JPH05229983A - レトロジヒドロカルコン化合物 - Google Patents

レトロジヒドロカルコン化合物

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JPH05229983A
JPH05229983A JP4034969A JP3496992A JPH05229983A JP H05229983 A JPH05229983 A JP H05229983A JP 4034969 A JP4034969 A JP 4034969A JP 3496992 A JP3496992 A JP 3496992A JP H05229983 A JPH05229983 A JP H05229983A
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JP
Japan
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compound
water
estrogen
soluble
solvent
Prior art date
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Pending
Application number
JP4034969A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Ichikawa
和雄 市川
Masahiro Kitaoka
政弘 北岡
Toshiyuki Akiyama
敏行 秋山
Yasuteru Iijima
康輝 飯島
Motohiko Taki
基彦 瀧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】式(I): の化合物またはその塩、及び式(II): の化合物またはその塩。さらにタイ産の生薬チャン・デ
ングより式(I)又は(II)の化合物を単離する該化
合物の製造法。 【効果】化合物はエストロジェンリセプターに結合する
ことによりエストロジェン作用を発揮する新規なレトロ
ジヒドロカルコン化合物でエストロジェン剤として、例
えばエストロジェンの欠乏に起因する婦人科疾患、骨粗
鬆症、前立腺癌及び前立腺肥大症の治療剤の用途に使用
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエストロジェンリセプタ
ーに結合することによりエストロジェン作用を発揮す
る、新規なレトロジヒドロカルコン化合物及びその製造
法に関する。
【0002】
【従来の技術】エストロジェンは、女性ホルモンの一種
で、発情作用を示すホルモン及び類似の作用をもつ物質
の総称である。
【0003】ステロイド系のエストロジェンとしては、
エストラジオール、エストロン、エストリオール、エキ
リン、ホモエストロン及びエチニルエストラジオールな
どが知られている。
【0004】一方、非ステロイド系のエストロジェンと
しては、例えば、ジエチルスチルベストロールやヘキセ
ステロールなどが知られている。
【0005】これらのエストロジェン剤は、エストロジ
ェンの減少に起因する無月経、無排卵周期症、機能性子
宮出血、子宮発育不全などが適応となっている。また、
これは更年期障害や乳汁分泌抑制などにも用いられる。
【0006】一方、非ステロイド系エストロジェン剤は
前立腺癌及び前立腺肥大症などの疾患の治療薬として使
われている。
【0007】フラボノイド化合物のうちで特にイソフラ
ボン類の中にはエストロジェン様の活性を示す化合物が
多く知られている。このうちでゲニステイン、ダイゼイ
ン、ミロエストロールなどは比較的強いエストロジェン
様活性を示すとされている(梅原千治、佐藤武雄 著、
ステロイドホルモン、製剤生理臨床、卵胞ホルモン、南
江堂、昭41)。
【0008】レトロジヒドロカルコンは広義のフラボノ
イド化合物であって、これまで例えば、次のような化合
物の存在が知られている(D.Meksuriyen and G.A. Cord
ell,J. Natural Products, 51, (6), 1129, (1988)
)。
【0009】(1) loureirin A ; 4'-hydroxy-2,4-dimet
hoxyretrodihydrochalcone (2) loureirin B ; 4'-hydroxy-2,4,6-trimethoxyretro
dihydrochalcone (3) loureirin C ; 4,4'-dihydroxy-2-methoxyretrodih
ydrochalcone (4) loureirin D ; 4,4',6-trihydroxy-2-methoxyretro
dihydrochalcone また、次の化合物の存在も報告されている(A.C.Waiss,
Jr and L.Jurd,Chemistry and Industry, (23), 743,
