JP2015097511A - ポリフェノール誘導体の製造方法、ポリフェノール誘導体を含有する飲食品および医薬品組成物 - Google Patents

ポリフェノール誘導体の製造方法、ポリフェノール誘導体を含有する飲食品および医薬品組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 血糖値上昇抑制、中性脂肪低減、血圧上昇抑制、高脂血症改善、コレステロールの代謝改善などのメタボリックシンドロームの予防と治療、肝・腎機能の改善、さらには脳機能改善、アルツハイマー病の予防と治療に有効なポリフェノール誘導体を容易かつ多量に製造することを可能とする。【解決手段】 カテキン類又はカテキン類を含む原料に対して、麹菌などの糸状菌の菌体、菌体処理物又は培養液を作用させる。これによって得られるポリフェノール誘導体は、血糖値上昇抑制、中性脂肪低減、血圧上昇抑制、高脂血症改善、コレステロールの代謝改善などのメタボリックシンドロームの予防と治療、肝・腎機能の改善、さらには脳機能改善、アルツハイマー病の予防と治療に有効なものである。【選択図】 なし

Description

この発明は、ポリフェノール誘導体の製造方法、前記製造方法によって得られるポリフェノール誘導体を含有する飲食品および医薬品組成物に関するものである。
より詳しくは、カテキン類又はカテキン類を含む原料から血糖値上昇抑制、中性脂肪低減、血圧上昇抑制、高脂血症改善、コレステロールの代謝改善などのメタボリックシンドロームの予防と治療、肝・腎機能の改善、さらには脳機能改善、アルツハイマー病の予防と、治療に有効な特定のポリフェノール誘導体を容易かつ多量に製造する方法、および前記製造方法によって得られるポリフェノール誘導体を含有する飲食品および医薬品組成物に関するものである。
嗜好品としてのお茶は、非常に古くから全世界的に愛用されているが、その多くは、茶葉に湯を注いで、その浸出液を飲むというものである。
この浸出液には、茶葉から抽出された種々の成分が含まれているため、独特の香と味とを有し、かつ特有の機能を有するものである。
そのため、茶葉の成分に関しての研究が幅広く行われているもので、その成分に関しても、以下のようなことが知られている。
茶の特徴的な成分は、カフェインとタンニン系の物質のカテキンで、カフェインは人に興奮作用を与え、苦味を呈し、利尿作用も有する。
このカテキンは、茶の成分としては一番量の多いもので、茶の渋味の成分である。
これら以外にも、テアニンに代表されるアミノ酸、ビタミンCに代表されるビタミン類やクロロフィル類、カリウムやカルシウムなどの無機成分、ジメチルスルフィド、青葉アルコール、テルペンアルコールなどの香料成分など幅広く知られている。
これらの成分が、茶葉からの製茶の段階で、変化することも知られている。
例えば、釜炒茶、ほうじ茶ではピラジン、ピロール等の含窒素化合物が多くなる。
醗酵茶では、花香を持つテルペンアルコールが非常に多くなることが知られている(平凡社発行:世界大百科事典参照)。
このように茶葉には、各種の有用な成分が多く含まれているため、その成分を効率よく抽出することや、茶葉を加工して有効成分を多く取得する試みが古くから多くなされている。
例えば、特開2002−370994号公報(特許文献1)には、黒茶、すなわち、黒麹菌等による後発酵法により長期熟成した黒茶から、熱水抽出により血糖値抑制物質が得られたことが報告されている。
特開2005−341876号公報(特許文献2)においては、茶葉に麹菌又は麹を加え、発酵させることによって、マルターゼ阻害効果を有すお茶が得られることが報告されている。
一方、この出願の発明者らは、先に、酢酸による抽出で、発酵茶葉から肝機能の悪化の防止等が図れる薬効性組成物が得られることを見出して、特許出願を行った。
その内容は、特開2007−238584号公報(特許文献3)に開示されている。
他方、発明者らは、先の研究に続いて、発酵茶(後発酵茶)の有する各種成分の特性をより深く追求するとともに、発酵茶の調製条件、原料茶葉による含有成分の変化等について検討した。
さらに、発明者らは、幅広く利用されている茶葉をより有効活用するために、茶葉における有効成分やその発酵条件による変化についても、検討を行った。
その内容は、特開2010−220489号公報(特許文献4)に開示されている。
さらにまた、発明者らは、先の研究において黒麹を用いた茶葉の発酵により産生することを見出したX成分(没食子酸起因化合物と推測)について、その同定を行うとともに、その有効性について、特に薬理特性についてより深く追求し、茶葉のさらなる活用、特に見出したX成分の有効活用を図るべく検討を行った。
その結果、前記X成分が、下記式(1)で示されるポリフェノール誘導体であって、先の段階では見出し得なかった血糖値上昇抑制、中性脂肪低減、血圧上昇抑制、高脂血症改善、コレステロールの代謝改善などのメタボリックシンドロームの予防と治療、肝・腎機能の改善、さらには脳機能改善、アルツハイマー病の予防と治療といった薬理特性をも有することを見出した。
