JPH0524458U - 自動車バンパ固定用クリツプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バンパサイド部を車体側面に対して車両の上
下、左右及び前後の各方向に位置決めできる自動車バン
パ固定用クリップを提供する。 【構成】 車体側面１に取り付けられる雄クリップ３の
クリップ本体５を長手方向を車両前後方向とする略楕円
体から形成し、同クリップ本体５の長手方向の中央上下
面に略半球状の突起７を設ける。バンパサイド部２の裏
側に取り付けられる雌クリップ９のクリップ本体１０を
長手方向を前後方向とする両端開放でかつ一側面を開放
した略半円筒形に形成し、同クリップ本体１０の長手方
向の中央上下部には前記雄クリップ３の突起７が係合可
能な切欠１３を設ける。雄クリップ３と雌クリップ９と
の嵌合及び突起７と切欠１３との係合により、上下、左
右及び前後の各方向の位置決めがなされる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車バンパ固定用クリップに係り、詳しくはバンパサイド部を車 体側面に固定するためのクリップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、バンパを車体に取り付ける場合において、バンパのバンパサイド部を車 体側面に取り付けるために使用される取付構造として、種々のものが提案されて おり、その一例を図７及び図８に基づいて説明する。 バンパサイド部２１の裏側に前後に長いかぎ形断面の被支持部材２２を設け、 これに対応して車体側面２３にはＴ形断面の支持部材２４をボルト２５により取 付けたものであって、支持部材２４に被支持部材２２を差し込んで取り付ける構 造となっている。 なお、このようなタイプのバンパサイド部取付構造としては、例えば実開昭６ ２−１７７５６４号公報を挙げることができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上述した従来のバンパサイド部取付構造では、車両の上下方向と左 右方向に関しての位置決めは達成されるも、差し込み方向である前後方向に関し ては位置決めできず、適正な組付精度が得られないという点に問題がある。

【０００４】 そこで本考案は、上述の問題に鑑み、突起と切欠又は孔等からなる係合部との 係合により、上下、左右のみならず前後方向の位置決めをも可能とした自動車バ ンパ固定用クリップを提供することを、解決すべき技術的課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は次のように構成したものである。すなわ ち、バンパサイド部の裏側と車体の側面とのいずれか一方に固定される雄クリッ プと、他方に固定される雌クリップとからなり、それら雄クリップと雌クリップ とを互いに嵌合することによりバンパサイド部を車体側面に固定する自動車バン パ固定用クリップであって、前記雄クリップは、長手方向を前後方向とする略楕 円体又は略球体からなるクリップ本体を有し、かつ同クリップ本体の上面及び下 面にはそれぞれ上下方向に突出する突起を備えた構成とし、また前記雌クリップ は、前記雄クリップのクリップ本体が嵌入するために長手方向を前後方向とする 両端開放でかつ一側面を開放した略半円筒体をクリップ本体として備え、同クリ ップ本体には前記雄クリップの突起が係合可能な切欠又は孔等からなる係合部を 備えたことを特徴としている。

【０００６】

【作用】

従って、上記のように構成された本考案に係る自動車バンパ固定用クリップに おいては、バンパを車体に取り付ける場合において、車体側面に取り付けられた 一方のクリップである例えば雌クリップに対してバンパサイド部に設けられた他 方の雄クリップを嵌め込むことによって取り付けられる。このとき、雄クリップ と雌クリップのクリップ本体相互の嵌合に加え、雄クリップの突起と雌クリップ の係合部との係合により、車両の上下方向、左右方向及び前後方向の位置決めが 達成される。 また、前記雄クリップと雌クリップとの嵌合方向は、前後方向と左右方向との いずれからも行うことができる。すなわち、雌クリップのクリップ本体は前後に 長い両端開放の略半円筒形に形成されているため、長手方向の開放端部から或い は側面開放部側から雄クリップを嵌入し得るものであり、その嵌入方向が一方向 に特定されないため、必要に応じて適時選択的に取付け作業を実施することが可 能である。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。まず、図１〜図３ に示す実施例１に係る自動車バンパ固定用クリップについて説明する。 本実施例のバンパ固定用クリップは、左右の車体側面１に取り付けられる雄ク リップ３と、左右のバンパサイド部２の裏側に取り付けられる雌クリップ９とか らなり、それら両クリップ３，９は共に合成樹脂製である。

【０００８】 図１に示すように、前記雄クリップ３は、取付用としての矩形のベースプレー ト４と、該ベースプレート４の側方に平行に設けられた略楕円体（ラグビーボー ル状）のクリップ本体５と、それらをつなぐ軸部（首部）６と、クリップ本体５ の上下表面に突設された略半球状の上下２個の突起７とからなり、それらは一体 に成形されている。 ベースプレート４は、長手方向を車両前後方向とした状態でその両端部が図３ に示す如く車体側面１にビス８により固定される。また、クリップ本体５は長手 方向を前後方向としており、その前後両端部が略半球状で中間部が断面円柱状に 形成されている。

【０００９】 一方、雄クリップ３のクリップ本体５が嵌入するための雌クリップ９は、図１ に示すように、両端開放でかつ一側面を開放した略半円筒体をクリップ本体１０ として備え、このクリップ本体１０の側面開放側（雄クリップ３の嵌入側）の反 対側には抜止用の係止片１１ａを有する取付用としての挟持クリップ１１を上向 きに備えている。 そして、雌クリップ９はクリップ本体１０の長手方向を前後方向とした状態で 、図２に示すように、挟持クリップ１１に上方から差し込まれる取付金具１２を 介してバンパサイド部２の裏側に取り付けられる。なお、前記係止片１１ａは図 ３に示すように、挟持クリップ１１に差し込まれた取付金具１２に対してこれが 抜け出ないように作用するものである。

