JPH05246143A - 感熱記録媒体 - Google Patents

感熱記録媒体

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JPH05246143A
JPH05246143A JP4084657A JP8465792A JPH05246143A JP H05246143 A JPH05246143 A JP H05246143A JP 4084657 A JP4084657 A JP 4084657A JP 8465792 A JP8465792 A JP 8465792A JP H05246143 A JPH05246143 A JP H05246143A
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一也 折井
Yasushi Muto
泰志 武藤
Yoshimitsu Kurihara
祥光 栗原
Norimichi Kawashima
徳道 川島
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基体と、この基体の少なくとも一方の主面側
に形成された感熱記録層と、この感熱記録層側表面の最
上層として、樹脂を構成成分とする保護層を有する感熱
記録媒体において、前記感熱記録層を金属薄膜から構成
し、前記感熱記録層の両主面の中心線平均粗さ(Ra )
を0.4μm 以下とする。 【効果】 感熱記録層の加熱部位の金属の微粒化および
その分散が良好となるため、加熱部位がほぼ透明となる
ので、加熱部位とその周囲とのコントラストが高くなっ
て記録パターンの視認性が向上し、また、記録パターン
のエッジ部が鮮明となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録媒体は、加熱により可視情報を
記録する媒体であり、例えば、感熱記録紙がファクシミ
リやプリンタなどに利用されている。感熱記録紙は、色
素と顕色剤とをバインダ中に分散させて基紙の表面に塗
工したものであり、サーマルヘッド等で加熱することに
よってバインダが溶融して色素と顕色剤が反応し、発色
する。
【0003】このように色素を用いる感熱記録媒体の
他、近年、金属薄膜破壊型の感熱記録媒体が提案されて
いる。例えば、特開昭59−199284号公報では、
磁気記録層上にTeやSn等の低融点金属などからなる
非磁性薄膜層を設けた感熱磁気記録媒体が開示されてい
る。
【0004】この媒体における感熱記録は、以下のよう
にして行なわれる。まず、サーマルヘッドなどによって
非磁性薄膜層を所定のパターンに加熱する。加熱部の低
融点金属は、溶融して薄膜状態から微粒状態に変わって
加熱部に分散し、また、一部は加熱部から退縮する。こ
れにより加熱部はほぼ透明となり、下地として設ける着
色層などが透けて見えるため、前記パターンが可視情報
として記録されることになる。この感熱磁気記録媒体
は、キャッシュカードや乗車券、定期券などに適用され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属薄膜破
壊型の感熱記録媒体において、記録パターンの視認性を
向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。 (1) 基体と、この基体の少なくとも一方の主面側に
形成された感熱記録層と、この感熱記録層側表面の最上
層として、樹脂を構成成分とする保護層を有する感熱記
録媒体であって、前記感熱記録層が金属薄膜であり、前
記感熱記録層の両主面の中心線平均粗さ(Ra )が0.
