JPH0130923Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、車両用シートのシートバツクに上
下動自在に取付けられるヘツドレストのステイの
上下移動を拘束させてヘツドレスト本体を所望の
高さに保持するヘツドレストのロツク装置に関す
るものである。

〔従来技術〕

従来、この種のヘツドレストのロツク装置とし
ては第１図に示すようなものがある。

図面において符号１はステイ２の上下動を案内
支持するホルダであり、ホルダ１の上部にはロツ
ク装置が設けられている。この装置のケーシング
３内にはロツクプレート４がピン７を介して回動
自在に取付けられ、リターンスプリング５によつ
てロツク方向Ｒに回動するように付勢されてい
る。ロツクプレート４の一部はケーシング３から
突出し、レバー部４Ａをなしている。ロツクプレ
ート４の中央には、ロツク孔６が形成され、ロツ
ク孔６の内縁部６Ａがロツクプレート４の付勢回
動によつてステイ２のロツク溝２Ａに係合し、ス
テイ２の上下動をロツクできるようになつてい
る。そして、レバー部４Ａを下向きに押すと、ロ
ツクプレート４は逆回動する。この逆回動に伴な
つてロツク孔６の内縁部６Ａが矢印ｄ方向に移動
し、ステイ２のロツク溝２Ａから外れ、ロツク状
態が解除されるようになつている。

しかしながら、このような従来のヘツドレスト
のロツク装置にあつては、一対のホルダ１，１の
一方側にのみロツク装置が設けられた構成である
ので、他方側はフリー状態であり、そのため、着
座者が後頭部をヘツドレスト本体にもたれている
ときにおいても、フリー側のステイが上下動して
しまい、ヘツドレスト本体にガタが生じ、不安定
状態となり、充分な休息感が得られない。また、
反復使用によつてフリー側のステイが過大に上下
動した場合に偏りが生じ、このため、ステイを円
滑に上下動させることができず、ヘツドレスト本
体を所望の高さに調整保持することが困難であつ
た。

〔目的〕

そこで、この考案は、このような従来の問題点
に着目してなされたもので、その目的とするとこ
ろは、両側のステイの上下移動をともにロツクさ
せてヘツドレスト本体を安定状態に保持し、片側
ロツクにおけるガタや偏りをなくすと共に操作が
楽で、しかも、走行中頭部を快適に休息させて充
分な休息感が得られるようにしたヘツドレストの
ロツク装置を提供することにある。

〔構成〕

前記目的に沿うこの考案の構成は一対のホルダ
間に渡して取付けたケーシング内に収容されたロ
ツクプレートが両側に位置するピンによつて支持
され、ピン支点より外側に位置するロツクプレー
トの両端部にステイのロツク溝と係脱自在にロツ
ク係合するロツク孔が夫々形成され、ロツクプレ
ートの中央位置に取付けられた操作部の操作によ
つてロツクプレートの中間部が上下方向に撓変形
し、ロツクプレートの両端部が互いにピン支点を
中心として回動し、両ロツク孔と両ステイのロツ
ク溝とがともに係合するようにしたことを要旨と
するものである。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第２図はこの実施例に係るヘツドレストのロツ
ク装置の外観構成を示す分解斜視図であり、第３
図はヘツドレストのロツク装置の内部構成を示す
分解斜視図である。図面において、符号１５はシ
ートバツクの上部に取付けられたヘツドレスト
で、ヘツドレスト本体と、これを支持する一対の
ステイ１７，１７とを有する。ステイ１７，１７
はバツクフレームに設けられた一対の筒状ホルダ
１９，１９内に上下動自在に案内支持されてい
る。これにより、ヘツドレスト本体は着座者の体
形や趣好に応じて上下動し、高さ調整可能にされ
ている。しかして、両側のステイ１７，１７の移
動をともにロツクしてヘツドレスト本体の上下ガ
タを確実に抑えるようにしたロツク装置２０が設
けられている。この装置２０のケーシング２１は
固定された一対のホルダ１９，１９の上端間に渡
されてバツクフレームの幅方向に沿つて矩形状を
なしている。このようなケーシング２１内にロツ
クプレート２２が長手方向に沿つて収容されてい
る。このロツクプレート２２は弾性部材からな
り、長手方向に対して直角方向、つまり上下方向
に撓変形可能な可撓性を有する。そして、ロツク
プレート２２の両側であつて、中央部を基準とし
て対称位置のブラケツト２３に取付けられたピン
２４によつてケーシング２１の回動自在に取付け
られている。このようにピン２４は支点をなし、
このピン支点２４によつてロツクプレート２２は
両支持はりとして作用する。ピン支点２４より外
側に突出するロツクプレート２２の両端部であつ
て、ホルダ１９，１９の挿通孔１９Ａ，１９Ａと
対応する位置にステイ１７のロツク溝２５と係脱
自在にロツク係合するロツク孔２６が夫々形成さ
れている。ロツク溝２５は矩形状の溝で、ステイ
１７の周壁の外側に長手方向に沿つて等ピツチで
刻設されている。また、ロツク孔２６は略半長円
状の孔で、これにステイ１７を遊挿したときに、
ロツク孔２６の内縁部２６Ａがつめとして作用す
る。ロツクプレート２２の中央の位置には操作部
としてのノブ２７が取付けられ、このノブ２７の
一部がケーシング２１Ａの中央に形成した操作穴
２８から突出している。ロツクプレート２２の裏
側の中央にはリターンスプリング２９が取付けら
れ、このスプリング２９によつてロツクプレート
２２は下向きに撓変形したとき、ロツクプレート
２２の可撓性と相俟つて確実に復帰するようにな
つている。また、ロツクプレート２２の両端部は
ピン支点２４を境にして下向きに若干折曲されて
いる。これはノブ２７を押してロツクプレート２
２の中間部を下向きに撓変形させたとき、ロツク
プレート２２の両端部が水平な位置に向つて回動
し、ロツク孔２６の内縁部２６Ａが側方に移動
し、ステイ１７のロツク溝２５から外れてフリー
状態となるようにしたものである。これにより、
ノブ２７の操作によつて両側のステイ１７，１７
の上下動をともにロツクできるように構成されて
いる。

