JPH0524269B2 - - Google Patents
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- JPH0524269B2 JPH0524269B2 JP59188111A JP18811184A JPH0524269B2 JP H0524269 B2 JPH0524269 B2 JP H0524269B2 JP 59188111 A JP59188111 A JP 59188111A JP 18811184 A JP18811184 A JP 18811184A JP H0524269 B2 JPH0524269 B2 JP H0524269B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は羊毛混布団綿用ポリエステル捲縮繊維
(以下単に羊毛混布団綿用ポリエステル繊維と称
することがある)に関するものである。 〔従来技術〕 従来、ポリエステル繊維は嵩高性,風合,保
温,通気性など、ふとん綿としてすぐれた性能を
有し、合成繊維ふとん綿として特に掛とんに用い
いられている。更に、近年の天然素材ブームにの
り、羽毛、羊毛などが詰綿として特に羊毛とん
は、空気の保有率が高く熱伝導率が極めて低いの
で夏は涼しく冬は暖かい、あるいは弾力性や吸湿
性に優れている等の特徴を有しているので、高級
ふとんとして重宝がられている。 しかし、羊毛は布団の中綿として長期間使用す
ると、フエルト化し、ヘタリ易いという問題があ
る。しかるに、このフエルト化を防止するため
に、羊毛自身に防縮加工等が施されているが未だ
満足のいく結果は得られていない。また、羊毛は
高価であるため、コスト低減及びフエルト化防止
策として、合成繊維特にポリエステル繊維を混綿
して使用されることも多くなつてきている。しか
し、混綿用ポリエステルとしては、一般的な詰綿
用ポリエステル繊維が使用されているのみであ
り、羊毛の嵩性能を長期間保持することのできる
ポリエステル繊維を得ることはできなかつた。 また、偏平断面ポリエステル糸については、特
開昭48−98121号公報,実開昭50−109708号公報
により知られているが、ここでは羊毛混布団綿と
して使用する認識すらない。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、羊毛のフエルト化,ヘタリを
防止して、羊毛の嵩性を長期間にわたつて維持す
ることのできる羊毛混布団綿用ポリエステル繊維
を提供することにある。 〔発明の構成・作用〕 本発明者は、羊毛のフエルト化,ヘタリを防止
するには布団にしたときの嵩高性をウエブの5つ
の代用特性(直線性,厚み,圧縮仕事量,圧縮
長,回復率)で表わし、この代用特性が羊毛と同
じ傾向を示すポリエステル繊維を混綿することが
有用であると考え、鋭意検討した結果、本発明を
完成した。 すなわち、本発明は単糸繊度が3〜12デニー
ル,繊維横断面における偏平度が2.8〜5.0で該断
面における長軸によつて2分割される各々の部分
の周縁には下記に定義する突起部を2〜6個有す
る偏平糸の表面にシリコーン樹脂を付着させたこ
とを特徴とする羊毛混布団綿用ポリエステル捲縮
繊維にある。 突起部:繊維横断面におけるくびれ部によつて分
割されている凸部を表す。 本発明おいて、ポリエステル繊維の単糸繊度は
3〜12デニールとする必要があり、特に4〜10デ
ニールがより好ましい。単糸繊度が3デニール未
満では、布団類の圧縮特性が不十分で、特に厚
み,圧縮仕事量の少ない腰がない布団となり、羊
毛の嵩特性とはかけ離れたものとなる。また、単
糸繊度が12デニールより大きいと、嵩特性のうち
圧縮仕事量が非常に高くなり、羊毛の嵩特性とは
傾向が異なつたものとなる。一方、繊維断面の偏
平度は2.8〜5.0が必要であり、特に3〜5の範囲
にあることがより好ましい。ここで、偏平度とは
第3図に示すように、繊維断面の長軸の長さを
A、短軸の長さをBとしたときA/Bで表わす。
この偏平度が2.8未満であると、繊維横断面の慣
性二次モーメントが大きくなり、圧縮仕事量が大
きくなりすぎるため羊毛の嵩特性と異なつてく
る。これに対して、特に偏平度が3〜5の範囲に
おいては羊毛の嵩特性と同様なものとなる。 また、本発明のポリエステル繊維はその断面に
おける長軸によつて2分割される各々の部分の周
