JPH05232723A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH05232723A
JPH05232723A JP3215192A JP3215192A JPH05232723A JP H05232723 A JPH05232723 A JP H05232723A JP 3215192 A JP3215192 A JP 3215192A JP 3215192 A JP3215192 A JP 3215192A JP H05232723 A JPH05232723 A JP H05232723A
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JP
Japan
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group
radical
carrier
ring
layer
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JP3215192A
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English (en)
Inventor
Shingo Fujimoto
信吾 藤本
Toyoko Shibata
豊子 芝田
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Publication of JPH05232723A publication Critical patent/JPH05232723A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高感度で残留電位低く、耐用性の高い電子写真
感光体の提供。 【構成】感光体層に一般式〔1〕で示されるビスアゾ化
合物を含有させる。 一般式〔1〕 Cp−N=N−Ar−N=N−Cp 〔式中、Rは置換基を有してもよい芳香族炭化水素環
基または芳香族複素環基を表し、Xはベンゼン環と縮合
して芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成する残
基を表す。Rは低級アルキル基を表し、R及びR
は各々水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級
アルコキシ基を表す。Arは置換基を有してもよく、直
接または縮合基を介して結合していてもよい芳香族炭化
水素環または芳香族複素環の2価の基を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
詳しくは特定のビスアゾ化合物を含有する感光層を有す
る電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体としては、セレ
ン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、シリコン等の無機光導
電性化合物を主成分とする感光層に有する無機感光体
が、広く用いられてきた。しかし、これらは感度、熱安
定性、耐湿性、耐久性等において必ずしも満足し得るも
のではない。また一部の無機感光体では、感光体中に人
体に有害な物資を含むため、廃棄に際しての問題があ
る。
【0003】これら無機感光体の持つ欠点を克服する目
的で様々な有機光導電性化合物を主成分とする感光層を
有する有機感光体の研究・開発が近年盛んに行われてい
る。特にキャリア発生機能とキャリア輸送機能とを異な
る物質にそれぞれ分担させた機能分離型の感光体はそれ
ぞれの材料を広い範囲から選択することができ、任意の
性能を有する感光体を比較的容易に作成し得ることから
多くの研究がなされており、一部実用に供されているも
のがある。例えば米国特許3,871,882号のキャリア発生
層としてペリレン誘導体、キャリア輸送層にオキサジア
ゾール誘導体を用いたもの、また特開昭55-84943号には
キャリア発生物質にジスチリルベンゼン系ビスアゾ化合
物、キャリア輸送物質にヒドラゾン化合物を用いたもの
などが知られている。
【0004】
【本発明が解決しようとする問題点】しかしこのような
感光体は、感度及び耐久性において必ずしも満足できる
ものではなく、ほとんどが低感度で耐刷性のあまりいら
