JPH05229783A - 移動クレーン用フック固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【構成】 吊下枠部の内側側方位置に上記動索の終端末
を固定可能な固定部を設け、かつ上記吊下枠部とフック
枠部との間に該フック枠部を吊下枠部下方の作業位置か
ら吊下枠部内側側方の退避固定位置に横倒状態で移動案
内可能な案内機構を設けてなる。 【効果】 動索５を巻き上げてフック枠部４を上昇させ
る案内機構１９が存在すること並びに動索の終端末が吊
下枠部１３の内側側方位置に設けた固定部１５に固定さ
れていることによって上昇限近傍より徐々にフック枠部
は内側側方に向けて横倒し状態に移動し、吊下枠部下方
の作業位置から吊下枠部内側側方の退避固定位置へと移
動して横倒状態で固定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はトラックや船舶等に搭載
される移動クレーンのフック枠部の位置固定に用いられ
る移動クレーン用フック固定装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の移動クレーン用フック固定
装置として例えば図７の構造が知られている。

【０００３】この図７の構造において、１はトラックで
あって、トラック１には移動クレーン２が搭載され、移
動クレーン２のブーム部３の先端にフック枠部４が動索
５、たとえばロープやワイヤーにより吊下され、図示省
略のウィンチによりフック枠部４は昇降可能に吊下さ
れ、トラック１の前バンパー部６に二個の係止鈎７を設
け、移動クレーン２の不使用時等にはフック枠部４の吊
下フック８と二個の係止鈎７との間に係止索９を掛架
し、フック枠部４を位置固定するように構成している。

【０００４】しかしこの従来構造の場合、一般に移動ク
レーン２のフック枠部４の引上げ操作等をなす操作部１
０はトラック１の中程側部に設けられており、フック枠
部４の位置固定時において、フック枠部４の上昇位置を
目視しながら操作部１０の操作ノブ１１の操作をするこ
とができず、このため誤ってフック枠部４を上げ過ぎて
前バンパー部６を折曲損傷させるおそれがある。

【０００５】また近年図８に示す構造のフック固定装置
が提案されている。

【０００６】この図８の構造のものは、移動クレーン２
のブーム部３先端にこの場合二個の掛回シーブ１２を備
えた吊下枠部１３を下方に向けて突設し、吊下枠部１３
の下方に吊下フック８及び二個の昇降シーブ１４を備え
たフック枠部４を設け、巻上げ又は巻解き可能なウイン
チ等に連なる動索５を掛回シーブ１２と昇降シーブ１４
とに掛回し、動索５の終端末を吊下枠部１３に設けた固
定部１５に連結し、動索５によりフック枠部４を昇降可
能に設け、上記吊下枠部１３に押動杆１６の上端部を枢
着し、フック枠部４に押動杆１６の下端部に係合可能な
係合部１７を設けて構成したものである。

【０００７】しかして動索５を巻き上げてフック枠部４
を上昇させると上昇限近傍で押動杆１６の下端部がフッ
ク枠部４の係合部１７に係合し、フック枠部４のさらな
る上昇に伴ってフック枠部４は押動杆１６により徐々に
側方内側位置へと横倒し状態に移動され、想像線の如
く、吊下枠部１３下方の作業位置ａから吊下枠部１３内
側側方の退避固定位置ｂへと退避固定されることにな
る。

【０００８】しかしながらこの従来構造の場合、上記退
避動作時に押動杆１６に大きな負荷が掛かり易く、押動
杆の変形や損傷が生じて作動が不確実になることがある
という不都合を有している。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明はこれらの不都合
を解決することを目的とするもので、その要旨は、トラ
ック等に搭載される移動クレーンのブーム部先端に掛回
シーブを備えた吊下枠部を下方に向けて突設し、該吊下
枠部の下方に吊下フック及び昇降シーブを備えたフック
枠部を設け、巻上げ又は巻解き可能な動索を掛回シーブ
と昇降シーブとに掛回し、該動索によりフック枠部を昇
降可能に設けた移動クレーン装置において、上記吊下枠
部の内側側方位置に上記動索の終端末を固定可能な固定
部を設け、かつ上記吊下枠部とフック枠部との間に該フ
ック枠部を吊下枠部下方の作業位置から吊下枠部内側側
方の退避固定位置に横倒状態で移動案内可能な案内機構
を設けて構成したことを特徴とする移動クレーンフック
固定装置にある。

【００１１】

【作用】動索を巻き上げてフック枠部を上昇させると、
案内機構が存在すること並びに動索の終端末が吊下枠部
の内側側方位置の固定部に固定されていることによって
上昇限近傍より徐々にフック枠部は内側側方に向けて横
倒し状態に移動し、吊下枠部下方の作業位置から吊下枠
部内側側方の退避固定位置へと移動して横倒状態で固定
されることになる。

【００１２】

【実施例】図１乃至図６は本発明の実施例を示し、図１
乃至図３は第１実施例、図４、５は第２実施例、図６は
第３実施例である。

【００１３】尚、図７、８の従来構造と同一態様部分に
は同符号を引用する。

【００１４】１５は固定部であって、この場合上記吊下
枠部１３の内側側方に所定長さの取付部材１８を突設
し、取付部材１８の先端部に動索５の終端末を固定し得
る固定部１５を設けている。

