JPH05248486A - 円筒型液封マウント装置 - Google Patents

円筒型液封マウント装置

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JPH05248486A
JPH05248486A JP4444992A JP4444992A JPH05248486A JP H05248486 A JPH05248486 A JP H05248486A JP 4444992 A JP4444992 A JP 4444992A JP 4444992 A JP4444992 A JP 4444992A JP H05248486 A JPH05248486 A JP H05248486A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stopper member
liquid
cylindrical body
vibration input
main spring
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP4444992A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Kawamoto
洋一 河本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurashiki Kako Co Ltd
Original Assignee
Kurashiki Kako Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kurashiki Kako Co Ltd filed Critical Kurashiki Kako Co Ltd
Priority to JP4444992A priority Critical patent/JPH05248486A/ja
Publication of JPH05248486A publication Critical patent/JPH05248486A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 衝撃力が液室内の液体に直接作用することを
防止して装置の耐久性の向上を図る。 【構成】 振動入力方向に突出するストッパー部材2を
設けた内筒体1を偏心状態で外筒体3内に配置して、両
者を弾性体4によって連結する。弾性体に上記振動入力
方向の両側から上記ストッパー部材の両突出端2a,2
bを挟む位置に、一対の空所6a,6bを筒軸X方向に
貫通して設ける。上記振動入力方向に直交する他の半径
方向の両側からストッパー部材を挟む弾性体の各部位を
主ばね部4j,4kとし、この主ばね部の振動入力方向
両側に液室7a〜7dを配置する。そして、上記空所を
薄壁部4f〜4iにより各液室と隔てる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車用エンジ
ンのマウント部材などに用いられる円筒型液封マウント
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の円筒型液封マウント装
置としては、弾性体により互いに連結された内筒体と外
筒体との間に、液体を封入した液室を備えたものが種々
知られている。そして、特に、過大変形の発生の防止を
図るために、上記内筒体の外周面に振動入力方向両側に
突出するストッパー部材を設けたものが提案されている
(例えば、特開平1−153830号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記提案に
係る円筒型液封マウント装置では、上記ストッパー部材
が液室内に配置されているため、衝撃力などの過大な振
動が入力した場合、そのストッパー部材が内筒体と共に
相対移動して、上記衝撃力が上記液室内の液体に直接的
に作用する。つまり、上記液体を介して上記衝撃力が液
室を構成する弾性体に直接的に作用するため、一時的に
過大な引張り応力が作用して、その弾性体の耐久性の低
下を招くおそれがある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、過大変形の発
生の防止を図りつつ、衝撃力などの過大な振動が液室内
の液体に直接的に作用することを防止して装置の耐久性
の向上を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、内筒体と、この内筒体の筒
