JPH05246865A - ニコチアナミンの製造法及びそれを含有する健康食品 - Google Patents

ニコチアナミンの製造法及びそれを含有する健康食品

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JPH05246865A
JPH05246865A JP4081399A JP8139992A JPH05246865A JP H05246865 A JPH05246865 A JP H05246865A JP 4081399 A JP4081399 A JP 4081399A JP 8139992 A JP8139992 A JP 8139992A JP H05246865 A JPH05246865 A JP H05246865A
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nicotianamine
soybean
water
resin
extract
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Emiko Kinoshita
恵美子 木下
Jun Yamakoshi
純 山越
Mamoru Kikuchi
護 菊地
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安定して原料の供給が受けられる大豆の水、ま
たは熱水の抽出液、特に大豆加工食品の製造工程におい
て副生する大豆の蒸煮廃液、水浸漬廃液から、アンジオ
テンシン変換酵素阻害作用を有するニコチアナミンを得
ること、及びこれを含有する、血圧降下作用を有する良
好な味覚の健康食品を得ること。 【構成】大豆を水又は熱水で抽出し、該抽出液のニコチ
アナミンを合成吸着樹脂により分別、採取することによ
りニコチアナミンの製造する。またこれをパン、菓子、
麺、惣菜及び飲料などの飲食品に添加して血圧降下作用
を有する良好な味覚の健康食品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大豆からアンジオテン
シン変換酵素(Angiotensin Conver
ting Enzyme、以下ACEということがあ
る)阻害作用を有するニコチアナミンを製造する方法、
及びこれを含有する健康食品に関する。
【0002】
【従来の技術】ニコチアナミンはACE阻害作用を有す
ることから、血圧降下作用を有し、この物質は従来タバ
コ、イネ、クコ、ブナなど広く植物界に分布し、この植
物の葉から取得できること(特開昭63−8799
0)、またいんげん豆にも存在し、これを粉砕し、水で
抽出した後熱処理し、遠心分離して上清を得、これより
合成吸着樹脂を用いてニコチアナミンを抽出する方法
(東ドイツ特許第226880号)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
ニコチアナミンを植物の葉などから抽出法によって取得
する場合、大量の植物体を恒常的に確保することが困難
であり、またいんげん豆は専ら食用として栽培されてお
り、また生産量が非常に少ないため、ニコチアナミンの
製造原料としては安定して供給することができず、飲食
品への添加剤として手軽に用いることができない。
【0004】一方、醤油、味噌、煮豆、納豆、豆腐等の
大豆加工食品の製造工程において副生する、大豆の蒸煮
廃液及び大豆の水浸漬廃液から、木炭、活性炭、あるい
は活性樹脂の吸脱着によりサポニン、フラボノイド、イ
ソフラボノイド及びその配糖体を主体とする生理活性物
質を取得する方法(特開昭59−137421)、大豆
