JPH05240283A - 車両のパワーユニット支持構造 - Google Patents

車両のパワーユニット支持構造

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Publication number
JPH05240283A
JPH05240283A JP7547592A JP7547592A JPH05240283A JP H05240283 A JPH05240283 A JP H05240283A JP 7547592 A JP7547592 A JP 7547592A JP 7547592 A JP7547592 A JP 7547592A JP H05240283 A JPH05240283 A JP H05240283A
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JP
Japan
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power unit
vehicle body
bracket
collision
support structure
Prior art date
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Application number
JP7547592A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Ide
芳和 井出
Kenichi Oishi
憲一 大石
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パワーユニットの質量を有効活用して衝突時
に乗員に作用する衝撃を緩和し得る車両のパワーユニッ
ト支持構造を提供する。 【構成】 パワーユニットを車体に対して弾性支持する
4つのパワーユニットマウント装置(エンジンマウント
装置)のうちの第3エンジンマウント装置13は、前後
1対の縦壁部182・183を有する車体側ブラケット
181と、縦壁部183の後側下部に設けられた補強部
材191と、前後の縦壁部182・183間に車体前後
方向に向けて枢支された軸部材192及び内筒193
と、内筒193に外嵌装着されたマウントラバー194
と、マウントラバー94に外嵌装着されユニット側ブラ
ケットを介してパワーユニットに固定された外筒197
とを備え、補強部材191でもって縦壁部183の後方
への変形を規制することで、衝突時に車体に対してパワ
ーユニットが前方へ変位しやすく且つ後方へ変位しにく
くしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のパワーユニット
マウント構造に関し、特に車両の衝突時に乗員に作用す
る衝撃を緩和するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のパワーユニットは車体にエンジ
ンマウントを介して弾性的に支持されており、自動車が
前方の障害物に衝突する場合、衝突発生からの時間経過
と車室に作用する減速度の関係が、図36に示すような
特性になることは公知である。尚、特性線の時間積分合
計値は、衝突速度に相当し、衝突エネルギーに相関する
ものである。即ち、衝突前期の前半期には、図37、図
38に示すようにエンジンマウントのバネ系を介して車
体とパワーユニットとは独立に挙動して減速されるため
車体の減速度が比較的高くなるが、衝突前期の後半期に
エンジンマウントのバネ系が延び切った状態になると、
図39に示すように車体とパワーユニットとが一体的に
減速されるため車体の減速度が低下する。衝突後期に
は、パワーユニットが障害物により前方移動停止し、図
40、図41に示すように車体前部の崩壊が進行して抵
抗が増加するため、車体の減速度が急増してピークに達
する。
【0003】車室内の乗員は、シートベルトやエアバッ
クで車体にある程度拘束されるものの車体と一体の関係
ではないため、乗員は車体に対して相対的に前方へ変位
し、車体の減速度が略ピークの時に車体に対する乗員の
相対速度が最大となって、頭部や胸部に損傷を受けるこ
とになる。従来より、衝突時の乗員の受ける衝撃を緩和
するために、車体前部のフロントフレーム等の崩壊パタ
ーンやバネ定数を改善するとか、車室を形成する車体フ
レームを強化するとか等種々の対策が講じられつつあ
る。従来、車体前部の崩壊パターンを設定する上で、所
定の大きさの剛体としてのパワーユニットを加味するこ
とは行われているが、パワーユニットの質量を加味して
衝突時の衝撃を改善する技術は全く提案されていない。
【0004】一方、パワーユニットを車体に支持するエ
ンジンマウントとしては、従来では一般にラバーマウン
トが適用されていたが、近年では液封のラバーマウント
が広く実用化され、最近では、実開昭63−15204
2号公報に記載のように、電気的な制御により減衰力を
可変に制御可能なアクティブエンジンマウントも種々提
案され実用化されている。実開昭63−180712号
公報には、内筒と、外筒と、両筒間に装着されたマウン
トラバーと、外筒を車体に連結する下部ブラケットと、
内筒に挿通させた軸部材をパワーユニットに連結するエ
ンジン側ブラケットとを備え、エンジン側ブラケットの
軸部材を枢支する枢支穴を斜めの長穴に形成して、組付
け誤差を吸収するように構成したエンジンマウント装置
が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動車において
は、一般に、図36に示すように、衝突前期の後半期に
おいて車体の減速度が低下するため、それだけ衝突後期
における減速度のピーク値が高くなり、車体に対する乗
員の相対速度が大きくなって、車体やシートベルトなど
から乗員に作用する衝撃が大きくなること、シートベル
トやエアバッグで乗員を拘束するタイミングが遅れるた
めシートベルトやエアバッグの有効性が低下すること、
など問題がある。本発明の目的は、パワーユニットの質
