JPH05243510A - 半導体集積回路装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体集積回路装置及びその製造方法

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JPH05243510A
JPH05243510A JP4044160A JP4416092A JPH05243510A JP H05243510 A JPH05243510 A JP H05243510A JP 4044160 A JP4044160 A JP 4044160A JP 4416092 A JP4416092 A JP 4416092A JP H05243510 A JPH05243510 A JP H05243510A
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 SOI基板上における各トランジスタの性能
を独立に最適化して、PMOSトランジスタの特性を向
上させ、CMOS回路の動作速度が向上する半導体装置
及びその製造方法を提供する。 【構成】 P型単結晶シリコン基板11上に酸化膜12
が形成され、この酸化膜12上には、NMOSトランジ
スタ13及びPMOSトランジスタ14に使用する単結
晶シリコン層15,16が夫々独立して形成されてい
る。このPMOSトランジスタ14を形成するための単
結晶シリコン層16の厚さは、NMOSトランジスタを
形成するための単結晶シリコン層15の厚さより薄く形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絶縁体上に単結晶シリコ
ン薄膜を形成したSOI(silicon on insulatorの略
称)基板上に製造される半導体装置及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】大規模集積回路の集積密度が向上するに
つれて、これを構成するMOSトランジスタのゲート電
極の幅(ゲート幅)が減少し、研究レベルでは、ゲート
幅が0.25乃至0.10μmのトランジスタの特性が
議論されている。通常のシリコン基板上に形成したこの
ような微細MOSトランジスタでは、いわゆる「短チャ
ネル効果」が極めて顕著になるため、この現象を十分に
抑制しなければならない。このような制約の中で微細M
OSトランジスタの性能を向上することは容易ではな
い。また、長期信頼性を確保する問題及びMOSトラン
ジスタの微細化に伴い設計ルールの縮小によって顕著に
なる素子分離特性の劣化も極めて深刻な問題の一つであ
る。
【0003】そこで、これらの問題を克服するために、
従来のトランジスタ構造とは異なる新しい構造のトラン
ジスタに関する研究開発が活発化している。一つの方法
として、通常の単結晶シリコン基板の代わりに、絶縁体
上に単結晶シリコン薄膜を形成した構造を有する基板、
いわゆる、SOI基板を使用する方法が注目されてい
る。このSOI基板の製造方法に関しても幾つかの技術
が研究されているが、現時点において最も優れているの
は、SIMOX(separation by implanted oxygenの略
称)技術である(例えば、泉勝俊ほか、エレクトロニク
ス レター、第14巻(1978年)593 ページ[K.Izumi et
al.,Electronics Letter, vol.14,(1978)p.593
])。SIMOXは、通常の単結晶シリコン基板の内
部に、イオン注入技術を使用して高濃度の酸素原子を導
入し、次に、高温熱処理を施すことによってSiO2
を形成し、更に、このSiO2 層上に単結晶シリコン層
を形成するという方法でSOI基板を形成する技術であ
る。このSIMOXにおいては、加速エネルギー及び注
入量等の酸素イオン注入条件と、引き続き実施する高温
熱処理の条件とを最適化することによって、上記SiO
2 層及びシリコン層の厚さを所望の値に設定できる。例
えば、加速エネルギーを200keVとし、注入量を
1.8×1018cm-2とする条件で酸素イオン16+
注入した後、1300℃の温度で6時間以上加熱する熱
処理を実施することによって、厚さが約4000ÅのS
iO2 層及び厚さが約1500Åの単結晶シリコン層か
ら成るSOI基板を製造できることが広く知られてい
る。このSOI基板を使用する微細トランジスタの研究
には、多くの研究者がSIMOX技術を使用しており、
トランジスタ特性及び小規模回路の特性に関する以下に