縁には、くびれ部分によつて分割されている凸部
(以下突起部と称す)を2〜6個有する必要があ
る。突起部が1個の場合、すなわちくびれのない
場合には繊維間の接触面積が大きくなり、抵抗が
高くなるため圧縮仕事量が大きくなりすぎ、嵩特
性が羊毛と異なつてくる。また、突起部が7以上
になると、くびれの部分の占める割合が小さくな
り同様に繊維間の接触面積が大きくなるため抵抗
が高くなり、圧縮仕事量が大きくなりすぎ嵩特性
が羊毛と異なつてくる。 このような偏平糸の表面にシリコーン樹脂を付
着させることが肝要である。シリコーン樹脂を付
着させない場合には平滑性が劣り、嵩特性におけ
る圧縮回復性が悪くなり、羊毛並の嵩特性を示さ
なくなる。 なお、前記の嵩特性は次のようにして測定す
る。通常の方法で作成したカードウエブを20×20
cmの正方形に切り取り、これを積み重ねて40gの
積層ウエブとする。これを圧縮試験機にて0.5
Kg/cm2まで荷重をかけその後除重して第1図のよ
うなウエブ高さと荷重とのヒストグラムを作成す
る。第1図により、嵩特性の代用特性を説明す
る。 厚み(T);0.5Kg/cm2の荷重時のウエブの厚み(cm)
で表わす。 圧縮長(Tc);無荷重時から0.5Kg/cm2荷重時ま
での圧縮長でOBにて表わす(単位はcmであ
る)。 圧縮仕事量(WC);OCABで囲まれた図形の面
積単位は(gcm/cm2) 直線性(Lc);OCABで囲まれた図形の面積が三
角形OABに占める割合(%)で表わす。 Lc=OCAB/ΔOAB×100(%) 回復率(Rc);圧縮時の仕事量と除重時の仕事量
の比 Rc=ODABの面積/OCABの面積×100(%) 本発明において、布団綿に用いる異形断面ポリ
エステル繊維は、例えば第2図に示す円形孔を3
個、該円形孔の直径よりも短かい巾のスリツトで
結んだノズル形状の紡糸口金のほか、2〜6個の
円形孔をスリツトで結んだノズル形状の紡糸口金
から、ポリエステルの重合度,紡糸温度,吐出速
度等を適宜変更して第3図に示すような所望の繊
維横断面形状および偏平度の未延伸糸を溶融紡糸
した後トウの形態に集束し、通常のステープルの
延伸,後処理を行なつて得られる。ポリエステル
繊維にシリコーン樹脂を付着させる方法として
は、 溶融紡糸後の未延伸糸や延伸後のトウをシリ
コーン樹脂処理液中に連続的に浸漬するか、或
はノズルを用いてトウへ連続してシリコーン樹
脂処理液を噴射し、過剰に付着した処理液を一
対のローラー等で絞りながら捲縮を付与した
後、乾燥または熱処理する方法、 延伸糸のカツトフアイバーをシリコーン樹脂
処理液中に浸漬した後過剰に付着した処理液を
脱離させ、乾燥または熱処理する方法、 延伸トウを押込式捲縮装置で捲縮を付与した
後、前記装置のスタツフイングボツクス内また
はスタツフイングボツクス通過直後に該ポリエ
ステル捲縮繊維をシリコーン樹脂処理液で処理
する方法 等の公知の方法を採用することができる。 付与するシリコーン樹脂は、ポリエステル繊維
に付着せしめたあと、硬化皮膜を形成し得るオル
ガノポリシロキサンであればよい。特に、末端に
水酸基を有するジメチルポリシロキサン,メチル
ハイドロジエンポリシロキサン、またはそれらの
混合物が好ましい。オルガノポリシロキサンは水
溶液としても乳化剤とのエマルジヨンとしても使
用できる。なお、繊維に付着させるオルガノポリ
シロキサン量は0.1〜3.0重量%であることが好ま
しい。また、オルガノポリシロキサン処理液中に
帯電防止剤を混在させたり、オルガノポリシロキ
サンを処理したあと帯電防止剤を付与すると、得
られる繊維の制電性が改善され、中入綿をつくる
ときの静電気障害が改善されるので好ましい。 本発明の捲縮ポリエステル繊維中入綿を構成す
るポリエステルは、テレフタル酸、またはその低
級アルキル誘導体(炭素数1〜4のアルカノール
のジエステル)とエチレングリコールとからある
いはテレフタル酸またはその低級アルキル誘導体
とエチレングリコールおよび少なくとも一種の他
の共重合成分とから、またはビス−2−ヒドロキ
シエチルテレフタレートまたはその低重合体か
ら、あるいはビス−2−ヒドロキシエチルテレフ
タレートおよび少なくとも一種の他の共重合成分
とから得られるポリエステル構成単位の少なくと
も70%がポリエチレンテレフタレートであるポリ
エステルである。 〔発明の効果〕 本発明によれば、単独ではフエルト化し、ヘタ
