JPH05229713A - 印刷機の排紙装置若しくは給紙装置のシート搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷機械においてシートの搬送速度を減少す
るためにシートの連続搬送時にシートを制動すると共に
シートを確実に案内することができるようにシート搬送
装置を形成すること。 【構成】 シート搬送装置は排紙装置に固定的に配置し
た下部分１２と、この下部分に解離可能に結合された上
部分１１とから成り、上部分が主として偏向ローラ８，
９と、テンションローラ１０と、これらローラ８，９，
１０に巻掛けられた搬送部材１と、吸込口を有する滑り
板とから成り、この吸込口が角度１゜〜１０゜の楔状に
シート搬送方向に延びている。 【効果】 吸込口の横断面がシート搬送方向で増大して
いるため、シートはその端部にいたるまで空気力的に制
動され、位置固定されて確実に案内されてパイルを形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は印刷機械の排紙装置若し
くは給紙装置へ搬送されるシートの速度を減速させるた
めの装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の公知シート搬送装置は、吸着ロ
ーラとして、又は吸引箱上を案内される搬送部材として
公知である。搬送部材としては有利に孔あき吸着バンド
又は孔あきタイミングベルトが使用される。例えば、米
国特許第３３８９９０８号明細書によれば、基板に縦溝
を備えて形成された切欠き内で案内されるタイミングベ
ルトが公知である。タイミングベルトの摩擦を軽減する
ために、タイミングベルトの歯とは反対側では切欠き内
に雰囲気圧力が作用している。互いに対向して位置する
歯の間のスペースには（片歯の場合）真空が作用してお
り、この真空は側方でタイミングベルトの搬送方向に配
置された通路を介して印加される。

【０００３】この構成の欠点は、パイルに近い方の偏向
ローラの領域内ではシートがタイミングベルト上でもは
や位置固定されず、シートは比較的大きく残された距離
を案内なしで進まなければならず、これによりパイルの
形成に問題が生じることにある。

【０００４】ドイツ連邦共和国特許出願公開第３６３８
３２２号明細書によれば、タイミングベルトが基体内で
案内されるシート搬送装置が公知である。基体の領域内
の側方に吸込通路が配置されており、この吸込通路は歯
溝の領域内で開らき、歯の領域内で閉じるように形成さ
れる。

【０００５】この構成の欠点は、開いた通路と閉じた通
路との交番により歯溝だけがアクティブとなり、制動作
用がたんにこの歯溝を介してのみ面状に分布するに過ぎ
ないことにある。歯のピッチにより吸込空気圧低下が周
期的となる。これにより、負圧が良好に生じない。

【０００６】

【発明の課題】本発明の課題は搬送部材の迅速な交換が
可能となり、シートの制動がシート搬送中に負圧により
連続的に可能となり、パイル若しくはフロントゲージに
近い方の偏向ローラの前領域内でも、搬送すべきシート
が十分な保持力により確実に案内されるようにシート搬
送装置を改良することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の要旨は請求項１に記載の通りである。

【０００８】

【発明の効果】本発明によれば、吸込口の増大する横断
面により、搬送速度が高い場合でも制動作用が高い。負
圧は面全体に作用し、シート端部にいたるまで十分な保
持力が保証される。必要に応じて（両面印刷、カートン
の印刷）幅狭又は幅広の搬送部材が使用できる。シート
搬送装置の２部分から成る構成により、搬送部材の迅速
な交換が可能である。その場合、下部分はその位置にと
どまり、上部分はスナップ結合の解除後に回り継ぎ手か
ら取り出される。種々の幅の搬送部材を使用する場合で
も、上部分だけを交換すれば足りる。吸込口は搬送部材
の両側に設けられてもよく、吸込室及び空気供給部に結
合して配置されてもよい。これにより、保持力がいちだ
んと強まる。下部分に配置された駆動ホイールはすべて
の吸着バンド幅に適合するような寸法で形成される。搬
送部材のテンションを得るために、解離可能なスナップ
結合部材は移動可能に形成されている。

【０００９】本発明の解決手段は、搬送すべきシートの
速度を減少させるために一般的に広く使用可能である。
この解決手段は排紙装置でも給紙装置でも使用できる。
特に供給テーブル又は給紙テーブルで本発明の解決手段
を使用すれば、シートの走入時の運動エネルギが軽減さ
れ、ひいてはこれによりシートの重なった走入が軽減さ
れる。