その内容は、特開2012−219077号公報(特許文献5)に開示されている。
特開2002−370994号公報(特許請求の範囲) 特開2005−341876号公報(特許請求の範囲) 特開2007−238584号公報(特許請求の範囲) 特開2010−220489号公報(特許請求の範囲) 特開2012−219077号公報(特許請求の範囲)
前記特許文献に記載されている特定の有効成分の製造方法は、茶葉を発酵させることによるものである。
しかしながら、かかる製造方法によって得られるポリフェノール誘導の収率は、極めて低いものであった。
したがって、血糖値上昇抑制、中性脂肪低減、血圧上昇抑制、高脂血症改善、コレステロールの代謝改善などのメタボリックシンドロームの予防と治療、肝・腎機能の改善、さらには脳機能改善、アルツハイマー病の予防と治療に有効なポリフェノール誘導を、容易かつ多量に製造できる製造方法が求められている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、前記優れた効果を有する特定のポリフェノール誘導体を容易かつ多量に製造する方法と、この製造方法によって得られるポリフェノール誘導体を含有する飲食品および医薬品組成物を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の発明は、
カテキン類又はカテキン類を含む原料に対して、糸状菌の菌体、菌体処理物又は培養液を作用させること
を特徴とするポリフェノール誘導体の製造方法である。
この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のポリフェノール誘導体の製造方法において、
前記カテキン類は、
カテキンの没食子酸エステル結合物であること
を特徴とするものである。
この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載のポリフェノール誘導体の製造方法において、
前記カテキンの没食子酸エステル結合物は、
エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレートおよびカテキンガレートから選択されるものであること
を特徴とするものである。
この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項2に記載のポリフェノール誘導体の製造方法において、
前記カテキンの没食子酸エステル結合物は、
エピガロカテキンガレートであること
を特徴とするものである。
この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載のポリフェノール誘導体の製造方法において、
前記ポリフェノール誘導体は、
下記式(1)で示される化合物であること
を特徴とするものである。


この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載のポリフェノール誘導体の製造方法において、
前記糸状菌は、
麹菌、アオカビ、及びキノコ類から選択されるものであること
を特徴とするものである。
さらに、この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項1〜6のいずれかに記載のポリフェノール誘導体の製造方法によって得られるポリフェノール誘導体を含むこと
を特徴とする飲食品である。
さらに、この発明の請求項8に記載の発明は、
請求項1〜7のいずれかに記載のポリフェノール誘導体の製造方法によって得られるポリフェノール誘導体を含むこと
を特徴とする医薬品組成物である。
この発明のポリフェノール誘導体の製造方法では、カテキン類又はカテキン類を含む原料に対して、麹菌などの糸状菌の菌体、菌体処理物又は培養液を作用させることによって、血糖値上昇抑制、中性脂肪低減、血圧上昇抑制、高脂血症改善、コレステロールの代謝改善などのメタボリックシンドロームの予防と治療、肝・腎機能の改善さらには脳機能改善、アルツハイマー病の予防と治療に有効なポリフェノール誘導体を得ることができる。
特に、この発明によれば、前記特定のポリフェノール誘導体を容易かつ多量に製造することが可能となる。
