製造方法(特開平2−254
34号公報)、無水マレイン酸及び/又は無水コハク酸
を、銅、クロム及びマンガンを含む固体触媒の存在下に
気相にて接触水素化して、テトラヒドロフラン及び1,
4−ブタンジオ−ルを製造する方法(特開平2−160
733号公報)を提案している。。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、1,4−ブタンジオ−ルの選択率が低く、副
生成物であるテトラヒドロフランやn−ブタノ−ルが無
視できない程度副生し、更に使用触媒寿命が短いという
問題点を有している。例えば、特開昭61−22035
号公報記載の方法では、その実施例1で、1,4−ブタ
ンジオ−ルの低い選択率(79.3%)、テトラヒドロ
フランの高い副生(4.3%)及びn−ブタノ−ルの副
生(0.2%)を示している。また、特表昭62−50
1702号公報記載の方法は、上記問題点の他、二段水
添プロセスであるため操作が繁雑であり、設備が大きく
なるという問題点も有している。
【0005】そこで本発明は、副生成物であるテトラヒ
ドロフラン、n−ブタノ−ルの生成を抑制し、高収率で
かつ選択率が高く、加えて触媒寿命が長いところの1,
4−ブタンジオ−ルの製造方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、気相にお
けるマレイン酸ジエチル及び/又はコハク酸ジエチルの
接触水素化による1,4−ブタンジオ−ルの製造方法に
ついて鋭意検討を重ねた結果、Cu−Cr系の触媒とし
て、Cu−CrにさらにMn及び/又はBa、ならびに
Na及び/又はKを含む触媒を使用して反応させると、
副生成物が抑制され、高収率でかつ選択率が高く1,4
−ブタンジオ−ルを製造でき、さらに触媒寿命を改善で
きることを見出した。
【0007】すなわち本発明は、気相でマレイン酸ジエ
チル及び/又はコハク酸ジエチルを接触水素化して1,
4−ブタンジオ−ルを製造する方法において、銅、クロ
ム、マンガン及び/又はバリウム、ならびにナトリウム
及び/又はカリウムを含む触媒の存在下に反応を行うこ
とを特徴とする1,4−ブタンジオールの製造方法を提
供するものである。
【0008】本発明の方法で使用する触媒は、Cu及び
Crの他に、Mn及び/又はBa、ならびにNa及び/
又はKを含む。Na及びK以外のアルカリ金属(Li、
Rb、Cs等)は使用に適さない。Cu/Crの原子比
は0.4〜1.8であるのが好ましく、さらに好ましく
は0.8〜1.4である。Mnは、Cu及びCrの和1
00重量部に対して好ましくは1〜10重量部、さらに
好ましくは2〜7重量部含まれ、BaはCu及びCrの
和100重量部に対して好ましくは2〜20重量部、さ
らに好ましくは2〜10重量部含まれる。Mn及びBa
の両方が含まれるときには合計量として、Cu及びCr
の和100重量部に対して好ましくは3〜30重量部含
まれる。また、Na及びKはアルカリ金属として、Cu
及びCrの和100重量部に対して好ましくは0.1〜
10重量部、さらに好ましくは0.5〜7重量部含まれ
る。この他に少量のSiを、Cu及びCrの和100重
量部に対して10重量部まで含むことができる。
【0009】上記のような触媒は、例えば次のようにし
て製造することができる。まず、Cu源として、例えば
硝酸銅、硫酸銅、塩化銅、酢酸銅等を、Cr源として重
クロム酸塩(例えばNa2 Cr2 7 )、クロム酸塩、
硝酸クロム等を、Mn及び/又はBa源として塩化バリ
ウム、硝酸バリウム、塩化マンガン、硝酸マンガン、酢
酸マンガン等を、Na及び/又はK源として炭酸塩、ケ
イ酸塩(水ガラス)、水酸化物等を使用できる。Crを
含む溶液をアンモニアで塩基性にして、これと、Cu及
びMn及び/又はBaを含む溶液とを混合して沈殿を生
成させる。
【0010】得られた沈殿を濾別、水洗、乾燥した後、
300〜400℃で熱分解する。得られた粉体を稀酸水
溶液で洗い、さらに水洗し、乾燥する。得られた触媒前
駆体に、Na及び/又はKを含む化合物を添加し、乾燥
し、400〜500℃で焼成する。Na及び/又はKの
添加の時期に制限はないが、アルカリ金属の水溶性が高
いことから、上記の沈殿生成後に、水洗、乾燥をおこな
ってから、またその後焼成してから添加するのが普通で
ある。その後、必要であれば黒鉛等の成形助剤を添加し
て成形機を用いて所定の形状に成形する。得られた触媒
中の各成分は酸化物の形として存在している。
【0011】触媒の還元は、例えば、3体積%程度の水
素を含む窒素ガスを触媒に対して、常温常圧換算でのガ
ス空間速度(G.H.S.V.、以下G.H.S.V.はすべて常温、常
