JPH05249670A - 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント - Google Patents

感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント

Info

Publication number
JPH05249670A
JPH05249670A JP4741992A JP4741992A JPH05249670A JP H05249670 A JPH05249670 A JP H05249670A JP 4741992 A JP4741992 A JP 4741992A JP 4741992 A JP4741992 A JP 4741992A JP H05249670 A JPH05249670 A JP H05249670A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
photosensitive resin
resin composition
photosensitive
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4741992A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Fujii
正 藤井
Katsunori Tsuchiya
勝則 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP4741992A priority Critical patent/JPH05249670A/ja
Publication of JPH05249670A publication Critical patent/JPH05249670A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃性現像液で現像でき、かつ解像度、耐無
電解銅めっき液性、はんだ耐熱性及び表面光沢性に優れ
た、部分アディティブ法に好適な感光性樹脂組成物及び
これを用いた感光性エレメントを提供する。 【構成】 (a)ノボラック型エポキシ樹脂と不飽和カ
ルボン酸とを反応させて得られる不飽和化合物の二級水
酸基に、イソシアナートエチルメタクリレートを反応さ
せて得られる光重合性不飽和化合物、(b)2−ベンジ
ル−2−ジメチルアミノ−(4−モルホリノフェニル)
−1−ブタン−1−オン、(c)微粒状充填剤、(d)
アミンアクリレート及び(e)加熱硬化剤を含有してな
る感光性樹脂組成物並びに該組成物の層と該層を支持す
る支持体フィルムを有する感光性エレメントである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性樹脂組成物及び
これを用いた感光性エレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】印刷配線板の製造、金属の精密加工など
の分野において、レジスト材料として感光性樹脂組成物
を使用することが知られている。
【0003】印刷配線板の製造は、例えば、銅張り積層
板にドリル等で穴を空けた後、無電解銅めっきで基板穴
壁に導電性を付与し、次いで電気銅めっきを行い、エッ
チング法で回路を形成する。回路形成法には、テンティ
ング法とはんだスルーホール法とがあり、この製造法は
サブトラクティブ法と言われている。
【0004】さらに、接着剤付き積層板を表裏平面回路
とスルーホールを同時に無電解銅めっきだけで導体化す
るフルアディティブ法と、銅張り積層板の表裏平面回路
部をサブトラクティブ法と同様にエッチングで形成し、
スルーホール部分のみを無電解銅めっきで導体化する部
分アディティブ法も知られている。
【0005】このアディティブ法は、サブトラクティブ
法に比較して工程が少なく、省資源で低コスト化が可
能である、パンチ穴スルーホールのめっきが良好であ
る、小径やブラインドスルーホールのめっきまわりが
良好である、導体幅精度が良く、高密度微細配線に適
する、配線板表面の平滑性が良く、凹み配線が可能で
ある等の利点を有する。このような利点を有するアディ
ティブ法のうち、部分アディティブ法に用いられるレジ
ストには、従来、エポキシ樹脂、アミノプラスト樹脂等
の熱硬化性樹脂を主成分とするものが用いられている
が、これらは寸法精度に劣るため、写真法で像を形成し
うる感光性樹脂組成物が提案されている。
【0006】例えば、特開昭53−56018号公報、
特開昭54−1018号公報等には、アクリル系ポリマ
ー及び光重合性モノマーを主成分とする感光性樹脂組成
物が開示されている。この感光性樹脂組成物は、難燃性
の1,1,1−トリクロルエタンで現像可能であるが、
耐無電解銅めっき液性及びはんだ耐熱性が不充分であ