示すような、いくつかの報告がされている。SOI基板
上にMOSトランジスタを製造する際に、単結晶シリコ
ン層の厚さを、その不純物濃度で決定される最大空乏層
幅よりも薄くすると、幾つかの特徴的な特性が観測され
る(例えば、吉見ほか、テクニカル ダイジェスト オ
ブ アイ・イー・ディー・エム、1987年、640 ページ
[Technical Digest of IEDM 1987,p.640 ])。最も重
要な特性としては、以下のことが知られている。(1)
ゲート長の減少に伴うしきい値電圧の低下が著しく抑制
される。(2)サブスレショールド係数(以後S値とす
る)が通常のトランジスタより小さく、しかも、ゲート
長の減少に伴うS値の増加が極めて小さい。(3)電流
駆動能力が向上する。
【0004】更に、SOI基板を用いることの他の利点
として、素子分離特性が極めて優れている点が注目され
ている。隣接するトランジスタ間の電気的分離が完全で
あるばかりでなく、いわゆるラッチアップ現象が構造的
に完全に阻止できるため、SOI基板を使用すれば、相
補型MOS回路(以下、CMOS回路とする)の集積度
を飛躍的に向上できることが広く知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
半導体装置におけるSOI基板上に形成したMOSトラ
ンジスタには、上述したような優れた利点があるにも拘
らず、同時にSOI構造に起因する問題点がある。通常
のNMOSトランジスタでは、動作時にドレイン端で発
生する正孔は基板電流となってグランド線に流出する。
ところが、シリコン層の厚さが薄くなる程、SOI基板
上に形成したNMOSトランジスタ(以下、NMOS/
SOIという)は、ドレイン端で発生した正孔が、ソー
ス・ドレイン間の空乏層領域をソースに向かって走行す
るため、この領域の電位が上昇してソース障壁が低下す
る。その結果、より多くの電子がソースから流入してド
レイン端に向かって加速され、ドレイン端での衝突電離
によってより多くの正孔が発生してしまう。このような
正帰還ループが形成され、ソース・ドレイン間のパンチ
スルーに至ってしまう(例えば、チェンほか、アイ・イ
ー・イー・イー・エレクトロン デバイス レターズ、
第9 巻、第12号、1989年、636 ページ[C.E.Chen et a
l.,IEEE Electron Device Letters,vol.EDL-9, no.12(1
988)p.636])。従って、従来の技術で述べたSOI基
板を使用することによる優れた特徴はシリコン層の厚さ
を薄くする程顕著になるが、上述したようにドレイン端
の最大電界強度がシリコン層の厚さの減少に伴って増加
するために、NMOS/SOIのソース・ドレイン間耐
圧も同時に低下してしまう。
【0006】一方、PMOSでは、上記の現象は大きな
問題になっていない。これは、PMOSにおいてはドレ
イン端での衝突イオン化率がNMOSの場合より低いた
めである。従って、SOI基板の同一厚さのシリコン層
をNMOS部及びPMOS部で共通に有している従来構
造の場合には、シリコン層の厚さは、NMOSにおける
ソース・ドレイン間耐圧を最も重視してやや厚めに設定
する必要があり、薄いシリコン層を有するSOI基板を
使用することによって得られる上述した重要な利点を最
大限に引き出すことが難しいという問題点がある。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、SOI基板上における各トランジスタの性
能を独立に最適化して、PMOSトランジスタの特性を
向上させ、CMOS回路の動作速度が向上する半導体装
置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体装置
は、絶縁体上に単結晶シリコン薄膜が形成され、この単
結晶シリコン薄膜を含むPMOSトランジスタ及びNM
OSトランジスタが構成された半導体集積回路におい
て、前記PMOSトランジスタを形成するための単結晶
シリコン薄膜の厚さが、前記NMOSトランジスタを形
成するための単結晶シリコン薄膜の厚さよりも薄いこと
を特徴とする。
【0009】本発明に係る半導体装置の製造方法は、絶
縁体上に単結晶シリコン薄膜を形成したSOI基板の前
記単結晶シリコン薄膜上に第1の熱酸化膜を形成する工
程と、この第1の熱酸化膜上に窒化珪素薄膜を形成する
工程と、NMOSトランジスタ部を含む第1の領域の窒
化珪素薄膜は除去せずにPMOSトランジスタ部を含む
第2の領域の窒化珪素薄膜のみを除去して前記第2の領
