JPH0523591Y2

JPH0523591Y2 -

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Publication number: JPH0523591Y2
Application number: JP1987080944U
Authority: JP
Priority date: 1987-05-29
Filing date: 1987-05-29
Publication date: 1993-06-16
Anticipated expiration: 2002-05-29
Also published as: JPS63192484U; EP0292993A2; EP0292993A3; KR910009412Y1; US4917153A

Description

【考案の詳細な説明】〔考案の技術分野〕本考案は、多色の流体噴射式織機に関し、特に
よこ糸の連れ切りを未然に防止する装置に関す
る。

〔考案の背景〕

多色の流体噴射式織機では、複数のよこ糸が所
定の順序で交互によこ入れされ、よこ入れ後、カ
ツターによつてよこ入れ側の織り端で切断され
る。このよこ糸の切断時に、よこ入れ中のよこ糸
以外のよこ糸、すなわち待機中のよこ糸は、メイ
ンノズルから少し突出した状態になつている。

もし、この待機中のよこ糸がよこ入れ中のよこ
糸の近くに接近し、カツターの作用域に達する
と、カツターは、よこ入れ中のよこ糸のほか、待
機中のよこ糸をも同時に切断し、連れ切れを起こ
す。

そして、このように、切断された短いよこ糸
は、メインノスルからの空気流に乗つて、たて糸
開口中に運ばれ、織布の中に織り込まれ、織布の
織り傷となる。

このような連れ切れ現象は、特に強撚糸やガラ
ス繊維系のよこ糸に頻発する。すなわち、よこ入
れ待機中に、よこ糸のノズル抜けを防止するため
に、常時メインノズルから少量の流体噴射が継続
的に行われており、強撚糸の場合には、この流体
により、伸縮性の大きいよこ糸は、撚り戻りによ
つて伸ばされ、よこ入れ中のよこ糸に接近し、カ
ツターの作用域まで到達する。また、ガラス繊維
の場合には、よこ糸自体が硬いため、切断時にカ
ツターと貯留装置との間でよこ糸が糸ゆるみの状
態で切断される。この糸ゆるみがあると、よこ入
れ待機中の常時噴射によつて、よこ糸が引き伸ば
され、カツターの切断位置まで到達し、上記の連
れ切れとなる。

〔従来の技術〕

したがつて、このような多色の流体噴射式織機
では、連れ切れ防止手段が必要となる。

例えば実公昭51−5570号「緯糸の引き戻し装
置」は、２本のよこ糸のうち待機中のよこ糸をレ
バーにより引き戻すことにより、２本のよこ糸の
からみ合いを未然に防止している。このような引
き戻し装置が多色の流体噴射式織機に組み込まれ
るならば、上記の連れ切れ現象は、確実に防止で
きる。

しかし、上記の考案によると、機械的な機構が
複雑で、よこ糸を引掛けて引き戻す形式のため
に、よこ糸に必要以上の張力が掛かり、よこ糸が
傷つくので、上記の装置は、織物の品質維持の観
点から有効な解決手段とならない。

〔考案の目的〕

したがつて、本考案の目的は、多色流体噴射式
織機において、よこ入れ中のよこ糸を切断すると
きに、よこ入れ以外のよこ糸、すなわち待機中の
よこ糸の連れ切れを未然に防止することである。

〔考案の解決手段〕

そこで、本考案は、よこ入れ中のよこ糸の切断
に際し、複数のメインノズルの先端近くで、空気
流発生手段によりカツター作用域の方向と異なる
方向の空気流を発生し、この空気流によつて待機
中のよこ糸をよこ入れ中のよこ糸から積極的に引
き離し、待機中のよこ糸をカツターの作用域に接
近しないようにしている。そして、上記空気流発
生手段は、複数のメインノズルごとに個別的に設
けられ、よこ入れ中のよこ糸の切断時に、待機中
のよこ糸にのみ空気流を実質的に作用させる。

