JPH05248852A - 空間誤差補正装置 - Google Patents

空間誤差補正装置

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JPH05248852A
JPH05248852A JP4084598A JP8459892A JPH05248852A JP H05248852 A JPH05248852 A JP H05248852A JP 4084598 A JP4084598 A JP 4084598A JP 8459892 A JP8459892 A JP 8459892A JP H05248852 A JPH05248852 A JP H05248852A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 三次元空間機構を有する運動機械において、
運動のフィードバックパスに補正機能を持たせることに
より、1系統の関数発生部だけで空間誤差補正機能と運
動空間上での運動制御機能とを実現する。 【構成】 指令空間における指令座標値Xを発生する指
令発生部1と、この指令座標値を入力として動作する位
置制御器3と、この位置制御器による運動空間上の動作
位置Xmを前記指令空間の座標値として検出する位置検
出器4と、この位置検出器の出力座標値に含まれる前記
指令空間と前記運動空間との空間誤差を補正し、その補
正座標値を測定値として出力すると共に、この補正座標
値で前記指令座標値を修正する空間精度補正器5とを備
え、1系統の関数(F)発生部だけで空間誤差補正機能
と運動空間上での運動制御機能とを実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、三次元座標測定機、工
作機械、ロボット等の三次元空間機構を有する運動機械
において、運動のフィードバックパスに補正機能を持た
せることにより、指令空間と運動空間との空間誤差を補
正する空間誤差補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】三次元空間機構を有する運動機械では、
機構部品の加工誤差や温度による変形、歪み等の影響に
より、運動空間が指令空間と一致しない問題を生じ易
い。このため、適切な計算アルゴリズムによってこの誤
差を補正する空間精度技術が構築されてきた。特に、三
次元の座標測定機(CMM;Coordinate Measuring M
achine )に関しては実用化されたものも多く、また基
礎技術の開発も多方面で行われている。
【0003】CMMに空間機能補正機能を搭載する際
は、指令空間と運動空間との空間誤差を補正した測定デ
ータ(真のデータ)が実際に出力され、それについてデ
ータ処理したいというユーザ側の要請を考慮する必要が
ある。一方で、この様な空間精度技術により補正された
運動空間、即ち補正空間上の任意の指令位置にCMMの
プローブを移動させる必要性が生ずる場合がある。この
点に関しては、測定値を補正する補正関数とは逆の関数
によって、指令空間上の指令値を運動空間(補正空間)
に適合させるように修正する逆補正機能が必要とされ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た空間誤差補正機能と、補正空間上での運動制御機能と
にそれぞれ別の関数を必要とする従来の方法は、関数発
生部を2系統必要とし、その処理が冗長になる欠点があ
る。特に、補正関数の逆関数は多くの場合に多価関数と
なるので、その逆関数発生部での処理は複雑になる。本
発明は、このような点を改善し、1系統の関数発生部だ
けで空間誤差補正機能と運動空間上での運動制御機能と
を実現可能にすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明では、指令空間における指令座標値を発生する指
令発生部と、この指令座標値を入力として動作する位置
制御器と、この位置制御器による運動空間上の動作位置
を前記指令空間の座標値として検出する位置検出器と、
この位置検出器の出力座標値に含まれる前記指令空間と
前記運動空間との空間誤差を補正し、その補正座標値を
測定値として出力すると共に、この補正座標値で前記指
令座標値を修正する空間精度補正器とを備えてなること
を特徴としている。
【0006】
【作用】本発明では、位置検出器で得られた運動空間上
の位置情報に対し、位置制御器へフィードバックするパ
ス内で空間誤差補正するようにしたので、外部へ出力す
る測定値が既に空間誤差補正されていることはもとよ
り、処理負担の多い逆関数を要せずに運動空間上の位置
制御を行うことができる。この様に逆関数を必要としな
い場合には、空間誤差補正関数を選択する際の制約がな
くなる。また、指令空間での指令値でそのまま運動指定
できる利便さを併せ持つ。
【0007】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