リを生じていた羊毛の欠点を、前記5つの嵩特性
が羊毛と極めて類似した繊維を見出すことによつ
て解消したものである。従つて、これを羊毛と混
綿して中綿として使用することにより、羊毛中で
ポリエステル繊維が支柱のような役割を果たし、
長期間にわたりその嵩性を維持することができる
ので寝心地のよい布団が提供される。 実施例 1〜4 25℃o−クロロフエノール中で測定した極限粘
度が0.65のポリエチレンテレフタレートを第2
図,第4図その外のノズル形状の紡糸口金を用い
て常法により紡糸し、未延伸糸を得る。この未延
伸糸を適宜集束し、熱水浴中で延伸しジメチルポ
リシロキサンとメチルハイドロジエンポリシロキ
サンとの混合液を乾燥時の重量で繊維に対して
0.3%となるように付与した後、押込捲縮機で捲
縮を付与し140℃で30分間熱固定して76mmにカツ
トして第1表に示す繊維を得た。得られたカツト
綿をカードにかけウエブを作成し嵩特性を測定し
た。この嵩特性図を第15図〜第18図に示して
あり、これらの図はウールの嵩特性図である点線
と類似していることが判る。尚、第14図はウー
ルについて各特性値の値と長さの関係を示す特性
図であり、T,Tc,Wc,Lc,Rcの値をプロツ
トした。 比較例 1〜7 25℃o−クロロフエノール中で極限粘度が0.65
のポリエチレンテレフタレートを第4図,第6
図,第10図,第12図その外のノズル形状の紡
糸口金を用いて常法により紡糸し、実施例と同様
に延伸し、場合によつては、シリコーン樹脂を付
着した後、実施例と同様に押込捲縮機で捲縮を付
与して第1表に示す繊維を得る。これらの嵩特性
図は第19図〜第25図で示されるが、これらは
点線で示したウールの嵩特性図とは異なつてお
り、羊毛混には適さない。 以上実施例及び比較例の結果から明らかなよう
に、単糸繊度が3〜12デニール、偏平度が2.8〜
5.0、突起部が2〜6個有するポリエステル捲縮
繊維が羊毛混布団綿用として好適なことがわか
る。 【表】
(以下単に羊毛混布団綿用ポリエステル繊維と称
することがある)に関するものである。 〔従来技術〕 従来、ポリエステル繊維は嵩高性,風合,保
温,通気性など、ふとん綿としてすぐれた性能を
有し、合成繊維ふとん綿として特に掛とんに用い
いられている。更に、近年の天然素材ブームにの
り、羽毛、羊毛などが詰綿として特に羊毛とん
は、空気の保有率が高く熱伝導率が極めて低いの
で夏は涼しく冬は暖かい、あるいは弾力性や吸湿
性に優れている等の特徴を有しているので、高級
ふとんとして重宝がられている。 しかし、羊毛は布団の中綿として長期間使用す
ると、フエルト化し、ヘタリ易いという問題があ
る。しかるに、このフエルト化を防止するため
に、羊毛自身に防縮加工等が施されているが未だ
満足のいく結果は得られていない。また、羊毛は
高価であるため、コスト低減及びフエルト化防止
策として、合成繊維特にポリエステル繊維を混綿
して使用されることも多くなつてきている。しか
し、混綿用ポリエステルとしては、一般的な詰綿
用ポリエステル繊維が使用されているのみであ
り、羊毛の嵩性能を長期間保持することのできる
ポリエステル繊維を得ることはできなかつた。 また、偏平断面ポリエステル糸については、特
開昭48−98121号公報,実開昭50−109708号公報
により知られているが、ここでは羊毛混布団綿と
して使用する認識すらない。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、羊毛のフエルト化,ヘタリを
防止して、羊毛の嵩性を長期間にわたつて維持す
ることのできる羊毛混布団綿用ポリエステル繊維
を提供することにある。 〔発明の構成・作用〕 本発明者は、羊毛のフエルト化,ヘタリを防止
するには布団にしたときの嵩高性をウエブの5つ
の代用特性(直線性,厚み,圧縮仕事量,圧縮
長,回復率)で表わし、この代用特性が羊毛と同
じ傾向を示すポリエステル繊維を混綿することが
有用であると考え、鋭意検討した結果、本発明を
完成した。 すなわち、本発明は単糸繊度が3〜12デニー
ル,繊維横断面における偏平度が2.8〜5.0で該断
面における長軸によつて2分割される各々の部分
の周縁には下記に定義する突起部を2〜6個有す
る偏平糸の表面にシリコーン樹脂を付着させたこ
とを特徴とする羊毛混布団綿用ポリエステル捲縮