圧換算値で示す)4000〜8000時間-1程度で数Kg
/cm2 Gの加圧下、昇温して、140〜160℃にて、
触媒床の発熱が観測されなくなるまで流通し、さらに水
素濃度と温度を徐々に上げ、100体積%として、触媒
床温度200℃にて数時間流通することにより行う。
【0012】マレイン酸ジエチル及び/又はコハク酸ジ
エチルと水素との混合気体と触媒との接触は、従来知ら
れている方法のなかから適宜選択できる。例えば、混合
気体と触媒とを固定床方式で接触させる方法、移動床方
式で接触させる方法、流動床方式で接触させる方法など
を採用することができる。また場合によっては、混合気
体と触媒を回分方式で接触させることもできる。
【0013】本発明にかかる反応は、低温、高圧及び高
水素/原料モル比の方が1,4−ブタンジオ−ルの生成
に有利である。反応温度が高すぎると、コークの生成及
び銅金属粒子のシンタリングなどの問題が生じ、触媒の
寿命が短くなり、また、副反応の進行により1,4−ブ
タンジオ−ルの選択率が低下する。しかし、本発明の方
法は副反応を抑制することができるので、従来よりも高
い温度においても反応を行うことができる。反応温度は
好ましくは150〜240℃、さらに好ましくは160
〜200℃である。また、反応圧力は高い方が1,4−
ブタンジオ−ルの生成に有利である。このため、本発明
における反応は数十Kg/cm2 G程度の加圧下で行うこと
が好ましい。具体的には反応圧力は好ましくは30〜8
0Kg/cm2 G、さらに好ましくは40〜70Kg/cm2
である。また、水素/原料モル比は高い方が1,4−ブ
タンジオ−ルの生成には有利である。具体的には水素/
原料モル比、即ち、マレイン酸ジエチル及び/又はコハ
ク酸ジエチルモル比は、100〜3000とすることが
好ましく、さらに好ましくは200〜1000である。
上記の反応圧力・反応温度・水素/原料モル比は本発明
の製造方法が気相で行われることより、反応系を気相に
保ち得る範囲で選択することが必要である。また、マレ
イン酸ジエチル及び/又はコハク酸ジエチルの重量空間
速度(W.H.S.V.) は0.01〜10時間-1であるのが好
ましく、さらに好ましくは0.1〜2時間-1である。
【0014】従来のCu−Cr系触媒においては、触媒
上に存在する酸点が、重質物の生成やコーキングの原因
となり、触媒の劣化を進行させる。また副反応として、
脱水反応が考えられるが、Cu−Cr系触媒上に存在す
る酸点がこの反応を触媒しているものと考えられる。一
方、本発明においては、上記したように、触媒中に塩基
性のアルカリ金属であるNaやKが含まれているので、
水素化反応の活性を保持したまま、重質物の生成やコー
キングを抑制するため、触媒寿命の改善に大きな効果を
示す。しかも、副反応であるテトロヒドロフラン等の生
成を抑制することができる。しかし、NaとK以外のア
ルカリ金属を含んだCu−Cr系触媒を用いても、本発
明の効果は発揮されない。これは、Liでは塩基性が弱
いのでCu−Cr系触媒の酸性質を制御する効果がほと
んどなく、またRb、Cs等では塩基性が強すぎるた
め、副生物の生成反応は抑制されるものの、目的とする
水素化反応の活性を著しく低下させてしまうためと考え
られる。NaとKの添加の効果は、後述する参考例に示
したピリジンの昇温脱離法(TPD)の結果からも明ら
かである。
【0015】本発明の方法は、上記のように副生成物で
あるテトラヒドロフラン等の生成を抑制し、1,4−ブ
タンジオ−ルの選択率を向上し、また、使用する触媒の
触媒寿命を改善することができる。
【0016】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに詳しく
説明する。
【0017】比較例1 Na2 Cr2 7 ・2H2 O 178.7gを蒸留水9
00mlに溶解し、この溶液に28%アンモニア水22
5mlを加えた。これを溶液aとする。
【0018】Cu(NO3 2 ・3H2 O 260.4
g及びMn(NO3 2 ・6H2 O17.5gを蒸留水
900mlに溶解させ、80℃に加熱した。この溶液を
溶液bとする。
【0019】溶液aに、撹拌しながら溶液bを加え、生
じた沈殿物を濾別し、水洗、乾燥した後粉砕し、これを
350℃で熱分解した。得られた粉体を10%酢酸水溶
液で洗浄し、水洗し、乾燥し、触媒前駆体を得た。この
触媒前駆体を450℃で3時間焼成したものに、さらに
黒鉛を0.5重量%添加して、これをペレットに成形し
た。得られた触媒(酸化形)の組成を蛍光X線分析にて
調べたところ、Cu34.3重量%、Cr 29.3重
量%、Mn 4.1重量%であった。