廃液を合成吸着樹脂に接触させて、イソフラボン誘導体
を吸着し、次いで有機溶媒または有機溶媒と水との混合
溶媒を用いて該合成吸着樹脂から溶出させてイソフラボ
ンを製造する方法(特開昭62−126186)及び大
豆廃液からイソフラボン化合物、特にそのアグリコン類
を多量に含むイソフラボン化合物を製造する方法(特開
平1−258669)が知られているが、このような大
豆廃液から血圧降下作用を有するニコチアナミンを採取
する方法は知られていない。
【0005】
【発明を解決するための手段】本発明者らは恒常的に安
定供給が可能な原料から、ニコチアナミンの製造法を開
発するため種々検討を重ねた結果、安定供給が可能な大
豆、これを原料として製造される醤油、味噌、豆腐、納
豆等の大豆加工食品、並びに該大豆加工食品の製造工程
で大量に副生し、廃液として捨てられていた大豆の水又
は熱水による浸漬廃液及び蒸煮廃液中に著しい量のニコ
チアナミンが含有されていること、そしてそれらのうち
水浸漬廃液と蒸煮廃液は、ニコチアナミンの含有量が著
しく多く、反対に大豆由来の可溶性蛋白質、糖分等の夾
雑物質が少なく、ニコチアナミンを分別採取する操作が
容易であり、また抽出残さはそのまま従来の大豆加工食
品の素材として利用できるので好都合であること、さら
にまた、ニコチアナミンは水溶性に優れているので各種
の飲食品に添加することができ、それによって血圧降下
作用を有する良好な味覚の健康食品を提供することがで
きることを知り、これらの知見に基いて本発明を完成し
た。
【0006】即ち本発明は、大豆を水又は熱水で抽出
し、該抽出液のニコチアナミンを合成吸着樹脂により分
別、採取することを特徴とするニコチアナミンの製造法
であり、また本発明は丸大豆を実質的に破砕することな
くそのまま水又は熱水で抽出し、該抽出液のニコチアナ
ミンを合成吸着樹脂により分別、採取することを特徴と
するニコチアナミンの製造法であり、また本発明は大豆
を水又は熱水で抽出し、該抽出液のニコチアナミンを合
成吸着樹脂により分別、採取して得られるニコチアナミ
ン又はその含有物質を、飲食品中に添加して得られる健
康食品である。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
いて用いられる大豆としては、丸大豆、脱皮丸大豆、引
き割り大豆(半割り大豆)、及び醤油醸造用脱脂加工大
豆等の実質的に破砕していない大豆、及びこれらを破砕
した大豆(脱脂大豆ミールを含む)が挙げられる。そし
てこれらのうち、粉砕した大豆を使用する場合は、これ
を水または熱水で抽出した後、遠心分離して上清を得、
これより合成吸着樹脂を用いてニコチアナミンを分別す
る際、該上清中にニコチアナミンと共に原料由来の可溶
性蛋白質、糖分等の夾雑物質も著量に抽出されるため、
ここからニコチアナミンを分別、採取する操作が複雑に
なり、また、ニコチアナミンの抽出を終了した後の残さ
は、破砕されているため、殆ど食品の素材としては利用
しにくい面があるが、実質的に破砕していない大豆はこ
のような不都合を有しない特徴を有するため好ましい。
【0008】本発明を実施するには、上記原料に対し、
その重量の1〜20重量倍、好ましくは5〜13量に相
当する水、又は45〜130℃の熱水を混和し、5分以
上特に2〜24時間接触する。上記接触温度と時間は反
比例関係にあり、例えば15〜25℃で4〜18時間、
45〜70℃で1〜3時間、100〜130℃で5〜3
0分が好ましい。
【0009】本発明で用いられる合成吸着樹脂として
は、例えば「ダウエックス50W X2樹脂」(ダウケ
ミカル社製)、「ダイヤイオン SK1樹脂」(三菱化
成社製)、「アンバーライト IR120樹脂」(ロー