軸方向中間位置の外周面から半径方向一方向である振動
入力方向の両側に突出するストッパー部材と、このスト
ッパー部材および上記内筒体を囲む外筒体とを備える。
また、この外筒体と上記内筒体との間に介装されて両者
を連結する弾性体と、この弾性体と上記外筒体との間の
部位に上記振動入力方向に並んで区画形成されてオリフ
ィスにより連通された複数の液室と、この各液室に封入
された液体とを備える。そして、上記弾性体に、上記振
動入力方向の両側から上記ストッパー部材を挟む位置に
上記ストッパー部材の各突出端と上記外筒体とを互いに
離隔する一対の空所を上記筒軸方向に貫通して形成す
る。加えて、上記各液室を上記ストッパー部材および上
記一対の空所が並ぶ上記振動入力方向の部位と異なる部
位に配置する構成とするものである。
【0006】また、請求項2記載の発明は、上記請求項
1記載の発明において、振動入力方向にほぼ直交する他
の半径方向の両側からストッパー部材を挟む弾性体の各
部位に、上記ストッパー部材と上記外筒体とを弾性的に
連結する一対の主ばね部を形成する。この各主ばね部を
挟む上記振動入力方向の両側位置に各液室を配置する。
そして、各空所を、上記弾性体の一部を構成する薄壁部
により上記各液室と隔てられた状態で、上記ストッパー
部材の各突出端から上記各主ばね部の外筒体近傍位置ま
での範囲に形成する構成とするものである。
【0007】また、請求項3記載の発明は、上記請求項
2記載の発明において、内筒体を外筒体に対して振動入
力方向に偏心して配置する。そして、上記内筒体がマウ
ント対象物の自重により上記外筒体に対して同心位置に
変位された装着状態で、各主ばね部の上記振動入力方向
の一側面を薄壁部の少なくとも一部と当接する配置とす
る構成にするものである。
【0008】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
衝撃力などの過大な振動が上記振動入力方向から入力し
た場合、ストッパー部材が空所内を相対移動してその突
出端が外筒体に当ることにより、それ以上の移動が阻止
される。この際、各液室は上記ストッパー部材の相対移
動方向とは異なる部位に配置されて上記突出端と切り離
されているため、上記突出端が移動しても上記衝撃力が
液室内の液体に直接作用することはなく、従って、この
各液室を構成する弾性体に過大な内部応力が発生するこ
とはない。
【0009】また、請求項2記載の発明では、上記請求
項1記載の発明による作用に加えて、ストッパー部材が
両主ばね部により弾性的に支持され、かつ各主ばね部が
一対の空所により振動入力方向に直交する他の半径方向
のほぼ全範囲にわたって他の弾性体部分と切り離されて
いるため、上記ストッパー部材の上記振動入力方向への
相対移動がより自由に行われる。このため、微小振幅の
振動に有効に追随して、上記主ばね部の弾性復元力によ
り、その振動の吸収、減衰が行われる。
【0010】さらに、請求項3記載の発明では、上記請
求項2記載の発明による作用に加えて、各主ばね部の振
動入力方向の一側面が薄壁部の一部と当接しているた
め、ストッパー部材の相対移動により上記薄壁部を介し
て各液室が押されて液体の流動が促進される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0012】図1ないし図4は、本発明の第1実施例に
係る円筒型液封マウント装置を示し、1は内筒体、2は
この内筒体1に固定されたストッパー部材、3は上記内
筒体1を囲み、その半径方向の一方向である振動入力方
向(図1ないし図3の上下方向、以下、単に上下方向と
いう)に所定量偏心して配置された外筒体、4はこの外
筒体3と上記内筒体1との間に介装されて両者1,3を
互いに連結する弾性体、5はこの弾性体4の外周部に埋
め込まれた中間筒体、6a,6bは上記弾性体4を上記
筒軸X方向に貫通する一対の空所、7a,7b,7c,
7dは上下方向に一対ずつ配置されて液体8がそれぞれ
封入された二組の液室である。
【0013】上記ストッパー部材2は、上記内筒体1の
筒軸X方向のほぼ中央部の外周面から上下方向両側に所
定量突出された一対の突出端2a,2bを備えており、
合成樹脂もしくは金属により形成されている。上記スト
ッパー部材2が合成樹脂製の場合、射出成形することに
より上記内筒体1に固定され、また、金属製の場合、圧
嵌装することにより上記内筒体1に固定されている。そ