このため、本考案では、よこ糸の連れ切れが簡
単な空気流発生手段によつて確実に防止できる。

〔実施例〕

図は、多色流体噴射式織機１との関連で、本考
案のよこ糸連れ切れ防止装置２の構成を示してい
る。

多色流体噴射式織機１は、ノズルホルダー４の
部分で、多色よこ入れのため複数、例えば２色よ
こ入れと対応して２つのメインノズル３１，３２
を備えている。これらのメインノズル３１，３２
は、よこ糸５１，５２の選択順序により、交互に
動作し、よこ入れ用の流体例えば空気をたて糸６
の開口７に向けて噴射することにより、いずれ
か、例えばよこ糸５１をよこ入れしていく。そし
て、よこ入れ後によこ糸５１は、メインノズル３
１，３２と、よこ入れ側のたて糸６との間で、カ
ツター８により切断される。このようなよこ入れ
のために、それぞれのメインノズル３１，３２
は、配管９１，９２によつて、それぞれ制御弁１
０１，１０２を介し共通のタンク１１および圧力
空気源１２に接続されている。

一方、本考案のよこ糸連れ切れ防止装置２は、
多色数２と対応して、２つの空気流発生手段１３
１，１３２および制御弁１４１，１４２を備えて
いる。上記空気流発生手段１３１，１３２は、そ
れぞれ配管１５３、各制御弁１４１，１４２側の
配管１５１，１５２によつて、圧力制御弁１６
１，１６２および共通のタンク１１を介し圧力空
気源１２に接続されている。空気流発生手段１３
１，１３２は、メインノズル３１，３２の先端位
置で、それぞれ交差する方向に配置されており、
圧力空気を直接噴射して、カツター８の作用域と
異なる方向に空気流を発生させる。なお、２つの
メインノズル３１，３２の先端部分で空気流発生
手段１３１，１３２の間に案内板１６が設けられ
ている。この案内板１６は、よこ入れ方向に突出
し、２つの空気流発生手段１３１，１３２の噴射
口を仕切り、互いに干渉しないようにしている。

そして、制御弁１４１，１４２の出口側は、例
えば特公昭59−44419号で示されるカツテイング
ブローのために、メインノズル３１，３２の入口
側にも接続されている。

なお、この制御弁１４１，１４２は、機械操作
式の開閉弁として、あるいは電磁操作式の開閉弁
として構成される。機械式の場合に、これらの操
作部は、織機の回転と同期するカムなどによつて
駆動される。また、電磁式であれば、その操作部
は、よこ糸選択装置からの電気信号によつて駆動
される。圧力制御弁１６１，１６２は、空気流発
生手段１３１，１３２からの空気流およびカツテ
イングブローのための空気流の圧力をよこ入れ用
空気流の圧力よりも低くするためのものであり、
必要に応じて省略できる。

既に記載したように、多色流体噴射式織機１
は、制御弁１０１，１０２を選択順序によつて開
放状態とし、メインノズル３１，３２により、よ
こ糸５１，５２を選択的にたて糸６の開口７の中
によこ入れしていく。そして、よこ入れ後に、よ
こ糸５１，５２は、カツター８によつてメインノ
ズル３１，３２とよこ入れ側のたて糸６との間で
切断されていく。

この間に、本考案のよこ糸連れ切れ防止装置２
は、制御弁１４１，１４２を選択的に開放状態と
することにより、空気流発生手段１３１，１３２
を交互に動作させる。

すなわち、メインノズル３１がよこ糸５１をよ
こ入れした後、そのよこ糸５１がカツター８で切
断されるときに、制御弁１４１は、開放状態に設
定され、圧力空気を空気流発生手段１３２に送り
込んでいる。同時に、この圧力空気は、カツテイ
ングブローとして、よこ糸５１の切れ戻り防止の
ために、メインノズル３１にも送り込まれ、よこ
糸５１を弱い力でよこ入れ方向に牽引している。
この結果、カツター８がよこ糸５１を切断すると
き、待機中のよこ糸５２は、空気流発生手段１３
２からの噴射空気流を受けて、その空気流の方向
に吹き流され、カツター８の作用域から離れてい
る。したがつて、カツター８は、よこ入れ後のよ
こ糸５１のみを切断し、待機中のよこ糸５２を切
断しないことになる。