ない低速機を中心に用いられてきた。そして高速機に対
応できるような高感度かつ耐久性の高い感光体の開発が
求められていた。
【0005】
【本発明の目的】本発明の目的は、高感度でかつ残留電
位が低く、更に繰返し使用してもそれらの特性が変化し
ない耐久性の優れた電子写真感光体を提供することにあ
る。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、以上の
目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のビスア
ゾ化合物が電子写真感光体の優れた有効成分として働き
得る事を見いだし、本発明を完成したものである。即
ち、本発明の上記目的は、導電性支持体上に下記一般式
〔1〕で表されるビスアゾ化合物を含有する感光層を電
子写真感光体に用いることにより達成することができ
る。
【0007】
【化2】
【0008】式中、R1は置換基を有してもよい芳香族
炭化水素環基または芳香族複素環基を表し、Xはベンゼ
ン環と縮合して芳香族炭化水素環または芳香族複素環を
形成する残基を表す。R2は低級アルキル基を表し、R3
及びR4は各々水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、低級アルコキシ基を表す。Ar
は置換基を有してもよく、直接または結合基を介して結
合していてもよい芳香族炭化水素環または芳香族複素環
の2価の基を示す。
【0009】R1の芳香族炭化水素環基または芳香族複
素環基の具体例としてはフェニル基、ナフチル基、ピリ
ジル基などを挙げることができる。またはこれらの基に
は以下に示すような置換基を有していてもよい。メチ
ル、エチル、トリフルオルメチルなどの置換、無置換の
アルキル基、F,Cl,Br,Iのハロゲン原子、メトキ
シ、エトキシなどのアルコキシ基、ニトロ基、シアノ
基。またXがベンゼン環と縮合して形成される芳香族炭
化水素環または芳香族複素環の具体例としてはナフタレ
ン環、アントラセン環、ベンゾカルバゾール環、ジベン
ゾフラン環などを挙げることができる。
【0010】R2のアルキル基としては炭素原子数1か
ら4のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル
基、イソプロピル基、t-ブチル基等を挙げることが出来
る。また、R3、R4のアルキル基としては炭素原子数1
から4のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、t-ブチル基、トリフルオルメチ
ル基等を挙げることが出来る。R3,R4のアルコキシ基
としては、炭素原子数1から4のアルコキシ基が好まし
く、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ
基、t-ブトキシ基等を挙げることが出来る。R3、R4
ハロゲン原子としては、Cl,Br,I,Fを挙げることが
できる。
【0011】Arの、置換基を有してもよく、直接また
は結合基をかいして結合していてもよい芳香族炭化水素
環または芳香族複素環の2価の基の具体例としては、以
下のような芳香環の2価の基が挙げられる。ベンゼン、
ナフタレン、フルオレン、ピレン等の芳香族炭化水素
環、フラン、チオフェン、オキサジアゾール、ベンゾオ
キサゾール等の芳香族複素環、さらに上記芳香環を直接
または結合基をかいして結合したもの、例えばビフェニ
ル、スチルベン、トリフェニルアミン、フルオレノン、
アントラキノン、ジフェニルオキサジアゾール、フェニ
ルベンゾオキサゾール等が挙げられる。
【0012】次に、本発明の前記一般式〔1〕で示され
るビスアゾ化合物の具体例について述べるがこれによっ
て本発明のビスアゾ化合物が限定されるものではない。
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】本発明の前記一般式〔1〕で表されるビス
アゾ化合物は、種々の方法により合成することができ
る。
【0024】第一の方法は、一般式〔2〕で示されるジ
アミンを常法によりジアゾ化してテトラゾニウム塩を合
成し、次いで一般式〔3〕で示されるカプラー及び一般
式〔4〕で示されるカプラーの混合物と反応させて、前
記一般式〔1〕で示されるカプラーの異なる非対称なビ
スアゾ化合物を合成する方法である。
【0025】
