JPH05241318A - 三相型位相シフトレチクルの製造方法 - Google Patents

三相型位相シフトレチクルの製造方法

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JPH05241318A
JPH05241318A JP4492A JP4492A JPH05241318A JP H05241318 A JPH05241318 A JP H05241318A JP 4492 A JP4492 A JP 4492A JP 4492 A JP4492 A JP 4492A JP H05241318 A JPH05241318 A JP H05241318A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】レチクルであるガラス基板の隣接する開口部分
を透過する光に位相差を与えるために、低温で膜厚制御
性の優れた二酸化珪素膜を選択成長させる。 【構成】第1の位相差を与えるべき光透過部以外5bを
レジスト6aで覆い、常時二酸化珪素の過飽和状態に保
たれた水溶液にレチクルを浸漬することによって、レジ
スト6aのない部分に選択的に二酸化珪素7を成長させ
る。つぎに第2の位相差を与えるべき光透過部以外5
b,5cをレジスト6bで覆い、常時二酸化珪素の過飽
和状態に保たれた水溶液にレチクルを浸漬することによ
って、レジスト6bのない部分に選択的に二酸化珪素8
を成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は三相型位相シフトレチク
ルの製造方法に関し、特に三相型位相シフトレチクルの
シフターの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の位相シフトレチクルには様々な構
造が提案されている。日経マイクロデバイス1990年
7月号No.61,pp.109に紹介されている中で
空間周波数変調型と呼ばれている構造について、その製
造方法を図4(a)〜(c)を参照して説明する。
【0003】はじめに図4(a)に示すように、レチク
ルの母材となるガラス基板1の上に電子線描画時の帯電
防止用として導電性膜2を堆積したのち、クロム3をパ
ターニングする。ここで電子線描画の条件によっては導
電性膜2を用いないことがある。
【0004】つぎに図4(b)に示すように、CVD
(化学的気相成長)法またはスピン塗布法によりSiO
2 (二酸化珪素)膜4を堆積したのち、レジスト6をス
ピン塗布する。
【0005】つぎに図4(c)に示すように、電子線描
画により所望のパターンを露光したのち現像する。つぎ
にSiO2 膜4をドライエッチングしてから、レジスト
6を除去して所望の位相シフター付レチクルが得られ
る。
【0006】こうして隣接した光透過部の光に120°
の位相差をつけることにより、位相シフト法の効果を得
ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】隣接する各層間の位相
差を120°(0°と120°と240°の三相)とす
ると、図5に示すように、各位相部での寸法は同一にな
る。しかし10°ずれて位相120°部の位相が110
°になると、図6に示すように焦点がずれたときにパタ
ーン寸法が変化する。
【0008】そこでパターン寸法にずれが生じないよう
に、±5°の精度として位相115°にあたる露光波長
×23/(72×(二酸化珪素膜の屈折率−1))か
ら、125°にあたる露光波長×25/(72×(二酸
化珪素膜の屈折率−1))までの範囲の膜厚を形成しな
ければならない。
【0009】したがって波長365nmの光で位相シフ
トレチクルを使用する場合、屈折率n=1.43のSi
2 シフターの膜厚はλ/3(n−1)±2.4%すな
わち283±10nmの均一性で膜厚制御する必要があ
る。
【0010】しかし、CVD法によってSiO2 シフタ
ーを形成すると、レチクル面内の均一性は約±5%と悪
く、光の位相をコントロールしきれない。
【0011】一方、スピン塗布法でSiO2 シフターを
形成すると、塗布したSiO2 の溶剤の蒸発および脱水
・重合反応のために約400℃の高温焼結が必要なの
で、クロムパターンが変形、剥離するなどの問題があ
る。またスピン塗布法を用いるので、凹凸部の中央と端
とで膜厚差が大きいという問題がある。
【0012】さらにドライエッチングによって不要なS
iO2 膜を除去するとき、レチクルのガラス基板表面ま
でエッチングされて、基板表面が荒れてしまう。その程
度はエッチング条件によって大きく異なるが、表面荒れ
を生じている部位を透過した光は絶対光量が不足する。
そのため図7に示すようにエッチングしなかった120
°部と、エッチングによって荒れた0°部とで寸法差が
生じてしまう。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の三波長型位相シ
フトレチクルの製造方法は、ガラス基板にクロムパター
ンが形成されているレチクルの上に、CVD法により全
面に薄いSiO2 膜を堆積したのち、所望のレジストパ
ターンを形成する。つぎに過飽和状態の二酸化珪素水溶
液中でSiO2 を液相成長させるものである。
【0014】
【実施例】本発明の第1の実施例について、図1(a)
〜(d)を参照して説明する。
【0015】はじめに図1(a)に示すように、ガラス
基板1に導電性膜2を堆積したのちクロム3のパターン
を形成する。つぎに全面に200℃で成長できる低温C
VD法や100℃で成長できる光CVD法などにより厚
さ50nmのSiO2 膜4を成長する。本実施例では光
CVD法によりレチクル全面で47±2.8nmのSi
2 膜4を成長した。
【0016】つぎに図1(b)に示すように、レジスト
