JPH0524778U

JPH0524778U - 化粧板

Info

Publication number: JPH0524778U
Application number: JP2286691U
Authority: JP
Inventors: 一郎鍬守
Original assignee: 段谷産業株式会社
Priority date: 1991-03-14
Filing date: 1991-03-14
Publication date: 1993-03-30
Anticipated expiration: 2006-03-14
Also published as: JP2602492Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】集合住宅のコンクリート床スラブ上や壁面等
の下地材上に直接接着施工する木質系の化粧板で、施工
面に複雑な接合部による溝模様を提供し、且つ、化粧板
をフレキシブルに構成させる。【構成】数枚の矩形体５をずらせて接合して化粧板を
構成し、接合部裏面には粘着テープを貼着し、接合を保
持させる。また、矩形体５を接合する際にずらせる寸法
を一体毎に異ならせることで、施工面の意匠性を向上さ
せる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、床や壁面の下地材上や集合住宅のコンクリート床スラブ上に直接接着施工される木質系の化粧板に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、合板等を基材とし、集合住宅などの床スラブ上に直接貼着して施工されている床板として、表面に薄い突板等が貼着された基材の裏面に厚さが２〜４mm 程度のクッション性を有する発泡合成樹脂シートが貼着されたものが提供され、裏面の発泡シートはクッション性を有するので、スラブ面の凹凸を吸収するとともに、歩行感を向上させる等の効果を有していたが、全体が矩形の為施工性や施工後の床面に生じる接合部の溝等の配置による意匠面には満足できるものではなかった。

【０００３】そこで、最近では木質化粧板の側面部に接合部を設けた後、この数枚の木質化粧板を一定寸法ずらせて階段状に接合した化粧板が提供されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

所が、これらの化粧板は接合部を設けた木質化粧板を階段状に接合し、最下面に一体的に発泡合成樹脂シートを貼着する前に木質化粧板の接合が外れてしまったり、或は、全ての木質化粧板を一定間隔でずらせている為、施工後の床面や壁面の化粧板の接合部に生じる溝の配置が単調となり満足できるものではなかった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記課題を解決するためなされたもので、その構成は、側面部に雄実及び雌実が設けられ、表面には薄い化粧単板が貼着された矩形体の複数枚を、その長辺側で長辺方向に所定寸法ずらせて雄実と雌実が接合された化粧板において、雄実と雌実の接合部裏面が粘着テープを用いて固定された後、矩形体の最下面に一体的に合成樹脂発泡体が貼着された化粧板。さらには、矩形体を一体毎に異なった寸法にずらされて接合した後に矩形体の最下面に一体的に合成樹脂発泡体が貼着された化粧板を提供することにより解決したものである。

【０００６】以下、この考案を図面を参照しながら詳述する。第１図はこの考案の実施例になる化粧板の平面図で、第２図はそのＡ−Ａ断面図、第３図及び第４図はその他の実施例による化粧板のＡ−Ａ断面図を示している。

【０００７】矩形体２は、第２図や第３図に示すように、表面には厚さが０．２〜１．０mm 程度の常用の薄い化粧単板１が貼着された厚さ９mm程度のものや、第４図に示したように表面には厚さが０．２〜１．０mm程度の常用の薄い化粧単板１が貼着された厚さ２．０〜３．５mmの基板４と厚さ５〜９mm程度の基板４間にゴムや合成樹脂シート３を介在させて積層したものであって、この場合に用いるゴムや合成樹脂シート３はＪＩＳＫ６３０１号に規定するＣ形硬度計による硬度が１０〜４０度の範囲で厚さが０．５〜２mmである。基板４や５は合板、パーティクルボード、ＭＤＦ、ＬＶＬ等の木質系基板からなっており、矩形体２の４方の側面部には接合用の雄実６と雌実７が形成されている。又、矩形体２の表面周縁には面取り加工が行われている。尚、矩形体２の裏面側から矩形体２の略半分の厚さ程度までに所定間隔で溝加工することで、化粧板の反りや施工部表面との馴染みを良くしたり、床板として用いた場合に防音効果を付与させることができる。

【０００８】矩形体２は、その長辺側で、矩形体２の長さ方向に所定寸法ずらせて複数枚を接合させる。矩形体２を接合させる時にずらせる寸法は、各矩形体２とも一定の間隔であったり、第１図の様に矩形体２一体毎に異なるようにしている。又、矩形体２は硬化後も可撓性を有するゴム系の接着剤を介して実部６、７を接合させると、矩形体２相互の接合を強固にすると共に、実部が可撓的になるので、施工部表面の凹凸を吸収したり、施工時の実部の接合を容易にしたりする。更に、床板とした場合には踏み鳴り音の防止にも効果的である。

【０００９】矩形体２を接合した接合部の裏面に、第３図の様に薄い布や不織布、或は合成樹脂フイルムに常温で粘着する樹脂を塗布した粘着テープ１２を貼付しておくことで矩形体２の接合を強固に保ち、接合後の矩形体の最下面に一体的に合成樹脂発泡体８を貼着するまでの過程で、取り扱い中に矩形体２の接合が外れてしまうことを防止することができる。

【００１０】接合した矩形体２の最下面に貼着する合成樹脂発泡体８は厚さ２〜５mm程度で、ＪＩＳ−Ｋ６７６７号に規定する測定法で、みかけ密度０．１ｇ／ｃｍ³ 前後のものを用いるとコンクリート床スラブ面など、施工する施工面の凹凸を吸収した、遮音効果の向上、クッション性能の向上等の効果を持たせることが可能となる。

