JPH0523094Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、シートバツク上端側などに設けられ
るホルダブラケツト等に嵌挿して組付けられヘツ
ドレストステーを上下動可能に支持するステーホ
ルダを備えてなるヘツドレスト支持構造の改良に
関する。

〔従来の技術〕 一般に、車両用シート等にあつては、シートバ
ツク上端部に、着座者の頭部を背面側から支持す
るヘツドレストを、ヘツドレストステーを介して
上下動可能に設けている。すなわち、この種のヘ
ツドレスト１は、第６図からも明らかなように、
その本体部１ａから垂下させたヘツドレスト２の
左、右ステー部２ａ，２ｂを、シートバツク３上
端側でシートバツクフレーム４等に設けた筒状ホ
ルダブラケツト５，５に嵌挿して組付け保持され
る樹脂製等によるステーホルダ６，６内に嵌挿し
て保持されることで上下動可能に支持されてい
る。そして、これら左、右ステー部２ａ，２ｂを
ステーホルダ６，６に対し挿抜しながら上下方向
での高さ位置を調整するとともに、ホルダ６，６
の少なくても一方に設けたロツク爪等のロツク機
構（図示せず）で適宜の位置で係止固定し得るよ
うな構成が一般に採用されていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、上述したような従来のヘツドレスト
１の支持構造によれば、シートバツク３側のホル
ダブラケツト５，５に組付けたステーホルダ６，
６内に、単にヘツドレストステー２の左、右ステ
ー部２ａ，２ｂを嵌挿して保持させる構成であ
り、これらステー部２ａ，２ｂを、ホルダ６，６
側に係止保持させるためのロツク機構を必要とす
るものであつた。そして、このような構成では、
ロツク機構の存在により、構成部品点数が多くな
り、しかも外側への操作ノブなどといつた突出部
もあり、見栄えが悪いという問題を生じている。

さらに、上述したステーホルダ６，６の一部に
付設したロツク機構の操作ノブなどを操作しなが
ら、ヘツドレスト本体部１ａを上下動させること
が必要となるために、このヘツドレスト１の上下
方向での高さ調整作業が面倒となる等の問題もあ
り、このような問題点を一掃し得る何らかの対策
を講じることが望まれている。

〔課題を解決するための手段〕

このような要請に応えるために本考案に係るヘ
ツドレスト支持構造は、被取付部側に固定される
ホルダブラケツトに組付けられヘツドレストのヘ
ツドレストステーにおける左、右ステー部を上下
動可能に支持する樹脂製のステーホルダを備えて
なり、このステーホルダを、前記ホルダブラケツ
トの一端側から付勢手段に抗して内、外周部に沿
つて嵌挿されるように頭部から同心状態で突設さ
れる内側筒部および外側筒部を有し、その内側筒
部先端に、ホルダブラケツト他端側から外方に突
出される抜け止め部を有する延設端を形成すると
ともに、この延設端の内壁面にステー側の複数段
のストツパ溝に選択的に係入される係合突部を形
成し、かつこの延設端を複数条のすり割りによつ
て複数の弾性片に分割形成し、このステーホルダ
を、付勢手段に抗してホルダブラケツト側に押し
込んだ時に各弾性片が放射方向に拡がり、ステー
側のストツパ溝への係合突部の係止状態が解除さ
れるように構成したものである。

〔作用〕

本考案によれば、ヘツドレストを上下動させる
にあたつて、被取付部側に固定されるホルダブラ
ケツトに組付けられヘツドレストステーの左、右
ステー部を保持するステーホルダを、押し込み操
作するだけで、このステーホルダ自身が有してい
るロツク機能が解除され、ステーを挿抜してヘツ
ドレストの高さ調整を簡単かつ適切に行なえ、し
かも所定個所で前記押込み操作を解除すると、ス
テーホルダが付勢手段により元の状態に復帰し、
左、右ステー部の任意のストツパ溝を係止し得る
ことになる。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示した実施例を用いて詳
細に説明する。

第１図ないし第５図は本考案に係るヘツドレス
ト支持構造の一実施例を示すものであり、これら
の図において前述した第６図と同一または相当す
る部分には同一番号を付してその詳細な説明は省
略する。

さて、本考案によれば、前述したように被取付
部であるシートバツク３上端部などに上下動可能
に支持されるヘツドレスト１の支持構造におい
て、第１図ないし第５図に示されるように、複数
段のストツパ溝１１を長手方向に有するヘツドレ
ストステー２の左、右ステー部２ａ，２ｂが嵌挿
されることでこれら各ステー部２ａ，２ｂを長手
方向の所定個所で係止保持する合成樹脂製のステ
ーホルダ１０を備えてなり、このステーホルダ１
０を、ホルダブラケツト５の一端側から付勢手段
であるコイルばね１２に抗して内、外周部に沿つ
て嵌挿されるように頭部１０ａから同心状態で突
設される内側筒部１０ｂおよび外側筒部１０ｃを
有し、その内側筒部１０ｂ先端に、ホルダブラケ
ツト５他端側から外方に突出される抜け止め部１
３ａを有する延設端１３を形成するとともに、こ
の延設端１３の内壁面にステー部２ａ，２ｂ側の
複数段のストツパ溝１１に選択的に係入される係
合突部１４を形成し、かつこの延設端１３を複数
条のすり割りによつて複数の弾性片１５に分割形
成し、このステーホルダ１０を、コイルばね１２
に抗してホルダブラケツト５側に押し込んだ時に
各弾性片１５が放射方向に拡がり、ステー部２
ａ，２ｂ側のストツパ溝１１への係合突部１４の
係止状態が解除されるように構成したところに特
徴を有している。

