JPH0525055A - 血圧降下剤 - Google Patents
血圧降下剤Info
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- JPH0525055A JPH0525055A JP3205388A JP20538891A JPH0525055A JP H0525055 A JPH0525055 A JP H0525055A JP 3205388 A JP3205388 A JP 3205388A JP 20538891 A JP20538891 A JP 20538891A JP H0525055 A JPH0525055 A JP H0525055A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ラクトバチルス属乳酸菌の菌体水抽出物より
分離された蛋白質画分を有効成分とする血圧降下剤。 【効果】 実質的に蛋白質のみからなり、製剤化が容易
で安定性が良い。蛋白質画分を分子量分画し、特定分子
量の蛋白質を有効成分として使用することもできるか
ら、抗原抗体反応など、生体に対する副作用を最小限度
に抑えたものを提供することができる。
分離された蛋白質画分を有効成分とする血圧降下剤。 【効果】 実質的に蛋白質のみからなり、製剤化が容易
で安定性が良い。蛋白質画分を分子量分画し、特定分子
量の蛋白質を有効成分として使用することもできるか
ら、抗原抗体反応など、生体に対する副作用を最小限度
に抑えたものを提供することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高血圧症患者の血圧
を低下させるのに有効な薬剤、すなわち血圧降下剤に関
するものである。
を低下させるのに有効な薬剤、すなわち血圧降下剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】高血圧症には原因がよくわかっていない
本態性高血圧症と、腎、副腎、神経系の疾患に伴う二次
性高血圧症とがあるが、近年は、前者が全体の90%を
占めている。従来、本態性高血圧の予防と治療には血圧
降下剤がしばしば使われている。しかしながら、従来の
血圧降下剤は、いずれも何らかの副作用を示すという欠
点があった。すなわち、降圧利尿剤として知られている
ものは低カリウム血症や高酸血症を招き易い。また、抹
消血管拡張性降圧剤は赤血球減少、B−遮断剤は気管支
喘息、a−メチルドーパはGOTやGPTの上昇および
溶血性貧血など、それぞれ特有の副作用を示すから、こ
れらの血圧降下剤の服用には慎重を要し、服用量および
服用期間はおのずから制限される。
本態性高血圧症と、腎、副腎、神経系の疾患に伴う二次
性高血圧症とがあるが、近年は、前者が全体の90%を
占めている。従来、本態性高血圧の予防と治療には血圧
降下剤がしばしば使われている。しかしながら、従来の
血圧降下剤は、いずれも何らかの副作用を示すという欠
点があった。すなわち、降圧利尿剤として知られている
ものは低カリウム血症や高酸血症を招き易い。また、抹
消血管拡張性降圧剤は赤血球減少、B−遮断剤は気管支
喘息、a−メチルドーパはGOTやGPTの上昇および
溶血性貧血など、それぞれ特有の副作用を示すから、こ
れらの血圧降下剤の服用には慎重を要し、服用量および
服用期間はおのずから制限される。
【0003】そこで、副作用のない血圧降下剤の出現が
強く望まれており、有望な血圧降下剤として微生物由来
のものが注目されている。既に知られている微生物由来
の血圧降下剤としては、乳酸菌由来の高分子多糖類を有
効成分とするもの(特開昭59−190929号)、ク
ロレラ藻体から分離された分子量1万以上の糖蛋白質か
らなるもの(特開昭60−45603号)、ストレプト
コッカス属細菌の生菌体または死菌体からなるもの(特
開昭61−221124号)、乾燥ビール酵母を有効成
分とするもの(特開昭63−255234号)、乳酸菌
の熱水抽出物からなるもの(特開昭63−139129
号公報,特開平2−247127号公報)などがある。
最後に引用した乳酸菌の熱水抽出物は、糖、蛋白質、核
酸などからなるが、主たる有効成分は糖画分、特にペプ
チドグリカン画分であると考えられている。
強く望まれており、有望な血圧降下剤として微生物由来
