JP3327297B2 - 車両の衝撃コントロール構造及び衝撃コントロール方法 - Google Patents

車両の衝撃コントロール構造及び衝撃コントロール方法

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JP3327297B2
JP3327297B2 JP07547292A JP7547292A JP3327297B2 JP 3327297 B2 JP3327297 B2 JP 3327297B2 JP 07547292 A JP07547292 A JP 07547292A JP 7547292 A JP7547292 A JP 7547292A JP 3327297 B2 JP3327297 B2 JP 3327297B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の用分野】本発明は、車両の衝撃コントロール
構造及び衝撃コントロール方法に関し、特に衝突前期に
おける車室を含む車体の減速度を高め、衝突後期におけ
る減速度のピーク発生の時期を早めるようにした衝撃コ
ントロール技術に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のパワーユニットは車体にエンジ
ンマウントを介して弾性的に支持されており、自動車が
前方の障害物に衝突する場合、衝突発生からの時間経過
と車室に作用する減速度の関係が、実施例に係る図7に
仮想線で示すような特性になることは公知である。尚、
特性線の時間積分合計値は、衝突速度に相当し、衝突エ
ネルギーに相関するものである。即ち、衝突前期の前半
期には、図74、75に示すようにエンジンマウントの
バネ系を介して車体とパワーユニットとは独立に挙動し
て減速されるため車体の減速度が比較的高くなるが、衝
突前期の後半期にエンジンマウントのバネ系が延び切っ
た状態になると、図76に示すように車体とパワーユニ
ットとが一体的に減速されるため車体の減速度が低下す
る。衝突後期には、パワーユニットが障害物により前方
移動停止し、図77、78に示すように車体前部の崩壊
が進行して抵抗が増加するため、車体の減速度が急増し
てピークに達する。
【0003】車室内の乗員は、シートベルトやエアバッ
クで車体にある程度拘束されるものの車体と一体の関係
ではないため、乗員は車体に対して相対的に前方へ変位
し、車体の減速度が略ピークの時に車体に対する乗員の
相対速度が最大となって、頭部や胸部に損傷を受けるこ
とになる。従来より、衝突時の乗員の受ける衝撃を緩和
するために、車体前部のフロントフレーム等の崩壊パタ
ーンやバネ定数を改善するとか、車室を形成する車体フ
レームを強化するとか等種々の対策が講じられつつあ
る。従来、車体前部の崩壊パターンを設定する上で、所
定の大きさの剛体としてのエンジンを加味することは行
われているが、エンジンの質量を加味して衝突時の衝撃
を改善する技術は全く提案されていない。一方、パワー
ユニットを車体に支持するエンジンマウントとしては、
従来では一般にラバーマウントが適用されていたが、近
年では液封のラバーマウントが広く実用化され、最近で
は、実開昭63−152042号公報に記載のように、
電気的な制御により減衰力を可変に制御可能なアクティ
ブエンジンマウントも種々提案され実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動車において
は、一般に、図7に仮想線で示すように、衝突前期の後
半期において車体の減速度が低下するため、それだけ衝
突後期における減速度のピーク値が高くなり、車体に対
する乗員の相対速度が大きくなって、車体やシートベル
トなどから乗員に作用する衝撃が大きくなること、シー
トベルトやエアバッグで乗員を拘束するタイミングが遅
れるためシートベルトやエアバッグの有効性が低下する
こと、など問題がある。本発明の目的は、パワーユニッ
トの質量を有効活用して衝突時に乗員に作用する衝撃を
緩和し得るような車両の衝撃コントロール構造と衝撃コ
ントロール方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の車両の衝撃コ
ントロール構造は、車両の衝突時に車両の車室を含む車
体に作用する衝撃をコントロールする車両の衝撃コント
ロール構造であって、前記衝突発生時の衝突前期におけ
る車体の減速度を高める減速促進手段を設け、衝突発生
時の衝突後期における減速度のピーク発生の時期を早め
るピークシフト手段を設けたものである。請求項2の車
両の衝撃コントロール構造は、請求項1の構造におい
て、前記減速促進手段が、車両のパワーユニットが車体
に対して前方へ変位するのを促進する手段からなるもで
ある。
【0006】請求項3の車両の衝撃コントロール構造
は、請求項1の構造において、前記ピークシフト手段
が、前記パワーユニットが車体に対して後方へ変位する
のを規制する規制手段からなるもである。請求項4の車
両の衝撃コントロール構造は、請求項1の構造におい
て、前記減速促進手段ピークシフト手段の少なくとも
一方が、前記パワーユニットを車体に連結するマウント
手段に設けられたもである。請求項5の車両の衝撃コン
トロール構造は、請求項1の構造において、前記減速促
進手段ピークシフト手段の少なくとも一方が、前記パ
ワーユニットを支持するサポート部材を車体に連結する
連結手段に設けられたものである。
【0007】請求項6の車両の衝撃コントロール構造
は、請求項1の構造において、前記減速促進手段ピー
クシフト手段の少なくとも一方が、前記パワーユニット
からの駆動力を伝達し車体前後方向に延びるシャフト部
材に設けられたものである。請求項7の車両の衝撃コン
トロール構造は、請求項4の構造において、前記マウン
ト手段が、アクティブエンジンマウントを含み衝突発生
時の衝突後期に前記アクティブエンジンマウントのバネ
定数を高める制御手段を備えたものである。請求項8の
車両の衝撃コントロール構造は、請求項1の構造におい
て、衝突を検知する検知手段と、車両のパワーユニット
が車体に対して後方へ変位するのを規制する規制手段
と、衝突発生時に検知手段からの信号に基いて規制手段
を作動させる制御手段とを設けたものである。
【0008】請求項9の車両の衝撃コントロール方法
は、車両の衝突時に車両の車室を含む車体に作用する衝
撃をコントロールする車両の衝撃コントロール方法であ
って、前記衝突発生時の衝突前期における車体の減速度
を高める為に車両のパワーユニットの車体に対する前方
移動を拘束する拘束度合を弱く設定し、衝突後期におけ
る減速度のピーク発生の時期を早める為にパワーユニッ
トの車体に対する後方移動を拘束する拘束度合を高く設
定するものである。
【0009】
【作用】請求項1においては、前記衝突発生時の衝突前
期における車室を含む車体の減速度を高める減速促進手
段により、衝突前期における減速度を高めて衝突後期に
おける減速度を低下させ且つ減速度のピークを低くし
て、乗員に作用する衝撃を緩和することが出来る。そし
て、衝突発生時の衝突後期における減速度のピーク発生
の時期を早めるピークシフト手段により、衝突後期にお
ける減速度のピーク発生の時期を早め、乗員が車体に衝
突する時の乗員の車体に対する相対速度を小さくして乗
員に作用する衝撃を緩和することができる。請求項2に
おいては、前記減速促進手段が、車両のパワーユニット
が車体に対して前方へ変位するのを促進する手段からな
るので、衝突前期において車体はパワーユニットと独立
に挙動し、車体とパワーユニットとが一体的に挙動する
場合よりも車体の減速度が大きくなる。
【0010】請求項3においては、前記ピークシフト手
段が、前記パワーユニットが車体に対して後方へ変位す
るのを規制する規制手段からなるので、衝突後期にパワ
ーユニットが前方移動停止した状態でパワーユニットを
介して車体の前方移動が抑制されるため、車体の減速が
促進され、車体の減速度のピーク発生の時期が早まるこ
とになる。請求項4においては、前記減速促進手段
ークシフト手段の少なくとも一方を、前記パワーユニッ
トを車体に連結するマウント手段を介して設けることが
できる。請求項5においては、前記減速促進手段ピー
クシフト手段の少なくとも一方を、前記パワーユニット
を支持するサポート部材を車体に連結する連結手段を介
して設けることができる。請求項6においては、前記減
速促進手段ピークシフト手段の少なくとも一方を、前
記パワーユニットからの駆動力を伝達するシャフト部材
を介して設けることができる。
【0011】請求項7においては、前記マウント手段
が、アクティブエンジンマウントを含み、衝突発生時の
衝突後期に制御手段によりアクティブエンジンマウント
のバネ定数を高めることで、衝突後期において、車体に
対してパワーユニットが後方へ変位するのを抑制するこ
とができる。請求項8においては、衝突を検知する検知
手段と、車両のパワーユニットが車体に対して後方へ変
位するのを規制する規制手段と、衝突発生時に検知手段
からの信号に基いて規制手段を作動させる制御手段とを
設けたので、特に衝突後期において車体に対してパワー
ユニットが後方へ変位するのを規制して、減速度のピー
ク発生の時期を早めることができる。
【0012】請求項9に係る車両の衝撃コントロール方
法においては、前記衝突発生時の衝突前期における車体
の減速度を高める為に車両のパワーユニットの車体に対
する前方移動を拘束する拘束度合を弱く設定し、衝突後
期における減速度のピーク発生の時期を早める為にパワ
ーユニットの車体に対する後方移動を拘束する拘束度合
を高く設定するものである。車両のパワーユニットの車
体に対する前方移動を拘束する拘束度合を弱く設定する
ことで、衝突前期に車体がパワーユニットと独立に挙動
して車体の減速度が高まり、また、パワーユニットの車
体に対する後方移動を拘束することで、衝突後期におけ
る減速度のピーク発生の時期が早まるため、請求項1と
同様の作用が得られる。
【0013】
【発明の効果】前記作用の欄で説明したように、次のよ
うな効果が得られる。請求項1によれば、前記衝突発生
時の衝突前期における車室を含む車体の減速度を高める