【００１１】ゴム又は合成樹脂シート３、８と木質基板４、５との接着は常用の合成樹脂− 木材系用の接着剤、例えばゴム系やウレタン、アクリル樹脂系などの合成樹脂接着剤が用いられる。この化粧板をコンクリート床スラブ面やその他の施工部表面へ施工する場合はエポキシ樹脂系接着剤や湿気硬化型の接着剤を介して施工する。

【００１２】以下、この考案の作用を説明する。

【００１３】この考案の実用新案登録請求の範囲第１項において、矩形体の接合部裏面に粘着テープを貼付するのは接合を強固に保持させるためである。実用新案登録請求の範囲第２項及び第３項において、表面に薄い化粧単板を貼着した矩形体複数枚を、その長辺側で長辺方向に一体毎に異なる寸法ずつずらせて接合するのは、施工後の床面に単調な接合部が現れないようにする為である。又、実用新案登録請求の範囲第４項において、矩形体が基板間に合成樹脂シートを介して積層されるのは、床板とした時の軽量床衝撃音の伝播を防止し、且つクッション効果と防音効果を持たせるためである。

【００１４】

【実施例】

厚さ９mmの合板４の表面に厚さ０．５mmのナラ化粧単板１を貼着し、表面の周縁に面取り１１加工を施した９×６１×９００mmの矩形体２で、長さ方向端部から３００mmの位置の表面に短辺方向にＶ溝１０を設けた矩形体２を３体と、長さ方向端部から６００mmの位置の表面に同じく短辺方向にＶ溝１０を設けた矩形体２を２体の計５体を用いて、各々の矩形体２を一枚置きに用いて、長辺側で長さ方向に３０mm、７０mm、３０mm、７０mmの順にずらせて雄実６と雌実７をゴム系接着剤９を介して接合し、接合部裏面を粘着テープ１２を用いて固定後、裏面に一体的に、みかけ密度０．０９９ｇ／ｃｍ³ で厚さ４mmの合成樹脂発泡体８を接着剤で貼着して第３図の様な求める化粧板を得た。この化粧板接合部表面には面取り１１によってＶ溝を形成し、また矩形体２に設けたＶ溝１０の位置が隣り合う矩形体２相互で異なり、且つ矩形体２をずらせる寸法が異なっているので、施工後の表面に形成された溝の配置が複雑で飽きないものであった。更に、裏面の合成樹脂発泡体９が施工部表面の凹凸を吸収し、施工性能も向上されたものとなった。

【００１５】

【考案の効果】

この考案の化粧板は上記の様に、接合した矩形体複数枚の実の接合部裏面は粘着テープによって接合を強固に保持させているので、裏面に合成樹脂発泡体を一体的に貼着する前に実が外れてしまうこともなく、且つ粘着テープには可撓性があるので化粧板全体としては実部でフレキシブル性を有し、防音効果を有する。又、その長辺側で長辺方向に寸法が一体毎に異なるようにずらせて接合した場合には、施工後の表面に形成された溝の配置が単調でなく、複雑となって飽きのこないものとなった。さらに合成樹脂発泡体を貼着しているので、施工部表面の凹凸を吸収し、施工性能も向上されたものとなり、床板や壁面に用いると衝撃の吸収及び衝撃音を防止するなどの効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１図はこの考案の実施例になる化粧板の平面
図。

【図２】第２図は第１図のＡ−Ａ断面図。

【図３】第３図はその他の実施例になる化粧板のＡ−Ａ
断面図。

【図４】第４図もその他の実施例になる化粧板のＡ−Ａ
断面図。

【符号の説明】

１−化粧単板２−矩形体３−ゴムや合成樹脂シート４−基板５−基板６−雄実７−雌実８−合成樹脂発泡体９−ゴム系接着剤１０−Ｖ溝１１−面取り部１２−粘着テープ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】側面部に雄実（６）及び雌実（７）が設
けられ、表面には薄い化粧単板（１）が貼着された矩形
体（２）の複数枚を、その長辺側で長辺方向に所定寸法
ずらせて雄実（６）と雌実（７）が接合された化粧板に
おいて、雄実（６）と雌実（７）の接合部裏面が粘着テ
ープ（９）を用いて固定された後、矩形体（２）の最下
面に一体的に合成樹脂発泡体（８）が貼着されたことを
特徴とした化粧板。
【請求項２】側面部に雄実（６）及び雌実（７）が設
けられ、表面には薄い化粧単板（１）が貼着された矩形
体（２）の複数枚を、その長辺側で長辺方向に所定寸法
ずらせて雄実（６）と雌実（７）が接合された化粧板に
おいて、矩形体（２）が一体毎に異なった寸法にずらさ
れて接合され、且つ矩形体（２）の最下面に一体的に合
成樹脂発泡体（８）が貼着されたことを特徴とした化粧
板。
【請求項３】側面部に雄実（６）及び雌実（７）が設
けられ、表面には薄い化粧単板（１）が貼着された矩形
体（２）の複数枚を、その長辺側で長辺方向に所定寸法
ずらせて雄実（６）と雌実（７）が接合された化粧板に
おいて、接合する矩形体（２）が一体毎に異なった寸法
にずらされて接合され、且つ雄実（６）と雌実（７）の
接合部裏面が粘着テープ（９）を用いて固定された後、
矩形体（２）の最下面に一体的に合成樹脂発泡体（８）
が貼着されたことを特徴とした化粧板。
【請求項４】請求項１、請求項２及び請求項３におい
て、矩形体（２）は、表面に薄い化粧単板（１）が貼着
された基板（４）裏面にゴムや合成樹脂シート（３）を
介して基板（５）が積層されていることを特徴とする化
粧板。