のものが注目されている。既に知られている微生物由来
の血圧降下剤としては、乳酸菌由来の高分子多糖類を有
効成分とするもの(特開昭59−190929号)、ク
ロレラ藻体から分離された分子量1万以上の糖蛋白質か
らなるもの(特開昭60−45603号)、ストレプト
コッカス属細菌の生菌体または死菌体からなるもの(特
開昭61−221124号)、乾燥ビール酵母を有効成
分とするもの(特開昭63−255234号)、乳酸菌
の熱水抽出物からなるもの(特開昭63−139129
号公報,特開平2−247127号公報)などがある。
最後に引用した乳酸菌の熱水抽出物は、糖、蛋白質、核
酸などからなるが、主たる有効成分は糖画分、特にペプ
チドグリカン画分であると考えられている。
【0004】また、カゼインおよびその酵素分解物、魚
肉の酵素分解物等、ある種の蛋白質が血圧降下作用を示
すことも知られている。しかしながら、これら蛋白質系
のものは、いずれも数百ミリグラムないし数グラム/kg
-体重 という多量投与をしなければならないのが欠点で
ある。
肉の酵素分解物等、ある種の蛋白質が血圧降下作用を示
すことも知られている。しかしながら、これら蛋白質系
のものは、いずれも数百ミリグラムないし数グラム/kg
-体重 という多量投与をしなければならないのが欠点で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安全
性の高い微生物菌体もしくは動植物体に由来する血圧降
下性物質の中から、より降圧作用が強く少量で有効なも
のを見いだし、これを血圧降下剤として提供することに
ある。
性の高い微生物菌体もしくは動植物体に由来する血圧降
下性物質の中から、より降圧作用が強く少量で有効なも
のを見いだし、これを血圧降下剤として提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ラクトバチル
ス属乳酸菌の菌体水抽出物から分離される蛋白質画分を
有効成分とする血圧降下剤を提供するものである。ここ
で、菌体水抽出物の蛋白質画分とは、菌体水抽出物に核
酸画分除去処理およびペプチドグリカン除去処理を施し
た残渣として得られる、主として蛋白質からなる画分で
あり、好ましくはそれから得られる精製蛋白質画分であ
る。
ス属乳酸菌の菌体水抽出物から分離される蛋白質画分を
有効成分とする血圧降下剤を提供するものである。ここ
で、菌体水抽出物の蛋白質画分とは、菌体水抽出物に核
酸画分除去処理およびペプチドグリカン除去処理を施し
た残渣として得られる、主として蛋白質からなる画分で
あり、好ましくはそれから得られる精製蛋白質画分であ
る。
【0007】
【作用】ラクトバチルス属乳酸菌の菌体水抽出物は蛋白
質、核酸、糖および灰分から主としてなるが、そこから
単離された蛋白質画分は、血圧降下作用を有することが
知られている蛋白質と比べるとはるかに強力な血圧降下
作用を示す。本発明の血圧降下剤の有効成分である蛋白
質は、ラクトバチルス属乳酸菌の菌体から次のようにし
て分離することができる。原料とするラクトバチルス属
乳酸菌は特に限定されるものではないが、好ましい具体
例を示すと、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス
・アシドフィルス、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクト
バチルス・ブルガリクスなどがあり、中でもラクトバチ
ルス・カゼイ YIT9018株は優れた原料である。
これを任意の培養条件で培養し、常法により集菌する。
質、核酸、糖および灰分から主としてなるが、そこから
単離された蛋白質画分は、血圧降下作用を有することが
知られている蛋白質と比べるとはるかに強力な血圧降下
作用を示す。本発明の血圧降下剤の有効成分である蛋白
質は、ラクトバチルス属乳酸菌の菌体から次のようにし
て分離することができる。原料とするラクトバチルス属
乳酸菌は特に限定されるものではないが、好ましい具体
例を示すと、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス
・アシドフィルス、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクト
バチルス・ブルガリクスなどがあり、中でもラクトバチ
ルス・カゼイ YIT9018株は優れた原料である。
これを任意の培養条件で培養し、常法により集菌する。
【0008】次に、集められた菌体について常温の水も
しくは熱水を用いる抽出処理を行なって、水抽出物を得
る。熱水抽出法による場合は、菌体を約50〜100℃
の熱水中に約10〜80mg/mlの濃度で懸濁させて約1
0〜60分間保持することにより可溶性成分を溶出さ
せ、その後、菌体を分離する。pHは特に調整する必要
はないが、通常、約6〜8が適当である。なお、水抽出
に先立って、自己消化または細胞壁溶解酵素を利用する
軽い前処理を施してもよい。たとえば、菌体を自己消化
させたのち100℃で5〜30分間加熱抽出する方法、
リゾチーム等のN-アセチルグルコサミニダーゼを作用さ
せて細胞壁の基底膜構造を切断してから抽出処理を行う
方法、などが可能である。
しくは熱水を用いる抽出処理を行なって、水抽出物を得
る。熱水抽出法による場合は、菌体を約50〜100℃
の熱水中に約10〜80mg/mlの濃度で懸濁させて約1
0〜60分間保持することにより可溶性成分を溶出さ
せ、その後、菌体を分離する。pHは特に調整する必要
はないが、通常、約6〜8が適当である。なお、水抽出
に先立って、自己消化または細胞壁溶解酵素を利用する
軽い前処理を施してもよい。たとえば、菌体を自己消化
させたのち100℃で5〜30分間加熱抽出する方法、
リゾチーム等のN-アセチルグルコサミニダーゼを作用さ
せて細胞壁の基底膜構造を切断してから抽出処理を行う
方法、などが可能である。
【0009】得られた菌体水抽出物に、核酸除去処理お
よびペプチドグリカン除去処理を施す。核酸は、ヌクレ
アーゼP1(ヤマサ醤油株式会社)等の核酸分解酵素で
処理すると低分子化するので、透析によって除去するこ
とができる。その後、陰イオン交換樹脂カラムに流して
蛋白質を吸着させ、カラムを水でよく洗浄してペプチド
グリカン等の非吸着成分を除いてから吸着された蛋白質
を溶出させれば、核酸やペプチドグリカンを含まない蛋
白質画分を得ることができる。上述のようにして精製さ
れた蛋白質画分は、さらにイオン交換、ゲル濾過、逆相
クロマトグラフィー等によってさらに精製すると、蛋白
質としての純度の高いものになり、あるいは特定の分子
量を有するものになる。ラクトバチルス属乳酸菌の菌体
水抽出物から分離される蛋白質画分に含まれる蛋白質
は、その分子量のいかんにかかわらず血圧降下作用を示
すことが確認されており、したがって、上記精製蛋白質
はいずれも本発明の血圧降下剤構成成分として使用する
ことができる。
よびペプチドグリカン除去処理を施す。核酸は、ヌクレ
アーゼP1(ヤマサ醤油株式会社)等の核酸分解酵素で
処理すると低分子化するので、透析によって除去するこ
とができる。その後、陰イオン交換樹脂カラムに流して
蛋白質を吸着させ、カラムを水でよく洗浄してペプチド
グリカン等の非吸着成分を除いてから吸着された蛋白質
を溶出させれば、核酸やペプチドグリカンを含まない蛋
白質画分を得ることができる。上述のようにして精製さ
れた蛋白質画分は、さらにイオン交換、ゲル濾過、逆相
クロマトグラフィー等によってさらに精製すると、蛋白
質としての純度の高いものになり、あるいは特定の分子
量を有するものになる。ラクトバチルス属乳酸菌の菌体
水抽出物から分離される蛋白質画分に含まれる蛋白質
は、その分子量のいかんにかかわらず血圧降下作用を示
すことが確認されており、したがって、上記精製蛋白質
はいずれも本発明の血圧降下剤構成成分として使用する
ことができる。
【0010】本発明の血圧降下剤を構成する上記蛋白質
画分は水に易溶であるから、本発明の血圧降下剤は容易
に任意の剤形のものとすることができる。また、投与方
法も、経口投与、腹腔内投与、静脈内投与などのいずれ
もが可能であるが、降圧効果が最も確実なのは経口投与
である。経口投与のための錠剤、顆粒剤、散剤、カプセ
ル剤、液体製剤などにする場合は、製剤化にあたり一般
に使用されている結合剤、包含剤、賦形剤、潤滑剤、崩
壊剤、湿潤剤、その他任意の補助成分を、必要に応じて
用いることができる。投与量は1回当たり5〜10mg/k
gで十分であるが、毒性はほとんど無いので、それ以上