【００１０】 また、前記雌クリップ９におけるクリップ本体１０の側面開放部はその上下の 端末部１０ａが外開き状に曲げられ、これにより雄クリップ３の嵌め込みの容易 化が図られている。 さらに、クリップ本体１０の長手方向の中間部において、その上下部には前記 雄クリップ３の突起７が係合可能な係合部としての切欠１３が設けられている。 この切欠１３は前記側面開放側を開き側とする平面略Ｖ字状に形成されるととも に、その底面１３ａが軸中心部において略半円弧状に形成されている。従って、 切欠１３のＶ字面は雄クリップ３の嵌合時における位置ずれを修正する誘導面を 構成している。

【００１１】 上述のように構成された実施例１に係る固定用クリップは、雄クリップ３と雌 クリップ９の嵌合によりバンパサイド部２を車体側面１に固定する。 すなわち、バンパを車体に取り付ける場合において、例えば左右のバンパサイ ド部２を外方へやや拡開した状態でその雌クリップ９が車体側面１の雄クリップ ３に対向するように位置づけられる。 この状態で雌クリップ９の側面開放部の端末部１０ａを雄クリップ３のクリッ プ本体５に当接して外力を加える（叩き込む）と、雄クリップ３のクリップ本体 ５が端末部１０ａを押し広げながら雌クリップ９のクリップ本体１０内に嵌入さ れるとともに、上下の突起７が切欠１３の底面１３ａに係合される。 このとき、両クリップ３，９間において上下方向に位置ずれがあっても外開き 状の端末部１０ａに案内されて修正される。また、前後方向に位置ずれがあって も切欠１３のＶ字面によって修正される。

【００１２】 かくして、これら雄クリップ３と雌クリップ９のクリップ本体５，１０相互の 嵌合により、車体側面１に対するバンパサイド部２の車両上下方向及び左右方向 の位置決めがなされ、また突起７と切欠１３との係合により前後方向の位置決め がなされる。

【００１３】 なお、上記の説明では両クリップ３，９の嵌め込み方向を車幅方向として雌ク リップ９の側面開放部から雄クリップ３を押し込むとしたが、必要であれば、前 方から、つまり雌クリップ９の前側の端末開放部から雄クリップ３を差し込むこ とも可能である。

【００１４】 次に、本考案の実施例２を図４及び図５に基づいて説明する。この実施例にお いては、雄クリップ３のクリップ本体５は球状に形成され、その球面の上下に略 半球状の突起７が設けられている。また、雌クリップ９のクリップ本体１０は前 述の実施例１と同様の略半円筒形に形成され、同クリップ本体１０の長手方向の 中央上下部には前記突起７が係合可能な係合部としての円形の孔１４が形成され ている。なお、その他の構成は実施例１と同様となっている。 そして、この実施例では雄クリップ３と雌クリップ９との嵌め込みを図示矢印 の如く長手方向の端末開放部から行うように設定してある。そのために、クリッ プ本体１０の長手方向の端末開放部の内周端面１０ｂが面取りされ、このことに より嵌め込みの容易化が図られている。

【００１５】 従って、この実施例２の場合においては、雄クリップ３のクリップ本体５を雌 クリップ９のクリップ本体１０の端末開放部から嵌め込んで突起７を孔１４に係 合する。このことにより、実施例１の場合と同様に、バンパサイド部２は車体側 面１に対して上下、左右、前後の各方向に関して位置決めされることになる。な お、必要ならば側面開放部から嵌め込むことも可能である。

【００１６】 なお、図示の実施例では雄クリップ３を車体側面１に、雌クリップ９をバンパ サイド部２に取り付ける構成としたが、この取り付け関係は逆に設定しても差し 支えなく、その取り付け構造についても図示例に限定されるものではない。

【００１７】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案のバンパ固定用クリップによれば、バンパを車体 に取り付ける場合において、車体側面に対してバンパサイド部を上下方向と左右 方向とに加え前後方向の位置決めをも行うため、上下、左右、前後の各方向の組 付精度を上げることができる。 このことは、バンパサイド部の取付け後に実施されるバンパの他部位の車体に 対するビス等による締結作業を楽に行うことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１に係るバンパ固定用クリップ
の嵌合前の斜視図である。

【図２】嵌合状態の縦断正面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】実施例２のバンパ固定用クリップの嵌合前の斜
視図である。

【図５】嵌合状態の縦断正面図である。

【図６】車体前方概略斜視図である。

【図７】従来のバンパサイド部取付構造を示す分解斜視
図である。

【図８】同じく縦断正面図である。

【符号の説明】

１…車体側面 ２…バンパサイド
部 ３…雄クリップ ５…クリップ本体 ７…突起 ９…雌クリップ １０…クリップ本体 １３…切欠 １４…孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 境 正夫 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バンパサイド部の裏側と車体の側面との
   いずれか一方に固定される雄クリップと、他方に固定さ
   れる雌クリップとからなり、それら雄クリップと雌クリ
   ップとを互いに嵌合することによりバンパサイド部を車
   体側面に固定する自動車バンパ固定用クリップであっ
   て、 前記雄クリップは、長手方向を車両前後方向とする略楕
   円体又は略球体からなるクリップ本体を有し、かつ同ク
   リップ本体の上面及び下面にはそれぞれ上下方向に突出
   する突起を備えた構成とし、 また前記雌クリップは、前記雄クリップのクリップ本体
   が嵌入するために長手方向を車両前後方向とする両端開
   放でかつ一側面を開放した略半円筒体をクリップ本体と
   して備え、同クリップ本体には前記雄クリップの突起が
   係合可能な切欠又は孔等からなる係合部を備えた自動車
   バンパ固定用クリップ。