JPH0634142A - 高周波加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は高周波加熱装置に関するもので、加
熱室内にある受皿の有無を自動的に判別する構成を提供
することを目的とする。 【構成】 上記高周波加熱装置は、金属性受皿２を介し
て加熱室内１の側壁に配置された高周波出力装置５、及
び高周波検出器６と受皿判定手段７で構成され、前記高
周波出力装置５から加熱開始後一定時間、低出力の高周
波が出力されると、加熱室内１の受皿の有無によって高
周波検出器６から出力される電圧値に差を生じ、その電
圧値を受皿判定手段に入力することによって受皿の有無
が自動的に判別することが可能な構成とした。この構成
により受皿の誤使用による調理失敗をなくすことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はオーブン機能付高周波加
熱装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、オーブン機能付高周波加熱装置が
普及してきている。この加熱装置は調理メニューによっ
てヒーター加熱、高周波加熱及び両方による加熱という
ように使い分けて使用することができるが、食品を上手
く調理するためには熱及び高周波を食品の上部からだけ
でなく、下部からも十分に伝える必要がある。そこで通
常は、ヒーター加熱時には熱伝導性の優れた金属性受皿
をまた、高周波加熱時には誘電体性受皿を使用するよう
になっていた。

【０００３】しかし、使用者が調理メニューに合った適
切な受皿を使用せず、食品を加熱した場合、大切な食品
を台無しにするばかりでなく、高周波加熱時に金属性受
皿を使用すると放電の可能性もあり非常に危険であっ
た。

【０００４】従来、こういった問題点を解消するために
加熱室内下部では、受皿を取り付けた後に、加熱室下部
にある重量測定手段によって受皿の重量を測定し、受皿
の種類によって重量差があることを利用して取り付けら
れた受皿の種類を判別し、調理メニューに合った受皿が
使用されていなければ加熱源を停止させるという方法が
あった。（例えば、特開平１−１４７２２３号公報）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加熱室
内下部に取り付ける受皿の種類を加熱室下部の重量測定
手段によって判別するという従来の方法では、加熱室内
中央付近に取付可能である金属性受皿の有無を判定する
ことができなかった。したがって、ヒーター加熱時に前
記金属性受皿を使用しなかったり、逆に高周波加熱時に
使用するという受皿の誤使用は使用者が加熱前に確認す
る必要があり、もし誤使用のまま加熱を開始すると、食
品が台無しになるばかりでなく、高周波加熱時に金属性
受皿を使用すると放電の可能性もあり非常に危険であ
る。

【０００６】本発明はこのような従来の問題点を解消す
るものであり、加熱室中央付近の金属性受皿の有無を自
動的に判別し、前記受皿が調理メニューにあった使用で
なければ加熱源及び高周波出力装置を制御して食品を保
護するとともに、誤使用による危険を防止する高周波加
熱装置を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の高周波加熱装置は被加熱物を収納する加熱
室と、前記被加熱物を加熱するヒーター及び高周波出力
装置とからなる加熱源と、前記加熱室内にある金属性受
皿の有無を判定する受皿判定装置を有し、前記受皿判定
装置は加熱室へ高周波エネルギーを供給する高周波出力
装置と、前記加熱室内の高周波エネルギーへの状態を検
出する高周波検出器と、高周波検出器から出力された信
号に基づき前記加熱室内の金属性受皿の有無を検出する
受皿判定手段とからなり、かつ、前記高周波出力装置は
加熱開始後、一定時間だけ低出力高周波を出力し、この
時の加熱室内の高周波エネルギーの状態を前記高周波検
出器で検出し、前記受皿判定手段によって金属性受皿の
有無を判定する構成とした。