【００１０】

【実施例】装置は２つに分割されて構成されている。排
紙装置に固定された下部分１２は空気供給部を有してお
り、かつ回転可能に支承された駆動ホイール５を収容し
ている。駆動ホイールは搬送部材１とかみ合っている。
上部分１１は回り継ぎ手１３と解離可能なスナップ結合
部材７とを介して下部分１２に結合されている。下部分
の空気供給部は上部分１１の吸込室４に連通している。
上部分１１にはパイルに近い方の偏向ローラ８、パイル
から遠い方の偏向ローラ９及びテンションローラ１０が
配置されており、かつ搬送部材１、本実施例では２重に
歯のついたタイミングベルトにより巻掛けられている。
搬送方向に循環する搬送部材１の側方に滑り板２が上部
分１１上に配置されている。この滑り板は楔形の吸込口
３を備えている。この吸込口３は吸込室４に接続されて
おり、かつ搬送方向６に対して８゜の角度αを有してお
り、その角度の頂点Ｓはパイルから遠い方の滑り板端部
に位置している。

【００１１】作用はつぎの通りである。

【００１２】グリッパ機構によりシートが搬送されてパ
イルを形成する。シートの搬送中シートは滑り板２上を
搬送部材１によって搬送され、吸込口３によって吸着さ
れ、緊張されかつ位置固定される。グリッパ機構の解放
後、シートは吸込口の上昇する部分により制動されかつ
位置固定されてパイルのストッパへ搬送される。楔状の
吸込口３はシート端部にまで規定の保持力を保証する。
上部分１１は解離可能なスナップ結合部材７により回り
継ぎ手１３に関連して簡単に下部分１２から分離され
る。これにより搬送部材１は摩耗時に短時間で交換され
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシート搬送装置の側面図である。

【図２】上記シート搬送装置の平面図である。

【符号の説明】

１ 搬送部材、 ２ 滑り板、 ３ 吸込口、 ４ 吸
込室、 ５ 駆動ホイール、６ 搬送方向、 ７ スナ
ップ結合部材、 ８，９ 偏向ローラ、 １０テンショ
ンローラ、 １１ 上部分、 １２ 下部分、 １３
回り継ぎ手

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペーター マイヤー ドイツ連邦共和国 ミュールハイム マイ ン リュッケルトシュトラーセ 37 (72)発明者 ギュンター シュニッゲンフィッティッヒ ドイツ連邦共和国 ミュールハイム マイ ン ヴィルヘルム−ブーシュ−シュトラー セ ７−９

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷機の排紙装置若しくは給紙装置のシ
   ート搬送装置であって、ローラを介して循環する搬送部
   材が設けられており、搬送されるべきシートがこの搬送
   部材上に吸着される形式のものにおいて、該シート搬送
   装置が、下部分と上部分との２部分から成る構造を有し
   ており、 下部分（１２）が排紙装置若しくは供給テーブルに固定
   されており、かつ、回転可能に支承されていて前記搬送
   部材（１）の外周に係合する駆動ホイール（５）を支持
   しており、かつ解離可能なスナップ結合部（７）と回り
   継ぎ手（１３）とを備えており、 上部分（１１）が前記スナップ結合部材（７）と回り継
   ぎ手（１３）とを介して下部分（１２）に結合されてお
   り、上部分には、パイル若しくはフロントゲージに近い
   方の偏向ローラ（８）と、パイルから遠い方の偏向ロー
   ラ（９）と、テンションローラ（１０）とが配置されて
   いてかつ前記搬送部材（１）によって巻掛けられてお
   り、さらに、少なくとも１つの吸込室（４）が設けられ
   ており、この吸込室が空気供給部に接続されており、さ
   らに吸込口（３）を備えた少なくとも１つの滑り板
   （２）が、循環する搬送部材（１）の側方に配置されて
   おり、前記吸込口（３）が搬送部材（１）の循環方向
   （６）で１゜〜１０゜の角度（α）を有しており、その
   頂点（Ｓ）が、パイル若しくはフロントゲージから遠い
   方の滑り板端部に位置していることを特徴する印刷機の
   排紙装置若しくは給紙装置のシート搬送装置。
2. 【請求項２】 前記吸込口（３）が楔形、凹面状又は凸
   面凹面状の輪郭を滑り板に対して有している請求項１記
   載のシート搬送装置。