量を有効活用して衝突時に乗員に作用する衝撃を緩和し
得る車両のパワーユニット支持構造を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の車両のパワー
ユニット支持構造は、パワーユニットを支持するエンジ
ンマウントを、車体に固定するマウントブラケットを設
けたパワーユニット支持構造において、前記マウントブ
ラケットに、衝突時に車体に対してパワーユニットが前
方へ変位しやすく且つ後方へ変位しにくくする変位変化
手段を設けたものである。請求項2の車両のパワーユニ
ット支持構造は、請求項1の構造において、前記マウン
トブラケットが立て向きに配設される片持ち型のエンジ
ンマウントを支持するマウントブラケットであるもので
ある。請求項3の車両のパワーユニット支持構造は、請
求項1の構造において、前記マウントブラケットが、内
筒と外筒と両筒間のマウントラバーとを有する円筒型の
エンジンマウントを支持するマウントブラケットである
ものである。
【0007】請求項4の車両のパワーユニット支持構造
は、請求項1の構造において、前記マウントブラケット
は、前後に対向状の前側ブラケット部と後側ブラケット
部とを備え、変位変化手段は、前側ブラケット部の前後
方向剛性よりも後側ブラケット部の前後方向剛性を高く
設定した構成からなるものである。請求項5の車両のパ
ワーユニット支持構造は、請求項2の構造において、前
記変位変化手段は、前記マウントブラケットの後方への
変位を阻止する係止機構を含むものである。請求項6の
車両のパワーユニット支持構造は、請求項2の構造にお
いて、前記円筒型のエンジンマウントの軸心が前後方向
向きに設定されているものである。請求項7の車両のパ
ワーユニット支持構造は、請求項2の構成において、前
記円筒型のエンジンマウントの軸心が車幅方向向きに設
定されているものである。
【0008】請求項8の車両のパワーユニット支持構造
は、請求項6の構造において、前記マウントブラケット
は、前後に対向状の前側ブラケット部と後側ブラケット
部とを備え、変位変化手段は、前側ブラケット部の前後
方向剛性よりも後側ブラケット部の前後方向剛性を高め
た構成からなるものである。請求項9の車両のパワーユ
ニット支持構造は、請求項6の構造において、前記変位
変化手段は、マウントブラケットが車体に対して後方移
動しないように係止する係止機構を含むものである。請
求項10の車両のパワーユニット支持構造は、請求項6
の構造において、前記マウントブラケットを車体に取付
ける取付け部に、前後方向に細長のボルト穴を備えたも
のである。
【0009】請求項11の車両のパワーユニット支持構
造は、請求項7の構造において、前記マウントブラケッ
トは、前後に対向状の前側ブラケット部と後側ブラケッ
ト部とを備え、変位変化手段は、前側ブラケット部の前
後方向剛性よりも後側ブラケット部の前後方向剛性を高
めた構成からなるものである。請求項12の車両のパワ
ーユニット支持構造は、請求項7の構造において、前記
変位変化手段は、マウントブラケットが車体に対して後
方移動しないように係止する係止機構を含むものであ
る。請求項13の車両のパワーユニット支持構造は、請
求項7の構造において、前記マウントブラケットを車体
に取付ける取付け部に、前後方向に細長のボルト穴を備
えたものである。
【0010】
【作用】請求項1においては、エンジンマウントを車体
に固定するマウントブラケットに、衝突時に車体に対し
てパワーユニットが前方へ変位しやすく且つ後方へ変位
しにくくする変位変化手段を設けたので、車両の衝突時
の衝突前期において車体とパワーユニットとが独立に挙
動しやすくなるため車体の減速度が大きくなり、その結
果衝突後期における車体の減速度が低下し且つ減速度の
ピーク発生の時期が早められる。それ故、乗員は早期の
段階からシートベルトやエアバッグを介して車体に拘束
され、また乗員が車体に2次衝突する時の乗員と車体と
の相対速度が低下して乗員に作用する衝撃が緩和され、
衝突時の安全性が著しく向上する。
【0011】請求項4においては、前記マウントブラケ
ットは、前後に対向状の前側ブラケット部と後側ブラケ
ット部とを備え、前側ブラケット部の前後方向剛性より
も後側ブラケット部の前後方向剛性を高く設定した構成
したので、衝突時にパワーユニットは車体に対して前方
へ変位しやすく且つ後方へ変位しにくくなる。請求項5
においては、前記マウントブラケットの後方への変位を
阻止する係止機構により、衝突時に車体に対するパワー
ユニットの後方移動を規制できる。請求項8において
は、前記マウントブラケットは、前後に対向状の前側ブ
ラケット部と後側ブラケット部とを備え、前側ブラケッ
ト部の前後方向剛性よりも後側ブラケット部の前後方向
剛性を高めたので、所期の作用が得られる。請求項9に
おいては、マウントブラケットが車体に対して後方移動
しないように係止する係止機構により、衝突時に車体に
対するパワーユニットの後方移動を規制できる。
【0012】請求項10においては、前記マウントブラ
ケットを車体に取付ける取付け部に、前後方向に細長の
ボルト穴を設けたので、ボルトをボルト穴の前端部に位
置させておけば、所期の作用が得られる。請求項11に
おいては、前記マウントブラケットは、前後に対向状の
前側ブラケット部と後側ブラケット部とを備え、前側ブ
ラケット部の前後方向剛性よりも後側ブラケット部の前
後方向剛性を高めたので、所期の作用が得られる。請求
項12においては、マウントブラケットが車体に対して
後方移動しないように係止する係止機構により、衝突時
に車体に対するパワーユニットの後方移動を規制でき
る。請求項13においては、前記マウントブラケットを
車体に取付ける取付け部に、前後方向に細長のボルト穴
を設けたので、ボルトをボルト穴の前端部に位置させて
おけば、所期の作用が得られる。
【0013】
【発明の効果】前記作用の欄で説明したように、次の効
果が得られる。請求項1によれば、衝突時に車体に対し
てパワーユニットが前方へ変位しやすく且つ後方へ変位