4μm 以下であることを特徴とする感熱記録媒体。
【0007】(2) 前記感熱記録層がSnを構成成分
とし、前記感熱記録層の表面抵抗率が3.0Ω/□以下
である上記(1)に記載の感熱記録媒体。
【0008】(3) 前記感熱記録層が真空蒸着法によ
り形成されたものである上記(1)または(2)に記載
の感熱記録媒体。
【0009】(4) 前記感熱記録層の厚さが50〜5
00nmである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載
の感熱記録媒体。
【0010】(5) 前記感熱記録層と前記基体との間
に磁性層を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに
記載の感熱記録媒体。
【0011】(6) 前記感熱記録層と前記磁性層との
間に樹脂を構成成分とするアンカー層を有する上記
(5)に記載の感熱記録媒体。
【0012】
【作用および効果】本発明の感熱記録媒体の一実施例を
図1に示す。同図に示される感熱記録媒体1は、基体2
上に、順次、磁性層3、アンカー層4、感熱記録層5、
保護層6を有する。
【0013】本発明の感熱記録媒体は金属薄膜破壊型で
あり、感熱記録層5は比較的低融点の金属薄膜である。
感熱記録により可視情報パターンを記録する際には、保
護層6を介してサーマルヘッド10により感熱記録層5
を所定パターンに加熱する。加熱部位では、感熱記録層
5の構成金属が融解して微粒化し、加熱部位に分散(通
常、ボールアップ現象と称する。)する。これにより、
加熱部位では保護層6がアンカー層4と接触するか、あ
るいは空洞が生じる。保護層6およびアンカー層4はほ
ぼ透明であり、磁性層3は暗色であるため、加熱部位で
は保護層6側から磁性層3が透視できる。一方、感熱記
録層5は金属薄膜であるため磁性層3よりも明度が高い
ので、感熱記録層のボールアップ現象がほぼ完全であれ
ば加熱部位は十分な黒みを示し、記録パターンのエッジ
が明瞭となって良好な視認性が得られる。
【0014】しかし、ボールアップが十分に行なわれ
ず、加熱部位に金属が薄膜状ないし粗粒状に多量に残留
すると、加熱部位の黒みが不足し、記録パターンのエッ
ジが不明瞭となってしまう。
【0015】本発明者らは、様々な実験の結果、感熱記
録層の中心線平均粗さ(Ra )を上記範囲としたとき
に、明瞭な記録パターンを形成できることを知見した。
感熱記録層5のRa が大きいと、感熱記録層5とサーマ
ルヘッド10との距離の不均一さが問題となる。すなわ
ち、保護層6に向って突出した部分ではサーマルヘッド
10との距離が近いため金属が速やかに溶融するが、ア
ンカー層4に向って突出した部分ではサーマルヘッド1
0との距離が遠いため溶融が遅れ、ボールアップを妨げ
る。具体的には、媒体を顕微鏡により観察すると、アン
カー層4に向って突出した部分に粒状の金属が溜った
り、薄膜状金属が残留する傾向を示す。このように記録
パターン内に金属が残留するため、黒みが不足してしま
う。また、このようにして生じる金属の残留は、記録パ
ターンのエッジ部において特に生じ易いため、記録パタ
ーンのエッジが不鮮明となってしまう。
【0016】また、本発明者らは、感熱記録層の形成条
件や厚さに依存して記録パターンの黒みが異なることを
知見した。このような現象は、下記の理由によると考え
られる。
【0017】感熱記録層をSnの蒸着膜で構成する場
合、蒸着時に、ある膜厚となるまではSnが柱状に成長
するため、各柱状結晶が実質的に孤立した島状構造とな
っている。さらに蒸着を続けると、各柱状結晶は径方向
に成長を始め、隣り合う柱状結晶と接するようになり、
連続膜となっていく。径方向に成長する間、膜厚の増加
は殆ど認められない。ほぼ完全なボールアップが生じる
ためには、感熱記録層が緻密である必要があるため、隣
り合う柱状結晶が接している状態となる必要がある。
【0018】本発明者らは、記録パターンが十分な濃度
を有するようにボールアップ現象が生じるための条件に
ついて研究を重ね、Snを構成成分とする金属薄膜の表
面抵抗率が3.0Ω/□以下である場合に、ほぼ完全な
ボールアップ現象が生じることを見いだした。表面抵抗
率は金属薄膜の緻密さに関係し、薄膜が島状構造である
場合には高く、連続膜である場合には低くなる。