繊維にある。 突起部:繊維横断面におけるくびれ部によつて分
割されている凸部を表す。 本発明おいて、ポリエステル繊維の単糸繊度は
3〜12デニールとする必要があり、特に4〜10デ
ニールがより好ましい。単糸繊度が3デニール未
満では、布団類の圧縮特性が不十分で、特に厚
み,圧縮仕事量の少ない腰がない布団となり、羊
毛の嵩特性とはかけ離れたものとなる。また、単
糸繊度が12デニールより大きいと、嵩特性のうち
圧縮仕事量が非常に高くなり、羊毛の嵩特性とは
傾向が異なつたものとなる。一方、繊維断面の偏
平度は2.8〜5.0が必要であり、特に3〜5の範囲
にあることがより好ましい。ここで、偏平度とは
第3図に示すように、繊維断面の長軸の長さを
A、短軸の長さをBとしたときA/Bで表わす。
この偏平度が2.8未満であると、繊維横断面の慣
性二次モーメントが大きくなり、圧縮仕事量が大
きくなりすぎるため羊毛の嵩特性と異なつてく
る。これに対して、特に偏平度が3〜5の範囲に
おいては羊毛の嵩特性と同様なものとなる。 また、本発明のポリエステル繊維はその断面に
おける長軸によつて2分割される各々の部分の周
縁には、くびれ部分によつて分割されている凸部
(以下突起部と称す)を2〜6個有する必要があ
る。突起部が1個の場合、すなわちくびれのない
場合には繊維間の接触面積が大きくなり、抵抗が
高くなるため圧縮仕事量が大きくなりすぎ、嵩特
性が羊毛と異なつてくる。また、突起部が7以上
になると、くびれの部分の占める割合が小さくな
り同様に繊維間の接触面積が大きくなるため抵抗
が高くなり、圧縮仕事量が大きくなりすぎ嵩特性
が羊毛と異なつてくる。 このような偏平糸の表面にシリコーン樹脂を付
着させることが肝要である。シリコーン樹脂を付
着させない場合には平滑性が劣り、嵩特性におけ
る圧縮回復性が悪くなり、羊毛並の嵩特性を示さ
なくなる。 なお、前記の嵩特性は次のようにして測定す
る。通常の方法で作成したカードウエブを20×20
cmの正方形に切り取り、これを積み重ねて40gの
積層ウエブとする。これを圧縮試験機にて0.5
Kg/cm2まで荷重をかけその後除重して第1図のよ
うなウエブ高さと荷重とのヒストグラムを作成す
る。第1図により、嵩特性の代用特性を説明す
る。 厚み(T);0.5Kg/cm2の荷重時のウエブの厚み(cm)
で表わす。 圧縮長(Tc);無荷重時から0.5Kg/cm2荷重時ま
での圧縮長でOBにて表わす(単位はcmであ
る)。 圧縮仕事量(WC);OCABで囲まれた図形の面
積単位は(gcm/cm2) 直線性(Lc);OCABで囲まれた図形の面積が三
角形OABに占める割合(%)で表わす。 Lc=OCAB/ΔOAB×100(%) 回復率(Rc);圧縮時の仕事量と除重時の仕事量
の比 Rc=ODABの面積/OCABの面積×100(%) 本発明において、布団綿に用いる異形断面ポリ
エステル繊維は、例えば第2図に示す円形孔を3
個、該円形孔の直径よりも短かい巾のスリツトで
結んだノズル形状の紡糸口金のほか、2〜6個の
円形孔をスリツトで結んだノズル形状の紡糸口金
から、ポリエステルの重合度,紡糸温度,吐出速
度等を適宜変更して第3図に示すような所望の繊
維横断面形状および偏平度の未延伸糸を溶融紡糸
した後トウの形態に集束し、通常のステープルの
延伸,後処理を行なつて得られる。ポリエステル
繊維にシリコーン樹脂を付着させる方法として
は、 溶融紡糸後の未延伸糸や延伸後のトウをシリ
コーン樹脂処理液中に連続的に浸漬するか、或
はノズルを用いてトウへ連続してシリコーン樹
脂処理液を噴射し、過剰に付着した処理液を一
対のローラー等で絞りながら捲縮を付与した
後、乾燥または熱処理する方法、 延伸糸のカツトフアイバーをシリコーン樹脂
処理液中に浸漬した後過剰に付着した処理液を
脱離させ、乾燥または熱処理する方法、 延伸トウを押込式捲縮装置で捲縮を付与した
後、前記装置のスタツフイングボツクス内また
はスタツフイングボツクス通過直後に該ポリエ
ステル捲縮繊維をシリコーン樹脂処理液で処理
する方法 等の公知の方法を採用することができる。 付与するシリコーン樹脂は、ポリエステル繊維
に付着せしめたあと、硬化皮膜を形成し得るオル
ガノポリシロキサンであればよい。特に、末端に
水酸基を有するジメチルポリシロキサン,メチル
ハイドロジエンポリシロキサン、またはそれらの
混合物が好ましい。オルガノポリシロキサンは水