しにくくする変位変化手段を設けたことにより、車両の
衝突時の衝突前期において車体とパワーユニットとが独
立に挙動しやすくなるため車体の減速度が大きくなり、
その結果衝突後期における車体の減速度が低下し且つ減
速度のピーク発生の時期が早められる。それ故、乗員は
早期の段階からシートベルトやエアバッグを介して車体
に拘束され、また乗員が車体に2次衝突するときの乗員
と車体との相対速度が低下して乗員に作用する衝撃が緩
和され、衝突時の安全性が著しく向上する。
【0014】請求項4によれば、前記マウントブラケッ
トは、前後に対向状の前側ブラケット部と後側ブラケッ
ト部とを備え、前側ブラケット部の前後方向剛性よりも
後側ブラケット部の前後方向剛性を高く設定した構成し
たので、衝突時にパワーユニットは車体に対して前方へ
変位しやすく且つ後方へ変位しにくくなる。請求項5に
よれば、前記マウントブラケットの後方への変位を阻止
する係止機構により、衝突時に車体に対するパワーユニ
ットの後方移動を規制できる。請求項8によれば、前記
マウントブラケットは、前後に対向状の前側ブラケット
部と後側ブラケット部とを備え、前側ブラケット部の前
後方向剛性よりも後側ブラケット部の前後方向剛性を高
めたので、所期の効果が得られる。請求項9によれば、
マウントブラケットが車体に対して後方移動しないよう
に係止する係止機構により、衝突時に車体に対するパワ
ーユニットの後方移動を規制できる。
【0015】請求項10によれば、前記マウントブラケ
ットを車体に取付ける取付け部に、前後方向に細長のボ
ルト穴を設けたので、ボルトをボルト穴の前端部に位置
させておけば、所期の効果が得られる。請求項11によ
れば、前記マウントブラケットは、前後に対向状の前側
ブラケット部と後側ブラケット部とを備え、前側ブラケ
ット部の前後方向剛性よりも後側ブラケット部の前後方
向剛性を高めたので、所期の効果が得られる。請求項1
2によれば、マウントブラケットが車体に対して後方移
動しないように係止する係止機構により、衝突時に車体
に対するパワーユニットの後方移動を規制できる。請求
項13によれば、前記マウントブラケットを車体に取付
ける取付け部に、前後方向に細長のボルト穴を設けたの
で、ボルトをボルト穴の前端部に位置させておけば、所
期の効果が得られる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。本実施例は、FFタイプの自動車のパ
ワーユニットマウント装置に本発明を適用した場合のも
のであり、以下パワーユニットマウント装置をエンジン
マウント装置と略称し、また自動車の前後左右を基準に
前後左右を定義して説明する。図1・図2に示すよう
に、自動車1の前部の車体構造に関して、エンジンルー
ム2の左右両側にはホイールエプロン3が設けられ、左
右のホイールエプロント3の下端には左右1対のフロン
トフレーム4が前後方向向きに夫々設けられ、左右のフ
ロントフレーム4の前端部は第1クロスメンバ5により
連結され、フロントフレーム4の後端部はダッシュロア
パネル6の下端部の閉断面状のクロスメンバ7に夫々連
結され、左右のフロントフレーム4の後部間にはサスペ
ンションクロスメンバ8が設けられ、サスペンションク
ロスメンバ8と第1クロスメンバ5間には前後方向向き
のセンタメンバ9が車幅方向の略中央部よりもやや左側
位置に設けられている。
【0017】前記エンジンルーム2内にはパワーユニッ
ト10が配置され、パワーユニット10は、サスペンシ
ョンクロスメンバ8の左右方向の略中央部に設けられた
第1エンジンマウント装置11と、センタメンバ9の前
端近傍部に設けられた第2エンジンマウント装置12
と、右側のフロントフレーム4の前後方向の略中央部に
設けられた第3エンジンマウント装置13と、左側のフ
ロントフレーム4の前後方向の略中央部に設けられた第
4エンジンマウント装置14の4つのエンジンマウント
装置を介して車体に弾性支持されている。前記第1・第
2エンジンマウント装置11・12は、図1・図2に示
すように一般的な構成の液体封入タイプのエンジンマウ
ト装置であり、第4エンジンマウント装置14は、左右
方向向きの内筒と外筒とこれら間に装着されたマウント
ラバーを介してパワーユニット10の振動を減衰させる
一般的な構成の円筒タイプのエンジンマウント装置であ
る。
【0018】前記第3エンジンマウント装置13は、正
面衝突時において車体に対してパワーユニット10が前
方へ極力変位し易くし且つ後方へ極力変位しにくくする
為、次のように構成されている。図1〜図5に示すよう
に、右側のフロントフレーム4の前後方向の略中央部に
は車体側ブラケット181が設けられ、車体側ブラケッ
ト181は、前後に所定間隔あてけ設けられた1対の縦
壁部182・183と、縦壁部182・183の下端部
を連結する連結部184と、縦壁部182・183の外
縁部から前方及び後方へ夫々突出状に延びる補強フラン
ジ部185・186と、連結部184及び補強フランジ
部185・186の右端部から右方へ延びてフロントフ
レーム4の上壁部に1本のボルト187で固定される右
部固定部188と、連結部184及び補強フランジ部1
85・186の左端部から下方へ延びてフロントフレー
ム4の左壁部に2本のボルト189で固定される左部固
定部190とから一体的に形成され、後側の縦壁部18
3の下半部の後側には断面略L字状の補強部材191が
縦壁部183とフロントフレーム4の上壁部とに亙って
設けられ、この補強部材191により縦壁部183の後
方への変形が規制される。
【0019】前後の縦壁部182・183には車体前後
方向に向けて軸部材192が枢支され、前後の縦壁部1
82・183間において軸部材192には内筒193が
回転自在に枢支され、内筒193の中央部にはゴム製の
マウントラバー194が圧入にて前後方向に相対移動不
能に外嵌装着されている。前記パワーユニット10の右
部後端には右方へ延びる支持部46が設けられ、支持部
46の右部上面にはユニット側支持ブラケット195が