る。
【0007】また、特開昭52−37996号公報、特
開昭58−62636号公報などには、光反応性が付与
されたエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を主成分と
する感光性樹脂組成物が開示されている。この組成物
は、硬化皮膜のはんだ耐熱性には優れているが、1,
1,1−トリクロルエタン等の難燃性有機溶剤に不溶の
ため、現像液にシクロヘキサノン等の可燃性有機溶剤を
使用する必要があり、安全上好ましくない。
【0008】また、特公平1−54390号公報などに
は、光反応性が付与されたエポキシ樹脂を酸無水物で変
性したエポキシ化合物を主成分とするレジストインキ組
成物が開示されている。この場合には、難燃性1,1,
1−トリクロルエタンより環境破壊の少ない希アルカリ
水溶液を現像液に用い、硬化皮膜のはんだ耐熱性に優れ
ているものの、無電解銅めっき液に全く耐性がないとい
う問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点を解消し、1,1,1−トリクロルエタン等
の難燃性現像液で現像でき、かつ解像度、耐無電解銅め
っき液性、はんだ耐熱性及び表面光沢性に優れた、部分
アディティブ法に好適な感光性樹脂組成物(ソルダーレ
ジスト)及びこれを用いた感光性エレメントを提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)ノボラ
ック型エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸とをカルボキシ
ル基当量/エポキシ基当量比を0.1〜0.98の範囲
として付加反応させて得られる不飽和化合物の二級水酸
基に、イソシアナートエチルメタクリレートをイソシア
ナート当量/水酸基当量比を0.1〜1.2の範囲とし
て反応させて得られる光重合性不飽和化合物、(b)2
−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリ
ノフェニル)−1−ブタン−1−オン、(c)微粒状充
填剤、(d)アミンアクリレート及び(e)加熱硬化剤
を含有してなる感光性樹脂組成物並びに該組成物の層と
該層を支持する支持体フィルムを有する感光性エレメン
トに関する。
【0011】本発明の感光性樹脂組成物は、必須成分
(a)として、ノボラック型エポキシ樹脂と不飽和カル
ボン酸とを、カルボキシル基当量/エポキシ基当量比を
0.1〜0.98の範囲として付加反応させて得られる
不飽和化合物の二級水酸基に、イソシアナートエチルメ
タクリレートをイソシアナート当量/水酸基当量比を
0.1〜1.2の範囲として反応させて得られる光重合
性不飽和化合物を含有する。
【0012】ノボラック型エポキシ樹脂には、一般的に
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂とがあり、オルソクレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、チバ・
ガイギー社製のアラルダイトECN1299、ECN1
280、ECN1273、日本化薬(株)製のEOCN
101、EOCN102、EOCN103、EOCN1
04等が挙げられる。
【0013】フェノールノボラック型エポキシ樹脂とし
ては、例えば、シェル社製のエピコート152、エピコ
ート154、ダウケミカル社製のDEN431、DEN
438などが挙げられる。また、必要に応じて、ハロゲ
ン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂を用いてもよ
く、例えば、日本化薬(株)製のBREN等の臭素化フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0014】また、前記ノボラック型エポキシ樹脂と反
応させる不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、β−フリルアクリル酸、β−スチリ
ルアクリル酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸等が用いられ
る。
【0015】本発明において、これらのノボラック型エ
ポキシ樹脂と不飽和カルボン酸との付加反応は、カルボ
キシル基当量/エポキシ基当量比を0.1〜0.98の
範囲として常法で行われる。カルボキシル基当量/エポ
キシ基当量比が0.1未満であると、イメージ露光後の
現像処理により、光硬化皮膜が膨潤する。また、カルボ
キシル基当量/エポキシ基当量比が0.98を超える
と、密着性が低下する。
【0016】ノボラック型エポキシ樹脂と不飽和カルボ
ン酸との付加反応物は、例えば、前記ノボラック型エポ
