JP7322528B2 - ジブ係留装置 - Google Patents
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Description
(タワークレーンの構成)
第1実施形態のジブ係留装置1は、タワークレーン20の側面図である図1に示すように、タワークレーン20に設けられている。タワークレーン20は、クローラ式の下部走行体21に上部旋回体22が旋回可能に搭載された構成となっている。なお、タワークレーン20は、クローラ以外の移動手段(例えばホイール)を用いた移動式クレーンであってもよいし、移動手段を持たない固定式クレーンであってもよい。また、本発明の適用対象はタワークレーンに限定されず、例えば、ラッフィングクレーンに本発明を適用することも可能である。
ジブ係留装置1は、係止装置2と、被係止装置3と、解除ロープ(解除部材)4と、を有している。係止装置2は、タワー24の前面部に設けられている。被係止装置3は、ジブ25に設けられている。被係止装置3は、タワー24に対してジブ25を折り畳んだ際に係止装置2に対向する位置に設けられている。タワー24に対してジブ25が折り畳まれた状態で被係止装置3が係止装置2によって係止されることで、ジブ25をタワー24にロックすることができる。
ジブ係留装置1の詳細について説明する。図2~図4は、ジブ係留装置1の拡大側面図であり、図5は、ジブ係留装置1の拡大平面図である。係止装置2は、ロックピン51を有する。このロックピン51が、被係止装置3の係止軸61を係止する係止位置(図2に示す位置)と、係止軸61の係止を解除する係止解除位置(図3、図4に示す位置)との間で移動することによって、ジブ25のロックおよびロック解除を実現することができる。
解除ロープ4は、ロック解除レバー54の後端部に連結されている。この解除ロープ4を引っ張ることにより、ロックスプリング57による付勢力に抗してロック解除レバー54をロック解除位置に移動させることが可能である。即ち、係止装置2と被係止装置3との係合を解除することが可能である。また、解除ロープ4を引っ張るのを止めれば、ロックスプリング57による付勢力によって、ロック解除レバー54がロック位置に移動可能となる。
ジブ25に設けられた被係止装置3は、係止軸61を有しており、この係止軸61がロックピン51によって係止されることで、折り畳まれた状態のジブ25がタワー24にロックされる。ジブ25に取り付けられたジブ側ブラケット62には、左右一対の軸支持ブラケット63が突設されている(図5参照)。軸支持ブラケット63の先端にはベアリング63aが設けられており、左右一対のベアリング63aによりロックピン51と交差する係止軸61が支持されている。
また、ジブ係留装置1は、図1に示すように、駆動機構5を有している。駆動機構5は、鉛直方向に対して前方に傾斜した姿勢のタワー24に、垂下したジブ25を引き寄せる。また、駆動機構5は、鉛直方向に対して前方に傾斜した姿勢のタワー24に引き寄せられているジブ25を、タワー24から離隔させる。
また、図1の要部Aの拡大図である図6に示すように、ジブ係留装置1は、ブラケット6と、過巻検出装置7と、コントローラ8と、を有している。
図6に示すように、過巻検出装置(検出装置)7は、重錘85と、検出器86と、チェーン87とを有している。重錘85は、環状である。検出器86は、ジブ25の先端部に取り付けられており、リミットスイッチ(図示せず)を内蔵している。チェーン87は、左右に一対設けられており、それぞれが検出器86と重錘85とを繋いでいる。
コントローラ(ウインチ制御装置)8は、運転室23内に設けられている。ジブ25の先端部に対してフック装置33が所定距離まで巻き上げられたことを過巻検出装置7のリミットスイッチが検出した場合に、コントローラ8は、ジブ25の先端部からフック装置33までの距離が所定距離よりも長い場合に比べて、フック用ウインチ43の巻き取り力を低減させる。具体的には、コントローラ8は、巻上用可変ポンプ(図示せず)の傾転変更による馬力制御(圧力および流量の低減)や、巻上回路上に設けられた低圧ポートリリーフ弁(図示せず)の制御により、フック用ウインチ43の巻き取り力、および、巻き取り速度を低減させる。なお、コントローラ8は、フック用ウインチ43の巻き取り力のみを低減させてもよいし、フック用ウインチ43の巻き取り速度のみを低減させてもよい。
また、図1の要部Cの拡大図である図8に示すように、ジブ係留装置1は、複数のガイドローラ9を有している。複数のガイドローラ9は、タワー24のジブ25側の先端部に設けられて、フック装置33を吊り下げている巻上ロープ32をガイドする。
次に、ジブ係留装置1の動作について、図1、図2~4、図10を参照しつつ説明する。図10は、タワークレーン20の側面図である。
折り畳まれた状態のジブ25をタワー24に係留する場合、まず、図1に示すように、ブーム起伏ロープ41を繰り出すことで、タワー24を鉛直方向に対して前方に傾斜した姿勢にする。本実施形態において、タワー24の水平面からの傾斜角度は80度であるが、傾斜角度はこれに限定されない。