域の前記第1の熱酸化膜の表面を露出させる工程と、前
記第2の領域の単結晶シリコン薄膜の表面にのみ所望の
厚さの第2の熱酸化膜を形成する工程と、前記窒化珪素
薄膜を除去する工程と、前記第2の熱酸化膜及び前記第
1の熱酸化膜を除去する工程とを有することを特徴とす
る。
【0010】また、本発明に係る半導体装置の製造方法
は、絶縁体上に単結晶シリコン薄膜を形成したSOI基
板の前記単結晶シリコン薄膜上に第1の熱酸化膜を形成
する工程と、NMOSトランジスタ部を含む第1の領域
の前記第1の熱酸化膜は除去せずにPMOSトランジス
タ部を含む第2の領域の前記第1の熱酸化膜だけを除去
して前記第2の領域の単結晶シリコン薄膜の表面だけを
露出させる工程と、前記第2の領域の単結晶シリコン薄
膜の内部に酸素イオンを注入する工程と、前記第2の領
域の単結晶シリコン薄膜の一部を熱処理を施して酸化さ
せることにより前記第2の領域の単結晶シリコン薄膜の
厚さを前記第1の領域の単結晶シリコン薄膜の厚さより
も薄くする工程とを有することを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明においては、PMOSトランジスタを形
成するための単結晶シリコン薄膜の厚さを、NMOSト
ランジスタを形成するための単結晶シリコン薄膜の厚さ
よりも薄くしている。これにより、NMOSトランジス
タは、単結晶シリコン薄膜が薄くなるとトランジスタ特
性が劣化しやすいがPMOSトランジスタは、単結晶シ
リコン薄膜が薄くなっても、その特性が劣化しにくいと
いう特徴を生かすことができ、このPMOSトランジス
タは、単結晶シリコン薄膜を薄くすることにより得られ
る利点を最大限引き出すことができる。これにより、P
MOSトランジスタの特性を向上させることができ、C
MOS回路の動作速度を向上させることができる。
【0012】本発明方法においては、NMOSトランジ
スタ部を含む第1の領域の窒化珪素薄膜は除去せずにP
MOSトランジスタ部を含む第2の領域の窒化珪素薄膜
だけを除去して、前記第2の領域だけの前記第1の熱酸
化膜の表面を露出させている。これにより、熱処理によ
って前記第2の領域の単結晶シリコン薄膜の表面にだけ
所望の厚さの第2の熱酸化膜を形成することができ、前
記第2の領域の単結晶シリコン薄膜の厚さを所望の厚さ
まで減少させることができる。従って、前記第1の領域
の単結晶シリコン薄膜の厚さを前記第2の領域の単結晶
シリコン薄膜の厚さより薄く設定することができる。
【0013】また、NMOSトランジスタ部を含む第1
の領域の第1の熱酸化膜は除去せずに、PMOSトラン
ジスタ部を含む第2の領域の前記第1の熱酸化膜だけを
除去して前記第2の領域の単結晶シリコン薄膜の表面だ
けを露出させている。これにより、前記第2の領域の単
結晶シリコン薄膜にのみ酸素イオンを注入することがで
きる。更に、熱処理を施すことにより、酸素イオンを注
入した前記第2の領域の単結晶シリコン薄膜の一部のみ
を酸化させて、前記第2の領域の単結晶シリコン薄膜の
厚さを前記第1の領域の単結晶シリコン薄膜の厚さより
も薄くすることができる。
【0014】
【実施例】本発明の実施例について添付の図面を参照し
て具体的に説明する。
【0015】図1は本発明の第1の実施例に係る半導体
装置を示す断面図、図2乃至図12はこの本発明の第1
の実施例に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断
面図である。図1に示すように、P型単結晶シリコン基
板11上に酸化膜層12が形成されている。この酸化膜
層12の上には、NMOSトランジスタに使用するため
の単結晶のシリコン層15及びPMOSトランジスタに
使用するための単結晶のシリコン層16が夫々、選択的
に形成されている。このPMOS部のシリコン層16の
厚さはNMOS部のシリコン層15の厚さよりも薄く形
成されている。
【0016】また、このNMOS部のシリコン層15に
は、n+ 型拡散層9が選択的に形成されており、PMO
S部のシリコン層16にはp+ 型拡散層8が選択的に形
成されている。更に、このシリコン層15,16上には
ゲート酸化膜17が選択的に形成され、このゲート酸化
膜17上にはゲート電極18が形成されている。また、
このゲート電極18の側面には側壁7が形成され、この
側壁7及びゲート電極18上には層間膜19が形成され
ている。また、NMOSトランジスタ13及びPMOS
トランジスタ14の間の酸化膜層12並びにn+ 型拡散