キシ樹脂をメチルエチルケトン、メチルセロソルブアセ
テート、エチルセロソルブアセテート、シクロヘキサノ
ン等の不活性有機溶剤に溶解し、触媒として、例えば、
トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジエチル
シクロヘキシルアミン等の三級アミン、塩化ベンジルト
リメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモ
ニウム、塩化ベンジルジメチルドデシルアンモニウム等
の四級アンモニウム塩などを、また、重合禁止剤とし
て、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール
などを用い、70〜110℃で前記不飽和カルボン酸と
上記の当量比の範囲で攪拌し、反応させることにより得
ることができる。
【0017】得られた不飽和化合物の二級水酸基に対す
るイソシアナートエチルメタクリレートの反応は、常法
によりイソシアナート当量/水酸基当量比を0.1〜
1.2の範囲として行う。イソシアナート当量/水酸基
当量比が0.1未満の場合には、1,1,1−トリクロ
ルエタン等による現像が困難となり、また、光硬化性が
低下する。イソシアナート当量/水酸基当量比が1.2
を超える場合には、反応時にゲル化しやすくなる。反応
後、メタノール、エタノール、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート等の一級アルコールを用いて、残存するイ
ソシアナートエチルメタクリレートをウレタン化し、失
活させることが安全上好ましい。イソシアナートエチル
メタクリレートとしては、例えば、昭和電工社製のもの
を用いることができる。
【0018】本発明において、特に好ましい光重合性不
飽和化合物としては、オルソクレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂/アクリル酸/イソシアナートエチルメタク
リレート系反応物(カルボキシル基当量/エポキシ基当
量比0.1〜0.98、イソシアナート当量/水酸基当
量比0.1〜1.2)、オルソクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂/メタクリル酸/イソシアナートエチルメ
タクリレート系反応物(カルボキシル基当量/エポキシ
基当量比0.1〜0.98、イソシアナート当量/水酸
基当量比0.1〜1.2)等が挙げられる。
【0019】次に、本発明の感光性樹脂組成物は、必須
成分(b)として、式(I)
【化1】 で表される2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルホリノフェニル)−1−ブタン−1−オンを
光重合開始剤として含有する。2−ベンジル−2−ジメ
チルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブ
タン−1−オンは、例えば、チバ・ガイギー社から IRG
ACURE 369の商品名で市販されている。
【0020】本発明の感光性樹脂組成物においては、光
重合開始剤として上記(b)成分を単独で用いてもよい
が、他の増感剤を併用することができる。他の増感剤と
しては、例えば、2−エチルアントラキノン、2−t−
ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、
1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルア
ントラキノン等の置換又は非置換の多核キノン類、ジア
セチルベンジル等のケトアルドニル化合物、ベンゾイ
ン、ピロン等のα−ケトアルドニルアルコール類及びエ
ーテル類、α−フェニル−ベンゾイン、α,α−ジエト
キシアセトフェノン等のα−炭化水素置換芳香族アシロ
イン類、ベンゾフェノン、4,4’−ビスジアルキルア
ミノベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、2−メチルチ
オキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−
クロルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサント
ン、2−エチルチオキサントン等のチオキサントン類な
どが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いる
ことができる。
【0021】また、それ自体では光開始性はないが、前
記物質と組み合わせて用いることにより、全体として光
開始性能のより良好な増感剤系となるような添加剤、例
えば、ベンゾフェノンに対するトリエタノールアミン等
の三級アミン、チオキサントン類に対するジメチルアミ