発酵(培養)後の培養液のHPLCチャートである。 なお、図1(a)は、カテキン原料に対して、黒麹菌Aspergillus awamoriを作用させた場合のものである。 図1(b)は、カテキン原料に対して、白麹菌Aspergillus awamori ver. Kawachiを作用させた場合のものである。 発酵後の培養液の分取用HPLCクロマトグラムであって、図2(a)は精製前のものであり、図2(b)は精製後のものである。 STZ誘発ラットを用いたインビボでの随時血糖値の推移を示す図である。 赤血球変形能の測定装置を示すものであって、図4(a)は、測定装置の模式図、図4(b)は、その画面表示である。 STZ誘発ラットを用いたインビボでの赤血球変形能を示す図である。 KK−Ayマウスを用いたインビボによる随時血糖値の推移を示す図である。 図7は、KK−Ayマウスを用いたインビボでの血液生化学検査の結果を示す図であって、図7(a)は、KK−Ayマウスを用いたインビボでの総コレステロールの推移を、図7(b)は、KK−Ayマウスを用いたインビボでの中性脂肪の推移を、図7(c)は、KK−Ayマウスを用いたインビボでの尿素窒素の推移を示す図である。 SHRラットを用いたインビボでの随時血圧の推移を示す図である。
以下、この発明にかかるポリフェノール誘導体の製造方法の実施の形態を、具体的に説明する。
その際、この発明について好ましい代表的な例を中心に説明するが、この発明がこのような代表例に限定されることは無い。
この発明のポリフェノール誘導体の製造方法では、カテキン類又はカテキン類を含む原料に対して、糸状菌の菌体、菌体処理物又は培養液を作用させる。
前記カテキン類は、好ましくはエピガロカテキンガレート(EGCG)、エピカテキンガレート(ECG)などのカテキンの没食子酸エステル結合物である。
より好ましくは、エピガロカテキンガレート(EGCG)、ガロカテキンガレート(GCG)、エピカテキンガレート(ECG)およびカテキンガレート(CG)から選択され、さらに好ましくはエピガロカテキンガレートである。
なお、前記カテキン類の入手方法については、特に制限はない。
したがって、公知の方法により製造したものを使用することができ、また、市販のものを使用することもできる。
この発明において、前記糸状菌は、
アスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)などの黒麹菌、
アスペルギルス・アワモリ・ヴァル・カワチ(Aspergillus awamori ver. kawachi)などの白麹菌、
アスペルギルス・オリーゼ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)などの黄麹菌などの麹菌、
ペニシリュウム属(Penicillium属)などのアオカビ、及びシイタケ(Lentinus edodes)、エノキタケ(Flammulina velutips)などのキノコ類(担子菌類や子嚢菌類など)
から選択される。
より好ましくは、黒麹菌又は白麹菌である。
これらの麹菌のうち、微生物変換効率が良好であることから、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・アワモリ・ヴァル・カワチが好適に用いられる。
なお、前記糸状菌の1種又は2種以上が、菌体、菌体処理物、又は培養液の形態で反応に供される。
具体的には、前記糸状菌の菌体をそのまま、又はこの菌体を公知の手法で処理したもの、例えば、アセトン処理したもの、凍結乾燥処理したもの、菌体を物理的または酵素的に破砕したものなどの菌体処理物を用いることができる。
前記菌体は、そのままか、又は固定化した形で使用することができる。
なお、固定化は、当業者に周知の方法(例えば、架橋法、物理的吸着法、包括法など)で行い得る。
前記固定化担体としては、一般に用いられているものであればいずれでもよい。
例えば、セルロース、アガロース、デキストラン、κ−カラギナン、アルギン酸、ゼラチン、酢酸セルロースなどの多糖類;
例えば、グルテンなどの天然高分子;例えば、活性炭、ガラス、白土、カオリナイト、アルミナ、シリカゲル、ベントナイト、ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウムなどの無機物;ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリプロピレングリコール、ウレタンなどの合成高分子など
が挙げられる。
前記菌体は、マイクロカプセルに封入した形で使用することもでき、当該分野で知られた方法から適宜選択して使用できる。
さらには、前記糸状菌を所定の培地で培養したもの、特に培養液の形で使用することができる。
この発明において、カテキン類又はカテキン類を含む原料に対して、糸状菌の菌体、菌体処理物又は培養液を作用させる方法としては、例えば、所定の培地にカテキン類又はカテキン類を含む原料を添加し前記糸状菌を培養しながら反応せしめる方法や、前記糸状菌を予め培養し、その後、そのままの培地にカテキン類又はカテキン類を含む原料を添加して、引き続いて反応せしめる方法などが挙げられる。
前記培地としては、前記糸状菌を培養するのに適した培地を選択すればよい。
かかる培地は、固体培地でも液体培地でもよいが、有効成分(この発明のポリフェノール誘導体)を回収し易い点で、液体培地を使用することが好ましい。
