JP3316023B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁膜上に形成された
シリコン膜(SOI膜)にMOSトランジスタを形成し
た半導体装置に関し、特にトランジスタ特性の改善をは
かった半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、SOI膜上に形成したMOSトラ
ンジスタが、極微細デバイスの基本素子として注目され
ている。この理由は、特に、動作状態においてチャネル
の領域が全て空乏化するようにSOI膜を薄くすると、
パンチスルー耐性の向上、パンチスルー効果の減少、電
流の増大など、シリコン単結晶基板に作製したMOSト
ランジスタよりも、優れた特性が得られることによる
(IEEE,ED-Vol.36,No.3,p493,1989)。
【0003】一方、プロセス的な観点から見ても、選択
酸化法などによる素子間の横方向の分離もSOI膜厚が
薄い為に、容易に達成できるなどのメリットがある。図
5(a),(b)はこの種の半導体装置の素子構造を示
す断面図である。図5(a)はソース・ドレイン方向の
断面図、図5(b)はソース・ドレイン方向に対して垂
直な方向における、ゲート電極直下の断面図である。
【0004】図中1はシリコン基板、2は絶縁膜、3は
SOI膜、4はソース拡散層領域、5はドレイン拡散層
領域、6はゲート酸化膜、7はゲート電極、8はフィー
ルド酸化膜、9は素子分離端領域である。
【0005】このような素子の素子特性を調べた結果、
次のような問題が生じることが判明した。即ち、選択酸
化法を用いて素子分離を行った場合、素子分離端領域9
において寄生トランジスタが発生し、サブスレッショー
ルド係数(S係数)の劣化を引き起こした。
【0006】このような、素子分離端の寄生トランジス
タの発生を抑制する方法として、例えば、素子分離端の
薄いSOI膜内にチャネルストッパーのイオン注入を行
なう方法、あるいは、基板(バックゲート)バイアスを
印加する方法などが考えられる。
【0007】しかしながら、前者の場合チャネルストッ
パーのイオン注入量を増大させるに伴いソース、ドレイ
ン間のリーク電流が増大し、素子性能を劣化させる問題
が新たに発生した。
【0008】また後者の方法においては、相補型(CM
OS)で回路を構成した場合、NMOS、PMOS各々
でバックゲートバイアスをとる必要が生じ、外部電源が
余分に必要になるなど構造が複雑化する問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の薄膜
SOI素子においては、素子分離端の寄生トランジスタ
の発生による、サブスレッショールド係数(S係数)の
劣化あるいは、ソース、ドレイン間のリーク電流の増
大、更に構造の複雑化を招き、薄膜SOI素子本来の優
れた性能を容易に引き出すことが困難であった。
【0010】本発明は、前記問題を解決するためになさ
れたもので、その目的とするところは、寄生トランジス
タの抑制を、素子構造を複雑化せず、またソース、ドレ
イン間のリークが充分に抑えることができ、素子性能を
十分に引き出すことのできる半導体装置を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は、半導体基板表面に絶縁層を介して形成
された半導体能動領域層に所定距離だけ離間してソース
領域とドレイン領域をなす一対の第一導電型の不純物拡
散領域と、この一対の不純物拡散領域に挟まれて形成さ
れたチャネル領域と、このチャネル領域上に、ゲート絶
縁層を介してゲート電極が形成された半導体装置におい
て、前記半導体基板の表面部のうち、前記チャネル領域
の真下領域を除き、前記半導体能動領域層の最外周部の
下部領域を含む領域に、前記第一導電型とは異なる第二
導電型の不純物層領域が形成されていることを要旨とす
る。
【0012】
【作用】本発明によれば、SOI素子を作製する半導体
能動領域層外の領域の下地支持基板表面にソース・ドレ
イン拡散領域の不純物タイプと異なる高濃度不純物層領
域を形成し、少なくとも、この不純物層領域が、半導体
能動領域層の最外周部の下部領域を含むように延在して
いる。
【0013】これにより、素子分離端部のSOI膜中に
チャネルストップをイオン注入する必要がなく、寄生ト
ランジスタの発生を防止しつつ、チャネルストップのイ
オン注入量の増大に伴うソース、ドレイン間のリーク電
流の増大を抑制することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。図1は本発明の一実施例にかかわる半導体装置の
概略構成を示す断面図である。図2(a)〜(c),図
3(a)〜(c)は、本発明の一実施例に係わる、Nチ
ャネルSOI・MOSトランジスタの製造方法の概略を
示す工程断面図である。
【0015】まず単結晶シリコン基板1に、酸素イオン
を例えば加速電圧150KeV、ドーズ量0.4×10
18cm-2で打ち込み、1300℃、6時間のアニールで厚
さ500ÅのSiO2 層2と厚さ2000ÅのSOI膜
3を形成する(図2(a))。
【0016】次に、SOI膜3表面に図示しない酸化膜