(1968) )。
【0010】(5) 2-hydroxy-4,4',6-trimethoxyretrodi
hydrchalcone これら公知のレトロジヒドロカルコンの持つ生物活性に
関しては知られておらず、上記文献にて単離構造決定の
報告及び合成研究の報告があるのみである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】現在使用されているエ
ストロジェン剤は、どれも胃腸障害や血栓症、子宮出
血、肝障害などの副作用を示し、長期に連用すると子宮
体癌、乳癌などの発現するなどの作用のあることが知ら
れている。従ってこれらの副作用の少ないエストロジェ
ン剤が望まれている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、タイ産の
生薬チャン・デング[Chan Daeng: "Pramual Sapphakhun
Ya Thai(Medicinal Uses of Thai Drugs)", ed.by Pho
l Phaetthanesura, Samakhon Rongrien Phaet Boran(Th
e Association of the School of Old-style Medicin
e), Bangkok, Thailand(1964, 1967 and 1969)] の抽出
液に強いエストロジェンリセプター結合活性が存在する
ことを見出し、該抽出液より新規なレトロジヒドロカル
コン化合物を単離・精製し、これらの化合物がエストロ
ジェン活性(アゴニスト活性)を有することを見い出し
本発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明は、下記式(I):
【0014】
【化3】
【0015】で表わされる化合物又はその塩に関するも
のであり、また、下記式(II):
【0016】
【化4】
【0017】で表わされる化合物又はその塩に関するも
のであり、さらには、タイ産の生薬チャン・デングより
式(I)又は(II)で表わされる化合物を単離するこ
とから成る該化合物の製造法に関するものである。
【0018】本発明の化合物のうち、式(I)の化合物
は、 2、4'- ジヒドロキシー4、6ー ジメトキシレトロジヒドロカ
ルコン (2,4'-dihydroxy-4,6-dimethoxyretrodihydrochalcone)
であり、本発明においては化合物1と定義する。
【0019】式(II)の化合物は、 4、4'- ジヒドロキシー2、6ー ジメトキシレトロジヒドロカ
ルコン (4,4'-dihydroxy-2,6-dimethoxyretrodihydrochalcone)
であり、本発明においては化合物2と定義する。
【0020】本発明の化合物1及び化合物2は、塩にす
ることができ、そのような塩としては、ナトリウム塩、
カリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マ
グネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩等の金属塩を
挙げることができる。
【0021】本発明の化合物1又は化合物2は、生薬チ
ャン・デングより抽出することによって得られる。
【0022】抽出は一般動植物で採用されている方法に
準じて行われる。
【0023】すなわち、生薬チャン・デングを細切し、
水、メタノール、エタノールのようなアルコール類、酢
酸エチルのような有機酸エステル類、メチレンクロリ
ド、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類、ベン
ゼン、トルエンのような芳香族炭化水素類、叉はこれら
の混合溶剤で抽出し、得られた抽出液を適当な量まで濃
縮する。
【0024】ついで、得られた残留物に必要に応じて水
を加えた後、該水溶液をn−ヘキサン、石油エーテルな
どの該水溶液と二相に分かれる低極性有機溶剤で抽出し
て有機溶剤に移行する脂溶性成分を除去し、ついで含水
アルコール層を留去する。このようにして得られた残渣
を水に溶解し、クロロホルム、エーテル、酢酸エチルな
どの水と二相に分かれる低極性溶剤で抽出し、有機溶剤
層を減圧下で留去すると、主に化合物1又は化合物2を
含む画分が得られる。
【0025】このようにして得られた画分は、さらに分
配を利用した各種の向流分配クロマトグラフィーにより
精製することができる。例えば遠心液液クロマトグラフ
ィー(K.Hostettman et al., "Preparative Chromatogra
phy Techniques", SpringerVerlag, Berlin, 1986) に
より、二相に分かれる溶剤系、例えば水、低級アルコー
ルなどの極性溶剤とクロロホルム、酢酸エチルなどの低
極性有機溶剤とを適宜混合して得られる溶剤系、を固定