例えば、ポテトデキストロース含有培地やツァペック(Czapek)培地などの糸状菌用培地、又はオカラなどの有機物を含有する種々の液体培地が好適に使用される。
前記液体培地には、前記反応を促進するために必要に応じて、さらに炭素源、窒素源、無機塩類などを適宜添加することができる。
前記炭素源としては、グルコース、シュークロース、フラクトース、ガラクトース、ラクトースなどの糖類、これら糖類を含有する澱粉糖化液、甘藷糖蜜、甜菜糖蜜、ハイテストモラセス、酢酸などの有機酸、エタノールなどのアルコール類、グリセリンなどが挙げられる。
前記窒素源としては、アンモニアガス、アンモニア水、アンモニウム塩類、尿素、硝酸塩類、その他補助的に使用される有機窒素源、例えば、油粕類、大豆加水分解液、カゼイン分解物、その他のアミノ酸、ビタミン類、コーンスティープリカー、酵母又は酵母エキス、肉エキス、ペプトンなどのペプチド類、各種発酵菌体およびその加水分解物などが挙げられる。
前記無機塩類としては、リン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩などが挙げられる。
なお、添加量については、例えば、0.0001〜50質量%である。
前記培養のための条件は、前記糸状菌の生育に適した条件であればよい。
前記培養は、好気的条件で行うことが好ましい。
培養(発酵)温度としては、好ましくは温度10〜45℃、より好ましくは温度20〜40℃、さらに好ましくは温度25〜40℃である。
前記ポリフェノール誘導体(有効成分)を多量に得るための培養期間としては、好ましくは3日〜18日間、より好ましくは3〜14日間である。
この培養期間が3日未満の場合には、前記糸状菌による発酵がほとんど進行しないことから、十分な量のポリフェノール誘導体が生成されない傾向にある。
18日を超える場合には、不経済である。
培養開始時点における培地のpHは、好ましくはpH3〜8、より好ましくはpH4〜7である。
なお、菌体が十分に増殖し、所望の量の前記ポリフェノール誘導体(有効成分)を得ることができれば、静置培養、振盪培養、通気攪拌培養など培養の形態は問わない。
酸素の供給速度を上げる必要がある場合は、空気に酸素を加えて酸素濃度を21%以上に保つ、又は培養を加圧する、攪拌速度を上げる、通気量を上げるなどの手段を用いることができる。
この発明において、前記カテキン類又はカテキン類を含む原料は、培養前に予め加熱することができる。
目的とするポリフェノール誘導体を高い収率で得るためには、培養前および培養中、加熱しないことが好ましい。
前記カテキン類又はカテキン類を含む原料については、培養前に予めフィルターを用いてろ過して、除菌しておくことが望ましい。
前記フィルターの孔径は、好ましくは0.2〜50μm、より好ましくは0.2〜5μm、さらに好ましくは0.2〜1μmである。
この発明の製造方法で得られるポリフェノール誘導体(有効成分;式(1)で示される化合物)については、例えば、発酵後の培養液から、通常の精製方法、すなわち高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などのクロマトグラフィーや晶析技術を用いて不純物を除去することにより、精製された特定のポリフェノール誘導体を得ることができる。
具体的には、例えば、発酵後の培養液には、式(1)で示される化合物(X成分)が高濃度で含まれるため、この培養液をそのまま、又は2〜5倍希釈してから、所定の条件の分取用HPLCに付すことによって、精製された式(1)で示される化合物を得ることができる。
さらに、ダイアイオン HP−20、 セファデックス LH−20などの吸着材のオープンカラムを用いて、前記特定のポリフェノール誘導体の精製ができる。
また、ダイアイオン HP−20などのカラムを用いて予め不純物を除いてから分取用HPLC用に付すこともできる。
この発明の製造方法によって得られるポリフェノール誘導体は、飲食品の素材として、医薬の原料として、利用することができるものである。
このポリフェノール誘導体、具体的には、式(1)で示される化合物は、血糖値上昇抑制、中性脂肪低減、血圧上昇抑制、高脂血症改善、コレステロールの代謝改善などのメタボリックシンドロームの予防と治療、肝・腎機能の改善、さらには脳機能改善、アルツハイマー病の予防と治療に有効であるので、生体内に摂取されることによって、これらの効果が発揮され得る。
この発明の製造方法によって得られるポリフェノール誘導体は、前述の如く、公知の又は将来開発される様々な飲食品の形態を、適宜採用することができる。
この場合、機能性食品又は特定保健用食品の形態についても、同様に採用することができる。
様々な飲食品の製品としては、例えば、菓子(冷菓、ゼリー、ケーキ、キャンディー、チューインガムなど)、パン、牛乳やヨーグルトなどの乳製品などの各種製品を挙げることができる。