するが、その前に図4〜図7を参照して従来の空間精度
補正法を説明する。図4は一般的な位置制御システムの
概略構成図である。この制御システムは、運動を規定す
る指令座標系A(X,Y,Z)における位置(x,y,
z)を指令値として出力する指令発生部1と、その指令
値を入力として動作するサーボ系とに大別される。この
サーボ系は、フィードバック用の加算器2と、モータ及
び駆動機構(ネジやベルトなど)を備えた位置制御器3
と、この位置制御器3の運動結果の位置を検出する位置
検出器(例えば、リニアスケール)4とを含み、全体が
フィードバック制御系となるように構成される(内部ル
ープの説明は省略する)。
【0008】図4のシステムにおいて、指令空間と運動
空間との間に3軸共に誤差がなければ、サーボ系の入出
力は完全に一致してx=xm ,y=ym ,z=zm とな
り、入力座標系即ち指令座標系A(X,Y,Z)と出力
座標系即ち運動座標系Am(Xm,Ym,Zm)とは完
全に一致する。しかしながら、空間機構が真直度および
直角度に関して誤差を持つことは一般的であり、またこ
れらの誤差が温度の影響に依って変化することから、運
動座標系Amは入力座標系Aに対して図4右側のような
空間歪みを持つことが避けられない。また、CMMでは
実際の測定値が(xm ,ym ,zm )であるので、この
ような空間誤差に起因する測定誤差を持つことになる。
【0009】上述した空間歪みを補正するために空間誤
差(精度)補正技術が必要になる。運動座標系Am上で
の値が入力座標系Aで如何なる値になるかは、例えばレ
ーザ干渉計などを用いて知ることができ、またAmをA
に変換する関数Fも種々の方法で提案されている。この
関数FはAmとAの空間歪みを補正するものであるか
ら、図4の様な曲線イメージを有し、且つ便宜的に下式
のように表される(但し、Tは温度である)。
【0010】
【数1】A=F(Am,T)……(1)
【0011】式(1)の関数Fが求められると、誤差補
正のために図5のようなシステムが構成され、関数Fに
従って空間誤差補正をするF変換器5を通して外部のデ
ータ処理部に対し測定値を出力することができる。
【0012】ところが、図6のシステムでは測定値の空
間誤差補正は行われるが、指令座標系Aでの正確な位置
決めや軌道制御等の要求がある場合、入力座標系Xでの
位置が運動座標系Amでどのような値になるかを知らな
ければならない。これは、測定値を補正するのと逆の関
係になるため、便宜的に「逆補正」と呼ぶことにする。
この逆補正に必要な関数は、測定値の補正に要した関数
Fの逆関数F-1になり、下式のように表すことができ
る。
【0013】
【数2】Am=F-1(A)……(2)
【0014】図7のシステムは、式(2)の逆関数F-1
で指令座標系Aの指令値を運動空間に適合するように補
正するF-1変換器6を用いている。しかしながら、この
様な逆関数F-1は多価関数となる可能性があり、特に厳
密に誤差補正をする場合にはそのようになることが多
い。場合に依ってはこの逆関数を求められないこともあ
り、仮に求められるとしても複雑な処理になることが予
測される。
【0015】上述したF変換器5とF-1変換器6の機能
を実現するシステムは冗長になり、またF-1関数を容易
に実現するためにF関数の選択に制約を受ける欠点もあ
る。そこで、この発明では図1の様な構成とすることに
より、従来の欠点を解決する。即ち、図6と同様の構成
要素の中で測定値の空間誤差を補正するF変換器5を、
位置検出器4から加算器2に至るフィードバックパス中
に介在させるのである。この様にすると、測定値が空間
誤差補正されたものとなるだけでなく、加算器2にフィ
ードバックされる値が空間誤差補正されているため、入
力となる指令座標系Xの指令値に対して逆変換する必要
がなくなる。つまり、F-1変換器が不要となるのであ
る。この様にすることで、処理系の負担を軽減し、且つ
関数Fの選択時の制約を除去することができる。
【0016】図2は、本発明を三次元座標測定機(CM
M)に適用した一実施例のブロック図を示す。このCM
Mは、接触検出型のプローブ、即ちタッチプローブ11
のスタイラス(図示せず)が測定物に接触した瞬間のプ
ローブ座標を検出することにより、測定物の輪郭形状を
自動的に測定する。機構部12の駆動源は、モータ13
で、その駆動電流は電流制御部14でパルス幅制御され
る。このとき、モータ13に流れる電流値をA/D変換
器15,16で検出し、これをフィードバックすること
で制御精度を高める。
【0017】このサーボ系では、位置制御と速度制御が
行われ、速度制御に関してはモータ13の回転を検出す
るロータリーエンコーダ27の出力パルスをカウンタ1
8でカウントし、更に変換器19でそのカウント値をモ
ータ回転速度に変換して速度制御器17にフィードバッ
クする。
【0018】一方、位置制御に関しては、機構部12に
取り付けられたリニアエンコーダ28(図1の位置検出
器4に相当する)の出力パルスをスケールカウンタ22