【0019】なお、感熱記録層の厚さが一定値以上であ
れば必ずしも連続膜となるわけではない。例えば、膜厚
が150nm程度と比較的厚い場合でも、蒸着時の真空
度、蒸着源に加えるパワーや蒸着時の基体の搬送速度等
によっては島状構造の薄膜となり、3.0Ω/□以下の
表面抵抗率が得られない。また、蒸着法以外の方法で感
熱記録層を形成した場合でも、ほぼ完全なボールアップ
現象が生じるかどうかは感熱記録層の緻密さ、すなわち
表面抵抗率に依存するため、やはり3.0Ω/□以下の
表面抵抗率が必要とされる。
【0020】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成を、図面に示
す実施例に基づいて詳細に説明する。
【0021】<基体2>基体2は、可撓性を有するシー
ト状であっても剛性を有する板状であってもよい。ま
た、主面形状は、通常、長方形であるが、用途に応じて
適宜選択すればよい。基体の構成材料は特に限定され
ず、ポリエチレンテレフタレート等の各種樹脂やアルミ
ニウム等の各種金属、あるいは紙などから適宜選択すれ
ばよい。基体の厚さは特に限定されないが、通常、5μ
m 〜5mm程度とする。
【0022】<磁性層3>感熱磁気記録媒体とする場合
に設ける磁性層は、バインダ中に磁性粒子が分散された
塗布型の磁性層としてもよく、真空蒸着法やスパッタ
法、めっき法等の薄膜形成法により形成する薄膜型の磁
性層としてもよい。ただし、薄膜型の磁性層は光透過率
が高く黒みが不十分であるため、薄膜型磁性層を用いる
場合には、磁性層の上および/または下に着色層を設け
ることが好ましい。着色層は、例えば、顔料を樹脂バイ
ンダに分散して塗布することにより形成できる。
【0023】磁性層に用いる磁性材料は特に限定され
ず、BaフェライトやSrフェライトなどの六方晶系酸
化物磁性材料、γFe23 、Co−γFe23 、F
e−Co等から適宜選択すればよい。磁性層の厚さは特
に限定されないが、通常、10nm〜20μm 程度とす
る。
【0024】図1に示される構成とする場合、蒸着法な
どにより形成される金属薄膜である感熱記録層5の両主
面のRa は、アンカー層4のRa と実質的に一致する。
また、アンカー層4のRa は磁性層3のRa の影響を受
ける。従って、磁性層3のRa は、感熱記録層5に必要
とされるRa に応じて設定する。塗布型磁性層のRa
は、例えば、磁性塗料の粘度や磁場配向条件などにより
調整でき、また、カレンダ処理などによっても調整でき
る。一方、薄膜型磁性層のRa は、基体2のRaと実質
的に一致するため、所定のRa を有する基体を用いる必
要がある。
【0025】<アンカー層4>感熱記録層の低融点金属
のボールアップを容易にするために、樹脂を構成成分と
するアンカー層を設けることが好ましい。
【0026】用いる樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂等から適宜選択すればよいが、例え
ば、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ア
クリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩酢ビ
樹脂、ポリスチレン、ブチラール樹脂などを用いること
が好ましい。
【0027】また、樹脂の他、可塑剤、安定剤、硬化剤
等の各種添加剤が含まれていてもよい。
【0028】アンカー層の厚さは特に限定されないが、
通常、0.5〜5μm 程度とする。また、アンカー層の
形成方法は特に限定されないが、通常、樹脂を塗布し、
必要に応じて硬化する。
【0029】上記したように、感熱記録層5のRa はア
ンカー層4のRa と実質的に一致し、また、アンカー層
4のRa は磁性層のRa に影響を受ける。上記のように
磁性層のRa を調整してもよいが、アンカー層のRa を
調整してもよく、両者のRaを調整して感熱記録層のRa
を所定の範囲としてもよい。アンカー層のRa は、例
えば、カレンダ処理やアンカー層の塗布厚さの制御によ
り調整することができる。
【0030】<感熱記録層5>感熱記録層には比較的低
融点の金属を用いる。このような金属としては、Sn、
Te、In、Al、Bi、Pb、Zn等や、これらの合