の大量投与も可能である。本血圧降下剤の投与により、
通常2〜3時間後から10〜30mmHgの血圧降下が期待
できる。効果は12〜24時間以上持続する。連日投与
すればさらに効果的であって、より少ない投与量で顕著
な降圧作用を発揮する。
画分は水に易溶であるから、本発明の血圧降下剤は容易
に任意の剤形のものとすることができる。また、投与方
法も、経口投与、腹腔内投与、静脈内投与などのいずれ
もが可能であるが、降圧効果が最も確実なのは経口投与
である。経口投与のための錠剤、顆粒剤、散剤、カプセ
ル剤、液体製剤などにする場合は、製剤化にあたり一般
に使用されている結合剤、包含剤、賦形剤、潤滑剤、崩
壊剤、湿潤剤、その他任意の補助成分を、必要に応じて
用いることができる。投与量は1回当たり5〜10mg/k
gで十分であるが、毒性はほとんど無いので、それ以上
の大量投与も可能である。本血圧降下剤の投与により、
通常2〜3時間後から10〜30mmHgの血圧降下が期待
できる。効果は12〜24時間以上持続する。連日投与
すればさらに効果的であって、より少ない投与量で顕著
な降圧作用を発揮する。
【0011】
実施例1 コーンスティープリカー培地(4%グルコース、14%
コーンスティープリカー、0.1%リン酸一カリウム、
0.1%リン酸二カリウム)400リットルにラクトバ
チルス・カゼイ YIT‐9018 (微工研条寄第66
5号) を接種し、水酸化ナトリウムでpHを6に制御し
ながら35℃で20時間培養した。その後、遠心分離し
て、洗浄菌体1.3kg(乾物換算重量)を得た。この菌
体を55℃、pH7で2時間自己消化させてから100
℃で10分間加熱抽出し、抽出液を凍結乾燥して、23
4gの水抽出物を得た。
コーンスティープリカー、0.1%リン酸一カリウム、
0.1%リン酸二カリウム)400リットルにラクトバ
チルス・カゼイ YIT‐9018 (微工研条寄第66
5号) を接種し、水酸化ナトリウムでpHを6に制御し
ながら35℃で20時間培養した。その後、遠心分離し
て、洗浄菌体1.3kg(乾物換算重量)を得た。この菌
体を55℃、pH7で2時間自己消化させてから100
℃で10分間加熱抽出し、抽出液を凍結乾燥して、23
4gの水抽出物を得た。
【0012】得られた水抽出物50gをpH5.5の50mM
酢酸緩衝液500mlに溶解し、ヌクレアーゼP1(ヤマ
サ醤油株式会社)4000ユニットを添加して55℃で
5時間反応させた。反応終了後、pHを9.0に調整し、
遠心分離して上清を得、これを一晩蒸留水中で透析した
のち、pH8.5の10mMギ酸アンモニウム緩衝液で平衡
化した陰イオン交換樹脂Qセファロースファーストフロ
ーカラム(2000ml)に通塔し、蛋白質を吸着させ
た。さらに同じ緩衝液で洗浄し、非吸着性の多糖−グリ
コペプチド複合体等のペプチドグリカン層成分を除去し
た。次いで、吸着された蛋白質をpH8.5の1Mギ酸アン
モニウム緩衝液で溶出させ、蒸留水に対して透析したの
ち凍結乾燥して、7.5gの蛋白質画分A(蛋白質とし
ての純度95%)を得た。
酢酸緩衝液500mlに溶解し、ヌクレアーゼP1(ヤマ
サ醤油株式会社)4000ユニットを添加して55℃で
5時間反応させた。反応終了後、pHを9.0に調整し、
遠心分離して上清を得、これを一晩蒸留水中で透析した
のち、pH8.5の10mMギ酸アンモニウム緩衝液で平衡
化した陰イオン交換樹脂Qセファロースファーストフロ
ーカラム(2000ml)に通塔し、蛋白質を吸着させ
た。さらに同じ緩衝液で洗浄し、非吸着性の多糖−グリ
コペプチド複合体等のペプチドグリカン層成分を除去し
た。次いで、吸着された蛋白質をpH8.5の1Mギ酸アン
モニウム緩衝液で溶出させ、蒸留水に対して透析したの
ち凍結乾燥して、7.5gの蛋白質画分A(蛋白質とし
ての純度95%)を得た。
【0013】上記蛋白質画分Aを自然発症高血圧ラット
(SHR,雄,1群5匹)に10mg/kg体重 となるよう
に、ゾンデにて経口投与した。対照群には、水道水0.
5ml/100gを同様にして経口投与した。上記投与から3
時間後、6時間後、12時間後、および24時間後に、
各群ラットについて尾動脈の収縮期血圧を測定した結果
を図1に示す。
(SHR,雄,1群5匹)に10mg/kg体重 となるよう
に、ゾンデにて経口投与した。対照群には、水道水0.