相と移動相として用いて効果的に精製することができ
る。あるいは、アビセルなどのセルロース、セファデッ
クスLH20(ファルマシア製)、ダイアイオン(三菱
化成(株)製)、などを用いる分配カラムクロマトグラ
フィー、またはシリカゲル、アルミナ、マグネシウム−
シリカゲル系のフロリジルのような担体を用いる吸着ク
ロマトグラフィー等で精製することもできる。
【0026】このようにして得られる本発明の化合物1
又は化合物2は、さらにオクタデシルやオクチル化され
たシリカゲルを担体に用いた逆相クロマトグラフィーに
付し、水もしくは低級アルコール、または水もしくはア
セトニトリル等を適宜混合した溶剤を展開溶剤として用
いて精製することもできる。あるいは目的化合物と混在
する不純物との溶剤に対する分配率の差を利用した抽出
精製法などで精製することもできる。
【0027】以上の精製操作を、単独または適宜組み合
わせて反復して行うことにより目的化合物の純品を得る
ことができる。
【0028】本発明の化合物1又は化合物2はエストロ
ジェン活性を示す。その投与形態としては、皮下注射、
静脈注射、筋肉注射などによる非経口投与法、または、
錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤などによる経口投与法
があげられる。投与量は、対象疾患、投与経路、投与回
数などによって異なるが、例えば、成人にたいして、通
常1日1mgないし1000mgを1回または数回に分
けて投与するのが好ましい。
【0029】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明についてさらに
詳しく記載するが、本発明はこの実施例に限定されるも
のではない。
【0030】(1) 化合物1及び化合物2の分離、精製 タイのバンコク市場で購入したチャン・デング 4.6
Kgについて、35Lのメタノールを用いて抽出操作を
行った。この抽出液を減圧下濃縮乾固し、これに5Lの
酢酸エチルと水10Lとで分配した。酢酸エチル層は減
圧下、濃縮乾固し、水層はさらにn−ブタノールで分配
した。得られた酢酸エチル画分(797g)のうち3
3.5gを遠心液液分配クロマトグラフィーを用いて分
画を行った。すなわち分配液の組成はn−ヘキサン:メ
タノール:水=5:4:1、回転数は1100rpm、
流速5ml/min、上昇法で展開した。得られた画分につい
てエストロジェンリセプター結合活性を測定し、活性画
分として26.7gを得た。この画分を逆相系ローバー
カラム(メルク社製;RP-18, φ37mm x 440mm)に供与
し、逆相分配クロマトグラフィーを行った。溶媒として
はアセトニトリル:水=3:7を用いた。活性画分を集
めて溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(メルク社製; Art9385, φ40mm x 160mm, 展開溶
媒、クロロホルム:メタノール=99:1)にて分画し
た。さらに高速液体クロマトグラフィーにて分離精製を
行った。すなわち逆相系センシューパックODSー5251ーD
(センシュー科学社製)、メタノール:水=3:7、流
速 15ml/min、検出波長 280nmの条件で分画し、
活性物質である化合物1及び化合物2をそれぞれ33m
g、55mg得た。
【0031】(2) 物理化学的性質 本発明の化合物1及び化合物2の物理化学的性質を以下
に示す。
【0032】化合物1:2、4'- ジヒドロキシー4、6ー ジ
メトキシレトロジヒドロカルコン (2,4’−dihydroxy−4,6−dimet
hoxyretrodihydrochalcone) 1.無色針状晶、融点 158−160℃(decomp., ac
etone/water)。 2.紫外吸収スペクトル:λmax nm(log ε) 206(4.6
2), 278(4.11) 。
【0033】メタノール中で測定した。
【0034】3.マススペクトル EIMS m/z 302(M+),
283, 181, 167, 154, 137, 121, 109,93 。
【0035】4.1H-NMRスペクトル(acetone-d6/TMS) p
pm 2.90(2H, t, J=7Hz),3.15(2H, t, J=7Hz), 3.72(3H,
s), 3.79(3H, s), 6.10(2H, s), 6.92(2H, d, J=9Hz),
7.95(2H, d, J=9Hz), 8.75(2H, bs, D2O exchangeabl
e)。 5.13C-NMR スペクトル(acetone-d6/TMS) ppm 18.57
(t), 39.02(t), 55.38(q), 55.87(q), 91.23(d), 95.0
6(d), 109.17(s), 116.05(d),129.90(s),131.57(d), 15
7.26(s), 160.14(s), 160.60(s), 162.87(s), 200.37