【化13】
【0026】一般式〔2〕においてArは一般式〔1〕
と同義である。一般式〔3〕、〔4〕においてR1
2、R3、R4、Xは一般式〔1〕と同義である。
【0027】第二の方法は、以下に記すように逐次2段
階に分けてカップリング反応を行い、前記一般式〔1〕
で示されるカプラーの異なる非対称なビスアゾ化合物を
合成する方法である。
【0028】前記一般式〔2〕で示されるジアミンの一
方のアミノ基をアシル基などの保護基で保護した後、常
法により他方のアミノ基をジアゾ化、次いで第一のカプ
ラーとカップリング反応を行い、一般式〔6〕または
〔7〕で示されるモノアゾ化合物を合成する。
【0029】
【化14】
【0030】(一般式〔6〕においてR1、X、Arは
一般式〔1〕と同義であり、R′はアシル基などの保護
基を示す。一般式〔7〕においてR2、R3、R4、Ar
は一般式〔1〕と同義であり、R′はアシル基などの保
護基を示す。) 次に保護基を加水分解してはずし、アミノ基を再生す
る。常法によりアミノ基をジアゾ化し、次いで第2のカ
プラーとカップリング反応を行い、カプラーの異なる非
対称なビスアゾ化合物を合成する。
【0031】第一の方法は、合成工程が短く、コスト的
に有利な方法であるが、カップリング反応の塩基量、2
種のカプラーの混合比などの反応条件等を適正化して、
前記一般式〔1〕で示される非対称なビスアゾ化合物を
純度よく得る必要がある。第二の方法は合成工程は長く
なってしまうが、より高純度に前記一般式〔1〕で示さ
れる非対称なビスアゾ化合物を得ることが出来る。
【0032】本発明の前記ビスアゾ化合物は優れた光導
電性を有し、これをバインダ中に分散した感光層を導電
性支持体上に設けることにより本発明の電子写真感光体
を製造することができる。本発明のビスアゾ化合物は、
その優れたキャリア発生能を利用して、これをキャリア
発生物質として用い、これと組合せて有効に作用し得る
キャリア輸送物質を共に用いることにより、いわゆる機
能分離型の感光体とすることができる。前記機能分離型
感光体は前記両物質の混合分散型のものであってもよい
が、本発明のビスアゾ化合物からなるキャリア発生物質
を含むキャリア発生層と、キャリア輸送層とを積層した
積層型感光体とすることがより好ましい。
【0033】本発明の電子写真感光体は、支持体(導電
性支持体またはシート上に導電層を設けたもの)上に、
キャリア発生物質とバインダ樹脂を含有するキャリア発
生層を下層とし、キャリア輸送物質とバインダ樹脂を含
有するキャリア輸送層を上層とする機能分離型の積層感
光体、支持体上にキャリア輸送層を下層とし、キャリア
発生層を上層とする積層感光体及び支持体上にキャリア
発生物質、キャリア輸送物質及びバインダ樹脂を含有す
る単層構成の感光体等が挙げられる。いずれの層構成に
おいても、支持体と感光層の間にバリア機能と接着性を
持つ下引層(中間層)を設けてもよく、感光層の上に保
護層を設けてもよい。
【0034】本発明において、キャリア発生層は代表的
には前述の本発明のビスアゾ化合物を適当な分散媒に単
独もしくは適当なバインダ樹脂と共に分散せしめた分散
液を例えばディップ塗布、スプレイ塗布、ブレード塗
布、ロール塗布等によって支持体若しくは下引層上また
はキャリア輸送層上に塗布して乾燥させる方法により設
けることができる。また本発明のビスアゾ化合物の分散
はボートミル、ホモミキサ、サンドミル、超音波分散
機、アトライタ等が用いられる。
【0035】感光層、保護層、下引層に使用可能なバイ
ンダ樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウ
レタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アル
キッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、
メラミン樹脂ならびに、これらの樹脂の繰返し単位のう
ちの2つ以上を含む共重合体樹脂、またはこれらの絶縁
性樹脂の他、ポリ-N-ビニルカルバゾール等の高分子有
機半導体が挙げられる。
【0036】次に前記感光層を支持する導電性支持体と
しては、アルミニウム、ニッケルなどの金属板、金属ド
ラム、あるいはアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウ
ムなどを蒸着したプラスチックフィルム、あるいは導電
性物質を塗布した紙、プラスチックなどのフィルム又は
ドラムを使用することができる。
【0037】本発明のビスアゾ化合物の分散媒として
は、例えばトルエン、キシレン等の炭化水素類;ジクロ
ルメタン、1,2-ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水
素;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセ
ルソルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類及びこの
誘導体;テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエー
テル類;ピリジンやジエチルアミン等のアミン類;N,N-
ジメチルホルムアミド等のアミド類等の窒素化合物、そ
の他脂肪酸及びフェノール類、二硫化炭素や燐酸トリエ
チル等の硫黄、燐化合物の1種又は2種以上を用いるこ
とができる。
【0038】本発明の感光体が積層構成の場合、キャリ
ア発生層中のバインダ:キャリア発生物質の重量比は0
〜10:1〜50である。
【0039】キャリア発生物質の含有割合がこれより少
ないと感度が低く、残留電位の増加を招き、またこれよ
り多いと暗減衰及び受容電位が低下する。
【0040】以上のようにして形成されるキャリア発生
層の膜厚は、好ましくは0.01〜10μm、特に好ましくは
0.1〜5μmである。
【0041】本発明において用いられるキャリア輸送物
質に特に制限はないが、光照射時発生するホールの支持
体側への輸送能力が優れており、前記本発明のビスアゾ
化合物との組合せに好適なものが好ましくもちいられ
る。かかるキャリア輸送物質として好ましいものは、下
記一般式(A)及び(B)で表されるものが挙げられ
る。
【0042】
【化15】
【0043】一般式(A)において、Ar1、Ar2、A
4はそれぞれ置換又は無置換のアリール基を表し、A
3は置換又は無置換のアリーレン基を表し、Rは水素
原子又はアルキル基、アリール基の置換、無置換の2群
の基を表す。
【0044】このような化合物の具体例は特開昭58-654
40号及び同58-198043号に詳細に記載されている。
【0045】また一般式(B)において、Ar1、Ar4
はそれぞれ置換又は無置換のアリール基を表し、Ar3
は置換又は無置換のアリーレン基を表し、Rは水素原子
又はアルキル基、アリール基の置換、無置換の2群の基
を表す。
【0046】このような化合物の具体例は特開昭60-175
052号及び同平1-93746号に詳細に記載されている。
【0047】本発明のその他の好ましいキャリア輸送物
質としては、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、芳香
族アミン化合物、ポリビニルカルバゾールなどの高分子
有機半導体を挙げることができる。
【0048】キャリア輸送層はキャリア輸送物質を適当
な分散媒に単独であるいは上述のバインダ樹脂と共に溶
解分散せしめたものを塗布、乾燥して形成することがで
きる。用いられる分散媒としては前記キャリア発生物質
の分散において用いた分散媒を用いることができる。
【0049】キャリア輸送層中のバインダ樹脂100重量
部当りキャリア輸送物質は20〜200重量部が好ましく、
特に好ましくは30〜150重量部である。形成されるキャ
リア輸送層の膜厚は、好ましくは5〜30μmである。
【0050】また、本発明のビスアゾ化合物を用いる単
層機能分離型の電子写真感光体の場合のバインダ:本発
明のビスアゾ化合物:キャリア輸送物質の割合は1〜10
0:1〜500:1〜500が好ましく、形成される感光層の
膜厚は5〜50μmが好ましく、特に好ましくは5〜30μm
である。
【0051】また、本発明の感光層においては、オゾン
の劣化防止の目的で以下に示すような酸化防止剤を添加
することができる。
【0052】(1)ヒンダードフェール類 (2)ヒンダードアミン類 (3)パラフェニレンジアミン類 (4)ハイドロキノン類 (5)有機燐化合物類 これらの化合物はゴム、プラスチック、油脂類等の酸化
防止剤として知られており、市販品を容易に入手でき
る。
【0053】また、本発明において感光層には感度の向