5ml/100gを同様にして経口投与した。上記投与から3
時間後、6時間後、12時間後、および24時間後に、
各群ラットについて尾動脈の収縮期血圧を測定した結果
を図1に示す。
【0014】実施例2 実施例1と同様にして乳酸菌菌体水抽出物から分離され
た蛋白質画分7.5gをpH8.5の10mMギ酸アンモニウ
ム緩衝液2000mlに溶解し、同緩衝液で平衡化した陰
イオン交換樹脂Qセファロースファーストフローカラム
(1000ml)に通塔し、蛋白質を吸着させた。次い
で、吸着された蛋白質をpH7.0の同緩衝液、pH5.5
の同緩衝液、およびpH5.5の1Mギ酸アンモニウム緩
衝液で順次溶出させて三つの画分に分画したのち蒸留水
に対して透析し、蛋白質画分A1,A2,A3を得た。
次に、上記蛋白質画分A1を10mMギ酸アンモニウム緩衝
液(pH5.5)2000mlに溶解し、同緩衝液で平衡化
した陰イオン交換樹脂Qセファロースファーストフロー
カラム(500ml)に通塔し、蛋白質を吸着させた。次
いで、吸着された蛋白質を200mM、400mM、および
1Mのギ酸アンモニウム緩衝液で順次溶出させて三つの
画分に分画したのち蒸留水に対して透析し、蛋白質画分
A11,A12,A13を得た。
た蛋白質画分7.5gをpH8.5の10mMギ酸アンモニウ
ム緩衝液2000mlに溶解し、同緩衝液で平衡化した陰
イオン交換樹脂Qセファロースファーストフローカラム
(1000ml)に通塔し、蛋白質を吸着させた。次い
で、吸着された蛋白質をpH7.0の同緩衝液、pH5.5
の同緩衝液、およびpH5.5の1Mギ酸アンモニウム緩
衝液で順次溶出させて三つの画分に分画したのち蒸留水
に対して透析し、蛋白質画分A1,A2,A3を得た。
次に、上記蛋白質画分A1を10mMギ酸アンモニウム緩衝
液(pH5.5)2000mlに溶解し、同緩衝液で平衡化
した陰イオン交換樹脂Qセファロースファーストフロー
カラム(500ml)に通塔し、蛋白質を吸着させた。次
いで、吸着された蛋白質を200mM、400mM、および
1Mのギ酸アンモニウム緩衝液で順次溶出させて三つの
画分に分画したのち蒸留水に対して透析し、蛋白質画分
A11,A12,A13を得た。
【0015】次に、上記蛋白質画分A12を10mM酢酸緩
衝液(pH5.5)で平衡化したQセファロースファース
トフローに吸着させ、吸着された蛋白質を200mM〜4
00mMのギ酸アンモニウム緩衝液で順次溶出させて五つ
の画分に分画したのち蒸留水に対して透析し、蛋白質画
分A121,A122,A123,A124,A125
を得た。次に、上記蛋白質画分A122を逆相HPLC
分取用カラム(Cosmosil 5C-18P)を用いて、0.05%
TFAをベースに流し、60分で50%アセトニトリル
となるように5ml/分の流速でリニアグラジエント溶出
を行ない、透析して、三つの蛋白質画分A1221,A
1222,A1223に分けた。
衝液(pH5.5)で平衡化したQセファロースファース
トフローに吸着させ、吸着された蛋白質を200mM〜4
00mMのギ酸アンモニウム緩衝液で順次溶出させて五つ
の画分に分画したのち蒸留水に対して透析し、蛋白質画
分A121,A122,A123,A124,A125
を得た。次に、上記蛋白質画分A122を逆相HPLC
分取用カラム(Cosmosil 5C-18P)を用いて、0.05%
TFAをベースに流し、60分で50%アセトニトリル
となるように5ml/分の流速でリニアグラジエント溶出
を行ない、透析して、三つの蛋白質画分A1221,A
1222,A1223に分けた。
【0016】次に、上記蛋白質画分A1221を逆相H
PLC分取用カラム(Cosmosil 5C-18P)を用いて、0.