減速促進手段により、衝突前期における減速度を高めて
衝突後期における減速度を低下させ且つ減速度のピーク
を低くして、乗員に作用する衝撃を緩和することが出来
る。そして、衝突発生時の衝突後期における減速度のピ
ーク発生の時期を早めるピークシフト手段により、衝突
後期における減速度のピーク発生の時期を早め、乗員が
車体に衝突する時の乗員の車体に対する相対速度を小さ
くして乗員に作用する衝撃を緩和することができる。
【0014】請求項2によれば、前記減速促進手段が、
車両のパワーユニットが車体に対して前方へ変位するの
を促進する手段からなるので、衝突前期において車体は
パワーユニットと独立に挙動し、車体とパワーユニット
とが一体的に挙動する場合よりも車体の減速度が大きく
なる。請求項3によれば、前記ピークシフト手段が、前
記パワーユニットが車体に対して後方へ変位するのを規
制する規制手段からなるので、衝突後期にパワーユニッ
トが前方移動停止した状態でパワーユニットを介して車
体の前方移動が抑制されるため、車体の減速が促進さ
れ、車体の減速度のピーク発生の時期が早まることにな
る。
【0015】請求項4によれば、前記減速促進手段
ークシフト手段の少なくとも一方を、前記パワーユニッ
トを車体に連結するマウント手段を介して設けることが
できる。請求項5によれば、前記減速促進手段ピーク
シフト手段の少なくとも一方を、前記パワーユニットを
支持するサポート部材を車体に連結する連結手段を介し
て設けることができる。請求項6によれば、前記減速促
進手段ピークシフト手段の少なくとも一方を、前記パ
ワーユニットからの駆動力を伝達し車体前後方向に延び
るシャフト部材を介して設けることができる。請求項7
によれば、前記マウント手段が、アクティブエンジンマ
ウントを含み、衝突発生時の衝突後期に制御手段により
アクティブエンジンマウントのバネ定数を高めること
で、衝突後期において、車体に対してパワーユニットが
後方へ変位するのを抑制することができる。
【0016】請求項8によれば、衝突を検知する検知手
段と、車両のパワーユニットが車体に対して後方へ変位
するのを規制する規制手段と、衝突発生時に検知手段か
らの信号に基いて規制手段を作動させる制御手段とを設
けたので、特に衝突後期において車体に対してパワーユ
ニットが後方へ変位するのを規制して、減速度のピーク
発生の時期を早めることができる。請求項9に係る車両
の衝撃コントロール方法によれば、車両のパワーユニッ
トの車体に対する前方移動を拘束する拘束度合を弱く設
定することで、衝突前期に車体がパワーユニットと独立
に挙動して車体の減速度が高まり、また、パワーユニッ
トの車体に対する後方移動を拘束することで、衝突後期
における減速度のピーク発生の時期が早まるため、請求
項1と同様の効果が得られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。本実施例は、FFタイプの自動車のパワーユ
ニットマウント装置などに本発明を適用した場合のもの
で、以下パワーユニットマウント装置をエンジンマウン
ト装置と略称し、また自動車の前後左右を基準に前後左
右を定義して説明する。 〔第1実施例〕・・・図1〜図7参照 図1・図2に示すように、自動車1の前部の車体構造に
関して、エンジンルーム2の左右両側にはホイールエプ
ロン3が設けられ、左右のホイールエプロント3の下端
には左右1対のフロントフレーム4が前後方向向きに夫
々設けられ、左右のフロントフレーム4の前端部は第1
クロスメンバ5により連結され、フロントフレーム4の
後端部はダッシュロアパネル6の下端部の閉断面状のク
ロスメンバ7に夫々連結され、左右のフロントフレーム
4の後部間にはサスペンションクロスメンバ8が設けら
れ、サスペンションクロスメンバ8と第1クロスメンバ
5間には前後方向向きのセンタメンバ9が車幅方向の略
中央部よりもやや左側位置に設けられている。
【0018】前記エンジンルーム2内にはパワーユニッ
ト10が配置され、パワーユニット10は、サスペンシ
ョンクロスメンバ8の左右方向の略中央部に設けられた
第1エンジンマウント装置11と、センタメンバ9の前
端近傍部に設けられた第2エンジンマウント装置12
と、右側のフロントフレーム4の前後方向の略中央部に
設けられた第3エンジンマウント装置13と、左側のフ
ロントフレーム4の前後方向の略中央部に設けられた第
4エンジンマウント装置14の4つのエンジンマウント
装置を介して車体に弾性支持されている。
【0019】前記第1〜第3エンジンマウント装置11
〜13は、図3〜図5に示すように、基本的には、ゴム
製のマウントラバー15と、ホルダ部材16と、ホルダ
部材16内を主室と副室とに区画する隔壁と、隔壁に形
成されたオリフィスとを備えた一般的な構成の液体封入
タイプのエンジンマウト装置で、マウントラバー15と
主室及び副室内に充填された作動流体とで、パワーユニ
ット10の振動を減衰させるものである。第4エンジン
マウント装置14は、図1に示すように、左右方向向き
の円筒状のラバー部材を介してパワーユニット10の振
動を減衰させる一般的な構成の円筒タイプのエンジンマ
ウント装置である。
【0020】以下、本願特有の構成を有する第3エンジ
ンマウント装置13について詳細に説明する。図3〜図
5に示すように、第3エンジンマウント装置13は、そ
のホルダ部材16の前部及び後部に固着された1対の固
定用ブラケット部材17を介してフロントフレーム4に
夫々固定されるとともに、ホルダ部材16の右部に固着
された固定用ブラケット部材18を介してホイールハウ
ス19に固定され、ホルダ部材16から上方へ突出する
マウントラバー15の上端部には略円板状の取付金具2
0が設けられ、取付金具20の中央部にはボルト21が
立設され、パワーユニット10から右方へ突出状に延び
るパワーユニット10側の支持ブラケット22はボルト
21を介して取付金具20に締結され、パワーユニット
10からの振動は取付金具20を介してマウントラバー
15に伝達され、マウントラバー15とホルダ部材16
内の作動流体を介して減衰される。
【0021】次に、正面衝突時にパワーユニット10の
前方への移動を極力許容し、後方への移動を極力規制す
るため、取付金具20の後端部には後方へ延びる係止部
24が形成され、マウントラバー15の後部には係止部
24を囲繞する緩衝部25が形成され、ホルダ部材16
の上端後部には所定の隙間をあけて緩衝部25を覆うよ
うに略コ字状のストッパ部材26が固着され、ホルダ部
材16の前部には前方へ延びる支持ブラケット27が固
着され、ストッパ部材26の上端部には右方へ延びる支
持板28が固着され、マウントラバー15の右部の外周
側には部分環状の補強部材29がマウントラバー15と
略同心状で且つ前方下がりの傾斜状に設けられ、補強部
材29の前後両端部は支持板28の右部及び支持ブラケ
ット27の前部にボルト30・31を介して夫々連結さ
れ、補強部材29の前半部は取付金具20よりも低い位
置に配置されている。
【0022】次に、前記第3エンジンマウント装置13
の作用について説明する。前記第3エンジンマウント装
置13では、係止部24が緩衝部25を介してストッパ
部材26に当接することで、パワーユニット10のロー
ルが規制される。正面衝突時などにおいて自動車1が前
方の障害物に衝突した場合、車体に対するパワーユニッ
ト10の前方への移動は、4つのマウントラバー15に
よる比較的小さな拘束力に抗して許容されるため、衝突
前期においては、車体とパワーユニット10とが略独立
に挙動する。そして、車室を含む大部分の車体はフロン
トフレーム4に作用する衝突荷重により減速されること
になるが、従来のエンジンマウント装置のように車体と
パワーユニット10との連結が強力でこれらが一体的に
挙動する場合には、図7に仮想線で示すように、衝突前
期における車体の減速度が小さくなるため、パワーユニ
ット10が移動停止した状態の衝突後期における車体の
減速度が大きくなり、その減速度のピーク発生の時期も
遅くなる。
【0023】しかし、この第3エンジンマウント装置1
3によれば、第3エンジンマウント装置13の前部に係
止部24及びストッパ部材26を設けていないため、衝
突前期における車体とパワーユニット10との連結が弱
く、車体とパワーユニット10とが略独立に挙動するた
め、衝突前期における車体の減速度が大きくなる。その
結果、図7に実線で示すように、衝突前期における車体
の減速度が大きくなり、且つ衝突後期における車体の減
速度が小さくなる。衝突後期においては、パワーユニッ
ト10が移動停止した状態になり、車体前部の崩壊も進
行して抵抗が増大するため、車体が急減速されることに
なるが、この第3エンジンマウント装置13によれば、
衝突後期において、係止部24が緩衝部25を介してス
トッパ部材26に当接するため、パワーユニット10の
車体に対する後方移動つまりパワーユニット10に対す
る車体の前方移動が規制され、その結果車体の減速度の
ピーク発生の時期が早められることになる。
【0024】以上要約すると、衝突前期における車体の
減速が促進され、かつ衝突後期における減速度が低下す
るとともに減速度のピーク発生の時期が早められる。従
って、衝突時に乗員は早期からシートベルトやエアバッ
クなどで車体に拘束され始め、時間をかけて緩やかに減
速されることになるから、車体から乗員に作用する衝撃
が緩和され、衝突時の安全性が一層向上する。前記第3
エンジンマウント装置13では、簡単な構成の補強部材
29を設けることで、ストッパ部材26の後方への変形
を防止することが出来、パワーユニット10の後方への
移動をより確実に規制することが出来る。
【0025】以上のように、簡単な構成の第3エンジン
マウント装置13でもって、車体側に別途衝撃吸収部材
などを設けずに、正面衝突時の衝撃を緩和することが出
来、車体重量を増すことなく乗員の安全性をより一層向
上することが出来る。尚、本実施例では、補強部材29
によりストッパ部材26の後方への変形を防止するよう
にしたが、ストッパ部材26を厚肉に構成したり、或い
はストッパ部材26の後側に補強用のブラケットを設