ム&ハース社製)等のイオン交換樹脂;「バイオゲル
P2樹脂」(バイオラッド社製)等のゲル濾過樹脂;
「TSK−gel ODS−120T樹脂」(東ソー社
製)等の逆相系分配樹脂;及び「TSK−gel Am
ide 80」(東ソー社製)等のシリカゲル系吸着樹
脂等が挙げられるが、この他ニコチアナミンと共に抽出
される夾雑物質、サポニン、フラボノイド、フェノール
化合物等を選択的に吸着する「ダイヤイオンHP−2
0、同HP1MG」(三菱化成社製)等の吸着樹脂も使
用することができる。
【0010】上記大豆の水又は熱水の抽出液からニコチ
アナミンの分別は、合成吸着樹脂を用いて、イオン交換
樹脂法、ゲル濾過法、分配または吸着カラムクロマト法
等を単独または組合せ、必要によりこれに透析法、沈殿
法等を組合せてニコチアナミン活性区分を分別し、これ
をそのままか、あるいは濃縮して、または凍結乾燥、噴
霧乾燥などの各種の手段で乾燥粉末化して、ニコチアナ
ミン又は、ニコチアナミン含有物質として採取する。
【0011】例えば、丸大豆の水抽出液を吸着樹脂であ
る「ダイヤイオン HP20 樹脂」(三菱化成社
製)、イオン交換樹脂である「ダウエックス50WX2
樹脂」(ダウケミカル社製)、ゲル濾過樹脂である「バ
イオゲル P2樹脂」(バイオラッド社製)、逆相系分
配樹脂である「TSK−gel ODS−120T 樹
脂」(東ソー社製)、シリカゲル系担体樹脂である「T
SK−gel Amide80」(東ソー社製)をこの
順序で組合せることによりニコチアナミンの活性区分を
分別し、精製してニコチアナミンを採取することができ
る。
【0012】本発明では、この物質を各種の飲食品に添
加することによって、血圧降下作用を有する健康食品を
得ることができる。この様な飲食品としては、例えばパ
ン、ケーキ、ビスケット、クッキーなどのパン、菓子類
や、そば、うどん、中華麺などの麺類や、天ぷら、フラ
イなどの惣菜類や、ジュース、コーヒー、ココア、ウー
ロン茶、緑茶、健康飲料などの飲料類など、各種のもの
が挙げられる。なお、本発明のニコチアナミンは、水溶
性であるから飲料などにも溶解しやすく、また味覚を損
うこともない。
【0013】飲食品中への上記ニコチアナミンの添加量
は、パン、菓子、麺、惣菜類などの食品に対しては、1
00万単位以上/100グラム、また飲料に対しては5
0万単位以上/100グラム加えることが好ましい。ま
た、本発明で得られるニコチアナミンまたはその含有物
質は健康食品、医薬品として、そのまま利用することも
できる。
【0014】この様にして精製されたニコチアナミンは
次の理化学的性質を有する。 ニコチアナミンの理化学的性質 分子量;303 マススペクトル;m/z 304(M+H) 赤外線吸収スペクトル(KBr法);図1参照 紫外線吸収スペクトル;図2参照。1 H NMR(核磁気共鳴)スペクトル(重水液中、
TMSを内部標準物質として測定した);図3参照13 C NMRスペクトル(重水液中、DMSOを内部
標準物質として測定した);図4参照 溶解性;水に可溶、メタノール、クロロホルム、アセ
トン、ピリジンに不溶。 物質の色及び性状;白色粉末 呈色反応;ニンヒドリン試薬に陽性 比旋光度;[α]D 22−48.8(c1.0,H2O) 元素分析;C122136・3H2Oとして 理論値(%);C=40.3、H=7.56、N=1
1.76、O=40.3 実測値(%);C=40.4、H=7.30、N=1
1.50、O=36.5
【0015】上記結果を「テトラヘドロン・レターズ
(Tetrahedron Letters)、No.
22,pp.2017〜2020.1971」、「ファ
イトケミストリー(Phytochemistry).