ノ安息香酸イソアミル、N−メチルジエタノールアミ
ン、ビスエチルアミノベンゾフェノンなどを用いること
もできる。
【0022】本発明の感光性樹脂組成物は、必須成分
(c)として微粒状充填剤を含有する。微粒状充填剤と
しては、例えば、タルク、シリカ、酸化チタン、クレ
イ、炭酸カルシウム、含水珪酸、水酸化アルミニウム、
アルミナ、硫酸バリウム、三酸化アンチモン、炭酸マグ
ネシウム、マイカ粉、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシ
ウム等が用いられる。
【0023】使用する微粒状充填剤の粒径は、解像度、
硬化皮膜の密着性等の低下防止の点から、0.01〜1
0μmであることが好ましく、0.01〜1.5μmであ
ることがより好ましい。微粒状充填剤は、感光性樹脂組
成物中に均一に分散されていることが好ましい。
【0024】また、充填剤と前記光重合性不飽和化合物
との間の接着力を増すために、充填剤の表面を水酸基、
アミノ基、エポキシ基、ビニル基等の官能基を有するシ
ランカップリング剤で処理することもできる。シラカン
カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、β−アミノエチル−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン等が挙げられる。
【0025】本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、必
須成分(d)としてアミンアクリレートを含有する。こ
こで、アミンアクリレートとしては、例えば、式(II)
【化2】 〔式中、ESはエステル結合を示し、〜は炭化水素連鎖
を示す〕で表される三級アミンを含有するアクリレート
オリゴマーが挙げられ、このものは、東都化成社からト
ーラッド7100(分子量約800)の商品名で入手す
ることができる。
【0026】本発明の感光性樹脂組成物には、他の光重
合性化合物を併用することもできる。他の光重合性化合
物としては、例えば、トリメチロールプロパントリアク
リレート、ペンタエリトリットトリアクリレート、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアナート/2−ヒドロキ
シエチルアクリレート(1/2モル比)反応物等が挙げ
られる。
【0027】また、本発明の感光性樹脂組成物は、必須
成分(e)として加熱硬化剤を含有する。加熱硬化剤と
しては、例えば、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素モ
ノエチルアミンコンプレックス、2−メチルイミダゾー
ル、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ベンジル−2
−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニ
ルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダ
ゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾー
ルトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メ
チル−イミダゾリル−(1)'〕−エチル−1,3,5−
トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−
4’−メチルイミダゾリル−(1)'〕−エチル−1,
3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−
ウンデシル−イミダゾリル−(1)'〕−エチル−1,
3,5−トリアジン等の潜在的硬化剤が好ましい。
【0028】本発明の感光性樹脂組成物は、(a)成分
である光重合性不飽和化合物100重量部に対して、
(b)成分を2〜15重量部、(c)成分を20〜10
0重量部、(d)成分を1〜10重量部及び(e)成分
を1〜10重量部の範囲で含有することが好ましい。
【0029】本発明においては、(a)、(c)、
(d)及び(e)成分は、2種以上併用してもよい。
(b)成分が2重量部未満であると、光硬化性が劣る傾
向があり、15重量部を超えると、表面の硬化が速すぎ
て内部が硬化しにくくなる。また、(c)成分が20重
量部未満であると、硬化収縮の際の残留歪みが大きくて
クラック、はがれなどを生じやすく、100重量部を超
えると、現像後、その粒子が表面に露出しやすくなり、
光沢が劣る傾向がある。また、(d)成分が1重量部未
満であると、めっき性が劣る傾向があり、10重量部を
超えると、露光時にネガが付着しやすくなり、ネガの汚