【0020】この触媒(酸化形)6.5gをSUS31
6製固定床反応器(径15mm、長さ600mm)に充填
し、窒素気流中で5Kg/cm2 Gに加圧、120℃まで昇
温した。その後、窒素中に水素を3体積%加え、触媒の
還元を開始した。この時の全ガス流量はG.H.S.V.720
0時間-1であった。還元による発熱が見られなくなった
ことを確認してから、温度を徐々に上げ、150℃とし
た。さらに発熱が見られなくなったことを確認してから
水素濃度を増加させ、30体積%とし、さらに温度、水
素濃度のいずれかを徐々に上げて、最終的に200℃水
素濃度100体積%とした。ここで発熱が見られなくな
ったことを確認して還元終了とした。この触媒を次の反
応に供した。
【0021】まず、反応器を180℃に加熱し、マレイ
ン酸ジエチル及び水素を、マレイン酸ジエチル1モルに
対して水素530モルの割合で、64Kg/cm2 Gの加圧
下、マレイン酸ジエチルの重量空間速度0.3時間-1
条件下で流通し、水素化反応を行った。生成物をガスク
ロマトグラフィーにより分析し、以下のような結果を得
た(各モル%)。尚、マレイン酸ジエチルは100%水
素化されてコハク酸ジエチルに転化するので、以下のデ
−タはコハク酸ジエチルの転化率で示す。 コハク酸ジエチル転化率 99.2% 1,4−ブタンジオ−ル選択率 85.1% テトラヒドロフラン選択率 7.2% n−ブタノ−ル選択率 0.4%
【0022】実施例1 比較例1において焼成前の触媒前駆体10gに、少量の
水に溶解したNa2 CO3 0.6gを添加したものを
乾燥した後、450℃で3時間焼成した。これにさらに
黒鉛を0.5重量%添加して、ペレットに成形した。得
られた触媒(酸化形)の組成を蛍光X線分析にて調べた
ところ、Cu 33.5重量%、Cr28.6重量%、
Mn 4.0重量%、Na 2.2重量%であった。こ
の触媒(酸化形)を比較例1と同様にして還元した後、
比較例1と同様にして、マレイン酸ジエチルの水素化反
応を行った。それぞれの生成物のガスクロマトグラフィ
ー分析の結果を以下に示す(各モル%)。 コハク酸ジエチル転化率 98.2% 1,4−ブタンジオ−ル選択率 82.9% テトラヒドロフラン選択率 1.2% n−ブタノ−ル転化率 0.0%
【0023】比較例2 比較例1における溶液bの代わりに、Cu(NO3 2
・3H2 O 260.4g、Mn(NO3 2 ・6H2
O 17.5g及びBa(NO3 2 15.8gを蒸
留水900mlに溶解させた溶液を用いたほかは比較例
1と同様にして触媒(酸化形)を調製し、成形した。そ
の組成を表1に示す。この触媒(酸化形)を比較例1と
同様にして還元した後、比較例1と同様にして、マレイ
ン酸ジエチルの水素化反応に使用した。ただし、反応温
度180℃及び200℃、マレイン酸ジエチルの重量空
間速度0.3時間-1及び1.2時間-1で行った。それぞ
れの結果を表1に示す。
【0024】実施例2 450℃で焼成する前の触媒前駆体10gに対して、少
量の水に溶解したNa2 CO3 0.6gを添加した以
外は比較例2と同様にして触媒(酸化形)を調製し、成
形した。その組成を表1に示す。この触媒(酸化形)を
比較例1と同様にして還元した後、比較例1と同様にし
て、マレイン酸ジエチルの水素化反応に使用した。ただ
し、反応温度180℃及び200℃、マレイン酸ジエチ
ルの重量空間速度0.3時間-1及び1.2時間-1で行っ
た。それぞれの結果を表1に示す。
【0025】実施例3 Na2 CO3 の代わりにケイ酸ナトリウム(水ガラス1
号)2.6gを添加した以外は実施例2と同様にして触
媒(酸化形)を調製した。その組成を表1に示す。この
触媒(酸化形)を比較例1と同様にして還元した後、比
較例1と同様にしてマレイン酸ジエチルの水素化反応に
使用した。ただし、反応温度190℃、マレイン酸ジエ
チルの重量空間速度0.5時間-1で行った。結果を表1
に示す。
【0026】実施例4 Na2 CO3 の代わりにケイ酸カリウム(水ガラス4
号)4.0gを添加した以外は実施例2と同様にして触
媒(酸化形)を調製した。その組成を表1に示す。この
触媒(酸化形)を比較例1と同様にして還元した後、比
較例1と同様にしてマレイン酸ジエチルの水素化反応に
使用した。ただし、反応温度190℃、マレイン酸ジエ
チルの重量空間速度0.4時間-1で行った。結果を表1
に示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例5 実施例1で使用したのと同じ触媒を用いて、次の条件で
マレイン酸ジエチルの水素化反応を行った。
【0029】反応温度:185℃、圧力:64kg/c