05%TFAをベースに流し、60分で50%アセトニ
トリルとなるように5ml/分の流速でリニアグラジエン
ト溶出を行なった。溶出のピークを分取し、透析して、
精製蛋白質APを得た。この精製蛋白質は、蛋白質とし
ての純度は95%以上(キャピラリー電気泳動装置によ
る)、分子量(SDS−ポリアクリルアミド電気泳動に
よる)は約5000であった。上記各蛋白質画分につい
て、実施例1の場合と同様にして血圧降下作用を調べ
た。その結果、すべての蛋白質画分について、危険率5
%で有意な血圧降下を生じさせることを確認した。
PLC分取用カラム(Cosmosil 5C-18P)を用いて、0.
05%TFAをベースに流し、60分で50%アセトニ
トリルとなるように5ml/分の流速でリニアグラジエン
ト溶出を行なった。溶出のピークを分取し、透析して、
精製蛋白質APを得た。この精製蛋白質は、蛋白質とし
ての純度は95%以上(キャピラリー電気泳動装置によ
る)、分子量(SDS−ポリアクリルアミド電気泳動に
よる)は約5000であった。上記各蛋白質画分につい
て、実施例1の場合と同様にして血圧降下作用を調べ
た。その結果、すべての蛋白質画分について、危険率5
%で有意な血圧降下を生じさせることを確認した。
【0017】
【発明の効果】本発明の血圧降下剤の有効成分はヨーグ
ルト等を製造するのに普通に使われている乳酸菌の菌体
成分であり且つ蛋白質であるから、安全性が高く、長期
投与による副作用の心配もない。しかも、従来の蛋白質
系血圧降下剤と比べるとはるかに少ない投与量で有効で
あるから、服用も容易である。本発明の血圧降下剤は、
従来の乳酸菌菌体熱水抽出物系血圧降下剤と比べても多
くの利点を有する。すなわち実質的に蛋白質のみからな
ることにより製剤化が容易であり、安定性のよい製剤を
提供することができる。また、必要に応じて蛋白質画分
を分子量分画し、特定分子量の蛋白質を有効成分として
使用することができるから、抗原抗体反応など、生体に
対する副作用を最小限度に抑えたものを提供することが
できる。
ルト等を製造するのに普通に使われている乳酸菌の菌体
成分であり且つ蛋白質であるから、安全性が高く、長期
投与による副作用の心配もない。しかも、従来の蛋白質
系血圧降下剤と比べるとはるかに少ない投与量で有効で
あるから、服用も容易である。本発明の血圧降下剤は、
従来の乳酸菌菌体熱水抽出物系血圧降下剤と比べても多
くの利点を有する。すなわち実質的に蛋白質のみからな
ることにより製剤化が容易であり、安定性のよい製剤を
提供することができる。また、必要に応じて蛋白質画分
を分子量分画し、特定分子量の蛋白質を有効成分として
使用することができるから、抗原抗体反応など、生体に
対する副作用を最小限度に抑えたものを提供することが
できる。
【図1】 実施例1による蛋白質画分Aの血圧降下作用
を示すグラフ。
を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 常一 東京都港区東新橋1−1−19株式会社ヤク ルト本社内 (72)発明者 横倉 輝男 東京都港区東新橋1−1−19株式会社ヤク ルト本社内
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ラクトバチルス属乳酸菌の菌体水抽出物
より分離された蛋白質画分を有効成分とする血圧降下
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3205388A JPH0525055A (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | 血圧降下剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3205388A JPH0525055A (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | 血圧降下剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0525055A true JPH0525055A (ja) | 1993-02-02 |
Family
ID=16505998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3205388A Pending JPH0525055A (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | 血圧降下剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0525055A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001512747A (ja) * | 1997-08-05 | 2001-08-28 | プロビ エービー | 血中のフィブリノーゲン・レベルを低下させるためのラクトバシラスの使用 |
US6319692B1 (en) | 1996-06-26 | 2001-11-20 | Kabushiki Kaisha Yakult Honsha | Methods for transferring gene into chromosome |
WO2004113509A1 (fr) * | 2003-06-20 | 2004-12-29 | Shanghai Bright Dairy & Food Co., Ltd. | Souche de lactobacillus casei lc2w et son utilisation contre l'hypertension |
JP2006273744A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Q P Corp | 血圧降下材およびその製造方法、ならびに血圧降下作用を有する食品組成物および医薬組成物 |
-
1991
- 1991-07-22 JP JP3205388A patent/JPH0525055A/ja active Pending
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
AGRIC BIOL CHEM=1990 * |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP4716769B2 (ja) * | 2005-03-29 | 2011-07-06 | キユーピー株式会社 | 血圧降下剤の製造方法 |
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