層9及びp+ 型拡散層8の端部の上には層間膜19が形
成されている。更に、p+ 型及びn+ 型拡散層9,8上
の側壁7及び層間膜19が形成されていない領域にはア
ルミ電極20が形成されている。
【0017】本実施例において、PMOSトランジスタ
14を形成するためのシリコン層16の厚さは、NMO
Sトランジスタ13を形成するためのシリコン層15の
厚さよりも薄くしている。これにより、NMOSトラン
ジスタ13は、シリコン層15が薄くなるとトランジス
タ特性が劣化するがPMOSトランジスタ14は、シリ
コン層16が薄くなっても、その特性が劣化しないとい
う特徴を生かすことができ、このPMOSトランジスタ
14は、シリコン層16を薄くすることにより得られる
利点を最大限引き出すことができる。これにより、PM
OSトランジスタ14の特性を向上することができ、C
MOS回路の動作速度を向上することができる。
【0018】次に、上述の如く構成された半導体装置の
製造方法について説明する。先ず、図2に示すように、
比抵抗が約20Ω・cmの通常のP型(100)単結晶
シリコン基板21に対して、加速エネルギー200ke
Vで1.8×1018cm-2まで酸素イオン16+ を注入
し、流量比で約O.5%の酸素を混入した乾燥窒素雰囲
気中において、1300℃で6時間から12時間の熱処
理を施すことによって、厚さ約3500Åの酸化膜層2
2及び厚さ約1500Åの単結晶シリコン層23を形成
する。
【0019】次に、図3に示すように、単結晶シリコン
層上に厚さ約400Åの熱酸化膜24を形成し、この熱
酸化膜24上に気相成長法により厚さ約1000Åの窒
化膜25を形成する。
【0020】次に、図4に示すように、通常のリソグラ
フィ技術によりNMOSトランジスタ部26に対応する
部分にのみフォトレジスト27をパターニングし、これ
をマスクとして異方性エッチングを施し、NMOSトラ
ンジスタ部26以外の窒化膜25を完全に除去して熱酸
化膜24を露出する。
【0021】次に、図5に示すように、前記フォトレジ
スト27を完全に除去して、NMOSトランジスタ部2
6以外の単結晶シリコン層23を酸化して酸化膜28を
形成する。この酸化膜28の厚さを制御することによ
り、NMOSトランジスタ部26以外の単結晶シリコン
層23の厚さを精密に制御できる。例えば、厚さ約20
00Åの熱酸化膜28を形成すれば、NMOSトランジ
スタ部26以外の単結晶シリコン層23は約1000Å
酸化されるため、残ったシリコン層23の厚さは約50
0Åになる。このとき、NMOSトランジスタ部26
は、窒化膜25によって保護されているため酸化されな
い。
【0022】次に、図6に示すように、加熱したリン酸
溶液を使用して窒化膜25を除去し、希釈フッ酸溶液を
使用して熱酸化膜28を除去する。
【0023】次に、図7に示すように、露出した単結晶
シリコン層23の表面に厚さ約150Åの熱酸化膜29
を形成した後、通常のリソグラフィ技術により素子分離
領域30以外の部分、つまりNMOSトランジスタ部2
6及びPMOSトランジスタ部31にのみフォトレジス
ト32が残るようにパターニングを施す。次に、このフ
ォトレジスト32をマスクとして、異方性エッチング技
術により素子分離領域30の熱酸化膜29及び単結晶シ
リコン層23を順に除去する。
【0024】次に、図8に示すように、リソグラフィ技
術によりPMOSトランジスタ部31をフォトレジスト
33でマスクし、NMOSトランジスタ部26の単結晶
シリコン層23にのみボロンイオン34を、例えば、加
速エネルギー30keV及び注入量2.0×1012cm
-2の条件で注入する。
【0025】次に、図9に示すように、フォトレジスト
33を除去して、NMOSトランジスタ部26をフォト
レジスト35でマスクし、PMOSトランジスタ部31
の単結晶シリコン層23にのみリンイオン36を、例え
ば、加速エネルギー30keV及び注入量1.0×10
12cm-2の条件で注入する。フォトレジスト35を除去
して、乾燥窒素雰囲気中において、例えば、約900℃
で10分間の熱処理を施して、注入した不純物を活性化
する。
【0026】次に、図10に示すように、希釈フッ酸溶
液を使用して熱酸化膜29を除去し、単結晶シリコン層
23表面に厚さ約100Åのゲート酸化膜37を形成す
る。次に、気相成長法により厚さ約4000Åの多結晶
シリコン膜(図示せず)を全面に堆積して形成し、この
多結晶シリコン膜に高濃度のリンを拡散して、リソグラ
フィ技術及び異方性エッチング技術により線幅が約0.