でカウントする。このカウンタ21は、タッチプローブ
11が測定物に接触した瞬間に発生する信号TF1が入
力された時に、座標値(Xm,Ym,Zm)を表す信号
を空間精度補正器22に出力する。これと同時に、CM
M温度計23で計測された温度TがA/D変換器24で
デジタル値に変換されて空間精度補正器22に温度情報
が伝えられるので、空間精度補正器22はこの温度Tと
出力座標値Amとを用いて式(1)のF変換を行う。こ
の補正器22の出力E(Xc,Yc,Zc)を位置制御
回路20にフィードバックすることで位置制御を行う。
なお、この出力Eは式(1)のAに相当する。25は位
置制御回路20に対して指令値を与える主制御部を示
し、移動補間処理、加減速制御等を行う。
【0019】上述した空間精度補正器22は図1のF変
換器5に相当し、位置検出器(スケールカウンタ21)
からのフィードバックパス中に挿入されている。従っ
て、外部に出力される測定値が空間誤差補正されている
ことはもとより、運動空間に対する指令値を逆補正する
必要がない。
【0020】図3は、図2のタッチプローブ11の代わ
りに倣いプローブ29を取り付けたCMMに本発明を適
用する場合の実施例を示すブロック図である。倣いプロ
ーブ29を用いる場合には、主制御部25内に、倣いプ
ローブ29が常に許容された変位範囲内で測定部に接触
する状態を維持するための倣い制御の機能が追加され
る。図3の装置では、タッチプローブが発生するタッチ
信号が利用できないため、主制御部25がデータ取り込
み信号TF2を発生する。信号TF2がカウンタ21に
印加されると、カウンタ21はその時のカウンタの値
(Xm,Ym,Zm)を空間精度補正器22に出力す
る。カウンタ21がタッチプローブ11の基準位置の座
標(Xm,Ym,Zm)を計数するのに対して、タッチ
プローブ11内に設けられたリニアエンコーダ30は、
タッチプローブのスタイラス(図示せず)が測定物に接
触した状態の変位を検出するもので、リニアエンコーダ
30からの出力パルスはカウンタ31に出力される。カ
ウンタ31は、前記信号TF2が印加された時に、その
変位量を表す係数値(Xmp,Ymp,Zmp)を主制
御部25に出力する。
【0021】図3の装置の信号処理経路においては、倣
いプローブ29の内部におけるスタイラスの変位信号に
対する空間精度補正を加えていないが、これは装置の簡
略化に有効である。なお、スタイラスの変位信号(Xm
p,Ymp,Zmp)の変化範囲は(Xm,Ym,Z
m)の変化範囲に比較して極めて僅かなため、本発明に
基づく空間精度補正を加えなくても、CMM装置全体の
測定精度には殆ど影響を及ぼさない。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、三次
元空間機構を有する運動機械において、運動のフィード
バックパスに補正機能を持たせるようにしたので、1系
統の関数発生部だけで空間誤差補正機能と運動空間上で
の運動制御機能とを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理構成図である。
【図2】 本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図3】 本発明の他の実施例を示すブロック図であ
る。
【図4】 位置制御システムにおける空間誤差の説明図
である。
【図5】 空間誤差補正関数の説明図である。
【図6】 従来の空間誤差補正法の説明図である。
【図7】 従来の他の空間誤差補正法の説明図である。
【符号の説明】
1…指令発生部、2…加算器、3…モータ及び駆動機
構(位置制御器)、4…位置検出器、5…空間精度補正
器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指令空間における指令座標値を発生する
    指令発生部と、 この指令座標値を入力として動作する位置制御器と、 この位置制御器による運動空間上の動作位置を前記指令
    空間の座標値として検出する位置検出器と、 この位置検出器の出力座標値に含まれる前記指令空間と
    前記運動空間との空間誤差を補正し、その補正座標値を
    測定値として出力すると共に、この補正座標値で前記指
    令座標値を修正する空間精度補正器とを備えてなること
    を特徴とする三次元空間機構の空間誤差補正装置。
JP4084598A 1992-03-06 1992-03-06 空間誤差補正装置 Expired - Lifetime JP2902205B2 (ja)

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DE4306637A DE4306637B4 (de) 1992-03-06 1993-03-03 System zum Kompensieren räumlicher Fehler

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