タワー24に係留されたジブ25をタワー24から解放する場合、フック装置33を地面近くまで降ろして、ロープ72の先端をフック81に引っ掛ける。このとき、タワー24が倒伏状態であってもよい。
以上に述べたように、本実施形態に係るジブ係留装置1によると、タワー24に対して折り畳まれた状態のジブ25をタワー24に係留する際には、垂下したジブ25がタワー24に引き寄せられる。このとき、ジブ25の先端から吊り下げられたフック装置33が巻き上げられ、フック装置33の上部が、ジブ25の先端部に設けたブラケット6で上から支持されることで、垂下したジブ25の先端部にフック装置33が保持される。また、タワー24に係留されたジブ25をタワー24から解放する際には、タワー24に引き寄せられているジブ25がタワー24から離隔される。このとき、ジブ25の先端から吊り下げられたフック装置33が巻き上げられ、フック装置33の上部が、ジブ25の先端部に設けたブラケット6で上から支持されることで、垂下したジブ25の先端部にフック装置33が保持される。このように、ジブ25の先端部に設けたブラケット6でフック装置33の上部を上から支持することで、垂下したジブ25の先端部にフック装置33が保持される。よって、フック装置33をジブ25の先端部に案内するための部材をジブ25の先端部に設けたり、フック装置33がジブ25の先端部の近くまで巻き上げられたことを検出するリミットスイッチを設けたりする必要がない。よって、コストを抑えることができる。また、リミットスイッチを設けないので、リミットスイッチの破損により作業性が低下する恐れがない。よって、作業性を向上させることができる。また、フック装置33の上部がブラケット6で支持されるまでフック装置33を巻き上げるだけの簡単な操作で、ジブ25の先端部にフック装置33を保持することができるので、作業者の負担を軽減させることができる。
次に、第2実施形態のジブ係留装置について、図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と共通する構成およびそれにより奏される効果については説明を省略し、主に、第1実施形態と異なる点について説明する。なお、第1実施形態と同じ部材については、第1実施形態と同じ符号を付している。
タワークレーン20の側面図である図11に示すように、本実施形態のタワークレーン20は、単索用のフック装置33に代えて、複数掛け用のフック装置133を有している。
(アダプタ)
本実施形態のジブ係留装置101は、アダプタ10を有している。アダプタ10は、ロープソケット取付ピン146により、フック装置133の上部に着脱可能に取り付けられている。ジブ25が垂下された状態で、ブラケット6の当接板6cにアダプタ10を当接させることが可能である。フック装置133の上部とブラケット6とにアダプタ10が挟まれた状態で、垂下したジブ25の先端部にフック装置133が保持される。
本実施形態の過巻検出装置107は、重錘151と、検出器152と、ロープ153とを有している。重錘151は、巻上ロープ32のエンド側に取り付けられている。垂下したジブ25の先端部にフック装置133が保持された状態で、重錘151はアダプタ10の側方に位置している。検出器152は、ジブ25の先端部に取り付けられており、リミットスイッチ(図示せず)を内蔵している。ロープ153は、検出器152と重錘151とを繋いでいる。
次に、ジブ係留装置101の動作について、図11、図2~4、図13を参照しつつ説明する。図13は、タワークレーン20の側面図である。
折り畳まれた状態のジブ25をタワー24に係留する場合、まず、図11に示すように、ブーム起伏ロープ41を繰り出すことで、タワー24を鉛直方向に対して前方に傾斜した姿勢にする。本実施形態において、タワー24の水平面からの傾斜角度は80度であるが、傾斜角度はこれに限定されない。
タワー24に係留されたジブ25をタワー24から解放する場合、フック装置133を地面近くまで降ろして、ロープ72の先端をフック141に引っ掛ける。その後、巻上ロープ32を巻き取ることで、フック装置133を巻き上げ、アダプタ10をブラケット6に当接させる。このとき、ジブ25の先端部に対してフック装置133が所定距離まで巻き上げられたことを過巻検出装置7が検出すると、コントローラ8がフック用ウインチ43の巻き取り力を低減させる。
以上に述べたように、本実施形態に係るジブ係留装置101によると、フック装置133の上部とブラケット6とにアダプタ10が挟まれた状態で、垂下したジブ25の先端部にフック装置133が保持される。よって、フックブロックの上部が突出した複数掛け用のフック装置133であっても、アダプタ10を装着することで、垂下したジブ25の先端部にフック装置133を容易に保持することができる。また、作業時には、フック装置133からアダプタ10を取り外しておくことで、吊り上げ能力を向上させることができる。
2 係止装置
3 被係止装置
4 解除ロープ(解除部材)
5 駆動機構
6 ブラケット
6d ストッパ
7,107 過巻検出装置(検出装置)
8 コントローラ(ウインチ制御装置)
9 ガイドローラ
10 アダプタ
20 タワークレーン
21 下部走行体