3μmのゲート電極38を形成する。
【0027】次に、図11に示すように、気相成長法に
より厚さ約1500ÅのCVD酸化膜(図示せず)を全
面に堆積して、異方性エッチング技術によりゲート電極
38の側面にCVD酸化膜の側壁39を形成する。この
CVD酸化膜の異方性エッチングを施す際に、ゲート電
極38の下部以外のゲート酸化膜37はエッチングされ
てしまう。次に、図8及び図9で示した工程と同様にし
て、不純物イオンを注入して短時間の熱処理を施しn+
型拡散層40及びp+ 型拡散層41を形成する。
【0028】次に、図12に示すように、通常の層間膜
形成技術により、全面に層間膜42を形成する。更に、
リソグラフィ技術及び異方性エッチング技術により、ゲ
ート電極38の両側の上記n+ 型拡散層40及びp+
拡散層41上にコンタクトホールを形成して、スパッタ
技術により厚さ約5000Åのアルミ膜を形成する。次
に、リソグラフィ技術及び異方性エッチング技術により
アルミ電極43を形成して、半導体装置が完成する。
【0029】本実施例においては、NMOSトランジス
タ部26の窒化膜25は除去せずにPMOSトランジス
タ部31の窒化膜25だけを除去して、PMOSトラン
ジスタ部31の第1の熱酸化膜24の表面を露出させて
いる。これにより、熱処理によってPMOSトランジス
タ部31の単結晶シリコン層23の表面にだけ所望の厚
さの第2の熱酸化膜28を形成することができ、PMO
Sトランジスタ部31の単結晶シリコン層23の厚さを
所望の厚さまで減少させることができる。従って、NM
OSトランジスタ部26の単結晶シリコン層23の厚さ
及びPMOSトランジスタ部31の単結晶シリコン層2
3の厚さを別々に設定することができる。これにより、
各トランジスタの性能を独立に最適化することができる
半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0030】次に、第2の実施例について説明する。図
13は本発明の第2の実施例に係る半導体装置の一工程
を示す断面図、図14乃至図19は本発明の第2の実施
例に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図で
ある。図13に示すように、PMOSトランジスタ54
のシリコン層56の厚さがNMOSトランジスタ53の
シリコン層55の厚さより薄く形成されていることは、
図1に示した第1の実施例と同じであるが、本実施例で
は、PMOSトランジスタ54の領域のP型単結晶シリ
コン基板51上に形成されている酸化膜層52の厚さが
NMOSトランジスタ53の領域の酸化膜層52より厚
く形成されており、NMOSトランジスタ53のシリコ
ン層55の表面とPMOSトランジスタ54のシリコン
層56の表面位置がほぼ水平になっている。言い換えれ
ば、NMOSトランジスタ53及びPMOSトランジス
タ54の間の段差が、第1の実施例の場合よりも小さく
なっている。また、その他のゲート酸化膜57、ゲート
電極58、層間膜59及びアルミ電極60は第1の実施
例と同じように形成されている。
【0031】従って、本実施例においては、第1の実施
例で述べた効果に加えて層間膜59の平坦化が容易にな
るため、多層配線構造の大規模集積回路の場合には、配
線の信頼性を著しく向上できるという利点がある。ま
た、第2の実施例の構造では、酸化膜層52の厚さは、
NMOSトランジスタよりもPMOSトランジスタの方
が厚くなっているため、ソース・ドレインの寄生容量を
さらに低減できて、回路の動作速度を向上できる利点が
ある。
【0032】次に、この第2の実施例に係る半導体装置
の製造方法を説明する。
【0033】先ず、図14に示すように、図1に示す工
程と同じ方法によりP型単結晶シリコン基板71上に酸
化膜層72及び単結晶シリコン層73を順次形成してS
OI基板を形成する。
【0034】次に、図15に示すように、単結晶シリコ
ン層73上に気相成長法により厚さ約1μmのCVD酸
化膜74を形成して、リソグラフィ技術によりPMOS
トランジスタ部76のCVD酸化膜74の表面だけが露
出するようにフォトレジスト75をパターニングする。
次に、このフォトレジスト75をマスクとして、異方性
エッチング技術によりPMOSトランジスタ部76のC
VD酸化膜74だけを除去する。