溶液としても乳化剤とのエマルジヨンとしても使
用できる。なお、繊維に付着させるオルガノポリ
シロキサン量は0.1〜3.0重量%であることが好ま
しい。また、オルガノポリシロキサン処理液中に
帯電防止剤を混在させたり、オルガノポリシロキ
サンを処理したあと帯電防止剤を付与すると、得
られる繊維の制電性が改善され、中入綿をつくる
ときの静電気障害が改善されるので好ましい。 本発明の捲縮ポリエステル繊維中入綿を構成す
るポリエステルは、テレフタル酸、またはその低
級アルキル誘導体(炭素数1〜4のアルカノール
のジエステル)とエチレングリコールとからある
いはテレフタル酸またはその低級アルキル誘導体
とエチレングリコールおよび少なくとも一種の他
の共重合成分とから、またはビス−2−ヒドロキ
シエチルテレフタレートまたはその低重合体か
ら、あるいはビス−2−ヒドロキシエチルテレフ
タレートおよび少なくとも一種の他の共重合成分
とから得られるポリエステル構成単位の少なくと
も70%がポリエチレンテレフタレートであるポリ
エステルである。 〔発明の効果〕 本発明によれば、単独ではフエルト化し、ヘタ
リを生じていた羊毛の欠点を、前記5つの嵩特性
が羊毛と極めて類似した繊維を見出すことによつ
て解消したものである。従つて、これを羊毛と混
綿して中綿として使用することにより、羊毛中で
ポリエステル繊維が支柱のような役割を果たし、
長期間にわたりその嵩性を維持することができる
ので寝心地のよい布団が提供される。 実施例 1〜4 25℃o−クロロフエノール中で測定した極限粘
度が0.65のポリエチレンテレフタレートを第2
図,第4図その外のノズル形状の紡糸口金を用い
て常法により紡糸し、未延伸糸を得る。この未延
伸糸を適宜集束し、熱水浴中で延伸しジメチルポ
リシロキサンとメチルハイドロジエンポリシロキ
サンとの混合液を乾燥時の重量で繊維に対して
0.3%となるように付与した後、押込捲縮機で捲
縮を付与し140℃で30分間熱固定して76mmにカツ
トして第1表に示す繊維を得た。得られたカツト
綿をカードにかけウエブを作成し嵩特性を測定し
た。この嵩特性図を第15図〜第18図に示して
あり、これらの図はウールの嵩特性図である点線
と類似していることが判る。尚、第14図はウー
ルについて各特性値の値と長さの関係を示す特性
図であり、T,Tc,Wc,Lc,Rcの値をプロツ
トした。 比較例 1〜7 25℃o−クロロフエノール中で極限粘度が0.65
のポリエチレンテレフタレートを第4図,第6
図,第10図,第12図その外のノズル形状の紡
糸口金を用いて常法により紡糸し、実施例と同様
に延伸し、場合によつては、シリコーン樹脂を付
着した後、実施例と同様に押込捲縮機で捲縮を付
与して第1表に示す繊維を得る。これらの嵩特性
図は第19図〜第25図で示されるが、これらは
点線で示したウールの嵩特性図とは異なつてお
り、羊毛混には適さない。 以上実施例及び比較例の結果から明らかなよう
に、単糸繊度が3〜12デニール、偏平度が2.8〜
5.0、突起部が2〜6個有するポリエステル捲縮
繊維が羊毛混布団綿用として好適なことがわか
る。 【表】
第1図は積層ウエツブの圧縮(荷重),除重時
のヒストグラム、第2図,第4図,第6図,第8
図,第10図及び第12図は夫々、第3図,第5
図,第7図,第9図,第11図及び第13図の繊
維断面を得るための紡糸口金の平面図、第14図
〜第25図は種々の繊維の嵩特性図で、第14図
は羊毛の嵩特性図、第15図〜第18図は本発明
の繊維の嵩特性図、第19図〜第25図は本発明
外の繊維の嵩特性図である。
のヒストグラム、第2図,第4図,第6図,第8
図,第10図及び第12図は夫々、第3図,第5
図,第7図,第9図,第11図及び第13図の繊
維断面を得るための紡糸口金の平面図、第14図
〜第25図は種々の繊維の嵩特性図で、第14図
は羊毛の嵩特性図、第15図〜第18図は本発明
の繊維の嵩特性図、第19図〜第25図は本発明
外の繊維の嵩特性図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 単糸繊度が3〜12デニール、繊維横断面にお
ける偏平度が2.8〜5.0で該断面における長軸によ
つて2分割される各々の部分の周縁には下記に定
義する突起部を2〜6個有する偏平糸の表面にシ
リコーン樹脂を付着させたことを特徴とする羊毛