22 上部旋回体
23 運転室
24 タワー(ブーム)
25 ジブ
26 ガントリ
27 ストラット
28 下部スプレッダ
29 カウンタウエイト
30 バックストップ装置
31 ジブポイントシーブ
32 巻上ロープ
33,133 フック装置
34 ジブガイライン
35 ジブ起伏用下部スプレッダ
36 ジブガイライン
37 ジブ起伏用上部スプレッダ
38 ジブ起伏ロープ
39 ブームガイライン
40 上部スプレッダ
41 ブーム起伏ロープ
42 ブームフットピン
43 フック用ウインチ
44 ジブ起伏用ウインチ
45 ブーム起伏用ウインチ
51 ロックピン
52 タワー側ブラケット
53 レバー支持ブラケット
54 ロック解除レバー
56 ロックフレーム
57 ロックスプリング
58 ピンブロック部材
61 係止軸
62 ジブ側ブラケット
63 軸支持ブラケット
71 リービングウインチ
72 ロープ
73 ガイドシーブ
81 フック
82 フック支持筒
83 ヨーク
85 重錘
86 検出器
87 チェーン
91 取付ピン
141 フック
142 側板
143 トラニオンピン
144 シーブ
145 シーブピン
146 ロープソケット取付ピン
151 重錘
152 検出器
153 ロープ
Claims (7)
- ブームの先端部にジブが起伏可能に取り付けられたクレーンにおけるジブ係留装置であって、
前記ブームに設けられた係止装置と、
前記ジブに設けられ、前記ブームに対して前記ジブが折り畳まれた際に、前記係止装置によって係止される被係止装置と、
前記係止装置と前記被係止装置との係合を解除することが可能な解除部材と、
前記ブームに対して折り畳まれた状態の前記ジブを前記ブームに係留する際に、鉛直方向に対して前方に傾斜した姿勢の前記ブームに、垂下した前記ジブを引き寄せる一方、前記ブームに係留された前記ジブを前記ブームから解放する際に、前記鉛直方向に対して前方に傾斜した姿勢の前記ブームに引き寄せられている前記ジブを、前記ブームから離隔させる駆動機構と、
前記ジブの先端に設けられたジブポイントシーブと、
前記ジブの先端部に取り付けられ、前記ジブが垂下された状態で、前記ジブポイントシーブから吊り下げられるフック装置の上部を上から支持することが可能なブラケットと、
を有し、
垂下した前記ジブが前記ブームに引き寄せられる際に、前記フック装置が巻き上げられ、前記フック装置の上部が前記ブラケットで上から支持されることで、垂下した前記ジブの先端部に前記フック装置が保持された状態で、前記フック装置が前記ブームに引き寄せられ、
前記ブームに引き寄せられている前記ジブが前記ブームから離隔される際に、前記フック装置が巻き上げられ、前記フック装置の上部が前記ブラケットで上から支持されることで、垂下した前記ジブの先端部に前記フック装置が保持された状態で、前記フック装置が前記ブームから離隔されることを特徴とするジブ係留装置。 - 前記ブラケットは、前記ブラケットで上から支持された前記フック装置が前記ブームの方に移動するのを阻止するストッパを有することを特徴とする請求項1に記載のジブ係留装置。
- 前記フック装置の過剰な巻き上げを検出する過巻検出装置の重錘が、前記フック装置の上部の側方に位置した状態で、垂下した前記ジブの先端部に前記フック装置が保持されることを特徴とする請求項1又は2に記載のジブ係留装置。
- 前記フック装置の上部に着脱可能に取り付けられ、前記ジブが垂下された状態で、前記ブラケットに当接させることが可能なアダプタを有し、
前記フック装置の上部と前記ブラケットとに前記アダプタが挟まれた状態で、垂下した前記ジブの先端部に前記フック装置が保持されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のジブ係留装置。 - 前記ブームの先端部に設けられて、前記フック装置を吊り下げている巻上ロープをガイドする複数のガイドローラを有し、
前記複数のガイドローラは、垂下した状態と前記ブームに引き寄せられた状態との間で前記ジブが移動される際に、前記ガイドローラから前記フック装置までの前記巻上ロープの長さが一定に維持されるように配置されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のジブ係留装置。 - 前記ジブの先端部に対して前記フック装置が所定距離まで巻き上げられたことを検出する検出装置と、
前記フック装置を吊り下げている巻上ロープを巻き取るウインチと、
前記ジブの先端部に対して前記フック装置が前記所定距離まで巻き上げられたことを前記検出装置が検出した場合に、前記ジブの先端部から前記フック装置までの距離が前記所定距離よりも長い場合に比べて、前記ウインチの巻き取り力を低減させるウインチ制御装置と、
を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のジブ係留装置。 - 前記検出装置が、前記フック装置の過剰な巻き上げを検出する過巻検出装置であることを特徴とする請求項6に記載のジブ係留装置。
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