JPH05248640A - 高周波加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高周波加熱装置に関するもので、
加熱室庫内にある食品の加熱分布状況を表示し、使用者
に加熱状況を報知することを目的とする。 【構成】 本発明は上記目的を達成するために、食品を
出し入れする加熱室１と、食品の形状を認識する認識手
段７と、食品の状態変化を検出する変化検出手段８と、
前記加熱室１の庫内の温度を検出する庫内温度検出手段
９と、食品の種類を選択するスイッチ１０と、認識手段
７、変化検出手段８、庫内温度検出手段９およびスイッ
チ１０の信号に基づいて加熱室１内部にたつ定在波モー
ド４を高速計算し発振源を制御する制御手段１１と、計
算による食品の加熱分布を表示する表示手段１２を設け
る構成としている。この構成により使用者に的確な加熱
分布を知らせることができるので、失敗なく、かつ使用
者の好みに応じた調理仕上りにすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、食品を加熱する高周波
加熱装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の高周波加熱装置は、図４に示すよ
うに加熱室１全体が金属で囲まれた閉空間の中に、高周
波発振源２から高周波を放射して食品３を加熱してい
る。従って、加熱室１内にはその加熱室壁によって生じ
る定在波モード４で食品３を加熱している。また、食品
３を加熱室１内に出し入れし、食品の加熱状況を確認す
るために高周波が外部に漏れない程度のパンチング穴を
施した扉（図示せず）や、加熱室１庫内を照らすランプ
５で構成されている。そして、加熱室内の食品３が、定
在波モード４による加熱むらを生じさせないようにター
ンテーブル６を施している。このようにして食品３は、
高周波振動によって食品全体が内部から加熱されるもの
であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記図４
の従来の構成では、電波を外部に漏らさないために食品
を出し入れする扉には小さいパンチング穴を施している
ため、パンチング穴を覗きこんで内部の食品の加熱状況
を確認していた。したがって、使用者の目視によるとい
う課題があった。

【０００４】また、時々刻々の食品の加熱状況を表示す
るためには、様々な食品による加熱室内の電波のたつ定
在波モードを計算する必要があった。その計算には、食
品を加熱する時間以上の計算時間がかかっており、実用
にたえなかった。

【０００５】本発明は上記課題を解決するもので、時々
刻々の加熱状況も使用者に表示し、確認しやすい高周波
加熱装置を提供することを目的としたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、食品を出し入れする加熱室と、食品の形状
を認識する認識手段と、食品の状態変化を検出する変化
検出手段と、加熱室の庫内の温度を検出する庫内温度検
出手段と、食品の種類を選択するスイッチと、認識手
段、変化検出手段、庫内温度検出手段およびスイッチの
信号に基づいて加熱室内部にたつ定在波モードを高速計
算し発振源を制御する制御手段と、計算による食品の加
熱分布を表示する表示手段を設ける構成としてある。

【０００７】

【作用】本発明は上記構成によって、いろいろな種類の
食品が庫内に置かれても、定在波モードが計算でき、時
々刻々の食品の加熱状況が把握できるので、使用者に表
示手段を通して、正確な加熱状況を表示できる。

【０００８】

【実施例】以下本発明の実施例を図１から図３を用いて
説明する。なお、従来と同じ構成部品には、同一番号を
付している。

【０００９】図１は、本発明１実施例の高周波加熱装置
の全体構成図である。１は加熱室、２は高周波発振源で
あるマグネトロン、３は食品、４は定在波モード、５は
ランプ、６は食品３をのせるターンテーブル、７は食品
３の形状を認識する認識手段、８は食品３の状態変化を
検出する変化検出手段、９は加熱室１の庫内の温度を検
出する庫内温度検出手段、１０は食品３の種類を選択す
るスイッチ、１１は認識手段７、変化検出手段８、庫内
温度検出手段９およびスイッチ１０の信号に基づいて加
熱室１内部にたつ定在波モード４を高速計算しマグネト
ロン２を制御する制御手段、１２は計算による食品３の
加熱分布を表示する表示手段、１３は食品３の加熱分布
を上から見た時の表示、１４は横から見た時の表示であ
る。