混布団綿用ポリエステル捲縮繊維。 突起部:繊維横断面におけるくびれ部によつて分
割されている凸部を表す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18811184A JPS6170077A (ja) | 1984-09-10 | 1984-09-10 | 羊毛混布団用ポリエステル繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18811184A JPS6170077A (ja) | 1984-09-10 | 1984-09-10 | 羊毛混布団用ポリエステル繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6170077A JPS6170077A (ja) | 1986-04-10 |
JPH0524269B2 true JPH0524269B2 (ja) | 1993-04-07 |
Family
ID=16217891
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18811184A Granted JPS6170077A (ja) | 1984-09-10 | 1984-09-10 | 羊毛混布団用ポリエステル繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6170077A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62263381A (ja) * | 1986-05-08 | 1987-11-16 | カネボウ株式会社 | 透明織物及びその製造方法 |
JPS63190083A (ja) * | 1987-01-30 | 1988-08-05 | 株式会社クラレ | 獣毛調ポリエステル繊維およびその製造方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4723771U (ja) * | 1971-03-19 | 1972-11-16 | ||
JPS4898121A (ja) * | 1972-03-31 | 1973-12-13 | ||
JPS5281194A (en) * | 1975-12-24 | 1977-07-07 | Toray Industries | Crimped polyester fiber for wadding having deformable cross area |
JPS5459429A (en) * | 1977-10-03 | 1979-05-14 | Monsanto Co | Selffcrimpable yarn |
JPS5881075A (ja) * | 1981-11-06 | 1983-05-16 | カネボウ株式会社 | 詰綿材料 |
-
1984
- 1984-09-10 JP JP18811184A patent/JPS6170077A/ja active Granted
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4723771U (ja) * | 1971-03-19 | 1972-11-16 | ||
JPS4898121A (ja) * | 1972-03-31 | 1973-12-13 | ||
JPS5281194A (en) * | 1975-12-24 | 1977-07-07 | Toray Industries | Crimped polyester fiber for wadding having deformable cross area |
JPS5459429A (en) * | 1977-10-03 | 1979-05-14 | Monsanto Co | Selffcrimpable yarn |
JPS5881075A (ja) * | 1981-11-06 | 1983-05-16 | カネボウ株式会社 | 詰綿材料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6170077A (ja) | 1986-04-10 |
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