3本のボルト196を介して固定され、ユニット側支持
ブラケット195の右端部にはマウントラバー194に
前後方向に相対移動不能に圧入にて外嵌装着された金属
製の外筒197が一体的に固定され、パワーユニット1
0は内筒193と外筒197間のマウントラバー194
を介して車体に弾性支持される。
【0020】次に、前記第3エンジンマウント装置13
の作用について説明する。前記第3エンジンマウント装
置13では、補強部材191を介して後側の縦壁部18
3の後方への変形が効果的に防止され、縦壁部183で
もってフロントフレーム4に対して相対的に後方へ移動
する外筒197を受け止めることが出来るので、正面衝
突時などにおける車体に対するパワーユニット10の相
対的な後方への移動が規制され、また前側の縦壁部18
2の前方への変形を防止するための補強部材を設けてい
ないので、正面衝突時などにおける車体に対するパワー
ユニット10の相対的な前方への移動が、前側の縦壁部
182の前方への変形により十分に許容されることにな
る。
【0021】自動車が前方の障害物と衝突する場合の車
体の減速度の特性は、図36に示す通りであり、エンジ
ンマウント装置によりパワーユニット10と車体(車室
を含む車体の大部分)との連結が強固であると、衝突前
期において車体とパワーユニット10とが一体的に挙動
するが、衝突時に車体前部のフロントフレーム4の耐力
で車体が減速されることから、従来装置のように車体と
パワーユニット10とが一体的に挙動する場合には、質
量が大きくなって、衝突前期における車体の減速度は図
36に仮想線で示すように低い値になる。しかし、この
第3エンジンマウント装置13では、車体に対してパワ
ーユニット10が前方へ変位しやすく構成してあるた
め、衝突前期において車体とパワーユニット10とは独
立に挙動するから、図36に実線で示すように、質量が
小さくなって車体の減速度が大きくなり、その結果、衝
突後期における車体の減速度が低下し且つ減速度のピー
ク発生の時期が早められることになる。
【0022】それ故、衝突後期の減速度のピーク発生の
頃に自動車の乗員が、車体に2次衝突するときの減速度
が低くなり、乗員の受ける衝撃が著しく緩和され、乗員
に対する安全性が向上する。つまり、車体とその中の乗
員は、衝突開始後早期の段階からシートベルトやエアバ
ッグで車体に拘束され始め、時間をかけて減速されるこ
とになるから、衝撃が大幅に緩和されることになる。以
上のように、簡単な構成の第3エンジンマウント装置1
3でもって、車体側に別途衝撃吸収部材などを設けるこ
となく、また、車体重量を増大させることなく衝突時の
安全性をより一層向上することが出来る。
【0023】〔変形例〕 ・・・図6〜図23 次に、前記第3エンジンマウント装置13の構成を部分
的に変更した変形例について説明する。尚、前記実施例
と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略
する。 〔1〕 図6に示すように、この第3エンジンマウント
装置200では、軸部材192の軸心が前記の装置と同
様に車体前後方向に向けて配設されるとともに、補強部
材191が省略され、前記車体側ブラケット181とし
ての車体側ブラケット201は、前記実施例と同様の構
成の縦壁部182・183と連結部184と補強フラン
ジ部185と、前記補強フランジ部186と右部固定部
188と左部固定部190を夫々後方へ延長した補強フ
ランジ部202と右部固定部203と左部固定部204
とから一体的に形成され、補強フランジ部202と右部
固定部203と左部固定部204とでもって後側の縦壁
部201が補強され、縦壁部201の後方への変形が効
果的に規制されるので、前記と同様の作用を奏すること
になる。
【0024】〔2〕 図7に示すように、この第3エン
ジンマウント装置205では、軸部材192の軸心が前
記の装置と同様に車体前後方向に向けて配設されるとと
もに、補強部材191が省略され、前記車体側ブラケッ
ト181としての車体側ブラケット206は、前記実施
例のものよりも全体的に多少厚肉に構成され、前記実施
例と同様の構成の縦壁部182・183と連結部184
と補強フランジ部186と右部固定部188と左部固定
部190と、前記補強フランジ部185と略同じ構成の
補強フランジ部であって前端部の下段部に切欠き部20
7が形成された補強フランジ部208とから一体的に形
成され、切欠き部207でもって補強フランジ部208
及び縦壁部182の前方への変形が促進されることで、
前記と同様の作用を奏することになる。尚、図8に図示
の第3エンジンマウント装置210の車体側ブラケット
211のように、前記切欠き207に代えて、補強フラ
ンジ部212の下段部に上下方向に細長い貫通孔213
やビードを形成し、補強フランジ部212及び縦壁部1
82の前方への変形を促進するようにしてもよい。尚、
前記貫通孔213やビードは、補強フランジ部212の
下段部や中段部に複数設けてもよい。
【0025】〔3〕 図9・図10に示すように、この
第3エンジンマウント装置220では、軸部材192の
軸心が前記の装置と同様に車体前後方向に向けて配設さ
れるとともに、補強部材191が省略され、前記車体側
ブラケット181としての車体側ブラケット221に
は、連結部184及び補強フランジ部185・186の
右端部から右方へ延びる右部固定部222が設けられ、
連結部184及び補強フランジ部185・186の左端
部から下方へ延びる左部固定部223が設けられ、右部
固定部222の略中央部には前後方向に細長いボルト孔
224が形成されボルト孔224の前部にはボルト18
7が装着され、左部固定部223の中段部には前後方向
に細長い1対のボルト孔225が前後に所定間隔あてけ
設けられ、ボルト孔225の前部にはボルト189が夫
々装着され、車体側ブラケット221はボルト187・
189を介してフロントフレーム4に固定されている。
この場合、車体側ブラケット221のフロントフレーム
4に対する相対的な前方移動はある程度許容されるが、