そして、このような構成によれば、ヘツドレス
ト１を上下動させるにあたつて、被取付部側であ
るシートバツクフレーム４側に固定されるホルダ
ブラケツト５に組付けられヘツドレストステー２
の左、右ステー部２ａ，２ｂを保持するステーホ
ルダ１０を、第２図および第５図等で矢印で示す
ように押し込み操作するだけで、このステーホル
ダ１０自身が有しているロツク機能が解除され、
ステー部２ａ，２ｂを挿抜してヘツドレスト１の
高さ調整を簡単かつ適切に行なえ、しかも所定個
所で前記押込み操作を解除すると、ステーホルダ
１０が付勢手段であるコイルばね１２により図中
上方に突出して元の状態に復帰し、左、右ステー
部２ａ，２ｂの任意のストツパ溝１１を係止し得
ることになる。

したがつて、このような構成では、簡単かつ安
価な構成にもかかわらず、ステーホルダ１０にス
テー部２ａ，２ｂをストツパ溝１１により所定位
置で係止し得るロツク機能をもたせることがで
き、これにより従来に比べて構成部品点数を大幅
に削減し得るとともに、ヘツドレスト１の高さ調
整作業もステーホルダ１０の押込み操作だけで簡
単かつ適切に行なえ、その操作性を大幅に向上さ
せ得る等の実用上種々優れた効果を奏する。ま
た、このような構成では、従来のようにロツク機
構を付設することが不要であり、ステーホルダ１
０の大きさを必要最小限とすることができ、体裁
のよいヘツドレスト支持構造を得られるという利
点がある。

なお、本考案は上述した実施例構造に限定され
ず、各部の形状、構造などを、必要に応じて適宜
変形、変更することは自由であり、たとえば上述
した実施例では、ホルダブラケツト５の被取付部
としてシートバツクフレーム４を例示したが、こ
れに限定されず、ヘツドレストステー２側をシー
トバツク３側に立設させて設け、前記ホルダブラ
ケツト５を、ヘツドレスト１を構成する本体内フ
レーム側に設け、これにステーホルダ１０を組付
ける等といつた種々の変形例が考えられる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係るヘツドレスト
支持構造によれば、被取付部側に固定されるホル
ダブラケツトに組付けられヘツドレストのヘツド
レストステーにおける左、右ステー部を上下動可
能に支持する樹脂製のステーホルダを備えてな
り、このステーホルダを、前記ホルダブラケツト
の一端側から付勢手段に抗して内、外周部に沿つ
て嵌挿されるように頭部から同心状態で突設され
る内側筒部および外側筒部を有し、その内側筒部
先端に、ホルダブラケツト他端側から外方に突出
される抜け止め部を有する延設端を形成するとと
もに、この延設端の内壁面にステー側の複数段の
ストツパ溝に選択的に係入される係合突部を形成
し、かつこの延設端を複数条のすり割りによつて
複数の弾性片に分割形成し、このステーホルダ
を、付勢手段に抗してホルダブラケツト側に押し
込んだ時に各弾性片が放射方向に拡がり、ステー
側のストツパ溝への係合突部の係止状態が解除さ
れるように構成したので、簡単かつ安価な構成に
もかかわらず、ステーホルダにステー部を所定位
置で係止するロツク機能をもたせることができ、
これにより従来に比べて構成部品点数を大幅に削
減し得るとともに、ヘツドレストの高さ調整作業
もステーホルダの押込み操作だけで簡単かつ適切
に行なえ、その操作性を大幅に向上させ得る等と
いつた実用上種々優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案に係るヘツドレス
ト支持構造の一実施例を示すステーホルダとステ
ー部との関係を示す概略分解斜視図およびその係
止解除操作を説明するための概略斜視図、第３図
は第１図における−線断面図、第４図および
第５図はステーホルダでのステー部の係止保持状
態および係止解除状態を説明するための要部断面
図、第６図は本考案を適用して好適なヘツドレス
ト支持構造を説明するための概略斜視図である。 図中、１……ヘツドレスト、２……ヘツドレス
トステー、２ａ，２ｂ……左、右ステー部、３…
…シートバツク、４……シートバツクフレーム
（被取付部）、５，５……ホルダブラケツト、１
０，１０……樹脂製ステーホルダ、１０ａ……ホ
ルダ頭部、１０ｂ……内側筒部、１０ｃ……外側
筒部、１１……ストツパ溝、１２……コイルばね
（付勢手段）、１３……延設端、１３ａ……抜け止
め部、１４……係合突部、１５……弾性片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数段のストツパ溝を長手方向に有するヘツド
   レストステーが嵌挿されることでこのステーを長
   手方向の所定個所で係止保持するステーホルダを
   備えてなり、このステーホルダは、被取付部側に
   固定されるホルダブラケツトの一端側から付勢手
   段に抗して内、外周部に沿つて嵌挿されるように
   頭部から同心状態で突設される内側筒部および外
   側筒部を有し、前記内側筒部の先端には、ホルダ
   ブラケツトの他端側から外方に突出される抜け止
   め部を有する延設端が形成され、かつこの延設端
   の内壁面には前記ステー側のストツパ溝に選択的
   に係入される係合突部が形成されるとともに、こ
   の延設端は複数条のすり割りによつて複数の弾性
   片に分割形成され、このステーホルダを、前記付
   勢手段に抗してホルダブラケツトの他端側に押し
   込んだ時に前記各弾性片が放射方向に拡がり、ス
   テー側のストツパ溝への係合突部の係止状態が解
   除されるように構成されていることを特徴とする
   ヘツドレスト支持構造。