【００１０】図２は、加熱室１内にたつ定在波モード４
を計算するための数値計算手法のひとつである有限要素
法を用いた庫内の電磁波解析を行なうために加熱室１の
中を要素分割したものである。１５は分割された要素の
ひとつであり、１６は要素上の節点であり、１７はマグ
ネトロン２による励振源の位置を示している。

【００１１】図３は、加熱室１内に入れられた食品３を
要素分割した図である。なお、電磁波解析をする上で、
図３の食品３の形状を認識する認識手段７で大きさ、体
積、位置を判断し、食品３の状態変化を検出する変化検
出手段８、庫内温度検出手段９および食品３の種類を選
択するスイッチ１０で食品３のある温度における誘電率
を検出している。これら食品の大きさ、物理情報をもと
に図３の要素分割を行なうとともに、図２の庫内の要素
分割と合成して電磁波の解析を行なっている。

【００１２】食品の形状を認識する認識手段７として
は、加熱室庫内の中を撮像素子で検出したり、超音波素
子で、距離を測定したり、フォトトランジスタを数個並
べて食品からの反射を検出してもよく本発明ではいずれ
の手段でもよい。

【００１３】食品の状態変化を検出する変化検出手段８
としては、加熱室庫内の食品３の温度と誘電率との関係
から電波吸収量を測定する検波手段や、赤外線センサの
ように食品の温度を検出する方法があり、本発明ではい
ずれの手段でもよい。

【００１４】これら検出手段からの時々刻々の情報をも
とに制御手段１１は、加熱室１内の定在波モード４を計
算するとともに、対応するモードに対して食品３の加熱
分布を計算し、表示手段１２に結果を表示するものであ
る。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の高周波加
熱装置は、次に述べる効果がある。

【００１６】本発明は、食品の形状を認識する認識手段
と、食品の状態変化を検出する変化検出手段と、加熱室
の庫内の温度を検出する庫内温度検出手段と、食品の種
類を選択するスイッチと、認識手段、変化検出手段、庫
内温度検出手段およびスイッチの信号に基づいて加熱室
内部にたつ定在波モードを計算し、食品の加熱分布を表
示する表示手段を設ける構成としているので、加熱室庫
内の食品による定在波モードを計算し、各検出手段から
の信号に基づいて食品の加熱状況を表示し、使用者に的
確な加熱分布を知らせることができるので、失敗のない
加熱調理を提供するとともに、使用者の好みに応じて機
器を加減（機器の停止、続行）することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における高周波加熱装置の全
体構成図

【図２】同本発明一実施例の加熱室の要素分割図

【図３】同本発明一実施例の食品の要素分割図

【図４】従来の高周波加熱装置の全体構成図

【符号の説明】

１ 加熱室 ２ 発振源 ３ 食品 ４ 定在波モード ７ 認識手段 ８ 変化検出手段 ９ 庫内温度検出手段 １０ スイッチ １１ 制御手段 １２ 表示手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小寺 秀俊 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】食品を出し入れする加熱室と、前記加熱室
   へ高周波電力を供給する発振源と、前記食品の形状を認
   識する認識手段と、前記食品の状態変化を検出する変化
   検出手段と、前記加熱室の庫内の温度を検出する庫内温
   度検出手段と、前記食品の種類を選択するスイッチと、
   前記認識手段、前記変化検出手段、前記庫内温度検出手
   段、前記スイッチの信号に基づいて前記加熱室内部にた
   つ定在波モードを計算し、前記発振源を制御する制御手
   段と、前記計算による食品の加熱分布を表示する表示手
   段とからなる高周波加熱装置。