次に作用について説明する。

第４図Ａはヘツドレスト本体が任意の高さにロ
ツクされた状態を示す。このようなロツク状態か
らヘツドレスト本体を着座者の体形に合つた所望
の高さに調整するには、ステイ１７，１７を上下
動自在なフリー状態にする必要がある。そこで、
第４図Ｂに示すように、ノブ２７を下向きに押す
と、ロツクプレート２２の中間部はその可撓性に
より、下向きに撓変形する。その結果、ロツクプ
レート２２の両端部はピン２４を中心として回動
し、略水平状態となり、ロツク孔２６の内縁部２
６Ａが外側に向つて移動する。そのため、ロツク
孔２６の内縁部２６Ａがステイ１７のロツク溝２
５から外れてロツク状態が解除され、両側のステ
イ１７，１７のともにフリー状態となる。このフ
リー状態のもとで、ヘツドレスト本体を押し下げ
たり、引き上げたりすると、ステイ１７，１７の
上方あるいは下方に向つて移動し、ヘツドレスト
本体が所望の高さの位置にきたとき、ノブ２７か
ら手を離すと、ロツクプレート２２の中間部はリ
ターンスプリング２９の付勢力によつて元に復帰
し、略水平状態となる。その結果、ロツクプレー
ト２２の両端部はピン２４を中心として逆回動
し、斜め下方に向つて指向する。そのため、ロツ
ク孔２６の内縁部２６Ａが内側に若干移動し、ヘ
ツドレスト本体の所望の高さに対応したステイ１
７，１７のロツク溝２５，２５にロツク係合し、
両側のステイ１７，１７は共にロツク状態とな
る。これにより、ヘツドレスト本体は上下にガタ
つくことがなく、所望の高さに調整保持すること
ができる。

なお、この考案は前記実施例に限定されるもの
でなく、種々の応用改変が可能であることはもち
ろんである。例えばこの実施例では、ステイのロ
ツク溝を矩形状の溝で形成したが、これに限ら
ず、ステイのロツク溝として鋸波状のラチエツト
ツースを形成し、これにより、ステイの上方移動
のための操作を省略して操作性を向上させること
ができる。

〔効果〕

以上の説明から明らかなように、この考案によ
れば、一対のホルダ間に渡して取付けたケーシン
グ内に収容されたロツクプレートが両側に位置す
るピンによつて支持され、ピン支点より外側に位
置するロツクプレートの両端部にステイのロツク
溝と係脱自在にロツク係合するロツク孔が夫々形
成され、ロツクプレートの中央位置に操作部を設
けたので、この操作部の操作によつてロツクプレ
ートの中間部が上下方向に撓変形し、ロツクプレ
ートの両端部が互いにピン支点を中心として回動
し、両ロツク孔と両ステイのロツク溝がともにロ
ツク係合し、両ステイを同時にロツク状態とする
ことができる。その結果、ヘツドレスト本体は走
行中にあつても上下にガタつくことがなく安定に
所望の高さに調整保持することができる。また、
従来問題となつていた偏りがなくなり、頭部を快
適にもたれて充分な休息感が得られるのみなら
ず、ステイを簡単、かつ僅かな力で円滑に上下動
させてヘツドレスト本体を容易に高さ調整するこ
とができる。さらに操作部の操作領域が少なくて
済み、操作性を向上させることができる。

また、この考案に係るヘツドレストのロツク装
置によれば、このロツク装置自体がバツクフレー
ム外部にユニツトとして取付けることが可能であ
るため、取付作業が容易であると共に故障時の修
理・交換等が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のヘツドレストのロツク装置の構
成を示す斜視図、第２図はこの考案の実施例に係
るヘツドレストのロツク装置の外観を示す分解斜
視図、第３図はロツク装置の構成を示す分解斜視
図、第４図Ａはロツク状態を示す作用説明図、第
４図Ｂはフリー状態を示す作用説明図である。 １７……ステイ、１９……ホルダ、２０……ロ
ツク装置、２１……ケーシング、２２……ロツク
プレート、２４……ピン（ピン支点）、２５……
ロツク溝、２６……ロツク孔、２７……ノブ（操
作部）、２９……（リターン）スプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ヘツドレスト本体を支持する一対のステイ１７
   が、バツクフレームに固定されて取付けた一対の
   ホルダ１９内に上下動自在に案内支持されたヘツ
   ドレストにおいて、 前記ステイ１７がロツク溝２５を有すると共
   に、 前記一対のホルダ１９間に渡してバツクフレー
   ムの幅方向に取付けたケーシング２１内に収容さ
   れたバネ性を有するロツクプレート２２が、 前記ケーシング２１に対し回動自在に支持する
   ため、中央部を基準として対称的に取付けられた
   ピン２４と、 このピン２４よりも外側に位置して形成され、
   前記ロツク溝２５に係脱自在にロツク係合するロ
   ツク孔２６と、 中央部にて圧接しながら両側に撓変形を起こす
   スプリング２９と、 このスプリング２９の弾性力に抗して押圧操作
   しステイ１７のロツク係合状態を解除する操作部
   ２７とを備え、 前記ロツクプレート２２の両端部側が互いにピ
   ン２４を支点として撓変形しながら両ロツク孔２
   ６と両ロツク溝２５とがロツク係合するようにし
   た ことを特徴とするヘツドレストのロツク装置。