(s) 。
【0036】6.溶解性:メタノール、エタノール、ア
セトンに可溶。クロロホルムに比較的難溶。n−ヘキサ
ン、水に難溶。
【0037】7.高速液体クロマトグラフィー: 分離カラム;センシューパック ODS-1151-D 、粒子径5
ミクロン、カラムサイズφ4.6mm x 150mm (センシュー
科学社製) 移動相; アセトニトリル:水=4:6 流速; 1ml/min 検出波長; UV 280nm カラム温度35゜Cの時、溶出時間7.00分の位置に化合物1
のピークを観測することができた。
【0038】化合物2:4、4'- ジヒドロキシー 2、6ージ
メトキシレトロジヒドロカルコン (4,4'-dihydroxy-2,6-dimethoxyretrodihydrochalcone) 1.物質の性状、無色粉末、中性。
【0039】2.紫外吸収スペクトル:λmax nm(log
ε) 206(4.65), 278(4.15). メタノール中で測定し
た。
【0040】3.マススペクトル EIMS m/z 302(M+),
181, 167, 154, 121, 107, 93. 4.1H-NMRスペクトル(acetone-d6/TMS) ppm 2.91(4H,
m), 3.75(6H, s),6.14(2H,s), 6.92(2H, J=9Hz), 7.92
(2H, d, J=9Hz), 8.60(2H, bs, D2O exchangeable). 5.13C-NMR スペクトル(acetone-d6/TMS) ppm 19.32
(t), 39.09(t), 55.81(q),92.68(d), 108.91(s), 115.9
5(d), 130.19(s), 131.33(d), 158.15(s), 159.70(s),
162.42(s), 198.88(s). 6.溶解性:メタノール、エタノール、アセトンに可
溶。クロロホルムに比較的難溶。n−ヘキサン、水に難
溶。
【0041】7.高速液体クロマトグラフィー: 分離カラム;センシューパック ODS-1151-D 、粒子径5
ミクロン、カラムサイズφ4.6mm x 150mm (センシュー
科学社製) 移動相; アセトニトリル:水=35:65 流速; 1ml/min 検出波長; UV 280nm カラム温度35゜Cの時、溶出時間8.03分の位置に化合物2
のピークを観測することができた。
【0042】(3) 生物活性 本発明の化合物1及び化合物2の生物活性について述べ
る。
【0043】エストラジオール拮抗活性 エストラジオール拮抗活性はThibodeau,S.N.らの方法
(Clin. Chem. 27, 687-691(1981) )を一部改変し用い
ることにより測定した。すなわちマウス子宮を摩砕し、
100,000gで1時間超遠心して得られる細胞可溶性画分中
のエストロジェンリセプター(エストロジェン結合蛋
白)を用いて試験を行った。GTE緩衝液(10mM トリ
ス塩酸緩衝液 pH8.0、1mM エチレンジアミン四酢酸、10
% グリセロールを含む)80μl 、20nM[3H]エストラジオ
ール 5μl(15,000cpm)、上記細胞可溶画分 10 μl 、検
体溶液(もしくは溶媒のみ)5 μl を含む反応液はよく
撹拌後4℃の状態で一晩放置した。非特異的結合測定の
ためには、検体溶液の代わりにエストラジオールの200
倍過剰のジエチルスチルベストロールを添加し、同様の
処理をした。
【0044】検体のエストラジオール拮抗活性は遊離の
[3H]エストラジオールをデキストラン(Dextran T70、
ファルマシア社製)被覆活性炭(C4386、シグマ社製)で
吸着除去した後、エストロジェンリセプターに結合した
[3H]エストラジオールのみを液体シンチレーションカウ
ンターで測定した。拮抗活性は[3H]エストラジオールの
エストロジェンリセプターに対する結合の阻害率とし
て、次式: 100 - ( b/a × 100 ) a : 検体添加の cpm - 非特異的結合の cpm b : 検体非添加の cpm - 非特異的結合の cpm で表記した。
【0045】その結果、本発明の化合物1および化合物
2が[3H]エストラジオールの結合を50%拮抗的に阻害
する濃度(IC50)はそれぞれ 4.9μM および 0.57 μM
であった。
【0046】エストロジェン活性および細胞毒性 エストロジェンに感受性であるヒト乳癌由来細胞株MC
F−7を用いて本発明の化合物1及び化合物2のエスト
ロジェン様活性を試験した。
【0047】即ち、内在性のエストロジェンを活性炭で
除去したウシ胎児血清を10%含むダルベッコ氏変法M
EM培地に懸濁したMCF−7細胞2000個を96穴
のマイクロテストプレートの各穴にまき、化合物1また
は化合物2を加え、37℃で4日間培養した。培養後、
MCF−7細胞の増殖の度合いをJ.Carmichaelらの方法