け、その強度・剛性を高めてもよい。
【0026】次に、前記第3エンジンマウント装置13
の構成を部分的に変更した変形例について説明する。
尚、前記実施例と同一部材には同一符号を付してその詳
細な説明を省略する。図6に示すように、この第3エン
ジンマウント装置33では、前記支持板28と補強部材
29と支持ブラケット27とが省略され、パワーユニッ
ト10のロールを更に効果的に防止するため、前記係止
部24と緩衝部25とストッパ部材26と同様の構成の
係止部34と緩衝部35とストッパ部材36とが第3エ
ンジンマウント装置33の前部に夫々前後対称に設けら
れている。そして、ストッパ部材26の後側の幅方向中
央部には立向きの補強リブ37が固着され、ストッパ部
材36はパワーユニット10のロールを規制するのに十
分な強度・剛性を有し、ストッパ部材26は補強リブ3
7で補強され、ストッパ部材36よりも更にその強度・
剛性が高く設定されている。
【0027】前記第3エンジンマウント装置33では、
前記実施例と同様に、衝突時に車体に対してパワーユニ
ット10は前方へ変位しやすいが、後方へは変位しにく
くなるので、前記同様に衝突時に乗員に作用する衝撃が
緩和され、乗員の安全性が一層向上することになる。更
に、変形例として、図6の第3エンジンマウント装置3
3において、前記補強リブ37を省略し、且つ少なくと
もストッパ部材26の強度・剛性を高く設定し、前側の
緩衝部35材の硬さを比較的柔らかく設定し、後側の緩
衝部25材の硬さを比較的硬く設定することで、衝突時
にパワーユニット10の前方への移動をある程度許容
し、後方への移動を規制するようにしてもよい。或い
は、前記前側の係止部34とストッパ部材36間の距離
を比較的長く設定し、後側の係止部24とストッパ部材
26間の距離を比較的短く設定するようにし、少なくと
もストッパ部材26の強度・剛性を高く設定し、パワー
ユニット10の前方への移動をある程度許容し、後方へ
の移動を規制するようにしてもよい。
【0028】尚、前記第1エンジンマウント装置11と
して、第3エンジンマウント装置13・33と同様の構
成のエンジンマウント装置を採用してもよい。また、第
2エンジンマウント装置12では、図2に示すように、
第2エンジンマウント装置12の前部のみに、パワーユ
ニット10のロールを規制するストッパ部材38が設け
られるので、このストッパ部材38を薄肉に構成した
り、ストッパ部材38の前方への変形を促進するビード
や孔や切欠きを形成し、正面衝突などでストッパ部材3
8に前方への過大に荷重が作用したときには、比較的容
易にストッパ部材38が前方へ変形するように構成して
もよい。また、前記第4エンジンマウント装置14とし
て、第3エンジンマウント装置13・33と左右対称の
構成のエンジンマウント装置を採用してもよい。尚、前
記エンジンマウント装置11〜13・33として、単な
るゴム製のエンジンマウント装置を採用してもよい。
【0029】〔第2実施例〕 ・・・図8〜図17参照 前記第3エンジンマウント装置40は、正面衝突時にお
いて車体に対してパワーユニット10が前方へ極力変位
しやすくし且つ後方へ極力変位しにくくする為、次のよ
うに構成されている。図8〜図10に示すように、右側
のフロントフレーム4の前後方向の略中央部には平面視
略コ字状の車体側ブラケット41が設けられ、車体側ブ
ラケット41は5本のボルト42を介してフロントフレ
ーム4の上面に固定され、車体側ブラケット41の前後
の縦壁部41a・41bの略中段部には前後方向向きの
軸部材43が装着され、前後の縦壁部41a・41b間
において軸部材43には内筒44が回転自在に且つ車体
側ブラケット41に対して前後方向に相対移動不能に外
嵌され、内筒44の後部にはゴム製のマウントラバー4
5が内筒44に対して前後方向に相対移動不能に圧入に
て外嵌装着されている。
【0030】前記パワーユニット10の右部後端には右
方へ延びる支持部46が設けられ、支持部46の右部上
面にはユニット側支持ブラケット47が3本のボルト4
8を介して固定され、マウントラバー45には金属製の
外筒49がマウントラバー45に対して前後方向に相対
移動不能に圧入にて外嵌装着され、ユニット側支持ブラ
ケット47の右端部は外筒49に一体的に固定され、外
筒49の前端部と前側の縦壁部41a間の距離L1は、
外筒49の後端部と後側の縦壁部41b間の距離L2よ
りも大きく設定されている。
【0031】次に、前記第3エンジンマウント装置40
の作用について説明する。前記第3エンジンマウント装
置40では、外筒49の後端部と後側の縦壁部41b間
の距離L2を比較的短く設定してあるので、正面衝突時
などにおける車体に対するパワーユニット10の相対的
な後方への移動が規制され、また外筒49の前端部と前
側の縦壁部41a間の距離L1を大きく設定してあるの
で、正面衝突時などにおける車体に対するパワーユニッ
ト10の相対的な前方への移動が、マウントラバー45
による比較的小さな拘束力は作用するものの十分に許容
されることになる。
【0032】自動車が前方の障害物と衝突する場合の車
体の減速度の特性は、前記図7に示す通りであり、エン
ジンマウント装置によりパワーユニット10と車体(車
室を含む車体の大部分)との連結が強固であると、衝突
前期において車体とパワーユニット10とが一体的に挙
動するが、衝突時に車体前部のフロントフレーム4の耐
力で車体が減速されることから、従来装置のように車体
とパワーユニット10とが一体的に挙動する場合には、
質量が大きくなって、衝突前期における車体の減速度は
図7に仮想線で示すように低い値になる。しかし、この
第3エンジンマウント装置40では、車体に対してパワ
ーユニット10が前方へ変位しやすく構成してあるた
め、衝突前期において車体とパワーユニット10とは独
立に挙動するから、図7に実線で示すように、質量が小
さくなって車体の減速度が大きくなり、その結果、衝突
後期における車体の減速度が低下し且つ減速度のピーク
発生の時期が早められることになる。それ故、衝突後期
の減速度のピーク発生の頃に自動車の乗員が、車体に2
次衝突するときの減速度が低くなり、乗員の受ける衝撃
が著しく緩和され、乗員に対する安全性が向上する。つ
まり、車体とその中の乗員は、衝突開始後早期の段階か
らシートベルトやエアバッグで車体に拘束され始め、時
間をかけて減速されることになるから、衝撃が大幅に緩
和されることになる。
【0033】以上のように、簡単な構成の第3エンジン
マウント装置40でもって、車体側に別途衝撃吸収部材
などを設けることなく、また、車体重量を増大させるこ
となく衝突時の安全性をより一層向上することが出来
る。尚、前記第3エンジンマウント装置40は、第1・
第2・第4エンジンマウント装置11・12・14に対
しても同様に適用することが出来る。
【0034】〔変形例〕 ・・・図11〜図17 次に、前記第3エンジンマウント装置40の構成を部分
的に変更した変形例について説明する。尚、前記実施例
と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略
する。 〔1〕 図11に示すように、第3エンジンマウント装
置55は、その軸心を前記の装置と同様に車体前後方向
に向けて配設され、この第3エンジンマウント装置55
では、マウントラバー56が内筒57の前後方向の略中
央部に設けられ、外筒49はマウントラバー56に前後
方向に相対移動不能に圧入にて外嵌装着され、内筒57
の外周面には後方へ向けて拡大する部分円錐状のテーパ
周面58が形成され、マウントラバー56はこのテーパ
周面58に対して軸方向に移動可能に外嵌圧入にて装着
されている。この場合、マウントラバー56の内筒57
に対する前方への移動抵抗が小さく、また後方への移動
抵抗が大きいことから、衝突時においてパワーユニット
10は車体に対して前方へ変位しやすくまた後方へ変位
しにくく構成してある。
【0035】〔2〕 図12に示すように、第3エンジ
ンマウント装置60は、その軸心を車体前後方向に向け
て配設され、この第3エンジンマウント装置60では、
マウントラバー61が内筒62の前後方向の略中央部に
設けられ、外筒49はマウントラバー61に前後方向に
相対移動不能に圧入にて外嵌装着され、内筒62の前後
方向の中央部には後方へ向けて縮径する部分円錐状の周
面63aを有する複数の係止部63が断面略鋸歯状に形
成され、マウントラバー61はその内周部を複数の係止
部63に係合させた状態で内筒62にその軸方向に移動
可能に圧入にて外嵌装着されている。この場合、衝突時
においてマウントラバー61は内筒62に対して前方へ
変位しやすく且つ後方へ変位しにくく構成され、前記と
同様の作用を奏することになる。
【0036】〔3〕 図13に示すように、第3エンジ
ンマウント装置65は、その軸心を車体前後方向に向け
て配設され、この第3エンジンマウント装置65では、
マウントラバー66が内筒44の前後方向の略中央部に
設けられ、マウントラバー66は内筒44に前後方向に
相対移動不能に圧入にて外嵌装着され、外筒67の内周
部には後方へ向けて拡径する部分円錐面状のテーパ周面
68aを有する断面略鋸歯状の複数のリング状係止部6
8が断面略鋸歯状に形成され、マウントラバー66はそ
の外周部を係止部68に係合させた状態で外筒67にそ
の軸方向に移動可能に圧入にて内嵌装着されている。こ
の場合、衝突時において外筒67はマウントラバー66
に対して前方へ変位しやすく且つ後方へ変位しにくく構
成され、前記と同様の作用を奏することになる。
【0037】〔4〕 図14に示すように、第3エンジ
ンマウント装置70は、その軸心を車体前後方向向きに
配設され、この第3エンジンマウント装置70では、マ
ウントラバー45が内筒44の前後方向の略中央部に設
けられ、マウントラバー45は内筒44に前後方向に相
対移動不能に圧入にて外嵌装着され、マウントラバー4
5には外筒71が前後方向に相対的に移動不能に圧入に
て外嵌装着され、外筒71の前端部には内方側へ延びる
環状の規制部71a(フランジ部)が形成され、規制部
71aの後端面はマウントラバー45の前端面に当接さ