さらに、飲食品として使用できる調味剤や甘味剤を使用し、溶液としてドリンクの形態で使用することもできる。
前記機能性食品又は特定保健用食品(栄養剤を含む)は、前記同様、この発明の製造方法によって得られるポリフェノール誘導体を含有するものである。
その際、飲料品や食料品の形態のみならず、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、シロップ剤、液剤(ジュースなど)などの製剤の形態で経口摂取できるように構成される。
かかる食品は、前記ポリフェノール誘導体を、果汁、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、乳糖やデキストリンなどの賦形剤などの、一般的な健康食品用の素材に添加することにより製造され得るが、これらに限定されるものではない。
機能性食品の一態様であるサプリメントの形態を選択する場合であっても、公知の方法に従って製造すればよい。
例えば、有効成分である前記ポリフェノール誘導体に、賦形剤(乳糖、白糖、デンプンなど)、崩壊剤(デンプン、炭酸カルシウムなど)、結合剤(デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロースなど)又は滑沢剤(タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール 6000など)などを添加して圧縮成形する。
ついで、必要によって味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため、公知の方法でコーティングすることができる。
このような食品もまた、前記ポリフェノール誘導体を含有しているので、経口摂取した時に血糖値上昇抑制、中性脂肪低減、血圧上昇抑制、高脂血症改善、コレステロールの代謝改善などのメタボリックシンドロームの予防と治療、肝・腎機能の改善、さらには脳機能改善、アルツハイマー病の予防と治療の作用を発揮する。
なお、前記ポリフェノール誘導体は、使用される製品に混合、使用することが簡便であるが、前記作用を奏するに有効な量のポリフェノール誘導体を含有すべきことは当然のことである。
例えば、前記ポリフェノール誘導体を、飲食品に、好ましくは0.01〜80質量%程度、より好ましくは0.05〜20質量%程度含有させることができる。
前記飲食品に関し、有効成分である前記ポリフェノール誘導体の摂取量については、被検者の年齢、体重、体質、体調、形態、摂取期間などに応じて適宜選択すればよい。
前記飲食品は、予防用として健常者は勿論、各種の疾患を有する者で、重症患者から軽症の患者まで、特にメタボリックシンドロームや、アルツハイマー病などの疾患者に限定することなく、使用することができる。
この発明の製造方法によって得られるポリフェノール誘導体は、必要に応じて薬剤的に許容できる担体と配合し、希釈剤に溶解もしくは懸濁した薬剤として、経口的に患者に投与できる。
この発明の医薬品組成物(医薬用組成物)は、適当な添加剤、例えば、
乳糖、ショ糖、マンニット、トウモロコシデンプン、合成もしくは天然ガム、結晶セルロースなどの賦形剤、デンプン、セルロース誘導体、アラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなどの結合剤、カルボシキメチルセルーロースカルシウム、カルボシキメチルセルーロースナトリウム、デンプン、コーンスターチ、アルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウムなどの滑沢剤、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムなどの充填剤又は希釈剤
などと適宜混合して、錠剤、散剤(粉末)、丸剤および顆粒剤などとすることができる。
その際、硬質又は軟質のゼラチンカプセルなどを用いて、カプセル剤とすることもできる。
さらに、この発明の医薬品組成物は、精製水などの一般的に用いられる不活性希釈剤に溶解させ、必要に応じて、この溶液に浸潤剤、乳化剤、分散助剤、界面活性剤、甘味料、フレーバー、芳香物質などを適宜添加することによって、シロップ剤、エリキシル剤などの液状製剤とすることもできる。
なお、これらの製剤化は、従来公知の方法で可能である。
この発明の医薬品組成物を、医薬としてヒトに投与する場合における投与量は、有効成分である特定化合物の投与量により定められる。
その投与量は、剤型や患者の年齢などに依存するが、一日当たり1mg〜1,000mgの範囲内であって、体重50kgの成人に対する投与量では、一日当たり10mg〜500mgが好ましい。
なお、ヒト以外の動物に対しても、飼料、医薬品および医薬品組成物などの形態で適用することができる。
以下に、実施例を挙げてこの発明にかかるポリフェノール誘導体の製造方法、およびこのポリフェノール誘導体を含有する飲食品、医薬品組成物について具体的に説明するが、この発明は、これら実施例により制限されることはない。