1974.Vol13.pp.2791〜2798」及
び特開昭63−87990と比較対照した結果、本発明
で得られる上記理化学的性質を有する物質はニコチアナ
ミンであることが判明した。
【0016】次に、本発明で得られるニコチアナミンの
ACE阻害活性の測定法を以下に示す。 〔ACE阻害活性の測定法〕 (1)試薬 .酵素反応用緩衝液〔0.6モル食塩含有、0.2モ
ルトリス−塩酸緩衝液(pH8.3)〕 .基質溶液;「アンジオテンシン−l」(シグマ社
製)2ミリグラム/ミリリットルの水溶液 .酵素溶液;豚の副こう丸よりCushmanとCh
engの方法で部分精製して得られたACE(Bioc
hem.Biophy.Acta,261,1971参
照)を上記酵素反応用緩衝液に溶解し、ACE活性1
1.25ミリ単位/5マイクロリットルに調製した。 (2)反応液組成 酵素反応緩衝液;100マイクロリットル 酵素溶液; 5マイクロリットル 検体試料溶液(ACE阻害活性物質含有液);85マ
イクロリットル 基質溶液;10マイクロリットル (3)反応条件 先ず、上記反応組成液の、、及びを混和して、3
7℃で10分間予備反応(プレインキュベーション)さ
せ、ACEにACE阻害活性物質を充分に作用させ、こ
れにを加えて、そのままの温度で15分本反応(イン
キュベーション)させる(ACE活性の低減された反応
液を得る)。次いで、これに6モルの塩酸を10マイク
ロリットル加え、反応を停止する。 (4)反応生成物アンジオテンシンllの測定(高速液体
クロマトグラフィーによる分析) カラム;ODS−80TM(内径4.6ミリ、長さ1
5センチ) 温度;30℃ 検出波長;210ナノメートル 流速;1ミリリットル/分 サンプル注入量;20マイクロリットル 溶出液;25%アセトニトリル+0.05%トリフル
オロ酢酸(TFA) (5)ACE阻害活性測定法 以下の計算式において、阻害率50%(IC50)を示す
ACE阻害物質濃度を1単位とする。 阻害率(%)=(A−B)/A × 100 A=ACE阻害活性物質を全く含まない場合のアンジオ
テンシン llのピークの面積 B=ACE阻害活性物質を含む場合のアンジオテンシン
llのピークの面積
【実施例】
【0017】以下、実施例を示して本発明をより具体的
に説明する。 実施例1(半割り丸大豆の水抽出液からニコチアナミン
の分別、粗精製品の調製) 半割丸大豆400グラムに水5.3リットルを添加し、
50℃で90分浸漬した後浸漬大豆を濾去し、水抽出液
5リットルを得た。次いで、抽出液に濃塩酸を加えてp
Hを4.5に調整し、遠心分離(7000rpmで30
分処理)し、生じた沈殿を分離除去し、4.8リットル
の上清を得た。この上清中の血圧降下作用をACE阻害
活性(活性の測定法は前述した)として測定したところ
1250万単位であった。次いで、本上清を吸着樹脂で
ある「ダイヤイオンHP−20樹脂」(三菱化成社製)
を詰めたカラム(内径6センチ、長さ20センチ)に通
液(接触)させて、夾雑化合物であるサポニン、フラボ
ノイド、フェノール化合物を上記樹脂に吸着させ、目的
とするニコチアナミンを含むACE阻害活性区分を透過
液として得た。上記透過液を常法により凍結乾燥したと
ころ、102.5グラムの粉末(ACE阻害活性120
0万単位)を得た。上記半割り丸大豆の水抽出液は栄養
価が高く、そのまま又は、濃縮して食品素材とすること
も考えられるが、そこに含まれる多量の夾雑物質、サポ
ニン、フラボノイド、フェノール化合物のために風味が
悪く、そのままでは健康食品の風味を劣化するため素材
としては利用できない。しかし、吸着樹脂により上記抽
出液の夾雑物を除去した後濃縮して得られるニコチアナ
ミンは無味無臭に近い風味を有しているため健康食品の
素材として使用に際し制限を殆ど受けない特徴を有す
る。
【0018】実施例2(半割り丸大豆の水抽出液からニ
コチアナミンの分別、精製品の調製) 半割丸大豆450グラムに水6リットルを添加し、50
℃で90分浸漬した後浸漬大豆を濾去し、水抽出液5.
