JPH05242741A - 光ファイバ伸び歪み緩和型ｏｐｇｗ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ファイバ３の伸び歪み緩和効果を高めた光
ファイバ伸び歪み緩和型ＯＰＧＷ６を提供する。 【構成】 ＯＰＧＷ６用の光ファイバ心線３の外周にク
ッション効果のある緩和層２を被覆し、その緩和層２を
被覆した光ファイバ心線３をパイプ４内の軸心に設けら
れた中心材１の軸回りに撚合わせた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバの伸び歪み
を緩和するＯＰＧＷに係り、特に、光ファイバ心線の外
周にクッション効果のある緩和層を被覆して、光ファイ
バの伸び歪み緩和効果を高めた光ファイバ伸び歪み緩和
型ＯＰＧＷに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】光ファイバを架空地線と組み合わせて一
体化した光ファイバ複合架空地線は、通常ＯＰＧＷと呼
ばれる。光ファイバは、ＯＰＧＷを構成する他の部材に
比べて張力に対する特性が弱いので、ＯＰＧＷに張力が
加えられると、光ファイバに不具合が生じる。このため
一般に、ＯＰＧＷの構造には、ＯＰＧＷ本体が伸ばされ
ても光ファイバには伸び歪みを発生させないように、応
力を緩和させる構造が採用されている。従来のＯＰＧＷ
の構造を図３に示す。

【０００３】図３に示されるように、従来のＯＰＧＷ１
６は、その軸心に軸方向に延出された中心材１１が設け
られている。中心材１１には、ＦＲＰ等が用いられてい
る。この中心材１１の周りには、クッション効果のある
スポンジ発泡材等を発泡させて形成したクッション材１
２が設けられている。そのクッション材１２の周りに所
定の間隔を隔てて５本の光ファイバ心線１３が撚り合わ
されている。光ファイバ心線１３には、シリコンコーテ
ィングが施されたものが用いられる。これら撚り合わさ
れた５本の光ファイバ心線１３の外側には、中心材１１
と同軸に光ファイバ心線１３を外部から保護するパイプ
１４が設けられている。従って、クッション材１２とパ
イプ１４の内周壁との間に光ファイバ心線１３が位置さ
れ、また、光ファイバ心線１３同士の間には、間隙が形
成されている。パイプ１４の外周には、多数のアルミ覆
鋼線１５が撚り合わされている。

【０００４】このような構造により、ＯＰＧＷ１６本体
が伸ばされてもクッション材１２のクッション効果によ
って、光ファイバ心線１３に伸び歪みを発生させること
なく、応力を緩和させる効果がもたらされている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来技術においては、
シリコンコーティングが施された光ファイバ心線１３
が、中心スポンジ材（クッション材１２）の周りに撚り
合わされ、かつ光ファイバ心線１３間にスポンジ収縮に
対応し得る間隙が設けられた構造になっている。

【０００６】しかしながら、このような構造にあって
は、複数の光ファイバ心線１３がクッション材１２の周
りで均等に位置分布をしなかったり、巻きピッチが不揃
いであったりする。このためＯＰＧＷ１６本体が伸ばさ
れたとき、光ファイバ心線１３に均等に力が及ばなくな
り、光ファイバ心線１３のある部分に偏って伸び歪みが
発生することになる。このような事態を避けるために
は、クッション材１２の径を大きくし、クッション材１
２と光ファイバ心線１３を外部から保護する例えばアル
ミニウム管の如きパイプ１４との間隙を小さくすること
により、光ファイバ心線１３を正しい位置に拘束すると
いう方法がある。

【０００７】しかし、このように光ファイバ心線１３を
拘束する構造にあっては、光ファイバ心線１３にかかる
側圧が大きくなる。光ファイバ心線１３は、その伝送性
能が側圧に対して影響されやすいので、側圧が大きくな
ると、伝送性能に大きな影響が現れることになる。従っ
て、クッション材１２の径を大きくして、光ファイバ心
線１３を正しい位置に拘束するようにすると、その反面
で光ファイバ心線１３にかかる側圧が大きくなり、伝送
性能に大きな影響が現れることになる。このため、クッ
ション材１２の径を充分に大きくすることができず、位
置分布の不均等や巻きピッチの不揃いを防止して伸び歪
みを緩和効果を高めることができなかった。

【０００８】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、光ファイバの伸び歪み緩和効果を高めた光ファイバ
伸び歪み緩和型ＯＰＧＷを提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、ＯＰＧＷ用の光ファイバ心線の外周にクッ
ション効果のある緩和層を被覆し、その緩和層を被覆し
た光ファイバ心線をパイプ内の軸心に設けられた中心材
の軸回りに撚合わせたものである。