れている。この場合、衝突時において、図9に2点鎖線
で図示のように、マウントラバー45全体が変形するの
で内筒44に対する外筒71の相対的な前方への移動抵
抗は比較的小さくなるが、3点鎖線で図示のように、規
制部76aでマウントラバー45の変形が抑制されるの
で、後方への相対的な移動抵抗は、前方への移動抵抗よ
りも格段に大きくなる。このため、パワーユニット10
の車体に対する前方への相対移動が許容され、後方への
相対移動が規制され、前記と同様の作用を奏することに
なる。
【0038】〔5〕 図15に示すように、第3エンジ
ンマウント装置75は、その軸心を車体前後方向に向け
て配設され、この第3エンジンマウント装置75では、
マウントラバー45が内筒76の前後方向の略中央部に
設けられ、マウントラバー45は内筒76に前後方向に
相対移動不能に圧入にて外嵌装着され、マウントラバー
45には外筒49が前後方向に相対的に移動不能に圧入
にて外嵌装着され、内筒76の後部にはマウントラバー
45の後端部を受け止める環状の鍔部76aが形成され
ている。この場合、衝突時において、内筒76に対する
外筒49の相対的な前方への移動抵抗は、図15に2点
鎖線で図示のように、マウントラバー45全体が変形す
るので比較的小さくなるが、相対的な後方への移動抵抗
は、3点鎖線で図示のように、鍔部76aでマウントラ
バー45の変形が抑制されるので、前方への移動抵抗よ
りも格段に大きくなる。このため、パワーユニット10
の車体に対する前方への相対移動が許容され、後方への
相対移動が規制される。
【0039】〔6〕 図16、図17に示すように、こ
の第3エンジンマウント装置215では、軸部材192
の軸心が前記同様に車体前後方向に向けて配設されると
ともに、側面視U形の車体側ブラケット181が右側の
フロントフレーム4に固着され、内筒193と外筒21
6とマウントラバー194とが、ボルト192を介して
車体側ブラケット181に両端支持され、外筒216の
前端部の外周部には前後方向剛性を低下させる為の複数
のビード217が周方向向きに形成されている。自動車
の衝突時の衝突前期に車体に対してパワーユニット10
が前方へ変位するときには、前記複数のビード217が
図17に示すように、塑性変形するので、車体に対して
パワーユニット10が前方へ変位しやすくなっている。
【0040】〔第3実施例〕 ・・・図18〜図31 次に、前記第1・第2エンジンマウント装置11・12
に本発明を適用した場合の実施例について説明する。
尚、前記実施例と同一部材には同一符号を付してその詳
細な説明を省略する。この第1・第2エンジンマウント
装置100・101は、図18に示すように、前記実施
例と同様にサスペンションクロスメンバ8の左右方向の
略中央部と、センタメンバ9の前端近傍部に夫々設けら
れ、パワーユニット10の前部に設けられたユニット側
ブラケット102と、パワーユニット10の後部に設け
られたユニット側ブラッケト103とを夫々介してパワ
ーユニット10を弾性支持している。
【0041】次に、第1・第2エンジンマウント装置1
00・101に関して両者は略前後対称の構成なので前
側の第2エンジンマウント装置101について説明す
る。図19〜図21に示すように、ユニット側ブラケッ
ト103が、左右1対のアーム部104と、アーム部1
04の上端部を連結する補強部105と、アーム部10
4の後端部に夫々設けられた1対の取付部106とから
一体的に形成され、ユニット側ブラケット103はその
取付部106においてパワーユニット10に固定され、
左右のアーム部104の前端近傍部間には左右方向向き
の軸部材107が回転自在に枢支されている。前記左右
のアーム部104間において軸部材107には、内筒1
14が外嵌され、この内筒114にはゴム製の略円柱状
のマウントラバー108が外嵌装着され、マウントラバ
ー108には金属製の外筒109が外嵌装着され、外筒
109の後半部には部分円筒状の補強部材110が固定
され、外筒109は左右1対の脚部111と左右の脚部
111の下端部を連結する連結部112とを有する正面
視略U字状の支持部材113を介してセンタメンバ9に
固定されている。
【0042】前記第2エンジンマウント装置101で
は、外筒109の後部が補強部材110で補強されてい
ることから、衝突時においてセンタメンバ9に対するパ
ワーユニット10の前方への相対移動は比較的容易であ
るが、後方への相対移動は大幅に規制される。これによ
り、前記実施例と同様に、車体側に別途衝撃吸収部材な
どを設けることなく、衝突時の衝突前期における車体の
減速度を高めて衝突後期における車体の減速度を低下さ
せ且つ減速度のピーク発生の時期を早め、シートベルト
装置やエアバック装置による乗員の拘束開始時期を早
め、乗員が車体に2次衝突するときの衝撃を緩和して、
乗員の安全性をより一層向上出来る。
【0043】〔変形例〕 ・・・図22〜図31 次に、前記第2エンジンマウント装置101の構成を部
分的に変更した変形例について説明する。尚、前記第2
実施例と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明
を省略する。 〔1〕 図22・図23に示すように、第2エンジンマ
ウント装置120では、前記補強部材110が省略さ
れ、外筒121の後半部の左右両端部に半径方向に延び
る半環状の補強フランジ部122が形成され、衝突時に
補強フランジ部122でもって外筒121の後方への変
形が規制され、センタメンバ9に対するパワーユニット
10の後方への相対移動が規制される。
【0044】〔2〕 図24に示すように、第2エンジ
ンマウント装置125では、前記補強部材110が省略
され、板厚を厚くした外筒126の前部には上下1対の
貫通孔127が形成され、貫通孔127でもって外筒1
26の前部の強度・剛性を低下させることで、衝突時に
センタメンバ9に対するパワーユニット10の前方への
相対移動が極力許容され、またパワーユニット10の後
方への相対移動が極力抑制される。尚、前記貫通孔12
6に代えて、ビードや切欠きを形成してもよい。また、
図25に図示の第2エンジンマウント装置130のよう
に、外筒131の前部に蛇腹状の弱部132を形成して
もよい。
【0045】〔3〕 図26・図27に示すように、第
2エンジンマウント装置135では、前記補強部材11
0が省略され、外筒136の後半部の左右両端部に前方
へ延びる規制部137が形成され、規制部137でもっ
て軸部材107の後方への移動が規制されることで、衝
突時にセンタメンバ9に対するパワーユニット10の後
方への相対移動が規制される。 〔4〕 図28・図29に示すように、第2エンジンマ
ウント装置140では、前記補強部材110が省略さ
れ、外筒141の後半部の左右両端部にはその軸方向へ
延びる延長部142が形成され、マウントラバー108
の左右両側において軸部材107には延長部142に夫
々当接可能な略扇状の1対の規制板143が後方へ向け
て突出状に固定され、衝突時に規制板143でもって軸
部材107の後方への移動が規制されることで、センタ
メンバ9に対するパワーユニット10の後方への相対移
動が規制される。
【0046】〔5〕前記第2エンジンマウント装置の構
成に加えて、図30・31に図示の第2エンジンマウン
ト装置170のように、左右のアーム部104の前端近
傍部に内方側へ向けて屈曲されたフック部171を形成
し、外筒109の左右両端部の前端近傍部に前方へ向け
て延びる係止部172を形成し、衝突前期において、パ
ワーユニット10がセンタメンバ9に対して相対的に前
方へ移動してフック部171が係止部172に係合する
ことで、衝突後期におけるパワーユニット10のセンタ
メンバ9に対する相対的な後方移動を規制する。
【0047】〔第4実施例〕・・・図32〜図52参照 前記第3エンジンマウント装置180は、正面衝突時に
おいて車体に対してパワーユニット10が前方へ極力変
位し易くし且つ後方へ極力変位しにくくする為、次のよ
うに構成されている。図32〜図34に示すように、右
側のフロントフレーム4の前後方向の略中央部には車体
側ブラケット181が設けられ、車体側ブラケット18
1は、前後に所定間隔あてけ設けられた1対の縦壁部1
82・183と、縦壁部182・183の下端部を連結
する連結部184と、縦壁部182・183の外縁部か
ら前方及び後方へ夫々突出状に延びる補強フランジ部1
85・186と、連結部184及び補強フランジ部18
5・186の右端部から右方へ延びてフロントフレーム
4の上壁部に1本のボルト187で固定される右部固定
部188と、連結部184及び補強フランジ部185・
186の左端部から下方へ延びてフロントフレーム4の
左壁部に2本のボルト189で固定される左部固定部1
90とから一体的に形成され、後側の縦壁部183の下
半部の後側には断面略L字状の補強部材191が縦壁部
183とフロントフレーム4の上壁部とに亙って設けら
れ、この補強部材191により縦壁部183の後方への
変形が規制される。
【0048】前後の縦壁部182・183には車体前後
方向に向けて軸部材192が枢支され、前後の縦壁部1
82・183間において軸部材192には内筒193が
回転自在に枢支され、内筒193の中央部にはゴム製の
マウントラバー194が圧入にて前後方向に相対移動不
能に外嵌装着されている。前記パワーユニット10の右
部後端には右方へ延びる支持部46が設けられ、支持部
46の右部上面にはユニット側支持ブラケット195が
3本のボルト196を介して固定され、ユニット側支持
ブラケット195の右端部にはマウントラバー194に
前後方向に相対移動不能に圧入にて外嵌装着された金属
製の外筒197が一体的に固定され、パワーユニット1
0は内筒193と外筒197間のマウントラバー194
を介して車体に弾性支持される。
【0049】次に、前記第3エンジンマウント装置18
0の作用について説明する。前記第3エンジンマウント
装置180では、補強部材191を介して後側の縦壁部
183の後方への変形が効果的に防止され、縦壁部18
3でもってフロントフレーム4に対して相対的に後方へ