して、振動発生源であるエンジンなどを車体にマウント
する前の装着前状態(図1に示す状態)で、上記内筒体
1は上記外筒体3の軸心に対して上方に所定量偏心した
位置に上記弾性体4により支持されている。
【0014】上記弾性体4は上記内筒体1、ストッパー
部材2および中間筒体5と一体的に加硫成形されてお
り、上記中間筒体5の外周面を覆う薄膜4aが一体形成
されている。そして、この薄膜4aの外周面に上記外筒
体3が嵌着されて、この外筒体3と上記内筒体1とが上
記弾性体4を介して互いに連結されている。
【0015】上記空所6a,6bは、上記弾性体4の上
下方向の部位であって、上記ストッパー部材2と上記中
間筒体5との間の各部位に配置されており、上側の空所
6aは上記内筒体1が偏心している分、上下方向間隔が
比較的小さく形成され、下側の空所6bは比較的大きく
形成されている。そして、上記内筒体1が例えばエンジ
ン側に、上記外筒体3が車体側にそれぞれ取付けられた
装着状態(図2に示す状態)で、マウント対象物である
エンジンの自重により上記ストッパー部材2が内筒体1
とともに上記外筒体3と同軸位置まで下方に相対変位し
て、上記両空所6a,6bの上下方向間隔がほぼ同じに
なるようになっている。
【0016】この弾性体4の所定位置には上記中間筒体
5に貫通された4つの窓孔5a,5b,5c,5dを介
して上記外筒体3側に開口する4つの凹部4b,4c,
4d,4eが形成されており、これら凹部4b〜4eと
外筒体3の内周面3aとによって4つの液室7a,7
b,7c,7dが液密的に区画形成されている。これら
4つの液室7a〜7dは上下一対のもので一組をなして
おり、上記上下一対の空所6a,6bに対して、上記振
動入力方向に直交する他の半径方向(図1および図2の
左右方向、以下、単に左右方向という)の両側に、弾性
体4の一部である4つの薄壁部4f,4g,4h,4i
を隔ててそれぞれ配置されている。そして、各組の上下
の液室7a,7bおよび7c,7dに挟まれた弾性体4
の部位が、上記内筒体1およびストッパー部材2と外筒
体3とを左右方向に連結して上記内筒体1などを弾性的
に支持する一対の主ばね部4j,4kを構成するように
なっている。
【0017】また、上記一対の主ばね部4j,4kの外
周位置には、上記中間筒体5と外筒体3との間の薄膜4
aが所定範囲にわたって除かれて、上記各組の液室7
a,7b、7c,7dを上下方向に連通する一対のオリ
フィス9a,9bが形成されている。
【0018】つぎに、上記構成の第1実施例の作用・効
果を説明する。
【0019】内筒体1が例えばエンジン側に取付けら
れ、外筒体3が例えば車体側に取付けられて装着状態に
される。この装着状態において、上記内筒体1は上記エ
ンジンの自重により下方に相対変位して上記外筒体3と
同軸位置で両主ばね部4j,4kにより支持されて平衡
状態になる。
【0020】このマウント装置に微小振幅の振動が上下
方向に入力した場合、上記内筒体1が上記両主ばね部4
j,4kの弾性支持力に抗して上下方向に交互に微小変
位を繰り返す。そして、この両主ばね部4j,4kの弾
性復元力により上記振動を吸収、減衰することができる
とともに、4つの薄壁部4f,4g,4h,4iが高周
波振動の液圧に応じて変位するため、動的ばね定数の上
昇を抑えることができる。
【0021】また、上記マウント装置に中程度の振幅の
振動が入力した場合、上記内筒体1が上下方向に相対変
位することにより、上記両主ばね部4j,4kが上下方
向に揺れて各組の液室7a,7b、7c,7dを変形さ
せる。この結果、上下の液室7a,7b、7c,7dの
間で一対のオリフィス9a,9bを通して液体8の移動
が生じて、この液体8の流動抵抗と上記両主ばね部4
j,4kの弾性復元力により上記振動を吸収、減衰する
ことができる。すなわち、例えば下側の各液室7b,7
dが上記主ばね部4j,4kにより押されて縮小し、上
側の各液室7a,7cが拡大した場合、上記両オリフィ
ス9a,9bを通して上記下側の各液室7b,7dから
上記上側の各液室7a,7cへの液体8の流動が生じる
ため、この両オリフィス9a,9bを通る際の上記液体
8の流動抵抗により上記振動の吸収、減衰が行われる。
【0022】この振動減衰に際し、上記各液室7a〜7
dの一部が薄壁部4f〜4iにより形成されているた
め、上記主ばね部4j,4kのわずかな変形で上記液室
7a〜7dは容易に縮小、拡大されて、上記振動に対し
て有効に吸収、減衰作用を発揮する。