を塗布して光透過部5a,5c,5dは開口するよう
に、光透過部5bはレジスト6aのパターンを残すよう
に、電子線露光・現像を行なう。つぎに液相成長法によ
り位相シフターとなるSiO27を成長させる。
【0017】この液相成長法は特開平3−97247に
述べているように、約3.5mol/literの珪弗
化水素酸(H2 SiF6 )に、シラノール(Si(O
H)4)を150℃の低温で焼成して形成した二酸化珪
素の粉末を30℃の温度で溶解・飽和させた飽和水溶液
を用いる。常時過飽和状態を保つために濃度が0.1m
ol/literの硼酸水溶液を10cc/hourの
速度で連続的に添加する。この過飽和水溶液は0.2μ
mのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のフィ
ルターを用いて常時循環させ、0.2μmを越える粒子
を除去する。
【0018】レジスト6aがパターニングされたガラス
基板1を、常時過飽和で35℃の一定温度に保たれた珪
弗化水素酸水溶液に浸漬する。SiO2 7の成長速度は
40nm/hourなので、7.1575時間(7時間
9分27秒)浸漬することによって、レジスト6aに覆
われていないSiO2 膜4の上に、選択的に厚さ283
nmの第1気相成長SiO2 7を成長させる。このとき
の膜厚均一性は±1.0%と良好であった。
【0019】つぎに図1(c)に示すように、レジスト
6aを剥離したのち、レジストを塗布して光透過部5
a,5dは開口するように、光透過部5b,5cはレジ
スト6bのパターンを残すように、電子線露光・現像を
行なう。再び液相成長法により選択的にレジストパター
ン6bで覆われていない第1気相成長SiO2 7の上
に、厚さ283nmの第2液相成長SiO2 8を成長さ
せる。
【0020】最後に図1(d)に示すように、レジスト
6bを剥離することにより、レチクル上の所望の領域に
位相シフターが形成された位相シフトレチクルが完成す
る。
【0021】つぎに本発明の2の実施例について、図2
を参照して説明する。
【0022】ガラス基板1に第1の実施例と同様にし
て、導電性膜2、クロム3のパターン、SiO2 膜4を
形成したのち、液相成長法により全面に厚さ300nm
の第1液相成長SiO2 7を成長させて、クロム3のパ
ターンによる凹凸を平坦化する。つぎに第1液相成長S
iO2 7上の所望の領域、ここでは5a,5c,5dの
みにシフターを形成するため、レジスト(図示せず)を
マスクとして、液相成長法により選択的に厚さ283n
mの第2液相成長SiO2 8を成長させる。つぎにレジ
ストを剥離したのち、第2液相成長SiO2 8上の所望
の領域、ここでは5a,5dのみにシフターを形成する
ため、レジスト(図示せず)をマスクとして、液相成長
法により選択的に厚さ283nmの第3液相成長SiO
2 9を成長させる。
【0023】本実施例においては、全面に第1液相成長
SiO2 7が成長されているので、位相差を与えるべき
光透過部が平坦になり、その上に形成されるシフターの
膜厚がより均一になるという長所がある。
【0024】本実施例では第1液相成長SiO2 7の膜
厚を300nmとしたが、クロム3の膜厚に応じて第1
液相成長SiO2 7の膜厚を任意に変えることができ
る。
【0025】つぎに本発明の第3の実施例について、図
3を参照して説明する。
【0026】ガラス基板1に第1および第2の実施例と
同様にして、導電性膜2、クロム3のパターン、SiO
2 膜4を形成する。つぎに第1の位相差を与える領域、
5cのみにシフターを形成するためのレジスト(図示せ
ず)をパターニングする。つぎに液相成長法により選択
的に厚さ283nmの第1液相成長SiO2 7を成長さ
せる。つぎにレジストを剥離したのち、第2の位相差を
与える領域、5a,5dのみにシフターを形成するため
のレジスト(図示せず)をパターニングする。つぎに再
び液相成長法により選択的に厚さ566nmの第2液相
成長SiO2 8を成長させる。本実施例においても第1
の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0027】以上の実施例でパターン転写を行なう光の
波長を365nmとしてシフターの膜厚を設計した。他
の光源波長248.4nm、435.8nmなどの波長
に対しては、用途別にシフター波長を設計することがで
きる。
【0028】
【発明の効果】液相成長法を用いているので、高温処理
で問題になっていたクロムパターンの変形や剥離が生じ
ることがない。またSiO2 の成長速度が40nmと遅
く、面内均一性が±1%以下と良いので、所望の膜厚に
制御し易く、面内全域で所望の膜厚が得られる。
【0029】さらに液相成長法は選択成長法であるの
で、必要な領域のみにSiO2 を成長させることができ
る。ドライエッチングを行なわないので、ガラス基板表
面やシフターのSiO2 膜に表面損傷を与えることがな
いという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を工程順に示す断面図で
ある。
【図2】本発明の第2の実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す断面図である。
【図4】従来の三相型位相シフトレチクルの製造方法を
示す断面図である。
【図5】焦点ずれによる線幅の変化を示すグラフであ
る。
【図6】焦点ずれによる線幅の変化を示すグラフであ
る。
【図7】焦点ずれによる線幅の変化を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 導電性膜 3 クロム 4 SiO2 膜 5a,5b,5c,5d 光透過部 6,6a,6b レジスト 7 第1液相成長SiO2 8 第2液相成長SiO2 9 第3液相成長SiO