【0035】次に、図16に示すように、フォトレジス
ト75を除去して、基板全面に酸素イオン77を注入す
る。酸素イオン注入の条件は、例えば、加速エネルギー
約200keV及び注入量約0.3×1018cm-2に設
定する。そして、CVD酸化膜74がマスクとなるた
め、酸素イオンはPMOSトランジスタ部76の単結晶
シリコン層73にのみ注入され、損傷層78が形成され
る。また、この損傷層78の内部には高濃度の酸素原子
が含まれるが、その濃度は表面から酸化膜層72に向か
って急激に増加するような分布になっている。
【0036】次に、図17に示すように、CVD酸化膜
74を除去して、図2で示した工程と同じ熱処理を施す
ことによって、損傷層78の注入損傷を回復させる。こ
の熱処理中に、損傷層78内部の酸素原子が再配列して
損傷層78を内部から酸化するため、PMOSトランジ
スタ部76の酸化膜層72の厚さが増加し、シリコン層
73の厚さが減少する。酸化膜層72の厚さの増加及び
シリコン層73の厚さの減少は、図16に示す工程にお
いて実施する酸素イオン注入の条件に依存する。この場
合には、例えば、酸化膜層72の厚さは約800Å増加
し、シリコン層73の厚さは約500Å減少する。この
段階は、第1の実施例の図6に示す工程に対応してい
る。
【0037】次に、図18に示すように第1の実施例の
図7に示す工程において説明した手順と同じ方法により
素子分離領域79を形成し、NMOS部のシリコン層8
0とPMOS部のシリコン層81を分離する。
【0038】次に、図19に示すように、各シリコン層
80,81上に第1の実施例と同様にしてゲート酸化膜
82及びゲート電極83を形成する。以降の工程は、第
1の実施例の場合と同様に実施して、図13に示す本発
明の第2の実施例に係る半導体装置が完成する。
【0039】本実施例方法においては、NMOSトラン
ジスタ部84領域のCVD酸化膜74は除去せずにPM
OSトランジスタ部76領域の単結晶シリコン層73の
表面を露出させている。これにより、PMOSトランジ
スタ部76領域の単結晶シリコン層73の内部だけに酸
素イオンを注入して熱処理を施し酸化膜層72の厚さを
増すことができる。従って、PMOS部のシリコン層8
1の厚さを、NMOS部のシリコン層80の厚さよりも
薄くすることができ、また、各シリコン層80,81の
表面位置を水平にすることができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、SOI
基板上におけるNMOSトランジスタ部の単結晶シリコ
ン薄膜の厚さ及びPMOSトランジスタ部の単結晶シリ
コン薄膜の厚さを独立に設定することによって、各トラ
ンジスタの性能を個別的に最適化できるため、通常の単
結晶シリコン基板上では極めて困難になりつつあるPM
OSトランジスタの超微細化が可能になり、これによ
り、PMOSトランジスタの特性を著しく向上できる結
果、CMOS回路の動作速度を飛躍的に向上することが
できる。また、SOI基板は、素子間分離特性が飛躍的
に向上し、かつラッチアップ現象を完全に抑制できるた
め、本発明によれば、通常のシリコン基板では実現不可
能な、信頼性が飛躍的に向上した超高密度の超高速集積
回路を実現できる半導体装置及びその製造方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る半導体装置を示す
断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る半導体装置の製造
方法における一工程を示す断面図である。
【図3】同じくその実施例方法における他の一工程を示
す断面図である。
【図4】同じくその実施例方法における他の一工程を示
す断面図である。
【図5】同じくその実施例方法における他の一工程を示
す断面図である。
【図6】同じくその実施例方法における他の一工程を示
す断面図である。
【図7】同じくその実施例方法における他の一工程を示
す断面図である。
【図8】同じくその実施例方法における他の一工程を示
す断面図である。
【図9】同じくその実施例方法における他の一工程を示
す断面図である。
【図10】同じくその実施例方法における他の一工程を
示す断面図である。
【図11】同じくその実施例方法における他の一工程を
示す断面図である。
【図12】同じくその実施例方法における他の一工程を