染や寿命を短縮しやすくなる。(e)成分は、エポキシ
基の反応性及び現像性の点から1〜10重量部の範囲と
されることが好ましい。
【0030】上記のような(a)〜(e)成分の混合順
序、混合法等については特に制限はない。なお、本発明
の感光性樹脂組成物には、他の副次的成分、例えば、高
分子結合剤、熱重合防止剤、染料、顔料、塗工性向上
剤、消泡剤、難燃剤、密着性付与剤等を必要に応じて添
加することができる。
【0031】本発明の感光性樹脂組成物は、ディップコ
ート法、フローコート法、スクリーン印刷法、スプレー
コート法等の常法により加工保護すべき基板上に直接塗
工し、厚さ10〜150μmの感光層を容易に形成する
ことができる。その際、必要に応じて組成物を溶剤に溶
解させて塗工を行うこともできる。溶剤としては、例え
ば、メチルエチルケトン、メチルセロソルブアセテー
ト、エチルセロソルブアセテート、シクロヘキサノン、
メチルセロソルブ、塩化メチレン、1,1,1−トリク
ロルエタン等が挙げられる。
【0032】次に、本発明の感光性エレメントについて
詳細に説明する。本発明の感光性エレメントは、支持体
フィルム上に前記感光性樹脂組成物の層を積層すること
により得られる。支持体フィルム上への感光性樹脂組成
物層の形成は、常法により行なうことができる。例え
ば、感光性樹脂組成物をメチルエチルケトン、トルエ
ン、塩化メチレン等の有機溶剤に均一に溶解させ、この
溶液を該支持体フィルム上にナイフコート法、ロールコ
ート法、スプレーコート法、スピンコート法等で塗布
し、乾燥することにより行なわれる。感光層中の残存溶
剤量は、特性保持のために2重量%以下に抑えることが
好ましい。
【0033】本発明に用いられる支持体フィルムは、感
光性エレメントの製造時に必要な耐熱性、耐溶剤性を有
していることが好ましい。また、支持体フィルムは、活
性光に対して透明であっても不透明であってもよい。使
用しうる支持体フィルムの例として、ポリエステルフィ
ルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム
等、公知のフィルムを挙げることができる。
【0034】長尺の感光性エレメントを製造する場合に
は、製造の最終段階で該エレメントをロール状に巻き取
る。この場合、感圧性粘着テープ等で公知の方法を用
い、背面処理した支持体フィルムを用いることにより、
ロール状に巻き取ったときの感光性樹脂組成物の層の支
持体フィルム背面への転着を防ぐことができる。同じ目
的、さらに塵の付着を防ぐ目的で、該エレメントの感光
性樹脂組成物の層の上に剥離可能なカバーフィルムを積
層することが好ましい。
【0035】剥離可能なカバーフィルムの具体例として
は、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
テフロンフィルム、表面処理した紙などがあり、カバー
フィルムを剥離するときに感光性樹脂組成物の層と支持
体フィルムとの接着力よりも感光性樹脂組成物の層とカ
バーフィルムとの接着力がより小さいものであればよ
い。
【0036】本発明の感光性エレメントを用いて基板上
へ感光層を容易に積層することができる。すなわち、カ
バーフィルムのない場合はそのまま、カバーフィルムの
ある場合はカバーフィルムを剥離して又は剥離しなが
ら、加熱、加圧積層する。加熱、加圧積層は、周知の常
圧ラミネータを用いて行なうことができる。基板が、導
体配線ラインの形成された印刷配線板等のように10μ
m以上の凹凸のあるものの場合には、空気の巻き込みを
防ぐため、200mmHg以下の真空下で積層することが好
ましい。このための装置としては、特公昭55−133
41号公報に記載されている積層装置などがある。
【0037】積層後の露光及び現像処理は、常法により
行うことができる。すなわち、支持体フィルムが活性光
に不透明である場合は、支持体フィルムを剥離した後、
高圧水銀灯、超高圧水銀灯等の光源を用い、感光性樹脂
組成物の層上に直接又はポリエチレンテレフタレートフ
ィルム等の透明フィルムを介し、ネガマスクを通して像
的に露光する。露光後、透明フィルムが残っている場合
には、これを剥離した後、現像する。
【0038】現像液としては、例えば、1,1,1−ト
リクロルエタン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。
また、1,1,1−トリクロルエタンを主成分とする洗
浄剤、例えば、スリーワンEX(東亜合成化学社製)を
使用することもできる。
【0039】上記の方法で得られた像的な保護皮膜は、
通常のエッチング、めっき等のための耐蝕膜としての特
性を有するが、現像後に活性光の露光及び80〜200
℃の加熱処理を行うことにより、無電解銅めっき性に優
れた耐性を示す保護膜が得られる。