上、残留電位乃至反復使用時に疲労低減等を目的とし
て、電子受容性物質を含有せしめることができる。
【0054】また、本発明の感光層中にはキャリア発生
物質のキャリア発生機能を改善する目的で有機アミン類
を添加することができ、特に2級アミンを添加するのが
好ましい。
【0055】また、本発明の感光体は、その他、必要に
より感光層を保護する目的で紫外線吸収剤また感色性補
正の染料を含有してもよい。
【0056】以下、本発明に実施例によって具体例に説
明するが、これにより本発明の実施態様が限定されるも
のではない。
【0057】合成例1(例示化合物No.1の合成) 3,3′-ジクロルベンチジン 2.29g(0.01モル)を塩酸20
ml、水80mlに分散し、5℃以下に保ちつつ、亜硝酸ナト
リウム、 1.45g(0.021モル)を水10mlに溶解した溶液
を滴下した。同温度でさらに1時間撹拌しつづけた後、
尿素 1.2gを水10mlに溶解した溶液を滴下し、さらに1
時間撹拌する。反応後、不溶物を濾過除去し、濾液に六
弗化燐酸アンモニウム 4.6gを水50mlに溶解した溶液を
加えた。析出したテトラゾニウム塩を濾取し、N,N-ジメ
チルホルムアミド(DMF)400mlに溶解した。5℃以
下に保ちながら、2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸アニリド
2.76g(0.0105モル)と1-ヒドロキシ-3-メチルピリド
[1,2-a]ベンゾイミダゾール-4-カルボニトリル
2.34g(0.0105モル)をDMF600mlに溶解した溶液を滴
下した。ひきつづき5℃以下に保ちながら、トリエタノ
ールアミン 6g(0.04モル)を、DMF50mlに溶解した
ものを滴下し、5℃以下で2時間、室温で1時間撹拌し
た。反応後、析出晶を濾取し、DMF洗浄、水洗して乾
燥し、顔料 5.3gを得た。
【0058】得られた顔料を5%のDBU(1,8-ジアザ
ビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン)/DMF溶液
に溶解し、測定した紫外可視吸収スペクトルを図1及び
2に示す。図1には比較のため下記構造の対称型で同じ
カプラーを有するビスアゾ顔料G−1、G−2の同様な
溶解系の吸収スペクトルを併記しており、図2にはG−
1、G−2を等モル量混合した混合物の同様な溶解系吸
収スペクトルを併記している。
【0059】
【化16】
【0060】図1,2より合成した顔料はG−1、G−
2の何れのスペクトルとも一致せず、またG−1、G−
2の等モル混合したものとも一致しないことから、目的
物のカプラーが異なる非対称な顔料No.1が合成されて
いることが示される。
【0061】また図3にはこの顔料No.1の赤外吸収ス
ペクトルを示す。
【0062】合成例2 4′-アセチルアミノ-3,3′-ジクロルビフェニル-4-ア
ミン 2.71g(0.01モル)を塩酸40ml、水160mlに分散
し、5℃以下に保ちつつ、亜硝酸ナトリウム 0.73g(0.
0105モル)を水10mlに溶解した溶液を滴下した。同温度
で、さらに1時間撹拌をつづけた後、尿素 0.6gを水10m
lに溶解した溶液を滴下し、さらに1時間撹拌する。反
応後、不溶物を濾過除去し、濾液に六弗化燐酸アンモニ
ウム 3.4gを水25mlに溶解した溶液を加えた。析出した
ジアゾニウム塩を濾取し、N,N′-ジメチルホルムアミド
(DMF)400mlに溶解した。5℃以下に保ちながら、1
-ヒドロキシ-3-メチルピリド[1,2-a]ベンゾイミ
ダゾール-4-カルボニトリル2.34g(0.0105モル)をDM
F400mlに溶解した溶液を滴下した。引続き5℃以下に
保ちながら、トリエタノールアミン 3g(0.02モル)を
DMF25mlに溶解したものを滴下し、5℃以下で2時
間、室温で1時間撹拌した。反応後、析出晶を濾取し、
1,4-ジオキサン洗浄、水洗して乾燥し、下記構造のモノ
アゾ化合物 4.5gを得た。
【0063】
【化17】
【0064】得られたモノアゾ化合物を純水40mlに解膠
分散し、40%塩酸160mlを加えて、還流下8時間加熱撹
拌した。生じたアミノモノアゾ化合物のスラリーを放冷
し、沈澱を濾取し、少量の希塩酸で洗浄した。
【0065】濾取物を再び、塩酸40ml、水160mlに分散
し、5℃以下に保ちつつ、亜硝酸ナトリウム 0.73g(0.