<実施例1>
1)ポリフェノール誘導体の製造
カテキン原料(ポリフェノンEGCG(太陽化学製);EGCGを95%、GCGを4.7%含むもの)を、孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過した。
Czapek液体培地3mlに、糸状菌として黒麹菌(Aspergillus awamori)または白麹菌(Aspergillus awamori ver. Kawachi) 2.5μlを接種し、これに前記ろ過したカテキン原料69mgを添加し、温度35℃で13日間好気的に培養した。
[培養液の分析]
培養後、各培養液を水で5倍に希釈し、HPLC(アジレント社製、1200シリーズ)により分析を行った。
なお、分析条件は、以下のとおりである。
図1(a)に、黒麹菌による培養後の培養液のHPLC分析の結果を、図1(b)に、白麹菌による培養後の培養液のHPLC分析の結果をそれぞれ示す。
式(1)で示される化合物(X成分)の産生量についての結果を、表2に示す。
[分析条件]
カラム:TSK GEL ODS−80Ts,(4.6×250mm,5μm)(東ソー社)
流 速:0.8ml/分
温 度:40℃
検 出:270nm
移動相:(A)メタノール、(B)1% ギ酸
なお、時間帯と移動相(A)と(B)の液組成を、表1に示す。
ピークXは、結晶化した純粋な式(1)で示される化合物(X成分)のピークと一致した。
ピークZは、結晶化した純粋な下記式(2)で示される化合物(Z成分)のピークと一致した。
なお、このZ成分は、前記カテキン原料に含まれるGCGから産生したものと考えられた。
その他に、ピークA、C、Dなどの未知の物質が認められた。
この結果は、黒麹菌および白麹菌のいずれを用いた場合においても、ほぼ同様であった。
式(1)で示される化合物(X成分)の産生量は、黒麹菌および白麹菌のいずれを用いた場合にも、培養液3ml当たり6.9mgであった。
したがって、培養液3mlに対して添加したカテキン原料は69mgであることから、式(1)で示される化合物の産生率(収率)は10%である。
<実施例3>
[ポリフェノール誘導体の精製]
実施例1において得られた培養液を、水で5倍に希釈して、分取用HPLCに付した。
この分取用HPLCは、約12分間の短時間で回転するものである。
図2(a)に、培養液の分取用HPLCクロマトグラムを示す。
分取用HPLCの条件は、以下のとおりである。
[HPLCの条件]
HPLC機器:アジレント1100シリーズ (アジレント社)
分取装置 :島津 LC−10Av(島津製作所)
カラム :YMC PAK ODS−A(150×4.6mm,10μm)
カラム温度 :40℃
検出 :270nm
移動相 :(A)メタノール (B)1%ギ酸
なお、時間帯と移動相(A)と(B)の液組成を、表3に示す。
図2(b)に示されるように、培養液を分取用HPLCに付したところ、精製された式(1)で示される化合物が得られた。
したがって、この発明においては、培養液から、直接、分取用HPLCを用いて、式(1)で示される化合物を容易に精製することができる。
<比較例>
発酵茶400gを100℃で1時間加熱してカテキン類を抽出し、ダイアイオンHP20およびセファデックスLH20カラムを用いて精製された式(1)で示される化合物510mgを得た。
発酵茶(原料茶葉を発酵させたもの)から、式(1)で示される化合物を得る場合の収率は、0.51g/400g×100=0.12%である。
したがって、この発明の製造方法により得られる式(1)で示される化合物の収率は、従来法(発酵茶から精製する場合)の約80倍である。
よって、この発明の製造方法が、特定のポリフェノール誘導体、すなわち式(1)で示される化合物(X成分)を容易かつ多量に製造することにおいて、きわめて優れていることは明らかである。
<評価例>
得られた式(1)で示される化合物(X成分)の薬理性に関する機能の評価結果は、以下の通りである。
[抗毒性効果の評価(STZ誘発ラットによるインビボ実験)]
式(1)で示される化合物の抗毒性効果をインビボ実験で評価するために、7週齢のWisterラットを(株)KBTオリエンタルより入手し、1週間の予備飼育後、下記表4のように3群に群分けした。
予備飼育後、IIおよびIII群にはストレプトゾトシン(STZ:Streptozotocin)を腹腔内投与し、STZ誘発I型糖尿病モデルラットを作製した。
この内、III群については、式(1)で示される化合物を含有する固型飼料MF(オリエンタル酵母製)を屠殺(12週齢)までの3週間自由摂食させた。
I,II群には、固型飼料MFのみを自由摂食させた。
各群の投与試料およびその摂取量等については、下記表4に示したとおりである。