金、あるいはTe−カーバイドのような前記元素の化合
物などが挙げられる。融点は特に限定されないが、通
常、150〜250℃程度のものを選択することが好ま
しい。
【0031】本発明では、感熱記録層の両主面のRa を
0.4μm 以下、好ましくは0.2μm 以下とする。感
熱記録層のRa が前記範囲を超えると、加熱部位、特に
そのエッジ部において金属の残留率が臨界的に高くなる
ため、十分な黒みが得られず、また、鮮明なエッジをも
つ記録パターンが形成できない。Ra の下限は特に設け
ないが、通常、0.05μm 程度以上である。なお、R
a は、JIS B 0601に規定されている。
【0032】感熱記録層がSnを構成成分とする場合、
感熱記録層の表面抵抗率を、3.0Ω/□以下、特に
2.0Ω/□以下とすることが好ましい。表面抵抗率が
前記範囲を超えるとボールアップ現象が十分に生じず、
加熱部位に薄膜状金属や金属粗粒が多量に残存してしま
う。このため、加熱部位の光透過率向上が不十分となっ
て黒みが不足し、記録パターンの視認性が不十分とな
る。なお、表面抵抗率の下限は特に設けないが、通常、
0.1Ω/□程度以上である。
【0033】この場合、感熱記録層はSn単体で構成さ
れることが好ましいが、Snと他の金属との合金であっ
てもよい。前記他の金属としては、例えば、Te、I
n、Al、Bi、Pb、Zn等の1種以上が挙げられ
る。また、金属以外の元素が微量含まれていてもよい。
ただし、Sn以外の元素は、感熱記録層全体の10重量
%以下とすることが好ましい。
【0034】感熱記録層は、真空蒸着法やスパッタ法、
めっき法等の薄膜形成法により形成することが好まし
い。感熱記録層の形成条件は特に限定されず、目的とす
る表面抵抗率が得られるように各種条件を適宜設定すれ
ばよい。例えば真空蒸着法を用いる場合、目的とする厚
さに形成したときに上記範囲の表面抵抗率が得られるよ
うに、蒸着源への投入パワー、基体の搬送速度、蒸着時
の雰囲気圧力等を適宜設定する。感熱記録層の厚さは、
通常、50〜500nm程度、好ましくは80〜200nm
程度とする。厚さが前記範囲未満であると、上記した表
面抵抗率が得られにくく、また、非加熱部の光反射率が
低すぎて加熱部位との反射率差が小さくなり、十分なコ
ントラストが得られなくなる傾向にある。前記範囲を超
える厚さとした場合、加熱時に溶融金属のボールアップ
が不十分となるため、加熱部位の光透過率向上が不十分
となって黒みが不足し、記録パターンの視認性が不十分
となる傾向にある。
【0035】<保護層6>保護層は樹脂を構成成分とす
る。用いる樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂等から適宜選択すればよいが、例えば、ポリエ
ステル、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩酢ビ樹脂、ポ
リスチレン、ブチラール樹脂、ポリウレタンなどが好ま
しい。
【0036】また、樹脂の他、可塑剤、安定剤、硬化剤
等の各種添加剤が含まれていてもよい。
【0037】保護層の厚さは特に限定されないが、通
常、1〜5μm 程度、好ましくは1〜2μm 程度とす
る。また、保護層の形成方法は特に限定されないが、通
常、塗布により形成し、必要に応じて硬化する。
【0038】なお、保護層表面には、必要に応じて予め
情報が印刷されていてもよいが、サーマルヘッドや磁気
ヘッドが摺動する領域への印刷は避けることが好まし
い。
【0039】<他の構成>本発明は図1に示される構成
に限らず、金属薄膜破壊型の感熱記録媒体であれば、ど
のような構成であっても適用することができる。
【0040】例えば、磁性層を有しない感熱記録媒体に
も適用可能である。また、基体の両方の主面側にそれぞ
れ感熱記録層および保護層が設けられた両面記録型の媒
体にも適用できる。この場合において磁性層は設けなく
てもよく、一方の主面側にだけ設けてもよく、両方の主
面側に設けてもよい。また、感熱記録層を一方の主面側
に設け、磁性層を他方の主面側または両方の主面側に設
けた構成であってもよい。この場合、保護層は少なくと
も感熱記録層側に設ける。
【0041】磁性層表面に感熱記録層を形成する態様で
は、磁性層表面にアンカー層を形成し、次いで感熱記録