【0023】さらに、上記マウント装置に比較的大きい
振幅の大振動や衝撃力などの過大な振動が入力した場
合、上記内筒体1が上下方向に比較的大きく相対変位し
てストッパー部材2の上下の突出端2a,2bが各空所
6a,6bの外筒体3側の相対向面に当る。この結果、
上記内筒体1のそれ以上の変位が阻止されて、弾性体4
の変形が所定範囲内に規制される。この際、上記ストッ
パー部材2による変形規制は、各液室7a〜7dと切り
離して独立させた上下の空所6a,6b内で行われるよ
うにしているため、そのストッパー部材2などが上記各
液室7a〜7dを直接的に押圧して縮小作用力を及ぼす
ことはない。つまり、上記各液室7a〜7dに作用する
のは、上記両主ばね部4j,4kがストッパー部材2に
引きずられて変形することによる二次的な力であり、上
記衝撃力が直接作用することはなくしかも、ストッパー
部材2と各液室7a〜7dの薄壁部4f〜4iとの間が
実質的に分離されているため、この各液室7a〜7dを
構成する弾性体4自体に過大な引張り、圧縮応力の発生
を防止することができ、この弾性体4の耐久性の向上を
図ることができる。
【0024】図5および図6は本発明の第2実施例に係
る円筒型液封マウント装置を示し、10は偏心状態の内
筒体1と外筒体3とを連結する弾性体、11はこの弾性
体10の外周位置に埋め込まれた中間筒体、12a,1
2b,12c,12dは上下一対で一組をなす二組の液
室、13a,13bは上記内筒体1を挟む上下方向の部
位であって、ストッパー部材2と上記中間筒体12との
間の部位の上記弾性体10を筒軸X方向に貫通する一対
の空所、14a,14bは上記各組の液室12a,12
b、12c,12dを上下方向に互いに連通する一対の
オリフィスである。
【0025】上記弾性体10は、上記第1実施例と同様
に、上記内筒体1、ストッパー部材2および中間筒体1
1と一体的に加硫成形されており、この中間筒体11の
外周面を覆う薄膜10aを介して上記外筒体3が嵌着さ
れて、この外筒体3と上記内筒体1とを互いに連結して
いる。
【0026】この弾性体10の所定位置には、第1実施
例と同様に、上記中間筒体11に貫通された4つの窓孔
11a,11b,11c,11dを介して上記外筒体3
側に開口する4つの凹部10b,10c,10d,10
eが形成されており、これら凹部10b〜10eと上記
外筒体3の内周面3aとによって4つの液室12a,1
2b,12c,12dが液密的に区画形成されている。
これら4つの液室12a〜12dは、上記振動入力方向
に直交する他の半径方向(図5および図6の左右方向、
以下、単に左右方向という)で上記ストッパー部材2を
挟む両側方の各部位に対して、上下両側方の各位置に配
置されており、上下一対のもので一組をなしている。
【0027】上記両空所13a,13bは上記各液室1
2a〜12dを囲んで左右方向両側にある中間筒体11
の近傍までのほぼ全範囲にわたってそれぞれ形成されて
おり、これら両空所13a,13bと上記各液室12a
〜12dとが弾性体10の一部である4つの薄壁部10
f,10g,10h,10iによって隔てられている。
この上下の空所13a,13bの左右両側部同士によっ
て挟まれた部位であって、上記内筒体1およびストッパ
ー部材2を挟む左右方向両側の弾性体10の部位が、上
記内筒体1およびストッパー部材2と外筒体3とを左右
方向に連結して上記内筒体1などを弾性的に支持する一
対の主ばね部10j,10kを構成するようになってい
る。
【0028】また、上記一対の空所13a,13bの
内、上側の空所13aは無負荷状態である装着前状態
(図5に示す状態)で上記中間筒体11との上下方向間
隔が上記内筒体1の偏心している分、小さく形成され、
下側の空所13bは大きく形成されている。そして、上
記内筒体1にエンジンの自重が作用する装着状態(図6
に示す状態)で、上記ストッパー部材2が上記内筒体1
とともに上記外筒体3と同軸位置まで下方に相対変位し
て、上記両空所13a,13bの上下方向間隔がほぼ同
じになり、かつ、下側の空所13bの左右方向両側部の
相対向面が互いに当接するようになっている。つまり、
上記装着状態で、上記両主ばね部10j,10kの上下
方向一側面が薄壁部10g,10iに当接して、上記両
主ばね部10j,10kが下側の各液室10b,10d
に上記薄壁部10g,10iを介して直接的に接触して
いるようになっている。
【0029】上記一対の主ばね部10j,10kの外周
位置には、上記第1実施例と同様に、上記中間筒体11