移動する外筒197を受け止めることが出来るので、正
面衝突時などにおける車体に対するパワーユニット10
の相対的な後方への移動が規制され、また前側の縦壁部
182の前方への変形を防止するための補強部材を設け
ていないので、正面衝突時などにおける車体に対するパ
ワーユニット10の相対的な前方への移動が、前側の縦
壁部182の前方への変形により十分に許容されること
になる。
【0050】自動車が前方の障害物と衝突する場合の車
体の減速度の特性は、前記図7に示す通りであり、エン
ジンマウント装置によりパワーユニット10と車体(車
室を含む車体の大部分)との連結が強固であると、衝突
前期において車体とパワーユニット10とが一体的に挙
動するが、衝突時に車体前部のフロントフレーム4の耐
力で車体が減速されることから、従来装置のように車体
とパワーユニット10とが一体的に挙動する場合には、
質量が大きくなって、衝突前期における車体の減速度は
図7に仮想線で示すように低い値になる。しかし、この
第3エンジンマウント装置180では、車体に対してパ
ワーユニット10が前方へ変位しやすく構成してあるた
め、衝突前期において車体とパワーユニット10とは独
立に挙動するから、図7に実線で示すように、質量が小
さくなって車体の減速度が大きくなり、その結果、衝突
後期における車体の減速度が低下し且つ減速度のピーク
発生の時期が早められることになる。
【0051】それ故、衝突後期の減速度のピーク発生の
頃に自動車の乗員が、車体に2次衝突するときの減速度
が低くなり、乗員の受ける衝撃が著しく緩和され、乗員
に対する安全性が向上する。つまり、車体とその中の乗
員は、衝突開始後早期の段階からシートベルトやエアバ
ッグで車体に拘束され始め、時間をかけて減速されるこ
とになるから、衝撃が大幅に緩和されることになる。以
上のように、簡単な構成の第3エンジンマウント装置1
80でもって、車体側に別途衝撃吸収部材などを設ける
ことなく、また、車体重量を増大させることなく衝突時
の安全性をより一層向上することが出来る。
【0052】〔変形例〕 ・・・図35〜図52参照 次に、前記第3エンジンマウント装置180の構成を部
分的に変更した変形例について説明する。尚、前記実施
例と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省
略する。 〔1〕 図35に示すように、この第3エンジンマウン
ト装置200では、軸部材192の軸心が前記の装置と
同様に車体前後方向に向けて配設されるとともに、補強
部材191が省略され、前記車体側ブラケット181と
しての車体側ブラケット201は、前記実施例と同様の
構成の縦壁部182・183と連結部184と補強フラ
ンジ部185と、前記補強フランジ部186と右部固定
部188と左部固定部190を夫々後方へ延長した補強
フランジ部202と右部固定部203と左部固定部20
4とから一体的に形成され、補強フランジ部202と右
部固定部203と左部固定部204とでもって後側の縦
壁部201が補強され、縦壁部201の後方への変形が
効果的に規制されるので、前記と同様の作用を奏するこ
とになる。
【0053】〔2〕 図36に示すように、この第3エ
ンジンマウント装置205では、軸部材192の軸心が
前記の装置と同様に車体前後方向に向けて配設されると
ともに、補強部材191が省略され、前記車体側ブラケ
ット181としての車体側ブラケット206は、前記実
施例のものよりも全体的に多少厚肉に構成され、前記実
施例と同様の構成の縦壁部182・183と連結部18
4と補強フランジ部186と右部固定部188と左部固
定部190と、前記補強フランジ部185と略同じ構成
の補強フランジ部であって前端部の下段部に切欠き部2
07が形成された補強フランジ部208とから一体的に
形成され、切欠き部207でもって補強フランジ部20
8及び縦壁部182の前方への変形が促進されること
で、前記と同様の作用を奏することになる。尚、図37
に図示の第3エンジンマウント装置210の車体側ブラ
ケット211のように、前記切欠き207に代えて、補
強フランジ部212の下段部に上下方向に細長い貫通孔
213やビードを形成し、補強フランジ部212及び縦
壁部182の前方への変形を促進するようにしてもよ
い。尚、前記貫通孔213やビードは、補強フランジ部
212の下段部や中段部に複数設けてもよい。
【0054】〔3〕 図38・図39に示すように、こ
の第3エンジンマウント装置220では、軸部材192
の軸心が前記の装置と同様に車体前後方向に向けて配設
されるとともに、補強部材191が省略され、前記車体
側ブラケット181としての車体側ブラケット221に
は、連結部184及び補強フランジ部185・186の
右端部から右方へ延びる右部固定部222が設けられ、
連結部184及び補強フランジ部185・186の左端
部から下方へ延びる左部固定部223が設けられ、右部
固定部222の略中央部には前後方向に細長いボルト孔
224が形成されボルト孔224の前部にはボルト18
7が装着され、左部固定部223の中段部には前後方向
に細長い1対のボルト孔225が前後に所定間隔あてけ
設けられ、ボルト孔225の前部にはボルト189が夫
々装着され、車体側ブラケット221はボルト187・
189を介してフロントフレーム4に固定されている。
この場合、車体側ブラケット221のフロントフレーム
4に対する相対的な前方移動はある程度許容されるが、
後方への相対移動はボルト187・189がボルト孔2
24・225の後端部に係合することで規制され、パワ
ーユニット10の車体に対する前方への相対移動は許容
されるが、後方への相対移動は規制される。
【0055】尚、前記ボルト孔224・225に代え
て、図40に示すように、後端近傍部に内方側へ突出す
る左右1対の係止部82aを有するボルト孔226であ
って、係止部226aを介してボルト187・189を
ボルト孔226の後端部に保持可能なボルト孔226で
もよい。また、図41に示すように、途中部に後方へ向
けて相互に接近するテーパ状の左右1対の規制部227
aが形成されたボルト孔227であって、両規制部22
7aの前端部にボルト孔227の前端部に移動したボル
ト187・189の後方への移動を係止する係止部22
7bが形成されたボルト孔227でもよい。また、図4
2に示すように、途中部に鋸歯状の複数の規制部228
aが左右1組形成されたボルト孔228であって、各規
制部228aでボルト187・189の後方への移動を
規制可能なボルト孔228でもよい。尚、前記ボルト孔
224・225・226・227・228をフロントフ
レーム4側に形成し、このフロントフレーム4側のボル
ト孔の前端部にボルト187・189を装着して、車体
側ブラケット221をフロントフレーム4に締結しても
よい。但し、この場合、ボルト孔226・227・22
8は、車体側ブラケット221に形成した場合とは前後
対称に形成するものとする。
【0056】また、図43に示すように、前記車体側ブ
ラケット221の各ボルト孔400の付近に、3本の軸
部材401、402、403とボルト孔400を横断す
る係止部404aを有するバネ部材404とからなる機
構を設けてもよい。この場合、各ボルト187、189
は前記と同様に各ボルト孔400の前端部に締結される
が、正面衝突前期には、ボルト187、189がバネ部
材404のバネ力に抗して係止部404aを後方へ回動
させて、ボルト孔400の後端部に相対移動すること
で、フロントフレーム4に対する車体側ブラケット22
1の前方への相対移動は許容されるが、正面衝突後期に
は、ボルト孔400の後端部に移動したボルト187、
189の前方への移動が、軸部材402、403及び係
止部404aで規制され、フロントフレーム4に対する
車体側ブラケット221の後方への相対移動は規制され
る。
【0057】〔4〕 図44、図45に示すように、こ
の第3エンジンマウント装置231では、車体側ブラケ
ット231の左固定部232に、フック状のボルト孔2
33が形成され、フック状のボルト孔232は、前後方
向に延びる直孔部233aと直孔部233aの後端から
下方へ斜めに延びる傾斜孔233bとからなり、ボルト
孔233の前端部にボルト234を位置させた状態に組
立てておくものとする。自動車の衝突時の衝突前期に、
直孔部233aを介して車体に対する車体側ブラケット
231の前方への移動が許容され、また衝突後期にはボ
ルト234が傾斜孔233bの下端の位置(ボルト23
4aの位置)に移動して車体に対する車体側ブラケット
231の後方への移動が規制される。
【0058】〔5〕 図46、図47に示すように、こ
の第3エンジンマウント装置235では、車体側ブラケ
ット236の連結部237の中央部に1対の係合部23
8が下方への切り起こしにより形成され、フロントフレ
ーム4には係合部238に対応する1対の切り起こし2
39が形成され、1対の切り起こし239の後端側には
係合部238を受け止める係止部240が形成されてい
る。従って、自動車の衝突時の前期において、車体に対
する車体側ブラケット236の前方への移動が許容さ
れ、また衝突後期には係止部238が対応する係止部2
40の下側へ侵入して係止部240で係止されるため、
車体に対する車体側ブラケット236の後方への移動が
規制される。
【0059】〔6〕 図48に示すように、車体側ブラ
ケット241の右部固定部242の右端部と左部固定部
243の下端部には、自動車の衝突時の衝突前期に車体
に対する車体側ブラケット241の前方への変位を許容
し且つ衝突後期において車体に対する車体側ブラケット
241の後方への変位を規制する機構が夫々設けられて
いる。即ち、右部固定部242の右端部と左部固定部2
43の下端部には、複数の鋸歯状の係止歯244が形成
され、また右部固定部242の右端部の係止歯244に
係合した複数の複数の鋸歯状の係止歯245を有する係
止部材246が設けられ、また左部固定部243の下端
部係止歯244に係合した複数の複数の鋸歯状の係止歯
245を有する係止部材247が設けられている。自動
車の衝突時の衝突前期において、前記係止歯254に対