なお、この飼料中の式(1)で示される化合物の配合量については、ヒト臨床試験での摂取量(66mg/day)の5倍となるように設定した。
前記ラットは、予備飼育期間および実験期間を通して室温24±3℃、相対湿度55±15%のコンベンショナル飼育室(照明時間7時〜19時)で飼育し、1週間ごとに摂食量,体重を測定するとともに、試料投与前,試料投与後1週目,2週目の経過血糖値を測定した。
3週間の試料投与後の12週齢時に腹大動脈から採血し、赤血球変形能測定および血液生化学検査(コレステロール、血糖、HbA1cなど35項目)を行った。
[随時血糖値の推移]
採血は、STZ、試料投与前(8週齢)、試料投与1週間後、試料投与2週間後に尾静脈から採取した。
全血を、血糖測定器にて測定した。
その結果を図3に示した。
図3の随時血糖値の推移に示されるように、糖尿病対照群(II群)は週齢が上がるにつれ、正常群(I群)に比し有意に血糖値は上昇していく。
これに対し、式(1)で示される化合物を投与したIII群はSTZ投与2週目の時点で、II群と比し有意に低値を示した。
このことから、式(1)で示される化合物が血糖値の上昇を抑制することが示唆された。
[血液化学検査]
STZ投与3週間後(12週齢)にイソフルレン(大日本製薬)麻酔下で開腹し、腹大動脈から採血した。
絶食は、屠殺の18時間前からとした。
採血した血液でCBC測定(Sysmex)し、得られた血漿(2,000rpm、10分、温度25℃)で血液生化学検査を行った。
その結果を表5に示した。
前記表5から明らかなように、STZ投与により血液生化学指標の異常(汎臓器異常)が見られた。
一方、III群で汎臓器異常を防止する傾向が見られた。
このことから、式(1)で示される化合物が、汎臓器異常を防止する傾向があることが示唆された。
[赤血球変形能]
血液循環能の指標として、赤血球変形能を選定し、この赤血球変形能について、図4に示された重力式 Nickel Mesh Filtration法に基づく測定装置(レオロジー機能食品研究所製)を用いて評価を行った。
屠殺し採血した血液を遠心機を用いて赤血球浮遊液を作成し、フィルター孔径3.85μmを用いて測定した。
その結果を図5に示した。
図中の*マークは、有意差があることを示す(*;p<0.07)。
赤血球変形能は、STZ投与により優位に低下した。
これに対して試料を与えたIII群では、有意差は見られなかったが、赤血球変形能を改善する傾向が見られた。
[抗糖尿病効果の評価(KK−Ayマウスによるインビボ実験)]
式(1)で示される化合物の抗メタボリックシンドローム効果を、インビボ実験で評価するために、KK−Ay/Tajマウス♂ 3週齢(日本クレア株式会社)を九動(株)より入手し、2週間の予備飼育後、表6のように、2群に群分けした。
予備飼育1週目までは滅菌水道水を、2週目は0.05%アスコルビン酸添加滅菌水道水を与えた。
試料濃度については、一昨年度の同モデルを使用して行った黒茶抽出物投与実験(摂食による投与)の1日の摂取量から算出した。
なお、この試料中の式(1)で示される化合物の配合量については、先の治験結果に基づき設定した。
投与方法は全て自由摂水とし、飼料には固型飼料MF(オリエンタル酵母製)を自由摂食させた。
前記マウスは、予備飼育期間および実験期間を通して室温24±3℃、相対湿度55±15%のコンベンショナル飼育室(照明時間7時〜19時)で飼育し、1週間ごとに摂食量、体重を測定した。
さらに、試料投与後4週目,5週目,6週目,7週目(屠殺時)の経過血糖値を測定した。
7週間の試料投与後(12週齢時)に、腹大動脈から採血し、血液生化学検査(コレステロール、血糖など34項目)を行った。
[随時血糖値の推移]
採血は、試料投与後4週目,5週目,6週目,7週目(屠殺時)に尾静脈から採取した。
全血を血糖測定器にて測定した結果を、図6に示す。
通常、KK−Ayマウスは7、8週齢から、高血糖を発症する。
試料投与4〜6週後(9〜11週齢時)ではI、II群に有意差は見られないが、試料投与7週後(12週齢時)ではII群の方が有意に低値となった。
これよって、式(1)で示される化合物が、糖尿病モデルマウスにおける血糖値上昇を著明に抑制する効果が示唆された。
[血液生化学検査]
採血は、7週間の試料投与後(12週齢)に腹大動脈より採取した。
採血前の5〜6時間は、絶食した。
その結果を図7に示した。
図中の*,**マークは、有意差があることを示す(*;p<0.05,**;p<0.01)。
血液生化学検査においては、総コレステロール、中性脂肪、尿素窒素においてII群が有意に低値を示した。
これらの結果から、式(1)で示される化合物が、血中脂質を低下させ腎機能を改善することが示唆された。
[抗高血圧効果の評価(SHRラットによるインビボ実験)]
式(1)で示される化合物の抗高血圧効果をインビボ実験で評価するため、7週齢の高血圧自然発症ラット(SHRラット)を(株)KBTオリエンタルより入手した。