と外筒体3との間の薄膜10aが所定範囲にわたって除
かれて、上記各組の液室12a,12b、12c,12
dを上下方向に連通する一対のオリフィス14a,14
bが形成されている。
【0030】なお、上記マウント装置のその他の構成は
第1実施例のものと同様であるために、同一部材には同
一符号を付して、その説明は省略する。
【0031】そして、上記第2実施例の場合、内筒体1
が、上記第1実施例と同様に、例えばエンジン側に取付
けられ、外筒体3が例えば車体側に取付けられて装着状
態にされる。これにより、上記内筒体1は、上記エンジ
ンの自重により上記外筒体3と同軸位置になるまで下方
に相対変位し、かつ、下側の空所13bの左右方向両側
部の相対向面が互いに当接した状態で、上記両主ばね部
10j,10kにより支持されて平衡状態になる。
【0032】このマウント装置に微小振幅の振動が上下
方向に入力した場合、上記内筒体1が、上記第1実施例
と同様に、上記両ばね部10j,10kの弾性支持力に
抗して上下方向に相対的に微小変位を繰り返し、この両
主ばね部10j,10kの弾性復元力により上記振動を
吸収、減衰することができる。この際、上記両主ばね部
10j,10kの外周側端部である中間筒体11の近傍
位置まで空所13a,13bにより他の弾性体10の部
分から切り離されているため、薄壁部10g,10iが
主ばね部10j,10kに追従することはなくその薄壁
部10g,10iに圧縮応力や引張応力が直接作用する
ことがない上に、上記主ばね部10j,10kは微小振
動にも有効に追随することができ、微小振動の吸収、減
衰を上記第1実施例よりも、より効率的に行うことがで
きる。
【0033】また、上記マウント装置に中程度の振幅の
振動が入力した場合、上記両主ばね部10j,10kが
薄壁部10g,10iを介して下側の両液室12b,1
2dに接触しているため、上記内筒体1が上下方向に相
対変位することにより、各組の液室12a,12b、1
2c,12dの間で両オリフィス14a,14bを通し
て液体8の移動が生じる。すなわち、上記両主ばね部1
0j,10kが下方に撓んで薄壁部10g,10iを押
すことにより下側の両液室12b,12dが縮小し、内
部の液体8が上記両オリフィス14a,14bを通して
上側の両液室12a,12c側に流動する。この流入し
た液体8により薄壁部10f,10hが上側の空所13
a側に撓んで上記上側の両液室12a,12cが拡大す
る。そして、上記両主ばね部10j,10kが逆に上記
空所13a内を上方に撓んで上記薄壁部10f,10h
を押圧することにより、上記上側の両液室12a,12
c内の液体8が上記両オリフィス14a,14bを通し
て逆に下側の両液室12b,12dに流動する。このた
め、上記両オリフィス14a,14bを通る際の液体8
の流動抵抗により上記振動を吸収、減衰することができ
る。
【0034】この振動減衰に際し、上記各液室12a〜
12dは、上記両主ばね部10j,10k側のほぼ全面
が薄壁部10f〜10iにより形成されているため、上
記両主ばね部10j,10kからのわずかな押圧力によ
り容易に縮小、拡大して液体8の流動を促進させること
ができ、上記第1実施例と比べて、振動の吸収、減衰を
より効率的に行うことができる。
【0035】さらに、上記マウント装置に衝撃力などの
過大な振動が入力した場合、上記第1実施例と同様に、
ストッパー部材2の上下の突出端2a,2bが各空所1
3a,13bの外筒体3側の上下方向相対向面に当る結
果、上記内筒体1のそれ以上の変位が阻止されて弾性体
10の変形が所定範囲内に規制される。そして、上記ス
トッパー部材2が各液室12a〜12dと切り離されて
そのストッパー部材2の移動方向に各液室12a〜12
dが設けられていないため、第1実施例と同様に、弾性
体10自体の過大な引張、圧縮応力の発生、および各液
室12a〜12dの薄壁部10f〜10iへの上記衝撃
力などの直接的な作用を防止することができ、この弾性
体10の耐久性の向上を図ることができる。
【0036】図7ないし図9は本発明の変形例に係る円
筒型液封マウント装置を示し、15は偏心状態の内筒体
1と外筒体3とを連結する弾性体、16はこの弾性体1
5の外周位置に埋め込まれた中間筒体、17a,17
b,17cは上下一対で一組をなす二組の液室、18
a,18bは上記内筒体1を挟む上下方向の部位であっ
て、ストッパー部材2と上記中間筒体16との間の部位
の上記弾性体15を筒軸X方向に貫通する一対の空所、