6リットルを得た。次いで、抽出液に濃塩酸を加えてp
Hを1.5に調整し、遠心分離(7000rpmで30
分処理)し、生じた沈殿を分離除去し、5.5リットル
の上清を得た。この上清中の血圧降下作用をACE阻害
活性(活性の測定法は前述した)として測定したところ
1400万単位であった。次いで、本上清をイオン交換
樹脂である「ダウエックス50W X2樹脂」(ダウケ
ミカル社製)を詰めたカラム(内径6センチ、長さ20
センチ)に通液(接触)させて、ACE阻害活性区分を
吸着させる。次いで、上記カラムに1リットルの50ミ
リモルの酢酸水溶液を通液洗浄し、次いで1モルの食塩
を含有する50ミリモル酢酸水溶液をpH6.0に調整
した溶液をカラムに通液して、溶出液を18ミリリット
ルずつ分画し、ACE阻害活性を有する区分(第31〜
59区分)を集め、ロータリーエバポレーターにて約1
/9容量(60ミリリットル)まで濃縮した。次いでこ
の濃縮液を30ミリリットルずつ2回に分けて、以下の
操作を行った。即ち、濃縮液30ミリリットルをゲル濾
過樹脂である「バイオゲル P2樹脂」(バイオラッド
社製)を詰めたカラム(内径5センチ、長さ90セン
チ)に通液し、ついで移動相として蒸留水を通液し、溶
出液を18ミリリットルずつ分画し、ACE阻害活性を
有する区分(第39〜54区分)約300ミリリットル
得た。この操作を合計2回繰返し、合計600ミリリッ
トルのACE阻害活性を有する溶出液を得た。ついで、
これをロータリーエバポレーターにて約1/60容量
(10ミリリットル)まで濃縮し、ACE阻害活性を有
する溶液を得た(後述の応用例1にその動物実験による
血圧降下作用を示す)。次いで、この濃縮液を2.5ミ
リリットルづつ4回に分けてさらに以下の精製操作を行
った。即ち、逆相系分配樹脂を用いた逆相高速液体クロ
マトグラフィー(HPLCとも言う)により下記条件で
溶出する、0〜30分の高いACE阻害活性区分を採取
し、ロータリーエバポレーターにて乾固(後述の応用例
1にその動物実験による血圧降下作用を示す)した。 溶出条件; カラム TSK−gel ODS−120T樹脂」
(東ソー社製)、内径2.15センチ、長さ30センチ 流速 5ミリリットル/分 移動相 A;0.1%トリフルオロ酢酸、同B;0.
1%トリフルオロ酢酸と80%アセトニトリルの混合溶
液 プログラム;0〜30分 A 100%、B 0%、
30〜31分 A 100〜0%、B 0〜100%、
31〜61分 A 0%、B 100% 次に、上記で得られた乾固物を4回分集め、これを蒸留
水2.5ミリリットルに溶解し、以下のシリカゲル系担
体樹脂を用いて高速液体クロマトグラフィーにより15
〜18分に溶出される高いACE阻害活性区分を採取
し、ロータリーエバポレーターにて濃縮後、常法により
凍結乾燥した、約60000単位/ミリグラムのACE
阻害活性を有するの精製標品120ミリグラムを得た。 溶出条件; カラム 「TSK−gel Amide 80」(東
ソー社製)、内径 2.15センチ、長さ30センチ 流速 5ミリリットル/分 移動相 アセトニトリル:水=6.5:3.5
【0019】実施例3(丸大豆の蒸煮廃液からニコチア
ナミンの分別、精製品の調製) 通常の丸大豆を密閉式の回転式耐圧蒸煮缶に入れ、開放
下で約1日水浸漬し、丸大豆を充分にに膨潤吸水させた
後排水し、次いで密閉下で高圧短時間(2kg/cm2
(ゲージ圧)、10分)の蒸煮処理をし、蒸煮大豆を濾
去して、丸大豆の蒸煮廃液を得た。次いで、上記実施例
1の「半割り丸大豆の水抽出液からニコチアナミンの単
離精製法」において、「半割り丸大豆の水抽出液」に代
えて上記で得られた「丸大豆の蒸煮廃液」を使用する以
外は全く同様にして、蒸煮廃液1リットルから約600
00単位/ミリグラムのACE阻害活性を有する精製標
品100ミリグラムを得た。
【0020】実施例4(健康食品ケーキの調製) 実施例1で得られたニコチアナミン含有物質を、下記配