【０００８】

【作用】本発明は、上記した構成によって、加熱室内を
加熱開始後、一定時間だけ高周波出力装置より低出力の
高周波が出力されると、高周波検出器に検出される電圧
値は、加熱室内中央付近の金属性受皿の有無によって差
異を生じる。そして、前記電圧値を受皿判定手段に入力
することにより、使用されている皿が適切な皿であるか
どうかを判定し、その結果を制御手段へ入力すると、制
御手段は入力された信号から、加熱源、及び高周波出力
装置へ適切な制御を行う。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【００１０】図１において１は加熱室で、前記加熱室の
中央付近には金属性受皿２が取り付け可能であり、上下
部にはヒーター３が配置されている。受皿判定装置４は
前記加熱室側壁に配置された高周波出力装置５、及び高
周波検出器６と前記高周波検出器が出力する信号を入力
する受皿判定手段７とから構成されている。また、制御
手段８は前記受皿判定手段７から出力された信号を入力
し、ヒーター３、及び高周波出力装置５を制御する。

【００１１】上記構成において動作を説明すると、加熱
室１をヒーター３、及び高周波出力装置５によって加熱
する場合、高周波出力装置５は、加熱開始後一定時間だ
け低出力の高周波を出力する。この時、前記低出力の高
周波を入力した高周波検出器６から出力される電圧値は
図２のように加熱室１内の中央付近に取り付け可能であ
る金属性受皿２の有無によって差異を生じる。

【００１２】そして、前記電圧値を受皿判定手段７に入
力すると、受皿判定手段７では適切な皿が使用されてい
るかどうかを判定し、その結果を制御手段８へ出力す
る。前記結果を入力した制御手段８はヒーター３、およ
び高周波出力装置５へ適切な制御を行う。すなわち、適
切な皿が使用されている場合は本格的に加熱を開始し、
調理を行う。また適切な皿が使用されていない時は加熱
を中止する。この時、ブザー等により警報を発するよう
にしてもよい。

【００１３】以上の作用から、適切な受皿を使用しなか
った時には、食品を保護するとともに受皿の誤使用によ
る危険を防止するという効果がある。

【００１４】なお、本実施例では受皿の有無を判定する
ために用いた高周波出力装置と高周波加熱をするための
高周波出力装置は同一のものを使用した場合につき説明
したが、これは必ずしも同一のものでなく個別のもので
あってもよいのは勿論である。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば以下の効果が得られる。

【００１６】高周波出力装置から加熱開始後一定時間、
低出力の高周波を出力する構成なので、金属性受皿の有
無を自動的に判別することが可能であり、適切な皿が使
用されていなければ加熱源及び高周波出力装置を制御し
て食品を保護するとともに危険を防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における高周波加熱装置の要
部ブロック図

【図２】本発明の第１の実施例における高周波検出器の
出力特性図

【符号の説明】

１ 加熱室 ２ 金属性受皿 ３ ヒーター（加熱源） ４ 受皿判定装置 ５ 高周波出力装置 ６ 高周波検出器 ７ 受皿判定手段 ８ 制御手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被加熱物を収納する加熱室と、前記被加熱
   物を加熱するヒーターおよび高周波出力装置とからなる
   加熱源と、前記加熱室内にある金属性受皿の有無を判定
   する受皿判定装置を有し、前記受皿判定装置は加熱室へ
   高周波エネルギーを供給する高周波出力装置と、前記加
   熱室内の高周波エネルギーの状態を検出する高周波検出
   器と、前記高周波検出器から出力された信号に基づき前
   記加熱室内の金属性受皿の有無を検出する受皿判定手段
   とからなり、かつ、前記高周波出力装置は加熱開始後、
   一定時間だけ低出力の高周波を出力し、この時の加熱室
   内の高周波エネルギーの状態を前記高周波検出器で検出
   し、金属性受皿の有無を判定する構成とした高周波加熱
   装置。
2. 【請求項２】前記上皿判定手段から出力された信号を入
   力し、加熱源と高周波出力装置を制御する制御手段を有
   する請求項１記載の高周波加熱装置。