19a,19b,19cは上記液室17a,17b、1
7cを互いに連通する3つのオリフィスである。
【0037】上記弾性体15は、上記第1および第2実
施例と同様に、上記内筒体1、ストッパー部材2および
中間筒体16と一体的に加硫成形されており、この中間
筒体16の外周面を覆う薄膜15aを介して上記外筒体
3が嵌着されている。
【0038】この弾性体15の所定位置には、上記中間
筒体16に貫通された3つの窓孔16a,16b,16
cを介して上記外筒体3側に開口する3つの凹部15
b,15c,15dが形成されており、これら凹部15
b〜15dと上記外筒体3の内周面3aとによって3つ
の液室17a,17b,17cが液密的に区画形成され
ている。これらの内、2つの液室17a,17bは、上
記上側空所18aの上記振動入力方向に直交する他の半
径方向(図7および図8の左右方向、以下、単に左右方
向という)で上記上側の空所18aを挟む両側方の各位
置に配置され、他の液室17cは上記下側の空所18b
の下方および左右方向に広がって配置されている。
【0039】上記上側の空所18aは上記上側の各液室
17a,17bを囲んで左右方向両側にある中間筒体1
6の近傍までのほぼ全範囲にわたって形成されており、
この上側の空所18aと上記各液室17a,17bとは
弾性体15の一部である2つの壁部15e,15fによ
って隔てられている。また、上記下側の空所18bは上
記下側の液室17cを囲んで左右方向の中間筒体16近
傍までのほぼ全範囲にわたって形成されており、この下
側の空所18bと上記下側の液室17cとは左右両側部
が上記弾性体15の一部である2つの薄壁部15g,1
5hによって隔てられ、左右方向中央部、すなわち、ス
トッパー部材2の下方部分が上記下側の液室17cの側
に突出する膨出部15iによって隔てられている。
【0040】上記上下の空所18a,18bの左右両側
部によって挟まれた部位であって、上記内筒体1および
ストッパー部材2を挟む左右方向両側の弾性体15の部
位が、上記内筒体1およびストッパー部材2と外筒体3
とを左右方向に連結して上記内筒体1などを弾性的に支
持する一対の主ばね部15j,15kを構成するように
なっている。
【0041】また、上記一対の空所18a,18bの
内、上側の空所18aは無負荷状態である装着前状態
(図7に示す状態)で上記中間筒体16との上下方向間
隔が上記内筒体1の偏心している分、小さく形成され、
下側の空所18bは大きく形成されている。そして、上
記内筒体1が例えばエンジンの自重が負荷された装着状
態(図8に示す状態)で、上記ストッパー部材2が内筒
体1とともに上記外筒体3と同軸位置まで下方に相対変
位して、上記上側の空所18aの上下方向間隔が装着前
より広がり、かつ、下側の空所18bの相対向面が互い
に当接するようになっている。つまり、上記装着状態
で、上記両主ばね部15j,15kの上下方向一側面が
薄壁部15g,15hに当接し、かつ、ストッパー部材
2の下側の突出端2bが上記膨出部15iに当接して、
上記両主ばね部10j,10kおよびストッパー部材2
が下側の液室17cに上記薄壁部15g,15hおよび
膨出部15iを介して直接的に接触しているようになっ
ている。
【0042】さらに、上側の両液室17a,17bの間
は左右方向のオリフィス19aにより互いに連通され、
この各液室17a,17bと下側の液室17cとの間は
上下方向の2つのオリフィス19b,19cにより互い
に連通されている。これらオリフィス19a〜19cは
上記中間筒体16と外筒体3との間の薄膜15aが所定
範囲にわたって除かれて形成されている。
【0043】なお、上記マウント装置のその他の構成は
第1または第2実施例のものと同様であるために、同一
部材には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0044】そして、このマウント装置の場合、内筒体
1が、上記第1または第2実施例と同様に、例えばエン
ジン側に取付けられ、外筒体3が例えば車体側に取付け
られて装着状態にされる。これにより、上記内筒体1
は、上記エンジンの自重により上記外筒体3と同軸位置
になるまで下方に相対変位して、下側の空所18bの上
下方向の相対向面が互いに当接した状態で、両主ばね部
10j,10kにより支持されて平衡状態になる。
【0045】このマウント装置に上下方向の振動が入力
した場合、上記内筒体1が上下方向に相対変位すること
により、上記両主ばね部15j,15kおよびストッパ