【0040】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれによって制限されるものでは
ない。なお、実施例及び比較例中の「部」は、特に断ら
ない限り、「重量部」を意味する。
【0041】実施例1 (a)光重合性不飽和化合物の合成 A.オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 (商品名EOCN−102、エポキシ当量230) 1095部 エチルセロソルブアセテート 800部 B.アクリル酸 69部 塩化ベンジルトリメチルアンモニウム塩 7部 p−メトキシフェノール 3部 エチルセロソルブアセテート 100部 C.イソシアナートエチルメタクリレート 163部 ジブチルチンジラウレート 0.5部 エチルセロソルブアセテート 100部 D.メタノール 10部
【0042】温度計、攪拌装置、冷却管及び滴下器の付
いた加熱及び冷却可能な5リットルの反応器に、前記A
を加え、攪拌しながら60℃に昇温し、均一に溶解させ
た。反応温度を60℃に保ちながら、これに約1時間か
けてBを滴下した。Bの滴下後、2時間かけて80℃に
昇温し、80℃で約15時間攪拌を続け、反応系の酸価
を1以下にした。
【0043】次いで、温度を60℃に下げ、反応温度を
60℃に保ちながら、約3時間かけて均一にCを滴下し
た。Cの滴下後、約5時間かけて徐々に反応温度を80
℃まで昇温した後、温度を60℃に下げ、Dを加え、約
1時間攪拌を続けた。こうして不揮発分57重量%のオ
ルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂/アクリル酸
/イソシアナートエチルメタクリレート(カルボキシル
基当量/エポキシ当量比=0.2、イソシアナート当量/
水酸基当量比=1.1)系光重合性不飽和化合物の溶液を
得た。
【0044】(b)感光性樹脂組成物の調製 (a)で得られた光重合性不飽和化合物の溶液175部
(不揮発分100部)に2−ベンジル−2−ジメチルア
ミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタン−
1−オン(チバガイギー社製 IRGACURE 369)10
部、ミクロエースP−4(日本タルク社製、超微粒子タ
ルク、平均粒径 1.5μm)7部、クリスタライト5
V(龍森社製、超微粒子シリカ、平均粒径5μm)36
部、トーラッド7100(東都化成社製アミンアクリレ
ート、分子量800)5部、フタロシアニングリーン0.
1部、2−メチルイミダゾール3部及びモダフロー(三
菱モンサント社製ポリメタクリレート系レベリング剤)
0.1部を配合し、3本ロールで混合分散させて、感光
性樹脂組成物の溶液を調製した。
【0045】(c)硬化被膜の形成 (b)で得られた感光性樹脂組成物の溶液をIPC基板
(銅厚35μm)上にスクリーン印刷機を用いて塗布
し、室温で20分、80℃で20分間乾燥させ、厚さ6
0μmの感光層を形成した。次いで、ネガマスクを通し
てオーク製作所製メタルハライド系露光機HMW−68
0GW(7kW)を用い、900mJ/cm2 で露光した。露
光後、80℃で5分間加熱し、常温で30分間放置した
後、1,1,1−トリクロルエタンを用いて20℃で6
0秒間スプレー現像した。次いで、150℃で60分間
加熱してネガマスクに対応する寸法精度の優れた硬化被
膜が得られた。
【0046】得られた硬化被膜を下記の組成を有し、7
2℃に加熱した無電解めっき浴に浸漬し、10時間後め
っき浴から取り出し、水洗、乾燥後、評価した。 成分 配合量 硫酸銅(II)・5水和物 10g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 30g ポリエチレングリコール(分子量600) 20ml 2,2−ジピリジル 30mg ホルマリン 3ml 水酸化ナトリウム(pH調整用) 10g(pH=12.2)
【0047】IPC銅上に10μmの銅が析出し、硬化
被膜をセロファンテープで剥離試験したところ、被膜に
はがれが全く認められなかった。また、めっき後、ロジ
ン系フラックスA−226(タムラ化研社製)を用いて
260℃で10秒間を3サイクル実施した結果、クラッ
クの発生、被膜のはがれが認められなかった。
【0048】実施例2 実施例1(a)で得られた光重合性不飽和化合物の溶液
175部(不揮発分、100部)に2−ベンジル−2−
ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1
−ブタン−1−オン5部、2−メチルチオキサントン1
部、クリスタライト5V20部、硫酸バリウム10部、
トーラッド7100(東都化成社製アミンアクリレー
ト、分子量800)3部、ホスマーM(油脂製品社製リ
ン酸エステル)とベンゾトリアゾールとの等モル塩0.