する係止歯244の前方移動を介して車体側ブラケット
241は車体に対して前方移動を許容され、また前記係
止歯254により係止歯244を係止することで、衝突
後期における車体側ブラケット241は車体に対して後
方移動を規制される。
【0060】〔7〕 図49に示すように、この第3エ
ンジンマウント装置250では、車体側ブラケット25
1の左部固定部252は、その1対のボルト孔253、
254に挿通させたボルトを介してフロントフレーム4
に固定されるが、後側のボルト孔254の下側に切欠き
255が形成され、ボルト孔254と切欠き255とは
狭隘部を介して連続しており、自動車の衝突時の衝突前
期において車体に対してパワーユニットと車体側ブラケ
ット251が前方へ移動するときにボルト孔255を挿
通したボルトが切欠き255へ移動するため、ボルト孔
253に挿通したボルトを中心とする車体側ブラケット
251の矢印256方向への回動を介して、車体に対す
るパワーユニットの前方への移動が許容されるが、ボル
ト孔253に挿通したボルトによる拘束力により車体に
対するパワーユニットの後方への移動が規制される。
【0061】〔8〕 図50に示すように、この第3エ
ンジンマウント装置80では、ユニット側支持ブラケッ
ト47に前後方向に細長い3つのボルト孔81が形成さ
れ、ユニット側支持ブラケット47はこれら3つのボル
ト孔81の後端部にボルト48を夫々装着してパワーユ
ニット10の支持部46の右部上面に固定されている。
この場合、衝突時に、ボルト48がボルト孔81の後端
部に係合することで、パワーユニット10の車体に対す
る後方への相対移動は規制されるが、ボルト48がユニ
ット側支持ブラケット47に対してボルト孔81に沿っ
て前方へ相対移動することで、パワーユニット10の車
体に対する前方への相対移動がある程度許容される。
【0062】尚、前記ボルト孔81として、前記ボルト
孔226・227・228とは前後対称な構成のボルト
孔をユニット側支持ブラケット47に形成し、これらボ
ルト孔の後端部にボルト48を位置させてもよい。尚、
前記ボルト孔81を支持部46側に形成し、この支持部
46側のボルト孔の前端部にボルト48を装着して、ユ
ニット側支持ブラケット47と支持部46とを締結して
もよい。また、支持部46側のボルト孔として、ボルト
孔226・227・228と同様の構成のボルト孔をユ
ニット側支持ブラケット47に形成し、これらボルト孔
の前端部にボルト48を位置させてもよい。
【0063】
〔9〕 図51・図52に示すように、こ
の第3エンジンマウント装置85では、ユニット側支持
ブラケット47に形成された3つのボルト孔86・87
・88のうちの右側2つのボルト孔86・87が左側1
つのボルト孔88を中心とした円周上に沿って部分円弧
状に形成され、ボルト孔86・87は略前後方向向きの
長孔状に形成され、ボルト48はボルト孔88に装着さ
れるとともにボルト孔86・87の後端部に夫々装着さ
れ、ユニット側支持ブラケット47は3本のボルト48
を介してパワーユニット10の支持部46の右部上面に
固定されている。この場合、衝突時に、パワーユニット
10の前方への相対移動により、ユニット側支持ブラケ
ット47は、図52に示すように、軸部材43の中央部
を中心に回動するので、外筒49と縦壁部41a・41
bとの干渉を極力防止してパワーユニット10の前方へ
の移動抵抗を低減出来る。尚、前記ボルト孔86〜87
においても前記ボルト孔81と同様にして、前記ボルト
孔226・227・228を適用出来る。
【0064】〔第5実施例〕 ・・・図53〜図60参
照 本実施例は、図18に図示した第2エンジンマウント装
置101に相当する第2エンジンマウント装置145に
関するものである。図53・図54に示すように、ユニ
ット側ブラケット103が、左右1対のアーム部104
と、アーム部104の上端部を連結する補強部105
と、アーム部104の後端部に夫々設けられた1対の取
付部106とから一体的に形成され、ユニット側ブラケ
ット103はその取付部106においてパワーユニット
10に固定され、左右のアーム部104の前端近傍部間
には左右方向向きの軸部材107が回転自在に枢支され
ている。前記左右のアーム部104間において軸部材1
07にはゴム製の略円柱状のマウントラバー108が外
嵌装着され、マウントラバー108には金属製の外筒1
09が外嵌装着され、外筒109は左右1対の脚部11
1と左右の脚部111の下端部を連結する連結部112
とを有する正面視略U字状の支持部材113を介してセ
ンタメンバ9に固定され、左右の脚部111の前部には
上下1対の長孔146が形成されている。
【0065】この第2エンジンマウント装置145で
は、長孔146により支持部材113の前部の強度・剛
性が低くなっていることから、正面衝突時における支持
部材113の前方への変形が促進され、センタメンバ9
に対するパワーユニット10の前方への相対移動は比較
的容易であるが、後方への相対移動は大幅に規制され
る。これにより、前記実施例と同様に、車体側に別途衝
撃吸収部材などを設けることなく、衝突時の衝突前期に
おける車体の減速度を高めて衝突後期における車体の減
速度を低下させ且つ減速度のピーク発生の時期を早め、
シートベルト装置やエアバック装置による乗員の拘束開
始時期を早め、乗員が車体に2次衝突するときの衝撃を
緩和して、乗員の安全性をより一層向上出来る。尚、前
記長孔146に代えて、ビードや切欠きを形成してもよ
い。前記第2エンジンマウント装置145は、第1、第
3、第4エンジンマウント装置に対しても同様に適用す
ることが出来る。
【0066】〔変形例〕 ・・・図55〜図60参照 次に、前記第2エンジンマウント装置145の構成を部
分的に変更した変形例について説明する。尚、前記第5
実施例と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明
を省略する。 〔1〕 図55に示すように、この第2エンジンマウン
ト装置150では、外筒151が支持部材152を介し
てセンタメンバ9の上面に接近した位置に支持され、外
筒151の後部にはセンタメンバ9の上面付近まで後方
下がりの傾斜状に延びる係合部153が突出状に形成さ
れ、係合部153の後方においてセンタメンバ9の上壁
部には係止部154が突出状に形成され、衝突時に係合
部153が係止部154に係合することで、センタメン
バ9に対するパワーユニット10の後方への相対移動が
規制される。
【0067】〔2〕 図56に示すように、第2エンジ
ンマウント装置155では、連結部112に前後方向に
細長い前後1対の長孔状のボルト孔156が形成され、
支持部材113及び外筒109はボルト孔156の前部
に装着されたボルト157を介してセンタメンバ9に締
結されている。この場合、衝突時にボルト157がボル
ト孔156に沿って前方へ移動することで、センタメン
バ9に対するパワーユニット10の前方への相対移動が
ある程度許容され、ボルト157がボルト孔156の後
端部に係合することで、パワーユニット10のセンタメ
ンバ9に対する後方への相対移動は規制される。
【0068】尚、前記ボルト孔156として、前記第1
実施例のボルト孔226・227・228を適用出来
る。また、センタメンバ9の上壁部のボルト孔158を
前後方向に細長い長孔状に形成し、この長孔の後部にボ
ルト157を装着してもよい。また、前記構成に加え
て、図57に図示の第2エンジンマウント装置160の
ように、連結部112の略中央部及びそれに対応するセ
ンタメンバ9の上壁部に前方下がりの傾斜状の係止部1
61・162を夫々形成し、衝突時に両係止部161・
162の係合によりパワーユニット10のセンタメンバ
9に対する後方への相対移動をより効果的に規制しても
よい。
【0069】〔3〕 図58に示すように、第2エンジ
ンマウント装置165では、左右のアーム部104の前
端部に前後方向に細長い長孔状の枢支孔166が形成さ
れ、軸部材107は枢支孔166の前端部に装着されて
いる。この場合、衝突時に軸部材107が枢支孔166
に沿って後方へ移動することで、センタメンバ9に対す
るパワーユニット10の前方への相対移動がある程度許
容され、軸部材107が枢支孔166の後端部に係合す
ることで、パワーユニット10のセンタメンバ9に対す
る後方への相対移動が規制される。尚、前記枢支孔16
6として、前記第1実施例のボルト孔226・227・
228を適用出来る。
【0070】〔4〕 前記前記第2エンジンマウント装
置165の構成に加えて、図59・図60に図示の第2
エンジンマウント装置175のように、左右のアーム1
04の下端部に下方へ延びる延長部176を形成し、延
長部の前端部に内方側へ向けて屈曲されたフック部17
7を形成し、左右の脚部111の後端部にフック部17
7と係合可能なフック部178を外方側へ向けて形成
し、パワーユニット10がセンタメンバ9に対して相対
的に前方へ移動してフック部177・178が係合する
ことで、正面衝突の後期におけるパワーユニット10の
センタメンバ9に対する相対的な後方移動を規制しても
よい。
【0071】〔第6実施例〕・・・図61参照 次に、片持ち型のエンジンマウント装置に関する実施例
について、図61に基いて説明する。このエンジンマウ
ント装置260は、パワーユニットの外周の3個所又は
4個所を弾性支持するのに適したもので、一般的な構成
の液封型のエンジンマウント装置であって、基本的に、
車体側の例えばフロントフレーム4に固定される車体側
ブラケット261と、その上端に固定されたホルダ部材
262と、マウントラバー263と、ロールストッパ2
64と、マウントラバー263の上端に固定された取付
金具265と、取付金具265に固定されたボルト部材
266と、ホルダ部材262内に形成され液体が充填さ
れた主室及び副室と、主室と副室とを連通するオリフィ
スとを備えている。
【0072】前記車体側ブラケット261は、前側ブラ
ケット部261aと、これに対向する後側ブラケット部
261bとを備え、前側ブラケット部261aの後側部
には1又は複数の係止ブラケット267が固着され、ま