後方への相対移動はボルト187・189がボルト孔2
24・225の後端部に係合することで規制され、パワ
ーユニット10の車体に対する前方への相対移動は許容
されるが、後方への相対移動は規制される。
【0026】尚、前記ボルト孔224・225に代え
て、図11に示すように、後端近傍部に内方側へ突出す
る左右1対の係止部82aを有するボルト孔226であ
って、係止部226aを介してボルト187・189を
ボルト孔226の後端部に保持可能なボルト孔226で
もよい。また、図12に示すように、途中部に後方へ向
けて相互に接近するテーパ状の左右1対の規制部227
aが形成されたボルト孔227であって、両規制部22
7aの前端部にボルト孔227の前端部に移動したボル
ト187・189の後方への移動を係止する係止部22
7bが形成されたボルト孔227でもよい。また、図1
3に示すように、途中部に鋸歯状の複数の規制部228
aが左右1組形成されたボルト孔228であって、各規
制部228aでボルト187・189の後方への移動を
規制可能なボルト孔228でもよい。尚、前記ボルト孔
224・225・226・227・228をフロントフ
レーム4側に形成し、このフロントフレーム4側のボル
ト孔の前端部にボルト187・189を装着して、車体
側ブラケット221をフロントフレーム4に締結しても
よい。但し、この場合、ボルト孔226・227・22
8は、車体側ブラケット221に形成した場合とは前後
対称に形成するものとする。
【0027】また、図14に示すように、前記車体側ブ
ラケット221のボルト孔400の付近に、3本の軸部
材401、402、403とボルト孔400を横断する
係止部404aを有するバネ部材404とからなる機構
を設けてもよい。この場合、ボルト187・189は前
記と同様にボルト孔400の前端部に締結されるが、正
面衝突前期には、ボルト187・189がバネ部材40
4のバネ力に抗して係止部404aを後方へ回動させ
て、ボルト孔400の後端部に相対移動することで、フ
ロントフレーム4に対する車体側ブラケット221の前
方への相対移動は許容されるが、正面衝突後期には、ボ
ルト孔400の後端部に移動したボルト187・189
の前方への移動が、軸部材402・403及び係止部4
04aで規制され、フロントフレーム4に対する車体側
ブラケット221の後方への相対移動は規制される。
【0028】〔4〕 図15、図16に示すように、こ
の第3エンジンマウント装置231では、車体側ブラケ
ット231の左固定部232に、フック状のボルト孔2
33が形成され、フック状のボルト孔232は、前後方
向に延びる直孔部233aと直孔部233aの後端から
下方へ斜めに延びる傾斜孔233bとからなり、ボルト
孔233の前端部にボルト234を位置させた状態に組
立てておくものとする。自動車の衝突時の衝突前期に、
直孔部233aを介して車体に対する車体側ブラケット
231の前方への移動が許容され、また衝突後期にはボ
ルト234が傾斜孔233bの下端の位置(ボルト23
4aの位置)に移動して車体に対する車体側ブラケット
231の後方への移動が規制される。
【0029】〔5〕 図17、図18に示すように、こ
の第3エンジンマウント装置235では、図9のものと
略同様の車体側ブラケット236の連結部237の中央
部に1対の係合部238が下方への切り起こしにより形
成され、フロントフレーム4には係合部238に対応す
る1対の切り起こし239が形成され、1対の切り起こ
し239の後端側には係合部238を受け止める係止部
240が形成されている。従って、自動車の衝突時の前
期において、車体に対する車体側ブラケット236の前
方への移動が許容され、また衝突後期には係止部238
が対応する係止部240の下側へ侵入して係止部240
で係止されるため、車体に対する車体側ブラケット23
6の後方への移動が規制される。
【0030】〔6〕 図19に示すように、図9のもの
と略同様の車体側ブラケット241の右部固定部242
の右端部と左部固定部243の下端部には、自動車の衝
突時の衝突前期に車体に対する車体側ブラケット241
の前方への変位を許容し且つ衝突後期において車体に対
する車体側ブラケット241の後方への変位を規制する
機構が夫々設けられている。即ち、右部固定部242の
右端部と左部固定部243の下端部には、複数の鋸歯状
の係止歯244が形成され、また右部固定部242の右
端部の係止歯244に係合した複数の複数の鋸歯状の係
止歯245を有する係止部材246が設けられ、また左
部固定部243の下端部係止歯244に係合した複数の
複数の鋸歯状の係止歯245を有する係止部材247が
設けられている。自動車の衝突時の衝突前期において、
前記係止歯254に対する係止歯244の前方移動を介
して車体側ブラケット241は車体に対して前方移動を
許容され、また前記係止歯254により係止歯244を
係止することで、衝突後期における車体側ブラケット2
41は車体に対して後方移動を規制される。
【0031】〔7〕 図20に示すように、この第3エ
ンジンマウント装置250では、図9のものと略同様の
車体側ブラケット251の左部固定部252は、その1
対のボルト孔253、254に挿通させたボルトを介し
てフロントフレーム4に固定されるが、後側のボルト孔
254の下側に切欠き255が形成され、ボルト孔25
4と切欠き255とは狭隘部を介して連続しており、自
動車の衝突時の衝突前期において車体に対してパワーユ
ニットと車体側ブラケット251が前方へ移動するとき
にボルト孔255を挿通したボルトが切欠き255へ移
動するため、ボルト孔253に挿通したボルトを中心と
する車体側ブラケット251の矢印256方向への回動
を介して、車体に対するパワーユニットの前方への移動
が許容されるが、ボルト孔253に挿通したボルトによ
る拘束力により車体に対するパワーユニットの後方への
移動が規制される。
【0032】〔8〕 図21に示すように、この第3エ
ンジンマウント装置80では、ユニット側支持ブラケッ