2週間の予備飼育ののち、平均血圧が同等となるように、表7に示すように群分けを行った。予備飼育後の9週齢から、試料投与を開始した。
I群には固型飼料MF(オリエンタル酵母製)を、II群には式(1)で示される化合物を含有する固型飼料MFを4週間自由摂食させた。
II群の摂取量等については、表7に示したとおりである。
なお、この飼料中の式(1)で示される化合物の配合量については、事前治験の結果に基づき、ヒト臨床試験での摂取量(66mg/day)の5倍となるように設定した。
前記ラットは、予備飼育期間および実験期間を通して室温24±3℃、相対湿度55±15%のコンベンショナル飼育室(照明時間7時〜19時)で飼育し、1週間ごとに摂食量、ラット体重を測定した。
試料投与前,試料投与後1週目,2週目,3週目,4週目(屠殺前)の経過血圧を測定した。
4週間の試料投与後の13週齢時に腹大動脈から採血し、血液生化学検査(コレステロール、血糖など34項目)を行った。
[随時血圧の推移]
血圧は、試料投与前,試料投与後1週目,2週目,3週目,4週目(屠殺前)の計5回の収縮期血圧(SBP;systolic blood pressure)を測定した。
測定には、非観血式血圧測定装置((株)ソフトロン)を用いて行った。
測定は最低3回行い、その内の3回の平均値をもって、その個体の血圧とし、その結果を図8に示した。
図中の*マークは、傾向があることを示す(*;p<0.1)。
図8に示されるように、試料非投与群(I群)では、週齢が上がるとともに血圧は上昇している。
一方、試料投与群(II群)では上昇はするものの、高血圧の発症スピードはI群と比し緩やかである。
試料投与1週目では、I群に比しII群は低値傾向を示した。
このことから、式(1)で示される化合物が、血圧上昇を著明に抑制することが示唆された。
[血液生化学検査]
試料投与4週間後(13週齢)にイソフルレン(大日本製薬)麻酔下で開腹し、腹大動脈より採血した。
絶食は、屠殺の18時間前からとした。
採血した血液でCBC測定(Sysmex)し、得られた血漿(2000rpm、10分、温度25℃)で生化学検査を行った結果を、表8に示した。
血液生化学検査において、両群間には差は見られなかった。
この発明の製造方法で得られる特定のポリフェノール誘導体(式(1)で示される化合物)は、血糖値上昇抑制、中性脂肪低減、血圧上昇抑制、高脂血症改善、コレステロールの代謝改善などのメタボリックシンドロームの予防と治療、肝・腎機能の改善、さらには脳機能改善、アルツハイマー病の予防と治療に有効なものである。
この発明によれば、血糖値上昇抑制、中性脂肪低減、血圧上昇抑制、コレステロールの代謝改善、肝・腎機能の改善、さらには脳機能改善、アルツハイマー病の予防と治療に有効なポリフェノール誘導体を多量に製造することが可能となるので、医薬業界において幅広く利用されるものである。

Claims (8)

  1. カテキン類又はカテキン類を含む原料に対して、糸状菌の菌体、菌体処理物又は培養液を作用させること
    を特徴とするポリフェノール誘導体の製造方法。
  2. 前記カテキン類は、
    カテキンの没食子酸エステル結合物であること
    を特徴とする請求項1に記載のポリフェノール誘導体の製造方法。
  3. 前記カテキンの没食子酸エステル結合物は、
    エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレートおよびカテキンガレートから選択されるものであること
    を特徴とする請求項2に記載のポリフェノール誘導体の製造方法。
  4. 前記カテキンの没食子酸エステル結合物は、
    エピガロカテキンガレートであること
    を特徴とする請求項2に記載のポリフェノール誘導体の製造方法。
  5. 前記ポリフェノール誘導体は、
    下記式(1)で示される化合物であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリフェノール誘導体の製造方法:
  6. 前記糸状菌は、
    麹菌、アオカビ及びキノコ類から選択されるものであること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリフェノール誘導体の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリフェノール誘導体の製造方法によって得られるポリフェノール誘導体を含むこと
    を特徴とする飲食品。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリフェノール誘導体の製造方法によって得られるポリフェノール誘導体を含むこと
    を特徴とする医薬品組成物。
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