(Cancer res.、 47、936ー942(1987) )に従いMTT(3ー
(4、5-dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-diphenyl-2H-tetrazo
lium Bromide)を用いて、波長 550 nm における吸光度
を指標として検出した。
【0048】増殖促進率は以下の式により求めた。
【0049】増殖促進率 = b/a × 100 a : 試料無添加における吸光度 b : 各試料濃度における吸光度 エストロジェン活性を示す対照化合物にはエストラジオ
ール及びエストロジェンアゴニストであるダイゼインを
用いた。この結果を表1に示す。
【0050】
【表1】 各化合物を添加したときのMCF−7細胞の反応 化合物 濃度(nM) 吸光度の変化(%) 無添加 - 100 ±14 化合物1 100 88 ± 9 1000 102 ± 8 10000 139 ±13* 化合物2 100 111 ±20 1000 150 ±17* 10000 158 ±25* エストラジオール 0.1 148 ±16* 1 158 ±15* ダイゼイン 100 102 ±12 1000 142 ±21* 表中、吸光度の変化は無添加の時を100%として表現し
た。また、無添加 に比較して危険率0.1%で有意である
ものは* 印で示した。
【0051】この結果より、化合物1を10μM加えたと
き、または、化合物2を1 から10μM加えたときに、M
CF−7細胞はエストラジオールを 0.1 nM から 1 nM
添加したときと同程度の数値を示した。また、ダイゼイ
ンを1μM添加したときに同程度の数値が観察された。
【0052】すなわち、化合物1及び2はダイゼインの
約1/10ないしダイゼインとほぼ同程度のエストロジ
ェン作用を有していた。
【0053】細胞毒性は以下のようにして測定した。す
なわちヒト子宮頚癌細胞(HeLa S3)を5% 牛胎児血清を
含むイーグルのMEM培地(ペニシリン100 単位/ml,
ストレプトマイシン100 μg/ml含有), 37℃ 5% CO2
で培養し、1 x 105 cells/mlの浮遊液を作成する。これ
を100 μl ずつ96穴平底プレートに分注し、37℃ 5%CO2
下で一日培養する。これに試料を添加し、37℃ 5% CO2
下で四日培養後、ギムザ染色し、染色された細胞を溶
解し、色素を溶出させ、700nm にて吸光度を測定した。
増殖抑制率は以下の式により求めた。
【0054】増殖抑制率(%)=100-(b/a x 100) a: 試料非添加における吸光度 b: 各試料濃度における吸光度 本試験による本発明の化合物1および化合物2の50% 増
殖抑制濃度はそれぞれ16.1μg/ml、 24.1 μg/mlであっ
た。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の化合物1および
2はエストラジオールの受容体と強く結合し、アゴニス
ト活性を示すが、細胞毒性は見られない。従って、本発
明化合物1及び化合物2は、医薬の分野でエストロジェ
ン剤として、例えば、エストロジェンの欠乏に起因する
婦人科疾患、骨粗鬆症、前立腺癌及び前立腺肥大症の治
療剤の用途に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/12 ACV 8413−4C ADU 8413−4C AEK 8413−4C (72)発明者 飯島 康輝 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 瀧 基彦 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I): 【化1】 で表わされる化合物又はその塩。
  2. 【請求項2】下記式(II): 【化2】 で表わされる化合物又はその塩。
  3. 【請求項3】タイ産の生薬チャン・デングより請求項1
    又は2記載の化合物を単離することから成る該化合物の
    製造法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011505385A (ja) * 2007-12-03 2011-02-24 ヴォロファーム・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 良性前立腺過形成の治療のための医薬製剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011505385A (ja) * 2007-12-03 2011-02-24 ヴォロファーム・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 良性前立腺過形成の治療のための医薬製剤

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