合でケーキ原料に配合し、常法によりケーキ(健康食
品)を製造した。 小麦粉 100重量部 卵 100重量部 砂糖 100重量部 実施例1のニコチアナミン含有物質 30重量部 水 40重量部 得られたケーキは、通常品に比べて、内相、外観とも良
好で、食感、風味も良好であった。
【0021】実施例5(健康飲料の調製) 実施例2で得られたニコチアナミン含有物質を、市販の
炭酸飲料に1%添加したところ速やかに溶解し、得られ
た飲料は風味が全く変らず良好であった。
【0022】応用例1(ニコチアナミンの血圧降下作
用) 6週齢のCrj:Wistar系雄性ラットの左腎動脈
を狭窄して作製した二腎性Goldblatt型高血圧
ラット(平均体重300グラム、1群3匹)を使用し
た。そして、表1に記載のニコチアナミンの部分精製品
(Biogel P2活性区分とODS活性区分)を実
験に供した。ACE阻害剤として一般に知られているカ
プトプリル(シグマ社製)をコントロールとして用い
た。上記部分精製品及びカプトプリルを適当量の蒸留水
に溶解し、これを胃ゾンデを用いて、前記ラットに単回
強制経口投与し、非観血式血圧測定装置(室町機械製
MK−1000)にて経時的に収縮期血圧を測定した。
その結果を表1にまとめて示す。
【表1】
【0023】表1の結果から本発明のACEの阻害物質
の部分精製品であるBio gelP2活性区分及びO
DS活性区分は、何れもラットに投与すると投与後少な
くとも8時間血圧降下が持続することから、ACE阻害
剤として優れていること、そしてACE阻害剤として知
られるカプトプリルと同程度の顕著な血圧降下を示すこ
とが判る。
【本発明の効果】
【0024】本発明は、大豆を水又は熱水を用いて抽出
し、該抽出液から合成吸着樹脂を用いてニコチアナミン
を分画、採取するものであるから、安定して原料の供給
が受けられ、また原料として実質的に破砕しない大豆を
用いるときは、抽出液中の峡雑物が非常に少ないのでニ
コチアナミンの単離精製が非常に容易であり、また抽出
残さがそのまま従来の味噌、醤油、豆腐等の素材として
そのまま使用することができるため極めて好都合であ
り、また従来殆ど利用価値がなく廃棄されていた大豆の
蒸煮廃液からニコチアナミンを利用することができるの
で、非常に安価にニコチアナミンを得ることができ、さ
らにまた、ニコチアナミンは水溶性に優れているので各
種の飲食品に添加することができ、それによって血圧降
下作用を有する良好な味覚の健康食品を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明で得られるニコチアナミンの赤外線吸収ス
ペクトル(KBr法)を、図2は同紫外線吸収スペクト
ルを示し、図3は1H NMRスペクトル、図4は、13
C NMRスペクトルを示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大豆を水又は熱水で抽出し、該抽出液の
    ニコチアナミンを合成吸着樹脂により分別、採取するこ
    とを特徴とするニコチアナミンの製造法。
  2. 【請求項2】 丸大豆を実質的に破砕することなくその
    まま水又は熱水で抽出し、該抽出液のニコチアナミンを
    合成吸着樹脂により分別、採取することを特徴とするニ
    コチアナミンの製造法。
  3. 【請求項3】抽出液が大豆の蒸煮廃液又は大豆の水浸漬
    廃液である請求項1又は2に記載のニコチアナミンの製
    造法。
  4. 【請求項4】大豆を水又は熱水で抽出し、該抽出液のニ
    コチアナミンを合成吸着樹脂により分別、採取して得ら
    れるニコチアナミン又はその含有物質を、飲食品中に添
    加して得られる健康食品。
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