1部、ビクトリアピュアブルー0.02部及び2−メチ
ルイミダゾール2部を3本ロールで混合分散させて、感
光性樹脂組成物の溶液を得た。
【0049】以下、実施例1(c)と同様にして、表面
光沢を有し、耐めっき性に優れた硬化被膜を得た。
【0050】実施例3 (a)光重合性不飽和化合物の合成 A.オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 (東都化成社製YDPN−638、エポキシ当量180) 857部 エチルセロソルブアセテート 600部 B.桂皮酸 176部 アクリル酸 86部 塩化ベンジルトリメチルアンモニウム塩 7部 p−メトキシフェノール 3部 エチルセロソルブアセテート 100部 C.イソシアナートエチルメタクリレート 369部 ジブチルチンジラウレート 0.1部 エチルセロソルブアセテート 100部 D.メタノール 10部
【0051】上記A〜Dを用い、その他は実施例1
(a)と同様にして、不揮発分65重量%のオルソクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂/桂皮酸/アクリル酸
/イソシアナートエチルメタクリレート(カルボキシル
基当量/エポキシ当量比=0.5、イソシアナート当量
/水酸基当量比=1)系光重合性不飽和化合物の溶液を
得た。
【0052】(b)感光性樹脂組成物の調製 (a)で得られた光重合性不飽和化合物の溶液154部
(不揮発分100部)に2−ベンジル−2−ジメチルア
ミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタン−
1−オン10部、ジメチルアミノ安息香酸エチル1部、
クリスタライト2101─41(龍森社製γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン処理超微粒子シリカ、
平均粒径1μm)50部、トーラッド7100の5部、
フタロシアニングリーン0.1部、ジシアンジアミド2
部、2−メチルイミダゾール1部及びメチルセロソルブ
5部を3本ロールで混合分散させて、感光性樹脂組成物
の溶液を調製した。
【0053】以下、実施例1(c)と同様にして、表面
光沢を有し、耐めっき性に優れた硬化被膜を得た。
【0054】比較例1 実施例1(a)で得た光重合性不飽和化合物の溶液17
5部にベンゾフェノンを10部、ミクロエースP−4を
7部、クリスタライト5Vを36部、トーラッド710
0を5部、フタロシアニングリーンを0.1部、2−メ
チルイミダゾールを3部、モダフローを0.1部配合
し、3本ロールで混合分散させ、以後は実施例1(c)
と同様にして得られた硬化被膜は、表面光沢もなく、耐
めっき性に劣っていた。
【0055】比較例2 実施例1(b)の感光性樹脂組成物の溶液からトーラッ
ド7100を除いて、3本ロールで混合分散させ、以後
は実施例1(c)と同様にして得られた硬化被膜は、外
観上は耐めっき性を有していたが、セロファンテープで
の剥離試験で硬化被膜が剥離した。
【0056】比較例3 実施例3(a)で得られた光重合性不飽和化合物の溶液
154部に2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルホリノフェニル)−1−ブタン−1−オンを
10部、ジメチルアミノ安息香酸エチルを1部、トーラ
ッド7100を5部、2−メチルイミダゾールを1部、
メチルセロソルブを5部混合溶解させて、感光性樹脂組
成物の溶液を調製した。
【0057】以後は実施例1(c)と同様にして得られ
た硬化被膜は、表面光沢を有していたが、耐めっき性に
劣っていた。
【0058】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂組成物あるいは感光
性エレメントを用いれば、無電解銅めっき性に優れ、さ
らにはんだ耐熱性にも優れた硬化被膜が得られ、エッチ
ング、メッキ等の耐蝕膜として使用することができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物あるいは感光性エレメ
ントを用いれば、1,1,1−トリクロルエタン等の難
燃性現像液により現像でき、解像度、耐熱性及び表面光
沢性に優れたソルダマスクを形成することができ、しか
も写真法により厚膜のソルダマスク等を形成することも
できる。
【0059】さらに、本発明の感光性樹脂組成物あるい
は感光性エレメントを用いて形成される被膜は、優れた
化学的、物理的特性を有するので、多層印刷配線板の層
間絶縁層、感光性接着剤、塗料、プラスチックレリー
フ、印刷版材料、金属精密加工材料などにも使用するこ
とができる。また、この被膜は、トリクレン、メチルエ
チルケトン、イソプロピルアルコール、トルエン等の有
機溶剤に充分に耐え、酸性水溶液又はアルカリ水溶液に
も耐える等の効果を有する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/038 501 H01L 21/027 H05K 3/28 D 7511−4E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ノボラック型エポキシ樹脂と不飽
    和カルボン酸とをカルボキシル基当量/エポキシ基当量
    比を0.1〜0.98の範囲として付加反応させて得ら
    れる不飽和化合物の二級水酸基に、イソシアナートエチ
    ルメタクリレートをイソシアナート当量/水酸基当量比
    を0.1〜1.2の範囲として反応させて得られる光重
    合性不飽和化合物、(b)2−ベンジル−2−ジメチル
    アミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタン
    −1−オン、(c)微粒状充填剤、(d)アミンアクリ
    レート及び(e)加熱硬化剤を含有してなる感光性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 (a)成分100重量部に対して、
    (b)成分2〜15重量部、(c)成分20〜100重