【００１５】１９は案内機構であって、この場合上記吊
下枠部１３に支持軸２０を設け、支持軸２０に上記掛回
シーブ１２を回転自在に軸受し、かつ支持軸２０に掛回
シーブ１２よりも径大で吊下枠部１３よりも周面が外に
突出する回転ローラ２１を三個遊動自在に軸架し、他
方、上記フック枠部４の上面に回転ローラ２１が当接接
触可能な当接面２２を形成したものである。

【００１６】この第１実施例は上記構成であるから、図
１の如く、ウインチ等により動索５を巻き上げてフック
枠部４を上昇させると、先ず案内機構１９としての回転
ローラ２１の外周面に当接面２２が当接し、さらに動索
５を巻き上げると動索５の終端末が吊下枠部１３の内側
側方位置に設けた固定部１５に固定されていることによ
って回転ローラ２１と共に徐々にフック枠部１３は内側
側方に向けて横倒し状態に回動し、図３の如く、フック
枠部１３は吊下枠部下方の作業位置ａから吊下枠部１３
内側側方の退避固定位置ｂへと回動し、取付部材１８に
沿って横倒状態で位置固定されることになる。

【００１７】またこの退避固定位置ｂにおいて、動索５
を解くとフック部４は吊下枠部１３内側側方の退避固定
位置ｂから吊下枠部１３下方の作業位置ａへと戻り回動
し、作業位置ａにて通常の吊り上げ作業を行うことにな
る。

【００１８】図４、５の第２実施例は案内機構の別例構
造を示し、この場合上記吊下枠部１３の内側側方に所定
長さの取付部材１８を突設し、取付部材１８の先端部に
動索５の終端末を固定し得る固定部１５を設けるととも
に上記吊下枠部１３の外面に円弧状案内面２３を形成
し、他方、フック枠部４の上面に滑り易い部材又は滑り
易くした接触面２４を形成して構成したものである。

【００１９】この第２実施例にあっても、円弧状案内面
２３と接触面２４との作用により上記第１実施例のもの
と同様な作用効果を得るものである。

【００２０】図６の第３実施例も案内機構の別例構造を
示し、この場合上記吊下枠部１３の内側側方に所定長さ
の取付部材１８を突設し、取付部材１８の先端部に動索
５の終端末を固定し得る固定部１５を設けるとともに上
記回転ローラ２１の代わりに支持軸２０に回転プレート
２５を回動可能に枢着し、他方、上記フック枠部４の上
面に回転プレート２５が当接接触可能な当接面２６を形
成して構成したものである。

【００２１】この第３実施例にあっても、回転プレート
２５の回動と当接面２６との作用により上記第１実施例
のものと同様な作用効果を得るものである。

【００２２】尚、案内機構の構造、動索の掛回構造等は
上記実施例に限られるものではなく、適宜変更して設計
される。

【００２３】また上記実施例では吊下枠部１３に取付部
材１８を突設し、取付部材１８の先端部に固定部１５を
設け、この固定部１５に動索５の終端末を固定するよう
にしているが、動索５の終端末が吊下枠部１３の内側側
方位置に位置するようにしてブーム部３側に固定するよ
うにしても同様であり、要は吊下枠部１３の内側側方位
置に動索５の終端末側が位置していれば同じ効果を得る
ものである。

【００２４】また上記実施例はトラックに搭載された移
動クレーンに本発明を適用しているが、船舶等に搭載さ
れた移動クレーンにも適用することができる。

【００２５】

【発明の効果】本発明は上述の如く、動索を巻き上げて
フック枠部を上昇させると案内機構が存在すること並び
に動索の終端末が吊下枠部の内側側方位置に設けた固定
部に固定されていることによって上昇限近傍より徐々に
フック枠部は内側側方に向けて横倒し状態に移動し、吊
下枠部下方の作業位置から吊下枠部内側側方の退避固定
位置へと移動して横倒状態で固定することができ、この
ためフック枠部をブーム部側に確実に格納して位置固定
でき、それだけ作業性を向上することができるとともに
横倒し状態で格納することにより運転時の視界を良好な
ものとすることができる。

【００２６】以上、初期の目的を充分達成することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の作業時の部分側面図であ
る。

【図２】図１で示す本発明の第１実施例の格納時の部分
側面図である。

【図３】図１で示す本発明の実施例の断面図である。

【図４】本発明の第２実施例の部分側面図である。

【図５】図４で示す本発明の第２実施例の断面図であ
る。

【図６】本発明の第３実施例の部分側面図である。

【図７】従来構造の全体斜視図である。

【図８】他の従来構造の部分側面図である。

【符号の説明】

１ トラック ２ 移動クレーン ３ ブーム部 ４ フック枠部 ５ 動索 １２ 掛回シーブ １３ 吊下枠部 １４ 昇降シーブ １５ 固定部 １９ 案内機構

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トラック等に搭載される移動クレーンの
   ブーム部先端に掛回シーブを備えた吊下枠部を下方に向
   けて突設し、該吊下枠部の下方に吊下フック及び昇降シ
   ーブを備えたフック枠部を設け、巻上げ又は巻解き可能
   な動索を掛回シーブと昇降シーブとに掛回し、該動索に
   よりフック枠部を昇降可能に設けた移動クレーン装置に
   おいて、上記吊下枠部の内側側方位置に上記動索の終端
   末を固定可能な固定部を設け、かつ上記吊下枠部とフッ
   ク枠部との間に該フック枠部を吊下枠部下方の作業位置
   から吊下枠部内側側方の退避固定位置に横倒状態で移動
   案内可能な案内機構を設けて構成したことを特徴とする
   移動クレーンフック固定装置。