層を設けることが好ましいが、アンカー層は設けなくて
もよい。また、感熱記録層を設けた主面側に磁性層を設
けない場合には、記録パターンのコントラスト向上のた
めに、感熱記録層の上または下に前述したような着色層
を設けることが好ましい。
【0042】このように、感熱記録層以外の構成には、
公知の各種構成が利用可能である。これらの他、例え
ば、磁気記録層と感熱記録層との間および/または感熱
記録層上に着色層を設けたり、各層間に接着層を設ける
構成(特開昭59−199284号公報)、光反射率の
異なる2層の着色層で金属薄膜層(本発明における感熱
記録層)を挟む構成(特開昭60−52390号公
報)、金属薄膜層(本発明における感熱記録層)上に、
ニトロセルロース系樹脂等からなる感熱層を増感のため
に設ける構成(特開平1−317293号公報)、磁気
記録層と感熱記録層との間にニトロセルロースを含む中
間層を設けたり、さらにこの中間層に接して無極性樹脂
層を設ける構成(特開平3−124487号公報)など
から、適宜選択して利用することができる。
【0043】これらのいずれの構成を利用する場合に
も、金属薄膜から構成される感熱記録層のRa は、その
下層のRa と実質的に一致するので、感熱記録層の下
側、すなわち、感熱記録層形成の直前に形成される層の
Ra を0.4μm 以下とする。また、基体に接して感熱
記録層を設ける場合には、基体のRa を0.4μm 以下
とする。
【0044】感熱記録層等の各層の形成方法としては、
基体上に各層を順次積層する方法の他、特開昭59−1
99284号公報に開示されているような転写法を用い
ることもできる。このような転写法を用いて図1の構成
の感熱記録媒体を作製する場合、保護層の感熱記録層側
のRa を0.4μm 以下とする。
【0045】本発明は、文字情報や図形情報などの可視
パターンを感熱記録する媒体に好適であり、また、感熱
記録に加え磁気情報も記録する感熱磁気記録媒体にも好
適である。具体的には、クレジットカード、プリペイド
カード、乗車券、定期券等の各種情報媒体に適用でき
る。
【0046】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。 [実施例1]厚さ188μm のポリエチレンテレフタレ
ート基体上に、保磁力2750 Oeの磁性粉(Baフェ
ライト)を含む磁性塗料を厚さ約15μm に塗布し、下
記表1に示されるRa の磁性層を形成した。磁性層のR
a は、磁性塗料の粘度や配向磁場を変化させて調整し
た。磁性塗料の組成は以下のとおりとした。
【0047】磁性塗料 磁性粉 :100重量部 VAGH : 15重量部 ポリウレタン : 15重量部 コロネートL : 10重量部 メチルエチルケトン: 90重量部
【0048】次いで、下記組成のアンカー層塗料を磁性
層上に厚さ約2μm に塗布してアンカー層を形成した。
アンカー層表面のRa を表1に示す。
【0049】アンカー層塗料 VAGH :100重量部 コロネートL : 10重量部 メチルエチルケトン: 50重量部 トルエン : 50重量部
【0050】続いて、アンカー層上に、Snからなる厚
さ100nmの感熱記録層を、表面抵抗率が2.0Ω/□
となるように真空蒸着法により形成した。表面抵抗率は
四探針法により測定した。感熱記録層形成後、そのRa
を測定したところ、それぞれのアンカー層のRa と一致
した。
【0051】なお、各層のRa は、電子線三次元表面粗
さ解析装置により測定した。
【0052】さらに、感熱記録層上に、アクリル−スチ
レン樹脂を含む塗料をバーコーターにより厚さ約2μm
に塗布して保護層とし、下記表1に示される感熱記録媒
体サンプルを得た。
【0053】これらのサンプルに薄膜型サーマルヘッド
(TDK製)によりベタ印字を行ない、印字部の濃度を
反射濃度計(マクベスRD918)により測定した。な
お、サーマルヘッドからの印加エネルギーは、1mJ/dot
とし、印字は6dot/mmで行なった。結果を表1に示す。
また、印字部のエッジ部の鮮明さを、目視および光学顕
微鏡観察により下記の基準で評価した。結果を表1に示
す。 ◎:明部と暗部との境界に滲みがなく、エッジ部が極め
て鮮明。 ○:明部と暗部との境界に滲みが殆ど認められず、エッ
ジ部が鮮明。 △:明部と暗部との境界に滲みが認められ、エッジ部が