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接する開口部分を透過する光に位相差
    を与える三相型位相シフトレチクルの製造方法におい
    て、前記レチクルの第1および第2の位相差を与えるべ
    き透過部以外を選択的に第1のレジストで覆う工程と、
    前記レチクルを常時二酸化珪素の過飽和状態に保たれた
    水溶液中に浸漬することによって、前記第1のレジスト
    で覆われていない部分に選択的に第1の二酸化珪素膜を
    形成する工程と、前記第1のレジストを除去したのち、
    前記レチクルの第2の位相差を与えるべき透過部以外を
    選択的に第2のレジストで覆う工程と、前記レチクルを
    常時二酸化珪素の過飽和状態に保たれた水溶液中に浸漬
    することによって、前記第2のレジストで覆われていな
    い部分に選択的に第2の二酸化珪素膜を形成する工程
    と、前記第2のレジストを除去する工程とを含むことを
    特徴とする三相型位相シフトレチクルの製造方法。
  2. 【請求項2】 隣接する開口部分を透過する光に位相差
    を与える三相型位相シフトレチクルの製造方法におい
    て、前記レチクルを常時二酸化珪素の過飽和状態に保た
    れた水溶液中に浸漬することによって、全面に第1の二
    酸化珪素膜を形成する工程と、前記レチクルの第1およ
    び第2の位相差を与えるべき透過部以外を選択的に第1
    のレジストで覆う工程と、前記レチクルを常時二酸化珪
    素の過飽和状態に保たれた水溶液中に浸漬することによ
    って、前記第1のレジストで覆われていない部分に選択
    的に第2の二酸化珪素膜を形成する工程と、前記第1の
    レジストを除去したのち、前記レチクルの前記第2の位
    相差を与えるべき透過部以外を選択的に第2のレジスト
    で覆う工程と、前記レチクルを常時二酸化珪素の過飽和
    状態に保たれた水溶液中に浸漬することによって、前記
    第2のレジストで覆われていない部分に選択的に第3の
    二酸化珪素膜を形成する工程と、前記第2のレジストを
    除去する工程とを含むことを特徴とする三相型位相シフ
    トレチクルの製造方法。
  3. 【請求項3】 隣接する開口部分を透過する光に位相差
    を与える三相型位相シフトレチクルの製造方法におい
    て、前記レチクルの第1の位相差を与えるべき透過部以
    外を選択的に第1のレジストで覆う工程と、前記レチク
    ルを常時二酸化珪素の過飽和状態に保たれた水溶液中に
    浸漬することによって、前記第1のレジストで覆われて
    いない部分に選択的に第1の二酸化珪素膜を形成する工
    程と、前記第1のレジストを除去したのち、前記レチク
    ルの第2の位相差を与えるべき透過部以外を選択的に第
    2のレジストで覆う工程と、前記レチクルを常時二酸化
    珪素の過飽和状態に保たれた水溶液中に浸漬することに
    よって、前記第2のレジストで覆われていない部分に選
    択的に第2の二酸化珪素膜を形成する工程と、前記第2
    のレジストを除去する工程とを含むことを特徴とする三
    相型位相シフトレチクルの製造方法。
  4. 【請求項4】 第1および第2の二酸化珪素膜の膜厚が
    露光波長×23/(72×(二酸化珪素膜の屈折率−
    1))以上、露光波長×25/(72×(二酸化珪素膜
    の屈折率−1))以下である請求項1記載の三相型位相
    シフトレチクルの製造方法。
  5. 【請求項5】 第2および第3の二酸化珪素膜の膜厚が
    露光波長×23/(72×(二酸化珪素膜の屈折率−
    1))以上、露光波長×25/(72×(二酸化珪素膜
    の屈折率−1))以下である請求項2記載の三相型位相
    シフトレチクルの製造方法。
  6. 【請求項6】 第1の二酸化珪素膜の膜厚が露光波長×
    23/(72×(二酸化珪素膜の屈折率−1))以上、
    露光波長×25/(72×(二酸化珪素膜の屈折率−
    1))以下であり、第2の二酸化珪素膜の膜厚が露光波
    長×47/(72×(二酸化珪素膜の屈折率−1))以
    上、露光波長×49/(72×(二酸化珪素膜の屈折率
    −1))以下である請求項3記載の三相型位相シフトレ
    チクルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0684879A (ja) * 1992-04-08 1994-03-25 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 位相シフト・マスク材料および位相シフト・マスク

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0684879A (ja) * 1992-04-08 1994-03-25 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 位相シフト・マスク材料および位相シフト・マスク

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