2 G、W.H.S.V.:0.3時間-1、H2 /マレイン酸ジ
エチル(モル比):540/1 反応結果を表2に示す。
【0030】比較例3 比較例1で使用したのと同じ触媒を用いて、実施例5と
同様の条件でマレイン酸ジエチルの水素化反応を行っ
た。反応結果を表2に示す。
【0031】
【表2】 DES:コハク酸ジエチル BDO:1,4−ブタンジオ−ル THF:テトラヒドロフラン参考例 Cu−Cr系触媒へのアルカリ金属添加により、テトラ
ヒドロフラン等の副生物の生成が抑制されたのは、アル
カリ金属により触媒の酸強度及び酸量が減少したためと
考えられる。この点を明らかにするために、ピリジンの
昇温脱離法(TPD)を行い、触媒の酸性質を測定し
た。測定法を以下に示す。ここで使用した触媒は、比較
例1で製造したCu−Cr−Mn触媒(a)、実施例1
で製造したCu−Cr−Mn−Na触媒(b)、比較例
2で製造したCu−Cr−Mn−Ba触媒(a´)、実
施例3で製造したCu−Cr−Mn−Ba−Na触媒
(b´)である。 測定方法 触媒(30〜100メッシュ)0.3gを石英管につめ
て測定を行った。まず、前処理として、水素気流下、2
0℃/分で100℃まで昇温し、その後5℃/分で25
0℃まで昇温して2時間保持し、還元を行った。ピリジ
ン吸着は、窒素気流下、200℃で行い、その後窒素を
流したまま200℃で数時間保持した。昇温脱離は10
℃/分で200℃から950℃まで昇温し、脱離してく
るピリジンをガスクロマトグラフィーのFIDで検出し
た。
【0032】結果を図1〜2に示す。Cu−Cr−Mn
触媒(a)又はCu−Cr−Mn−Ba触媒(a´)に
対して、アルカリ金属を添加した(b)及び(b´)
は、いずれの触媒も全体の酸量が減少した。特に500
〜600℃の高温側のピークが、アルカリ金属の添加に
よりほとんど消失しており、酸強度も弱められているこ
とがわかった。
【0033】このように、アルカリ金属を添加したCu
−Cr系触媒では、触媒の酸性質が変化していることが
TPD測定により確認できた。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、副生成物を抑制し、選
択率の向上した1,4−ブタンジオ−ルの製造方法を提
供することができる。さらにここで使用される触媒は、
長期に亘り安定的に高活性、高選択率を示し、工業的に
十分満足できる触媒寿命を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ピリジンの昇温脱離法(TPD)によ
る、触媒のTPDプロファイルを示す。
【図2】図2は、ピリジンの昇温脱離法(TPD)によ
る、触媒のTPDプロファイルを示す。
【符号の説明】
aは比較例1で製造したCu−Cr−Mn触媒、bは実
施例1で製造したCu−Cr−Mn−Na触媒、a´は
比較例2で製造したCu−Cr−Mn−Ba触媒、b´
は実施例3で製造したCu−Cr−Mn−Ba−Na触
媒をそれぞれ使用した場合を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 廣 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相でマレイン酸ジエチル及び/又はコ
    ハク酸ジエチルを接触水素化して1,4−ブタンジオー
    ルを製造する方法において、銅、クロム、マンガン及び
    /又はバリウム、ならびにナトリウム及び/又はカリウ
    ムを含む触媒の存在下に反応を行うことを特徴とする
    1,4−ブタンジオ−ルの製造方法。
JP6104288A 1994-04-20 1994-04-20 1,4−ブタンジオ−ルの製造方法 Pending JPH07285898A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002526485A (ja) * 1998-09-18 2002-08-20 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト テトラヒドロフランの製造法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002526485A (ja) * 1998-09-18 2002-08-20 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト テトラヒドロフランの製造法

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