    量部、(d)成分1〜10重量部及び(e)成分1〜1
    0重量部を含有してなる請求項1記載の感光性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物
    の層と該層を支持する支持体フィルムを有する感光性エ
    レメント。
  4. 【請求項4】 剥離可能なカバーフィルムを感光性樹脂
    組成物の層上にさらに積層してなる請求項3記載の感光
    性エレメント。
JP4741992A 1992-03-05 1992-03-05 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント Pending JPH05249670A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4741992A JPH05249670A (ja) 1992-03-05 1992-03-05 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4741992A JPH05249670A (ja) 1992-03-05 1992-03-05 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05249670A true JPH05249670A (ja) 1993-09-28

Family

ID=12774637

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4741992A Pending JPH05249670A (ja) 1992-03-05 1992-03-05 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05249670A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007136870A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Eastman Kodak Co 画像形成要素および画像形成方法
WO2008126455A1 (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Fujifilm Corporation 感光性樹脂組成物、感光性フィルム、並びにそれを用いたパターン形成方法及びプリント基板

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007136870A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Eastman Kodak Co 画像形成要素および画像形成方法
WO2008126455A1 (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Fujifilm Corporation 感光性樹脂組成物、感光性フィルム、並びにそれを用いたパターン形成方法及びプリント基板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3405631B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びフォトソルダーレジストインク並びにプリント配線板及びその製造方法
JP2000227665A (ja) パターン形成方法
JPH1124254A (ja) 感光性樹脂組成物
JPH095997A (ja) 感光性樹脂組成物、その硬化塗膜及び回路基板
JPS61264341A (ja) 感光性樹脂組成物
JPH11242331A (ja) 光硬化性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント
JP4351463B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型アルカリ可溶性樹脂、活性エネルギー線硬化型アルカリ可溶性樹脂組成物、ソルダーレジスト用組成物、ドライフィルムおよびプリント配線板
JPH05249670A (ja) 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント
JPH04294352A (ja) 感光性水性樹脂組成物
JPS61130946A (ja) 感光性樹脂組成物
EP0433081A2 (en) Photosensitive resin composition and method of use thereof
JPH06263832A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
JPH02111950A (ja) 感光性樹脂組成物および感光性エレメント
JPH0619134A (ja) 感光性樹脂組成物
JPS63280244A (ja) 感光性樹脂組成物
JPS61264340A (ja) 感光性樹脂組成物
JPH06161108A (ja) 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント
JPH02123359A (ja) 感光性樹脂組成物および感光性エレメント
JPH09235348A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びフォトソルダーレジストインク並びにプリント配線板及びその製造方法
JPH05341527A (ja) 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント
JPS61132947A (ja) 感光性樹脂組成物
JPH10306138A (ja) 感光性樹脂組成物及びこれを用いたプリント配線板の製造方法
JPH0425846A (ja) 感光性樹脂組成物及び感光性エレメント
JPS63167349A (ja) 感光性樹脂組成物
JPS63296037A (ja) 樹脂組成物