ト47に前後方向に細長い3つのボルト孔81が形成さ
れ、ユニット側支持ブラケット47はこれら3つのボル
ト孔81の後端部にボルト48を夫々装着してパワーユ
ニット10の支持部46の右部上面に固定されている。
この場合、衝突時に、ボルト48がボルト孔81の後端
部に係合することで、パワーユニット10の車体に対す
る後方への相対移動は規制されるが、ボルト48がユニ
ット側支持ブラケット47に対してボルト孔81に沿っ
て前方へ相対移動することで、パワーユニット10の車
体に対する前方への相対移動がある程度許容される。
【0033】尚、前記ボルト孔81として、前記ボルト
孔226・227・228とは前後対称な構成のボルト
孔をユニット側支持ブラケット47に形成し、これらボ
ルト孔の後端部にボルト48を位置させてもよい。尚、
前記ボルト孔81を支持部46側に形成し、この支持部
46側のボルト孔の前端部にボルト48を装着して、ユ
ニット側支持ブラケット47と支持部46とを締結して
もよい。また、支持部46側のボルト孔として、ボルト
孔226・227・228と同様の構成のボルト孔をユ
ニット側支持ブラケット47に形成し、これらボルト孔
の前端部にボルト48を位置させてもよい。
【0034】
〔9〕 図22・図23に示すように、こ
の第3エンジンマウント装置85では、ユニット側支持
ブラケット47に形成された3つのボルト孔86・87
・88のうちの右側2つのボルト孔86・87が左側1
つのボルト孔88を中心とした円周上に沿って部分円弧
状に形成され、ボルト孔86・87は略前後方向向きの
長孔状に形成され、ボルト48はボルト孔88に装着さ
れるとともにボルト孔86・87の後端部に夫々装着さ
れ、ユニット側支持ブラケット47は3本のボルト48
を介してパワーユニット10の支持部46の右部上面に
固定されている。この場合、衝突時に、パワーユニット
10の前方への相対移動により、ユニット側支持ブラケ
ット47は、図23に示すように、軸部材43の中央部
を中心に回動するので、外筒49と縦壁部41a・41
bとの干渉を極力防止してパワーユニット10の前方へ
の移動抵抗を低減出来る。尚、前記ボルト孔86〜87
においても前記ボルト孔81と同様にして、前記ボルト
孔226・227・228を適用出来る。
【0035】〔第2実施例〕 ・・・図24〜図26・
・・ 次に、前記第1・第2エンジンマウント装置11・12
に本発明を適用した場合の実施例について説明する。
尚、前記実施例と同一部材には同一符号を付してその詳
細な説明を省略する。この第1・第2エンジンマウント
装置100・101は、図24に示すように、前記実施
例と同様にサスペンションクロスメンバ8の左右方向の
略中央部と、センタメンバ9の前端近傍部に夫々設けら
れ、パワーユニット10の前部に設けられたユニット側
ブラケット102と、パワーユニット10の後部に設け
られたユニット側ブラッケト103とを夫々介してパワ
ーユニット10を弾性支持している。
【0036】次に、第1・第2エンジンマウント装置1
00・101に関して両者は略前後対称の構成なので前
側の第2エンジンマウント装置101について説明す
る。図25・図26に示すように、ユニット側ブラケッ
ト103が、左右1対のアーム部104と、アーム部1
04の上端部を連結する補強部105と、アーム部10
4の後端部に夫々設けられた1対の取付部106とから
一体的に形成され、ユニット側ブラケット103はその
取付部106においてパワーユニット10に固定され、
左右のアーム部104の前端近傍部間には左右方向向き
の軸部材107が回転自在に枢支されている。前記左右
のアーム部104間において軸部材107にはゴム製の
略円柱状のマウントラバー108が外嵌装着され、マウ
ントラバー108には金属製の外筒109が外嵌装着さ
れ、外筒109は左右1対の脚部111と左右の脚部1
11の下端部を連結する連結部112とを有する正面視
略U字状の支持部材113を介してセンタメンバ9に固
定され、左右の脚部111の前部には上下1対の長孔1
46が形成されている。
【0037】前記第2エンジンマウント装置101で
は、長孔146により支持部材113の前部の強度・剛
性が低くなっていることから、正面衝突時における支持
部材113の前方への変形が促進され、センタメンバ9
に対するパワーユニット10の前方への相対移動は比較
的容易であるが、後方への相対移動は大幅に規制され
る。これにより、前記実施例と同様に、車体側に別途衝
撃吸収部材などを設けることなく、衝突時の衝突前期に
おける車体の減速度を高めて衝突後期における車体の減
速度を低下させ且つ減速度のピーク発生の時期を早め、
シートベルト装置やエアバック装置による乗員の拘束開
始時期を早め、乗員が車体に2次衝突するときの衝撃を
緩和して、乗員の安全性をより一層向上出来る。尚、前
記長孔146に代えて、ビードや切欠きを形成してもよ
い。また、前記第1・第2エンジンマウント装置100
・101は、第3・第4エンジンマウント装置13・1
4に対しても同様に適用することが出来る。
【0038】〔変形例〕 ・・・図27〜図32 次に、前記第2エンジンマウント装置101の構成を部
分的に変更した変形例について説明する。尚、前記第2
実施例と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明
を省略する。 〔1〕 図27に示すように、この第2エンジンマウン
ト装置150では、外筒151が支持部材152を介し
てセンタメンバ9の上面に接近した位置に支持され、外
筒151の後部にはセンタメンバ9の上面付近まで後方
下がりの傾斜状に延びる係合部153が突出状に形成さ
れ、係合部153の後方においてセンタメンバ9の上壁
部には係止部154が突出状に形成され、衝突時に係合
部153が係止部154に係合することで、センタメン
バ9に対するパワーユニット10の後方への相対移動が
規制される。
【0039】〔2〕 図28に示すように、第2エンジ
ンマウント装置155では、連結部112に前後方向に