を例えば厚さ2000Åで形成し、その後、沸化アンモ
ニウム水溶液で酸化膜を除去した。この段階でSOI膜
厚は1000Åまで薄膜化される。
【0017】次に、SOI膜表面に、熱酸化膜10/シ
リコン窒化膜11/多結晶シリコン膜12の順番で各々
例えば厚さ500Å/1500Å/4000Åで形成
し、しかる後、周知のリソグラフィーにより素子能動領
域の多結晶シリコン12を図2(b)に示す如く、パタ
ーニングした。
【0018】その後、図2(c)に示すように多結晶シ
リコンを水素燃焼酸化法により全て酸化し、厚さ800
0Åの熱酸化膜13を形成した。この酸化により形成さ
れる熱酸化膜13の横方向の寸法幅は、多結晶シリコン
12のパターン幅よりも多少大きくなる。次に熱酸化膜
13をマスクとして、シリコン窒化膜11をエッチング
し除去した。しかる後、酸化膜13をマスクとしてボロ
ンイオン14を例えば加速電圧100KeV、ドーズ量
5×1012cm-2でイオン注入し、シリコン基板上にボロ
ン不純物層15を形成した。
【0019】次に図3(a)に示す如く、熱酸化膜13
を沸化アンモニウム水溶液で全て除去した。次いで図3
(b)に示す如く水素燃焼酸化法により、シリコン窒化
膜11をマスクとしてフィールド領域のSOI膜3を全
て酸化しフィールド酸化膜8を形成した。このフィール
ド酸化膜8は、酸化によりシリコン窒化膜11の下部ま
で潜り込むように形成される。
【0020】しかしながら、前述したように、熱酸化膜
13多少大きく形成しているので、シリコン窒化膜1
1も大きくパターニングされ、寸法変換差の問題を生じ
ることがない。さらに、前述したフィールド酸化膜8の
潜り込みと共に、ボロン不純物層15は拡散により横方
向に延び、この結果ソース、ドレインチャンネル形成
領域(SOI膜)の最外周領域へ延在するようになる。
【0021】その後、シリコン窒化膜11及びSOI膜
3表面の熱酸化膜10をドライエッチングにより除去
し、しかる後に例えば厚さ100Åのゲート酸化膜6を
形成し、更に周知の方法で、ゲート電極7、ソース領域
4・ドレイン領域5を形成した。ソース領域4及びドレ
イン領域5は、燐のイオン注入により形成した。
【0022】その後、通常のMOSトランジスタ作製方
法により、層間絶縁膜の形成、コンタクトホールの開
孔、アルミニウム配線の形成を行いMOSトランジスタ
を完成した(図3(c))。
【0023】かくして得られた素子と従来素子とで、サ
ブスレッショールド特性の比較を行った結果を図4に示
す。図中実線で示す本実施例素子では、破線で示す従来
例で見られた寄生トランジスタによる特性の折れ曲がり
が抑制され、理想的な特性を示した。
【0024】なお、製造工程は図2,3に限定されるも
のではなく、適宜変更可能である。また、P型、N型を
入れ換えて形成することも可能である。従って、図1に
示す相補型MOSトランジスタを形成することが可能で
ある。ここで、4,5は、それぞれボロンのイオン注入
により形成したソース・ドレイン領域、16は燐不純物
層である。
【0025】さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形して実施できる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、寄生トランジスタの抑
制を、素子構造を複雑化、及びソース、ドレイン間のリ
ーク発生を招くことなく抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略構成断面図。
【図2】本発明の一実施例に係わる工程断面図。
【図3】図2に続く工程断面図。
【図4】本発明による半導体装置と従来装置において、
ドレイン電流とゲート電圧の関係を比較した特性図。
【図5】従来技術を用いた素子断面図。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 絶縁膜(SiO2 層) 3 単結晶半導体薄膜層(SOI膜) 4 ソース拡散層領域 5 ドレイン拡散層領域 6 ゲート酸化膜 7 ゲート電極 8 素子分離酸化膜 9 素子分離端領域 10 絶縁膜(SiO2 層) 11 シリコン窒化膜 12 多結晶シリコン膜 13 絶縁膜(SiO2 膜) 14 ボロンイオン 15 ボロン不純物層 16 燐不純物層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板表面に絶縁層を介して形成
    された半導体能動領域層に所定距離だけ離間してソース
    領域とドレイン領域をなす一対の第一導電型の不純物拡
    散領域と、 この一対の不純物拡散領域に挟まれて形成されたチャネ
    ル領域と、 このチャネル領域上に、ゲート絶縁層を介してゲート電
    極が形成された半導体装置において、前記半導体基板の表面部のうち、前記チャネル領域の真
    下領域を除き、前記半導体能動領域層の最外周部の下部
    領域を含む領域に、前記第一導電型とは異なる第二導電
    型の不純物層領域が形成されている ことを特徴とする半
    導体装置。
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