0105モル)を水10mlに溶解した溶液を滴下した。同温度
で、さらに1時間撹拌をつづけた後、尿素 0.6gを水10m
lに溶解した溶液を滴下し、さらに1時間撹拌する。反
応後、六弗化燐酸アンモニウム 3.4gを水25mlに溶解し
た溶液を加えて、1時間撹拌した。析出したジアゾニウ
ム塩を濾取し、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)80
0mlに溶解した。5℃以下に保ちながら、2-ヒドロキシ-
3-ナフトエ酸アニリド 2.76g(0.0105モル)をDMF25
0mlに溶解した溶液を滴下した。引続き5℃以下に保ち
ながら、トリエタノールアミン 3g(0.02モル)をDM
F25mlに溶解したものを滴下し、5℃以下で2時間、室
温で1時間撹拌した。反応後、析出晶を濾取し、DMF
洗浄、水洗して乾燥し、顔料 4.2gを得た。
【0066】得られた顔料の合成例1と同様な溶解系吸
収スペクトル及び赤外吸収スペクトルを図4及び図5に
示す。図4、5より目的物である非対称な顔料No.1の
合成が確認された。
【0067】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。
【0068】実施例1 ポリエステルフィルム上にアルミニウム箔をラミネート
して成る導電性支持体上に、アルコール可溶性ポリアミ
ド「CM8000」(東レ社製)よりなる厚さ0.05μmの中
間層を設けた。キャリアー発生物質(CGM)として合
成例1で合成した例示顔料No.1を2.5gとポリビニルブ
チラール樹脂「エスレックBH−3」(積水化学工業社
製)1gとをテトラヒドロフラン125mlに加え、サンドグ
ラインダで6時間分散した。この分散液を上記中間層上
に乾燥時の膜厚が、0.5μmになるように塗布し、キャリ
ア発生層とし、さらにその上に、キャリア輸送層とし
て、下記構造式のキャリア輸送物質K−1;7.5gとポリ
カーボネート樹脂「ユーピロンZ−200」(三菱ガス化
学社製)10gを1.2-ジクロルエタン80mlに溶解した液を
乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布して、キャリア
輸送層を形成し、本発明の感光体1を作成した。
【0069】
【化18】
【0070】実施例2 実施例1の合成例1で合成した例示顔料を合成例2で合
成した例示顔料に替えた他は、実施例1と同様にして感
光体2を作成した。
【0071】比較例(1) 実施例1の合成例1で合成した例示顔料を前記ビスアゾ
化合物G−2に替えた他は、実施例1と同様にして比較
感光体(1)を作成した。
【0072】以上のようにして得られた感光体を(株)
川口電機製作所EPA−8100型静電紙試験機を用いて、
以下の特性評価を行なった。帯電圧−6kvで5秒間帯電
した後、5秒間放置し、その時の表面電位(V0)を測
定した。次いで感光体を表面での照度101uxになるよう
にハロゲンランプ光を照射して、表面電位を600Vから1
00Vに減衰させるのに必要な露光量(E6/1)及び10秒
照射後の残留電位(Vr)を求めた。結果を表1に示
す。
【0073】
【表1】
【0074】以上の結果から明らかなように、本発明の
感光体は、対応する対称型のキャリア発生物質を用いた
比較用感光体に比べ、感度において優れたものである。
【0075】またより高純度の合成例2顔料は合成例1
に比較しても、さらに性能が良いことがわかる。
【0076】合成例3(例示化合物No.26の合成) 2,7-ジアミノ-4-ブロム-9-フルオレノン 2.89g(0.01モ
ル)を塩酸20ml、水80mlに分散し、5℃以下に保ちつ
つ、亜硝酸ナトリウム 1.45g(0.021モル)を水10mlに
溶解した溶液を滴下した。同温度でさらに1時間撹拌し
つづけた後、尿素1.2gを水10mlに溶解した溶液を滴下
し、さらに1時間撹拌する。反応後、不溶物を濾過除去
し、濾液に六弗化燐酸アンモニウム 4.6gを水50mlに溶
解した溶液を加えた。析出したテトラゾニウム塩を濾取
し、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)400mlに溶解
した。5℃以下に保ちながら、2-ヒドロキシ-3-ナフト
エ塩-3′-トリフルオルメチルアニリド 3.48g(0.0105
モル)と1-ヒドロキシ-3-メチルピリド[1,2-a]ベ
ンゾイミダゾール-4-カルボニトリル 2.34g(0.0105モ
ル)をDMF600mlに溶解した溶液を滴下した。ひきつ
づき5℃以下に保ちながら、トリエタノールアミン 6g
(0.04モル)を、DMF 50mlに溶解したものを滴下
し、5℃以下で2時間、室温で1時間撹拌した。反応
後、析出晶を濾取し、DMF洗浄、水洗して乾燥し、顔
料 6.1gを得た。
【0077】得られた顔料を5%のDBU(1,8-ジアザ
ビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン)/DMF溶液に
溶解し、測定した紫外可視吸収スペクトルを図6に示
す。図6には比較のため下記構造の対称型で同じカプラ