細長い前後1対の長孔状のボルト孔156が形成され、
支持部材113及び外筒109はボルト孔156の前部
に装着されたボルト157を介してセンタメンバ9に締
結されている。この場合、衝突時にボルト157がボル
ト孔156に沿って前方へ移動することで、センタメン
バ9に対するパワーユニット10の前方への相対移動が
ある程度許容され、ボルト157がボルト孔156の後
端部に係合することで、パワーユニット10のセンタメ
ンバ9に対する後方への相対移動は規制される。
【0040】尚、前記ボルト孔156として、前記第1
実施例のボルト孔226・227・228と同様の構成
のものを適用出来る。また、センタメンバ9の上壁部の
ボルト孔158を前後方向に細長い長孔状に形成し、こ
の長孔の後部にボルト157を装着してもよい。また、
前記構成に加えて、図29に図示の第2エンジンマウン
ト装置160のように、連結部112の略中央部及びそ
れに対応するセンタメンバ9の上壁部に前方下がりの傾
斜状の係止部161・162を夫々形成し、衝突時に両
係止161・162の係合によりパワーユニット10の
センタメンバ9に対する後方への相対移動をより効果的
に規制してもよい。
【0041】〔3〕 図30に示すように、第2エンジ
ンマウント装置165では、左右のアーム部104の前
端部に前後方向に細長い長孔状の枢支孔166が形成さ
れ、軸部材107は枢支孔166の前端部に装着されて
いる。この場合、衝突時に軸部材107が枢支孔166
に沿って後方へ移動することで、センタメンバ9に対す
るパワーユニット10の前方への相対移動がある程度許
容され、軸部材107が枢支孔166の後端部に係合す
ることで、パワーユニット10のセンタメンバ9に対す
る後方への相対移動が規制される。尚、前記枢支孔16
6として前記第1実施例のボルト孔226・227・2
28と同様の構成のものを適用出来る。
【0042】〔4〕 前記第2エンジンマウント装置1
65の構成に加えて、図31・図32に図示の第2エン
ジンマウント装置170のように、左右のアーム部10
4の前端近傍部に内方側へ向けて屈曲されたフック部1
71を形成し、外筒109の左右両端部の前端近傍部に
前方へ向けて延びる係止部172を形成し、衝突前期に
おいて、パワーユニット10がセンタメンバ9に対して
相対的に前方へ移動してフック部171が係止部172
に係合することで、衝突後期におけるパワーユニット1
0のセンタメンバ9に対する相対的な後方移動を規制す
る。
【0043】〔5〕 前記前記第2エンジンマウント装
置165の構成に加えて、図33・図34に図示の第2
エンジンマウント装置175のように、左右のアーム1
04の下端部に下方へ延びる延長部176を形成し、延
長部の前端部に内方側へ向けて屈曲されたフック部17
7を形成し、左右の脚部111の後端部にフック部17
7と係合可能なフック部178を外方側へ向けて形成
し、パワーユニット10がセンタメンバ9に対して相対
的に前方へ移動してフック部177・178が係合する
ことで、正面衝突の後期におけるパワーユニット10の
センタメンバ9に対する相対的な後方移動を規制しても
よい。
【0044】〔第3実施例〕・・・図35参照 次に、片持ち型のエンジンマウント装置に関する実施例
について、図35に基いて説明する。このエンジンマウ
ント装置260は、パワーユニットの外周の3個所又は
4個所を弾性支持するのに適したもので、一般的な構成
の液封型のエンジンマウント装置であって、基本的に、
車体側の例えばフロントフレーム4に固定される車体側
ブラケット261と、その上端に固定されたホルダ部材
262と、マウントラバー263と、ロールストッパ2
64と、マウントラバー263の上端に固定された取付
金具265と、取付金具265に固定されたボルト部材
266と、ホルダ部材262内に形成され液体が充填さ
れた主室及び副室と、主室と副室とを連通するオリフィ
スとを備えている。
【0045】前記車体側ブラケット261は、前側ブラ
ケット部261aと、これに対向する後側ブラケット部
261bとを備え、前側ブラケット部261aの後側部
には1又は複数の係止ブラケット267が固着され、ま
た後側ブラケット部261bの後側部には1又は複数の
係止ブラケット268が固着されている。両係止ブラケ
ット267、268の下端は、フロントフレーム4の上
面に接近状に臨み、エンジンマウント装置260の前方
への傾動は許容されているが、両係止ブラケット26
7、268の下端とフロントフレーム4との当接によ
り、エンジンマウント装置260の後方への傾動は規制
されるように構成してある。従って、自動車の衝突時の
衝突前期において、車体に対してパワーユニットが前方
へ変位しやすいが、衝突後期において、車体に対してパ
ワーユニットが後方へ変位しにくくなっている。尚、本
実施例では、FFタイプの自動車に本発明を適用した
が、FRタイプの自動車に対しても同様に本発明を適用
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る車体前部の平面図である。
【図2】図1の車体前部の縦断面図である。
【図3】第3エンジンマウント装置の分解斜視図であ
る。
【図4】第3エンジンマウント装置付近の平面図であ
る。
【図5】第3エンジンマウント装置の断面図である。
【図6】変形例に係る第3エンジンマウント装置の側面
図である。
【図7】変形例に係る第3エンジンマウント装置の側面
図である。
【図8】変形例に係る第3エンジンマウント装置の側面
図である。
【図9】変形例に係る第3エンジンマウント装置の要部
斜視図である。
【図10】図9の第3エンジンマウント装置の側面図で
ある。
【図11】変形例に係るボルト孔を示す図である。
【図12】変形例に係るボルト孔を示す図である。
【図13】変形例に係るボルト孔を示す図である。
【図14】変形例に係るボルト孔付近の側面図である。
【図15】変形例に係る第3エンジンマウント装置の側
面図である。
【図16】図15のボルト孔の拡大図である。