【００１０】

【作用】上記構成により、光ファイバ心線は、中心材と
パイプ内周壁との間隙に拘束されると共に中心材及びパ
イプ内周壁双方に緩和層を介しているので、光ファイバ
心線には、ＯＰＧＷ本体の伸びに対して伸び歪みが緩和
されるのみならず、側圧が加わることもない。従って、
中心材とパイプ内周壁との間隙を小さくして、伸び歪み
緩和効果をいっそう高めることができる。

【００１１】

【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。

【００１２】図１に示されるように、本発明に係る光フ
ァイバ伸び歪み緩和型ＯＰＧＷ６は、その軸心に軸方向
に延出された中心材１が設けられている。中心材１に
は、従来同様ＦＲＰ等が用いられている。この中心材１
の周りには、シリコンコーティングの外周に緩和層２を
被覆した複数の光ファイバ心線３が撚り合わされてい
る。緩和層２は、光ファイバ心線３の周りに断面が同心
円状を呈するように、クッション効果のあるスポンジ発
泡材等を発泡させて形成されている。これら緩和層２を
被覆した複数の光ファイバ心線３の外側には、中心材１
と同軸に光ファイバ心線３を外部から保護するパイプ４
が設けられている。したがって、中心材１とパイプ４の
内周壁との間に、緩和層２を被覆した光ファイバ心線３
が拘束されている。また、本実施例にあっては、図示す
るように緩和層２を被覆した光ファイバ心線３同士がそ
の外周を接するように構成されている。従って、緩和層
２を被覆した光ファイバ心線３同士が、互いに拘束しあ
っている。パイプ４の外周には、多数のアルミ覆鋼線５
が撚り合わされている。

【００１３】次に実施例の作用を述べる。

【００１４】ＯＰＧＷ６本体が伸ばされるとき、アルミ
覆鋼線５及びパイプ４は、軸方向に伸ばされることにな
る。一方、光ファイバ心線３は、緩和層２によって被覆
されているので、この伸びに対して伸び歪みが緩和され
る。

【００１５】また、光ファイバ心線３は、中心材１とパ
イプ内周壁との間隙に拘束され且つ光ファイバ心線３同
士で拘束しあってているので、位置分布が均等でなくな
ったり、巻きピッチが不揃いになったりすることがな
い。従って、伸び歪みがある部分に偏って集中すること
がない。

【００１６】また、中心材１及びパイプ内周壁双方に緩
和層２を介しているので、光ファイバ心線３には、中心
材１及びパイプ４内周壁のどちらからも側圧が加わるこ
とがない。従って、伝送性能を良好に保ちつつ、中心材
１の径を充分に大きくして伸び歪み緩和効果をいっそう
高めることができる。

【００１７】次に他の実施例を図２に示す。

【００１８】図２の他の実施例にあっては、図１の実施
例に対して、緩和層２の断面形状が同心円ではなく、扇
形を呈している。即ち、中心材１の周りに、シリコンコ
ーティングの外周に扇形の緩和層２を被覆した複数の光
ファイバ心線３が撚り合わされている。その他の構造
は、図１の実施例と同様である。

【００１９】この実施例では、光ファイバ心線３の周り
には、クッション効果のあるスポンジ発泡材等を発泡さ
せて断面形状が扇形に緩和層２が形成されているので、
光ファイバ心線３を拘束する力が大きくなっている。

【００２０】なお、今まで述べた実施例では、発泡材と
しては、クッション効果のあるスポンジ発泡材を用いた
が、例えばシリコン発泡材のようにクッション効果のみ
ならず、粘性があり容易に光ファイバを動かさない特性
を有する材料を用いると、いっそう効果が上がる。

【００２１】

【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。

【００２２】（１）光ファイバ心線の伸び歪み緩和効果
が高められ、且つ光ファイバ心線が拘束されているの
で、光ファイバ心線の局部的な伸び、捩じれ等がなくな
り、寿命が長くなる。

【００２３】（２）光ファイバ心線の周りに緩和層が形
成されているので、側圧が加わることがなくなり、伝送
性能が良好に保たれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す横断面図である。

【図２】本発明の他の実施例を示す横断面図である。

【図３】従来例を示す横断面図である。

【符号の説明】

１ 中心材 ２ 緩和層 ３ 光ファイバ心線 ４ パイプ ５ アルミ覆鋼線 ６ ＯＰＧＷ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＯＰＧＷ用の光ファイバ心線の外周にク
   ッション効果のある緩和層を被覆し、その緩和層を被覆
   した光ファイバ心線をパイプ内の軸心に設けられた中心
   材の軸回りに撚合わせたことを特徴とする光ファイバ伸
   び歪み緩和型ＯＰＧＷ。