ー部材2が薄壁部15g,15hおよび膨出部15iを
介して下側の液室17cを押して変形させる。この結
果、左右両側のオリフィス19b,19cを通して上記
下側の液室17cから上側の各上側液室17a,17b
への液体8の流動が生じて、上側の薄壁部15e,15
fが上側の空所18a側に撓む。そして、この撓んだ薄
壁部15e,15fに内筒体1の上方への移動に伴い上
記両主ばね部15j,15kが当って押すことにより、
上記液体8は逆に下側の液室17c側に流動し、これら
が繰り返される。この液体8の上記両オリフィス19
b,19cを通る際の流動抵抗により上記上下方向の振
動を吸収、減衰することができる。
【0046】また、上記マウント装置に左右斜め方向な
どの上下方向以外の方向の振動が入力した場合、内筒体
1およびストッパー部材2がその振動方向(例えば、図
8の右斜め下方)に相対変位して、上記膨出部15iを
右斜め下方に押して下側の液室17cを縮小させる。こ
れにより、その下側の液室17c内の液体8がオリフィ
ス19bを通して上側の液室17aに流動するととも
に、この上側の液室17a内の液体8がオリフィス19
aを通して他の上側の液室17bに流動する。そして上
記内筒体1およびストッパー部材2が左斜め上方に逆に
相対変位して薄壁部15fを押すことにより、上記他の
上側の液室17b内の液体8が上側および左側のオリフ
ィス19a,19cを通して液室17aおよび17cに
流動する。これらの液体8のオリフィス19a〜19c
を通る際の流動抵抗により上記上下方向以外の方向の振
動を吸収、減衰することができる。
【0047】さらに、上記マウント装置に衝撃力などの
過大な振動が上下方向に入力した場合、上記ストッパー
部材2の下側突出端2bが膨出部15iを押して、この
膨出部15iの下端面が外筒体3の内周面3aに当るこ
とにより、内筒体1のそれ以上の下方への相対変位が規
制され、また、上記ストッパー部材2の上側突出端2a
が空所18a内を上方に相対変位して中間筒体16に当
ることにより、上記内筒体1のそれ以上の上方への相対
変位規制される。従って、弾性体15の変形が所定範囲
に規制され、過大な内部応力の発生を防止することがで
きる。
【0048】なお、本発明は上記第1および第2実施例
に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含
するものである。例えば、上記実施例では、弾性体4,
10内に中間筒体11,16を埋め込んでいるが、これ
に限らず、その中間筒体11,16を省略してもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における円筒型液封マウント装置によれば、比較的大
きい振幅の大振動や衝撃力などの過大な振動が入力して
も、各液室が上記ストッパー部材の相対移動方向とは異
なる部位に配置されて上記ストッパー部材の突出端と切
り離されているため、上記衝撃力が液室内の液体に直接
作用することを確実に防止することができる。従って、
この各液室を構成する弾性体に過大な内部応力の発生を
防止することができ、この弾性体を含めて装置全体の耐
久性の向上を図ることができる。
【0050】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、ストッパー部材が両
主ばね部により弾性的に支持され、かつ各主ばね部が一
対の空所により振動入力方向に直交する他の半径方向の
ほぼ全範囲にわたって他の弾性体部分と切り離されてい
るため、入力振動に対する上記ストッパー部材の相対移
動をより自由に行なわせることができる。このため、微
小振幅の振動に有効に追随させることができ、この微小
振動の吸収、減衰を上記主ばね部の弾性復元力により効
率的に行うことができる。
【0051】しかも、上記各液室と空所とを薄壁部で隔
てているため、上記主ばね部から上記薄壁部へのわずか
な押圧力により各液室が容易に縮小、拡大して液体の流
動を促進させることができ、振動の吸収、減衰をより効
率的に行うことができる。また、各液室が主ばね部と切
り離されているため、主ばね部に生じた応力が液室を構
成する薄壁部に直接作用することを防止することがで
き、過大な引張応力や圧縮応力の発生を確実に防止する
ことができる。さらに、衝撃力および大振幅の低周波な
どが入力しても、液室と主ばね部とが互いに分離して相
対変位するため、ばね定数の過大な上昇を防止すること