【図17】変形例に係る第3エンジンマウント装置の要
部斜視図である。
【図18】図17の第3エンジンマウント装置の断面図
である。
【図19】変形例に係る第3エンジンマウント装置の要
部斜視図である。
【図20】変形例に係る第3エンジンマウント装置の側
面図である。
【図21】変形例に係る第3エンジンマウント装置の平
面図である。
【図22】変形例に係る第3エンジンマウント装置の平
面図である。
【図23】図22の装置の作動説明図である。
【図24】第2実施例に係る車体前部の図2相当図であ
る。
【図25】第2エンジンマウント装置の斜視図である。
【図26】変形例に係る第2エンジンマウント装置の側
面図である。
【図27】変形例に係る第2エンジンマウント装置の側
面図である。
【図28】変形例に係る第2エンジンマウント装置の断
面図である。
【図29】変形例に係る第2エンジンマウント装置の断
面図である。
【図30】変形例に係る第2エンジンマウント装置の側
面図である。
【図31】変形例に係る第2エンジンマウント装置の側
面図である。
【図32】図31の装置の断面図である。
【図33】変形例に係る第2エンジンマウント装置の側
面図である。
【図34】図31の要部断面図である。
【図35】第3実施例に係る第2エンジンマウント装置
の側面である。
【図36】自動車の衝突時の車体の減速度の特性図であ
る。
【図37】自動車の前部構造の衝突開始前の機構図であ
る。
【図38】自動車の前部構造の衝突前期における機構図
である。
【図39】自動車の前部構造の衝突後期の初期の機構図
である。
【図40】自動車の前部構造の衝突後期の機構図であ
る。
【図41】自動車の前部構造の衝突後の機構図である。
【符号の説明】
13、80、85、200、205、210 第3
エンジンマウント装置 220、230、235、250、260 第3
エンジンマウント装置 101、155、160、165 第2
エンジンマウント装置 41、103、181、201、206、211
車体側ブラケット 221、231、236、241、251、261
車体側ブラケット 193 内筒 108、194、263 マウントラバー 197 外筒

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パワーユニットを支持するエンジンマウ
    ントを、車体に固定するマウントブラケットを設けたパ
    ワーユニット支持構造において、 前記マウントブラケットに、衝突時に車体に対してパワ
    ーユニットが前方へ変位しやすく且つ後方へ変位しにく
    くする変位変化手段を設けたことを特徴とする車両のパ
    ワーユニット支持構造。
  2. 【請求項2】 前記マウントブラケットが立て向きに配
    設される片持ち型のエンジンマウントを支持するマウン
    トブラケットであることを特徴とする請求項1に記載の
    車両のパワーユニット支持構造。
  3. 【請求項3】 前記マウントブラケットが、内筒と外筒
    と両筒間のマウントラバーとを有する円筒型のエンジン
    マウントを支持するマウントブラケットであることを特
    徴とする請求項1に記載の車両のパワーユニット支持構
    造。
  4. 【請求項4】 前記マウントブラケットは、前後に対向
    状の前側ブラケット部と後側ブラケット部とを備え、変
    位変化手段は、前側ブラケット部の前後方向剛性よりも
    後側ブラケット部の前後方向剛性を高く設定した構成か
    らなることを特徴とする請求項2に記載の車両のパワー
    ユニット支持構造。
  5. 【請求項5】 前記変位変化手段は、前記マウントブラ
    ケットの後方への変位を阻止する係止機構を含むことを
    特徴とする請求項2に記載の車両のパワーユニット支持
    構造。
  6. 【請求項6】 前記円筒型のエンジンマウントの軸心が
    前後方向向きに設定されていることを特徴とする請求項
    3に記載の車両のパワーユニット支持構造。
  7. 【請求項7】 前記円筒型のエンジンマウントの軸心が
    車幅方向向きに設定されていることを特徴とする請求項
    3に記載の車両のパワーユニット支持構造。
  8. 【請求項8】 前記マウントブラケットは、前後に対向
    状の前側ブラケット部と後側ブラケット部とを備え、変
    位変化手段は、前側ブラケット部の前後方向剛性よりも
    後側ブラケット部の前後方向剛性を高めた構成からなる
    ことを特徴とする請求項6に記載の車両のパワーユニッ
    ト支持構造。
  9. 【請求項9】 前記変位変化手段は、マウントブラケッ
    トが車体に対して後方移動しないように係止する係止機
    構を含むことを特徴とする請求項6に記載の車両のパワ
    ーユニット支持構造。
  10. 【請求項10】 前記マウントブラケットを車体に取付
    ける取付け部に、前後方向に細長のボルト穴を備えたこ
    とを特徴とする請求項6に記載の車両のパワーユニット
    支持構造。
  11. 【請求項11】 前記マウントブラケットは、前後に対
    向状の前側ブラケット部と後側ブラケット部とを備え、
    変位変化手段は、前側ブラケット部の前後方向剛性より
    も後側ブラケット部の前後方向剛性を高めた構成からな
    ることを特徴とする請求項7に記載の車両のパワーユニ
    ット支持構造。
  12. 【請求項12】 前記変位変化手段は、マウントブラケ
    ットが車体に対して後方移動しないように係止する係止
    機構を含むことを特徴とする請求項7に記載の車両のパ
    ワーユニット支持構造。
  13. 【請求項13】 前記マウントブラケットを車体に取付
    ける取付け部に、前後方向に細長のボルト穴を備えたこ
    とを特徴とする請求項7に記載の車両のパワーユニット
    支持構造。
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