た後側ブラケット部261bの後側部には1又は複数の
係止ブラケット268が固着されている。両係止ブラケ
ット267、268の下端は、フロントフレーム4の上
面に接近状に臨み、エンジンマウント装置260の前方
への傾動は許容されているが、両係止ブラケット26
7、268の下端とフロントフレーム4との当接によ
り、エンジンマウント装置260の後方への傾動は規制
されるように構成してある。従って、自動車の衝突時の
衝突前期において、車体に対してパワーユニットが前方
へ変位しやすいが、衝突後期において、車体に対してパ
ワーユニットが後方へ変位しにくくなっている。
【0073】〔第7実施例〕・・・図62、図63参照 次に、パワーユニット10を車体に弾性支持するアクテ
ィブエンジンマウント装置に本発明を適用した場合の例
について説明する。前記第3エンジンマウント装置とし
てのアクティブエンジンマウント装置300は、下部ケ
ース301と、上部ケース302と、上部ケース302
の上半部に固着されて上部ケース302の上面側を塞ぐ
ゴム製のマウントラバー303と、マウントラバー30
3の上端に固定された取付金具304と、下部ケース3
01と上部ケース302間の空間を上下に仕切る2枚の
金属板からなる仕切壁305(305a、305b)
と、仕切壁305と下部ケース301間に設けられた弾
性膜306と、仕切壁305とマウントラバー303間
の主室307と、仕切壁305と弾性膜306間の副室
308と、主室307と副室308内に充填された電磁
流体と、仕切壁305の中央部に貫通状に設けられた鉛
直向き軸心を有するソレノイドコイルからなる電磁コイ
ル309と、仕切壁305の外周部に両仕切壁305
a、305b間に略リング状に形成されたオリフィス3
10と、オリフィス310の一端を主室307に連通す
る小穴311と、オリフィス310の他端を副室308
に連通する小穴312と、電磁コイル309に駆動電流
を供給する駆動回路313と、駆動回路313を制御す
るコントロール装置314とを備えている。
【0074】前記下部ケース301は、その中央部のボ
ルト部315を介してサスペンションクロスメンバ又は
センタメンバに固定され、また取付金具304は、パワ
ーユニット10に固定されたブラケット316にボルト
317を介して固定されている。尚、前記コントロール
装置314には、車体の前端部などの適所に設けられた
加速度センサである衝突センサ318、車速センサ、パ
ワーユニット10の回転数を検出する回転数センサなど
からの検出信号が供給されており、コントロール装置3
14は、通常時には前記車速センサと回転数センサから
の検出信号に基いて電磁コイル309を制御するととも
に、自動車の衝突時には、衝突センサ318からの検出
信号に基いて電磁コイル309を制御するように構成し
てある。
【0075】前記電磁コイル309で発生する磁力線は
オリフィス310に直交状に作用し、電磁コイル309
への駆動電流を大きくすると磁力線が強化されて主室3
07と副室308とオリフィス310内の電磁流体の粘
度が増し、アクティブエンジンマウント装置300の減
衰力が強くなる。このアクティブエンジンマウント装置
300では、通常時には車速と回転数とに基いてパワー
ユニット10から車体に伝達する振動を極力減衰するよ
うな粘度となるように電磁コイル309への駆動電流を
リアルタイムで制御し、また正面衝突時の衝突前期に
は、車体に対してパワーユニット10が前方へ変位しや
すくする為に電磁コイル309への駆動電流を遮断し、
衝突後期には車体に対してパワーユニット10が後方へ
変位しにくくする為に電磁コイル309への駆動電流を
十分に大きくする。
【0076】〔第8実施例〕・・・図64〜図69参照 図64〜図66に示すように、FR型自動車のパワーユ
ニット10から後輪に駆動力を伝達するドライブシャフ
ト320の途中部にスプライン軸321とスプライン軸
穴322とからなるスプライン嵌合部323を設け、ス
プライン軸321から前方へ連なる前部軸324は、パ
ワーユニット10に軸方向移動不能に連結され、またス
プライン軸穴322を有し後方へ延びる後部軸325
は、車体に固定された差動装置に軸方向移動不能に連結
されている。前記前部軸324の後端部に筒状の係止部
材326が固着され、係止部材326の後部は、後部軸
325にスライド自在に外嵌され、係止部材326の後
部には4つの係止部327が形成され、各係止部327
は前端部において係止部材326に一体的に連結され後
方程内径側へ向くような弾性爪に形成され、各係止部3
27の後端部には係止面328が形成されている。
【0077】従って、車体に対してパワーユニット10
が前方へ変位する時には、係止部材326が前部軸32
4と後部軸325間に何らの拘束力も作用させないが、
車体に対してパワーユニット10が前方へ所定ストロー
ク以上変位後に車体に対してパワーユニット10が後方
へ変位するときには、4つの係止部327が後部軸32
5の前端に当接して後方への移動を規制する。これによ
り、自動車の衝突時の衝突前期において車体に対するパ
ワーユニット10の前方への変位を何ら規制しないが、
衝突後期において車体に対するパワーユニット10の後
方への変位は禁止される。
【0078】次に、変形例として、係止部材326の代
わりに、図67に示すように、ジャバラ状の係止部材3
30が前部軸324に固着されてその後部が後部軸32
5にスライド自在に外嵌され、係止部材330よりも後
方位置において後部軸325に係止リング331が固着
され、通常時には係止部材330の後端部が係止リング
331に接近している。車体に対してパワーユニット1
0が後方へ変位するときには、係止部材330の後端部
が係止リング331で係止されるため、車体に対してパ
ワーユニット10が後方へ変位しにくくなっている。ま
た、別の変形例として、図68に示すように、スプライ
ン軸321よりも後方位置においてスプライン軸穴32
2内に合成樹脂製又は発泡体製又は金属製のシャバラ状
スリーブ335が装着され、後部軸325に対する前部
軸324の前方への変位は規制されないが、後部軸32
5に対して前部軸324が後方へ変位するときには、シ
ャバラ状スリーブ335により後方への変位を規制する
ように構成し、自動車の衝突時において車体に対してパ
ワーユニット10が後方へ変位しにくくなっている。
【0079】また、別の変形例として、図69に示すよ
うに、スプライン軸321の後端部に液密に封止する為
の封止部材340が固定され、スプライン軸穴322の
後端部に通ずる軸穴341の後端部は金属製の封鎖部材
342で封鎖され、スプライン軸穴322と軸穴341
には油が充填され、後部軸325には軸穴341に臨む
2つの逆止弁343であって外部から軸穴341へ空気
の導入を許可するが、その逆方向への油の流通を禁止す
る逆止弁343が設けられている。前部軸324が後部
軸325に対して前方へ変位するときには、逆止弁34
3を介して空気が導入されるため前方への変位は許容さ
れるが、前部軸324が後部軸325に対して後方へ変
位するときには、油が流出しないため後方への変位が規
制される。つまり、自動車の衝突時において車体に対し
てパワーユニット10が後方へ変位しにくくなってい
る。
【0080】〔第9実施例〕・・・図2参照 図2に仮想線で示すように、ダッシュパネル6にエンジ
ンルーム2内へ向けて膨張してパワーユニット10を後
方より受け止めるエアバッグ350が設けられ、前記衝
突センサ318からの検出信号に基いて自動車の衝突時
の衝突後期の初期にエアバッグ350を展開させること
により、車体に対するパワーユニット10の後方への変
位を規制する。
【0081】〔第10実施例〕・・・図70参照 図70に示すように、パワーユニット10が搭載支持さ
れるサスペンションクロスメンバ8の左端部は前後1対
のボルト355と緩衝部材356とナット357を介し
て左側のフロントフレーム4の下面に固定され、またサ
スペンションクロスメンバ8の右端部は前後1対のボル
ト355と緩衝部材356とナット357を介して右側
のフロントフレーム4の下面に固定される。前記サスペ
ンションクロスメンバ8に形成される4つのボルト孔3
58は、前後に細長く形成され、4つのボルト355は
各ボルト孔358の前端部に位置するように組み立てら
れている。
【0082】従って、自動車の衝突時に、パワーユニッ
ト10とサスペンションクロスメンバ8は、4つの細長
いボルト孔358を介して車体に対する前方への変位が
許容されている。尚、図71に示すように、4つのボル
ト孔358の後端部にボルト孔358よりも狭い狭部を
介して連なるボルト孔部359を形成すれば、自動車の
衝突時の衝突前期には車体に対するパワーユニット10
とサスペンションクロスメンバ8の前方への変位を許容
してボルト355をボルト孔部359に嵌め、その後衝
突後期には車体に対するパワーユニット10とサスペン
ションクロスメンバ8の後方への変位を規制することも
できる。
【0083】尚、図72に示すように、前記4つのボル
ト孔358の後端部にも前記ボルト孔部359と同様の
構成のボルト孔部360を形成して、各ボルト孔358
の長さ方向中央部に各ボルト355が位置するように組
み立てる場合には、自動車の正面衝突時の衝突前期には
車体に対するパワーユニット10の前方への変位を許容
しまた衝突後期には車体に対するパワーユニット10の
後方への変位を規制でき、自動車の後方からの追突時の
衝突前期には車体に対するパワーユニット10の後方へ
の変位を許容しまた衝突後期には車体に対するパワーユ
ニット10の前方への変位を規制できる。尚、前記4つ
のボルト孔358はフロントフレーム4側に形成しても
よく、この場合にはボルト355をボルト孔358の後
端部に位置させた状態でサスペンションクロスメンバ8
をフロントフレーム4に組付けることになる。
【0084】〔第11実施例〕・・・図73参照 図73に示すように、前記図1に示したセンタメンバ9
の前端部と後端部に前後方向に細長いボルト孔361が
形成され、これらのボルト孔361とこれらのボルト孔