ができるとともに、液封マウント装置自体の性能や耐久
性をより向上させることができる。
【0052】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
2記載の発明による効果に加えて、各主ばね部の振動入
力方向の一側面が薄壁部の一部と当接しているため、ス
トッパー部材の相対移動により上記薄壁部を介して各液
室がただちに押されて液体の流動をより促進させること
ができ、振動の吸収、減衰をより効率的に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の装着前状態を示す断面図
である。
【図2】第1実施例の装着状態を示す図1相当図であ
る。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】図2のB−B線における断面図である。
【図5】第2実施例を示す図1相当図である。
【図6】第2実施例の図2相当図である。
【図7】変化例を示す図1相当図である。
【図8】変化例の図2相当図である。
【図9】図8のC−C線における断面図である。
【符号の説明】
1 内筒体 2 ストッパー部材 2a,2b 突出端 3 外筒体 4,10 弾性体 4f〜4i,10f〜10i 薄壁部 4j,4k,10j,10k 主ばね部 6a,6b,13a,13b 空所 7a〜7d,12a〜12d 液室 8 液体 9a,9b,14a,14b オリフィス X 筒軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒体と、 この内筒体の筒軸方向中間位置の外周面から半径方向一
    方向である振動入力方向の両側に突出するストッパー部
    材と、 このストッパー部材および上記内筒体を囲む外筒体と、 この外筒体と上記内筒体との間に介装されて両者を連結
    する弾性体と、 この弾性体と上記外筒体との間の部位に上記振動入力方
    向に並んで区画形成されてオリフィスにより連通された
    複数の液室と、 この各液室に封入された液体とを備えており、 上記弾性体には上記振動入力方向の両側から上記ストッ
    パー部材を挟む位置に上記ストッパー部材の各突出端と
    上記外筒体とを互いに離隔する一対の空所が上記筒軸方
    向に貫通して形成され、上記各液室は上記ストッパー部
    材および上記一対の空所が並ぶ上記振動入力方向の部位
    と異なる部位に配置されていることを特徴とする円筒型
    液封マウント装置。
  2. 【請求項2】 振動入力方向にほぼ直交する他の半径方
    向の両側からストッパー部材を挟む弾性体の各部位に、
    上記ストッパー部材と上記外筒体とを弾性的に連結する
    一対の主ばね部が形成され、この各主ばね部を挟む上記
    振動入力方向の両側位置に各液室が配置されており、 各空所は、上記弾性体の一部を構成する薄壁部により上
    記各液室と隔てられた状態で、上記ストッパー部材の各
    突出端から上記各主ばね部の外筒体近傍位置までの範囲
    に形成されている請求項1記載の円筒型液封マウント装
    置。
  3. 【請求項3】 内筒体は外筒体に対して振動入力方向に
    偏心して配置されており、 上記内筒体がマウント対象物の自重により上記外筒体に
    対して同心位置に変位された装着状態で、各主ばね部の
    上記振動入力方向の一側面が薄壁部の少なくとも一部と
    当接するように配置された請求項2記載の円筒型液封マ
    ウント装置。
JP4444992A 1992-03-02 1992-03-02 円筒型液封マウント装置 Withdrawn JPH05248486A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005043001A1 (ja) * 2003-11-04 2005-05-12 Toyo Tire & Rubber Co.,Ltd. 自動車のデフマウント構造

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WO2005043001A1 (ja) * 2003-11-04 2005-05-12 Toyo Tire & Rubber Co.,Ltd. 自動車のデフマウント構造

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Effective date: 19990518