示す断面図である。
【図13】本発明の第2の実施例に係る半導体装置を示
す断面図である。
【図14】本発明の第2の実施例に係る半導体装置の製
造方法における一工程を示す断面図である。
【図15】同じくその実施例方法における他の一工程を
示す断面図である。
【図16】同じくその実施例方法における他の一工程を
示す断面図である。
【図17】同じくその実施例方法における他の一工程を
示す断面図である。
【図18】同じくその実施例方法における他の一工程を
示す断面図である。
【図19】同じくその実施例方法における他の一工程を
示す断面図である。
【符号の説明】
11,21,51,71;P型単結晶シリコン基板 12,22,52,72;酸化膜層 23,73;単結晶シリコン層 74;CVD酸化膜 24,28,29;熱酸化膜 25;窒化膜 13,53;NMOSトランジスタ 26,84;NMOSトランジスタ部 27,32,33,35,75;フォトレジスト 77;酸素イオン 78;損傷層 30,79;素子分離領域 15,55,80;NMOS部のシリコン層 16,56,81;PMOS部のシリコン層 14,54;PMOSトランジスタ 31,76;PMOSトランジスタ部 34;ボロンイオン 36;リンイオン 18,38,58,83;ゲート電極 17,37,57,82;ゲート酸化膜 7,39;側壁 9,40;n+ 型拡散層 8,41;p+ 型拡散層 19,42,59;層間膜 20,43,60;アルミ電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体上に単結晶シリコン薄膜が形成さ
    れ、この単結晶シリコン薄膜を含むPMOSトランジス
    タ及びNMOSトランジスタが構成された半導体集積回
    路において、前記PMOSトランジスタを形成するため
    の単結晶シリコン薄膜の厚さが、前記NMOSトランジ
    スタを形成するための単結晶シリコン薄膜の厚さよりも
    薄いことを特徴とする半導体集積回路装置。
  2. 【請求項2】 前記PMOSトランジスタを形成する単
    結晶シリコン薄膜の下の絶縁体の厚さの方が、前記NM
    OSトランジスタを形成する単結晶シリコン薄膜の下の
    絶縁体の厚さよりも厚いことを特徴とする請求項1に記
    載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 絶縁体上に単結晶シリコン薄膜を形成し
    たSOI基板の前記単結晶シリコン薄膜上に第1の熱酸
    化膜を形成する工程と、この第1の熱酸化膜上に窒化珪
    素薄膜を形成する工程と、NMOSトランジスタ部を含
    む第1の領域の窒化珪素薄膜は除去せずにPMOSトラ
    ンジスタ部を含む第2の領域の窒化珪素薄膜のみを除去
    して前記第2の領域の前記第1の熱酸化膜の表面を露出
    させる工程と、前記第2の領域の単結晶シリコン薄膜の
    表面にのみ所望の厚さの第2の熱酸化膜を形成する工程
    と、前記窒化珪素薄膜を除去する工程と、前記第2の熱
    酸化膜及び前記第1の熱酸化膜を除去する工程とを有す
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 絶縁体上に単結晶シリコン薄膜を形成し
    たSOI基板の前記単結晶シリコン薄膜上に第1の熱酸
    化膜を形成する工程と、NMOSトランジスタ部を含む
    第1の領域の前記第1の熱酸化膜は除去せずにPMOS
    トランジスタ部を含む第2の領域の前記第1の熱酸化膜
    だけを除去して前記第2の領域の単結晶シリコン薄膜の
    表面だけを露出させる工程と、前記第2の領域の単結晶
    シリコン薄膜の内部に酸素イオンを注入する工程と、前
    記第2の領域の単結晶シリコン薄膜の一部を熱処理を施
    して酸化させることにより前記第2の領域の単結晶シリ
    コン薄膜の厚さを前記第1の領域の単結晶シリコン薄膜
    の厚さよりも薄くする工程とを有することを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
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