361に挿通させたボルトを介してセンタメンバ9が車
体に固定され、それらのボルトは対応するボルト孔36
1の前端部に位置するように組み立てられている。それ
故、前記実施例と同様の作用が得られる。尚、車体側に
前記ボルト孔361を形成し、このボルト孔361の後
端部にボルトを位置させた状態で、センタメンバ9を車
体に組付けてもよい。尚、本実施例では、FFタイプの
自動車に本発明を適用したが、FRタイプの自動車に対
しても同様に本発明を適用出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る車体前部の平面図であ
る。
【図2】車体前部の縦断面図である。
【図3】第1実施例に係る第3エンジンマウント装置付
近の平面図である。
【図4】第1実施例に係る第3エンジンマウント装置の
分解斜視図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】変形例に係る第3エンジンマウント装置の図5
相当図である。
【図7】自動車の衝突時の車体の減速度の特性図であ
る。
【図8】第2実施例に係る第3エンジンマウント装置の
分解斜視図である。
【図9】図8の第3エンジンマウント装置の平面図であ
る。
【図10】図8の第3エンジンマウント装置の断面図で
ある。
【図11】変形例に係る第3エンジンマウント装置の断
面図である。
【図12】変形例に係る第3エンジンマウント装置の断
面図である。
【図13】変形例に係る第3エンジンマウント装置の断
面図である。
【図14】変形例に係る第3エンジンマウント装置の断
面図である。
【図15】変形例に係る第3エンジンマウント装置の断
面図である。
【図16】変形例に係る第3エンジンマウント装置の側
面図である。
【図17】図16の第2エンジンマウント装置の断面図
である。
【図18】第2実施例に係る車体前部の縦断面図であ
る。
【図19】図18の第2エンジンマウント装置の斜視図
である。
【図20】図19の第2エンジンマウント装置の側面図
である。
【図21】図19の第2エンジンマウント装置の断面図
である。
【図22】変形例に係る第2エンジンマウント装置の側
面図である。
【図23】図22の第2エンジンマウント装置の断面図
である。
【図24】変形例に係る第2エンジンマウント装置の斜
視図である。
【図25】変形例に係る第2エンジンマウント装置の側
面図である。
【図26】変形例に係る第2エンジンマウント装置の側
面図である。
【図27】図26の第2エンジンマウント装置の断面図
である。
【図28】変形例に係る第2エンジンマウント装置の側
面図である。
【図29】図28の第2エンジンマウント装置の断面図
である。
【図30】変形例に係る第2エンジンマウント装置の側
面図である。
【図31】図30の第3エンジンマウント装置の断面図
である。
【図32】第4実施例に係る第3エンジンマウント装置
の分解斜視図である。
【図33】図32の第3エンジンマウント装置の平面図
である。
【図34】図32の第3エンジンマウント装置の断面図
である。
【図35】変形例に係る第3エンジンマウント装置の側
面図である。
【図36】変形例に係る第3エンジンマウント装置の側
面図である。
【図37】変形例に係る第3エンジンマウント装置の側
面図である。
【図38】変形例に係る第3エンジンマウント装置の車
体側ブラケットの斜視図である。
【図39】図38の第3エンジンマウント装置の側面図
である。
【図40】変形例に係るボルト孔を示す図である。
【図41】変形例に係るボルト孔を示す図である。
【図42】変形例に係るボルト孔を示す図である。
【図43】変形例に係るボルト孔などの側面図である。
【図44】変形例に係る第3エンジンマウント装置の側
面図である。
【図45】図44のボルト孔の拡大図である。
【図46】変形例に係る第3エンジンマウント装置の車
体側ブラケットの斜視図である。
【図47】図46の第3エンジンマウント装置の断面図
である。
【図48】変形例に係る第3エンジンマウント装置の車
体側ブラケットの斜視図である。
【図49】変形例に係る第3エンジンマウント装置の側
面図である。
【図50】変形例に係る第3エンジンマウント装置の平
面図である。
【図51】変形例に係る第3エンジンマウント装置の平
面図である。
【図52】図51の装置の作動説明図である。
【図53】第5実施例に係る第2エンジンマウント装置
の斜視図である。
【図54】変形例に係る第2エンジンマウント装置の側
面図である。
【図55】変形例に係る第2エンジンマウント装置の側
面図である。
【図56】変形例に係る第2エンジンマウント装置の断
面図である。
【図57】変形例に係る第2エンジンマウント装置の断
面図である。
【図58】変形例に係る第2エンジンマウント装置の側
面図である。
【図59】変形例に係る第2エンジンマウント装置の側
面図である。
【図60】図59の装置の要部断面図である。
【図61】第6実施例に係る第3エンジンマウント装置
の側面である。
【図62】第7実施例に係るアクティブエンジンマウン
ト装置の断面図である。
【図63】図62の要部の平面図である。
【図64】ドライブシャフトの要部断面図である。
【図65】図64のドライブシャフトの係止状態を示す
要部断面図である。
【図66】図64の係止部材の斜視図である。
【図67】変形例に係る図64相当図である。
【図68】変形例に係る図64相当図である。
【図69】変形例に係る図64相当図である。
【図70】第10実施例の車体前部とサスペンションク
ロスメンバの分解斜視図である。
【図71】変形例のボルト孔の図である。
【図72】変形例のボルト孔の図である。
【図73】センタメンバの斜視図である。
【図74】自動車の前部構造の衝突開始前の機構図であ
る。
【図75】自動車の前部構造の衝突前期における機構図
である。
【図76】自動車の前部構造の衝突後期の初期の機構図
である。
【図77】自動車の前部構造の衝突後期の機構図であ
る。
【図78】自動車の前部構造の衝突後の機構図である。
【符号の説明】
13、33、40、55、60 第3エンジンマウ
ント装置 65、70、75、80、85 第3エンジンマウ
ント装置 180、200、205、210 第3エンジンマウ
ント装置 215、220、230、235 第3エンジンマウ
ント装置 250、260、300 第3エンジンマウント装置 101、120、125、130 第2エンジンマウ
ント装置 135、140、145、150 第2エンジンマウ
ント装置 155、160、165、170、175 第2エン
ジンマウント装置 41、103、181、201、206、211
車体側ブラケット 221、231、236、241、251、261
車体側ブラケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 28/14 B60K 5/12 F16F 15/08

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の衝突時に車両の車室を含む車体に
    作用する衝撃をコントロールする車両の衝撃コントロー
    ル構造であって、 前記衝突発生時の衝突前期における車体の減速度を高め
    る減速促進手段を設け、衝突発生時の衝突後期における
    減速度のピーク発生の時期を早めるピークシフト手段を
    設けたことを特徴とする車両の衝撃コントロール構造。
  2. 【請求項2】 前記減速促進手段が、車両のパワーユニ
    ットが車体に対して前方へ変位するのを促進する手段か
    らなることを特徴とする請求項1に記載の車両の衝撃コ
    ントロール構造。
  3. 【請求項3】 前記ピークシフト手段が、前記パワーユ
    ニットが車体に対して後方へ変位するのを規制する規制
    手段からなることを特徴とする請求項1に記載の車両の
    衝撃コントロール構造。
  4. 【請求項4】 前記減速促進手段ピークシフト手段
    少なくとも一方が、前記パワーユニットを車体に連結す
    るマウント手段に設けられたことを特徴とする請求項1
    に記載の車両の衝撃コントロール構造。
  5. 【請求項5】 前記減速促進手段ピークシフト手段
    少なくとも一方が、前記パワーユニットを支持するサポ
    ート部材を車体に連結する連結手段に設けられたことを
    特徴とする請求項1に記載の車両の衝撃コントロール構
    造。
  6. 【請求項6】 前記減速促進手段ピークシフト手段
    少なくとも一方が、前記パワーユニットからの駆動力を
    伝達し車体前後方向に延びるシャフト部材に設けられた
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の衝撃コントロ
    ール構造。
  7. 【請求項7】 前記マウント手段が、アクティブエンジ
    ンマウントを含み、衝突発生時の衝突後期に前記アクテ
    ィブエンジンマウントのバネ定数を高める制御手段を備
    えたことを特徴とする請求項4に記載の車両の衝撃コン
    トロール構造。
  8. 【請求項8】 衝突を検知する検知手段と、車両のパワ
    ーユニットが車体に対して後方へ変位するのを規制する
    規制手段と、衝突発生時に検知手段からの信号に基いて
    規制手段を作動させる制御手段とを設けたことを特徴と
    する請求項1に記載の車両の衝撃コントロール構造。
  9. 【請求項9】 車両の衝突時に車両の車室を含む車体に
    作用する衝撃をコントロールする車両の衝撃コントロー
    ル方法であって、 前記衝突発生時の衝突前期における車体の減速度を高め
    る為に車両のパワーユニットの車体に対する前方移動を
    拘束する拘束度合を弱く設定し、衝突後期における減速
    度のピーク発生の時期を早める為にパワーユニットの車
    体に対する後方移動を拘束する拘束度合を高く設定する
    ことを特徴とする車両の衝撃コントロール方法。
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