やや不鮮明。 ×:明部と暗部との境界に著しい滲みが認められ、エッ
ジ部が不鮮明。
【0054】
【表1】
【0055】表1に示される結果から、本発明の効果が
明らかである。アンカー層のRa 、すなわち感熱記録層
のRa が0.4μm 以下であるサンプルでは、印字部が
濃度1.0以上の十分な黒みを示しており、印字部のエ
ッジ部が鮮明である。一方、感熱記録層のRa が0.4
μm を超えるサンプルでは、印字部濃度が不足し、ま
た、印字部のエッジ部が不鮮明となっている。
【0056】[実施例2]下記表2に示される厚さおよ
び表面抵抗率の感熱記録層を有する感熱記録媒体サンプ
ルを作製した。感熱記録層以外の各層は、表1のサンプ
ルNo. 1−2と同様にして形成した。これらのサンプル
に対し、実施例1と同様にして印字を行ない、印字部の
濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】表2に示されるように、表面抵抗率が3.
0Ω/□以下であるサンプルでは、印字部が十分な黒み
を示しており、一方、表面抵抗率が3.0Ω/□を超え
るサンプルでは、印字部濃度が低く、コントラストが不
十分である。
【0059】なお、感熱記録層形成時の蒸着条件は、サ
ンプルNo. 2−1〜2−3では蒸着時間が異なるだけで
ある。サンプルNo. 2−2〜2−3では、感熱記録層の
厚さが一定のままで表面抵抗率が減少しており、島状に
分布しているSnの柱状結晶が径方向に成長していると
考えられる。
【0060】また、サンプルNo. 2−4では、蒸着時の
真空度を下げた他はサンプルNo. 2−1と同様な条件で
蒸着を行なって感熱記録層を形成した。このサンプルで
は、感熱記録層の厚さが150nmであるが、3.0Ω/
□以下の表面抵抗率が得られず、十分な印字濃度が得ら
れていない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱記録媒体の一実施例を表わす断面
図である。
【符号の説明】
1 感熱記録媒体 2 基体 3 磁性層 4 アンカー層 5 感熱記録層 6 保護層 10 サーマルヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06K 19/00 G11B 5/80 7303−5D 13/00 9075−5D (72)発明者 川島 徳道 東京都台東区台東1丁目5番1号 東京磁 気印刷株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体と、この基体の少なくとも一方の主
    面側に形成された感熱記録層と、この感熱記録層側表面
    の最上層として、樹脂を構成成分とする保護層を有する
    感熱記録媒体であって、 前記感熱記録層が金属薄膜であり、前記感熱記録層の両
    主面の中心線平均粗さ(Ra )が0.4μm 以下である
    ことを特徴とする感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記感熱記録層がSnを構成成分とし、
    前記感熱記録層の表面抵抗率が3.0Ω/□以下である
    請求項1に記載の感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記感熱記録層が真空蒸着法により形成
    されたものである請求項1または2に記載の感熱記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 前記感熱記録層の厚さが50〜500nm
    である請求項1ないし3のいずれかに記載の感熱記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 前記感熱記録層と前記基体との間に磁性
    層を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の感熱記
    録媒体。
  6. 【請求項6】 前記感熱記録層と前記磁性層との間に樹
    脂を構成成分とするアンカー層を有する請求項5に記載
    の感熱記録媒体。
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