ーを有するビスアゾ顔料G−3、G−4の同様な溶解系
の吸収スペクトルを併記している。
【0078】
【化19】
【0079】図6より合成した顔料はG−3、G−4の
何れのスペクトルとも一致しないことから、目的物のカ
プラーが異なる非対称な顔料No.26が合成されているこ
とが示される。
【0080】また図7にはこの顔料No.26の赤外吸収ス
ペクトルを示す。
【0081】実施例3 実施例1の例示顔料No.1を合成例3で合成した例示顔
料No.26に替え、また実施例1のキャリア輸送物質を下
記構造式で示すK−2に替えた他は、実施例1と同様に
して感光体3を作成した。
【0082】
【化20】
【0083】比較例(2) 実施例3において合成例3で合成した例示顔料を前記ビ
スアゾ化合物G−4に替えた他は、実施例3と同様にし
て比較感光体(2)を作成した。
【0084】以上のようにして得られた感光体を実施例
1と同様にしてその電子写真性能を評価した。結果を表
2に示す。
【0085】
【表2】
【0086】実施例4 直径108mmのアルミニウムドラム上に、実施例4の感光
体と同じ感光層を形成し、感光体ドラム5を作成した。
【0087】このように作成した感光体をコニカ社製複
写機U−bix5076改造機に装着し露光量を感光体の感度
に合せて最適化した後、画像を複写したところ原画に忠
実で鮮明な複写画像を得た。また繰返しの耐久性につい
て調べた結果、帯電露光の繰返しを50,000回行った後で
もコントラストが高く、鮮明な複写画像を得られた。
【0088】以上の結果から明らかなように、本発明の
感光体は、対応する対称型のキャリア発生物質を用いた
比較用感光体に比べ、感度において優れたものである。
繰返しの耐久性も安定していることがわかる。
【0089】実施例5〜10 実施例1において合成例1で合成例1で合成した例示顔
料を各々以下の例示顔料CGM42、52、61、67、74、80
に替えた他は、実施例1と同様にして感光体5〜10を作
成した。
【0090】以上のようにして得られた感光体を実施例
1と同様にしてその電子写真性能を評価した。結果を表
3に示す。
【0091】
【表3】
【0092】
【発明の効果】本発明に係るビスアゾ化合物を用いるこ
とにより高感度で残留電位低くかつ耐用性のすぐれた感
光体がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】例示化合物No.1と比較化合物G−1、G−2
夫々の紫外線可視吸収スペクトル図。
【図2】例示化合物No.1と比較化合物G−1及びG−
2の等モル混合物の紫外可視吸収スペクトル図。
【図3】例示化合物No.1の赤外吸収スペクトル図。
【図4】合成例2による例示化合物No.1と比較化合物
G−1、G−2の紫外可視吸収スペクトル図。
【図5】合成例2による例示化合物No.1の赤外吸収ス
ペクトル図。
【図6】例示化合物No.26と対称型ビスアゾ顔料G−
3、G−4の紫外可視吸収スペクトル図。
【図7】例示化合物No.26の赤外吸収スペクトル図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に下記一般式〔1〕で示
    されるビスアゾ化合物を含有する感光層を有することを
    特徴とする電子写真感光体。 【化1】 〔式中、R1は置換基を有してもよい芳香族炭化水素環
    基または芳香族複素環基を表し、Xはベンゼン環と縮合
    して芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成する残
    基を表す。R2は低級アルキル基を表し、R3及びR4
    各々水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ア
    ルコキシ基を表す。Arは置換基を有してもよく、直接
    または縮合基を介して結合していてもよい芳香族炭化水
    素環または芳香族複素環の2価の基を示す。〕
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GB2469191A (en) * 2009-04-03 2010-10-06 Fujifilm Imaging Colorants Ltd Polyazo dyes and their use in inkjet printing

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GB2469191A (en) * 2009-04-03 2010-10-06 Fujifilm Imaging Colorants Ltd Polyazo dyes and their use in inkjet printing
GB2469191B (en) * 2009-04-03 2011-05-18 Fujifilm Imaging Colorants Ltd Polyazo dyes and their use in ink-jet printing

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