カツター８の動作時に、切断対象のよこ糸５１
は、切断前に、たて糸６の間で拘束されており、
しかもよこ入れ側でメインノズル３１によつて保
持されている。

空気流発生手段１３２がカツター作用域の方向
と異なる方向の空気流を発生したとき、その空気
流が案内板１６によつてメインノズル３１の先端
に作用しないため、よこ糸５１は、カツター８の
作用域から外れないため、切断ミスは起こり得な
い。このように、メインノズル３１，３２の先端
部分に案内板１６が設けられているので、空気流
発生手段１３１，１３２からの空気流がよこ入れ
中のよこ糸に干渉しないため、引き離し作用がい
つそう確実となる。

そして、切断後のよこ糸５１は、メインノズル
３１の内部で、制御弁１４１からカツテイングブ
ロー用の弱い空気流を受けているため、切断され
た瞬間にも、引き戻されず、メインノズル３１の
内部から抜けない。

〔他の実施例〕

空気流発生手段１３は、実施例のように、噴射
方向の空気流を発生させるものに限らず、例えば
圧力空気を噴射する過程で、霧吹きの原理によつ
て負圧を発生させ、その負圧部分で空気流を吸引
方向に発生させる形式のものであつてもよい。ま
た、送風器によつて、空気流を発生させるように
してもよい。

さらに、制御弁１４１，１４２は、カツテイン
グブロー用のものと兼用したが、これに代えて、
カツテイングブロー用の制御弁とは別に、本考案
の連れ切れ防止の目的のために専用の制御弁とし
て構成してもよい。

〔考案の効果〕

本考案では、次のような特有の効果が得られ
る。

メインノズル毎に簡単な空気流発生手段が設け
られており、これによつて、よこ糸の連れ切れが
確実に防止できるため、連れ切れ端の織布への織
り込みが未然に防止できる。

従来のように、機械的な拘束手段を採用してい
ないため、待機中のよこ糸が傷つかず、織り傷の
発生もなくなる。

メインノズルの先端部分に案内板が設けられて
いるので、空気流発生手段からの空気流がよこ入
れ中のよこ糸に干渉しないため、引き離し作用が
いつそう確実となる。

また、制御弁がカツテイングブローの機能を有
する場合に、その制御弁を本考案の制御弁として
兼用することにより、新たに空気流発生手段を追
加するだけで、本考案のよこ糸連れ切れ防止手段
が完成できるため、その実施が新たな織機のほか
既設の織機についても容易に組み込める。

【図面の簡単な説明】

図は多色流体噴射式織機のよこ糸連れ切れ防止
装置の平面図である。１……多色流体噴射式織機、２……よこ糸連れ
切れ防止装置、３１，３２……メインノズル、４
……ノズルホルダー、５１，５２……よこ糸、６
……たて糸、７……開口、８……カツター、１０
１，１０２……制御弁、１２……圧力空気源、１
３１，１３２……空気流発生手段、１４１，１４
２……制御弁、１５１，１５２，１５３……配
管。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 複数のメインノズルによりよこ糸をたて糸の
開口中によこ入れし、よこ入れ後のよこ糸をメ
インノズルとたて糸との間でカツターにより切
断する多色流体噴射式織機において、上記各メインノズルの先端側にカツターの作
用域の方向とは異なる向きに空気流を発生させ
る空気流発生手段をそれぞれ設け、上記各空気
流発生手段を、圧力空気源に接続するととも
に、上記各空気流発生手段と圧力空気源との間
に、上記カツター動作時に、よこ入れ動作中以
外のメインノズルに対応する流路を開放状態と
する制御弁を介在させてなることを特徴とする
多色流体噴射式織機のよこ糸連れ切り防止装
置。 (2) 複数のメインノズルの先端部分で空気流発生
手段の間に、案内板を介在させてなることを特
徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
多色流体噴射式織機のよこ糸連れ切り防止装
置。 (3) 制御弁をカツテイングブローの制御に兼用す
ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
１項記載の多色流体噴射式織機のよこ糸連れ切
り防止装置。