JPH0522908A - 回転電機用固定子及びその製造方法 - Google Patents

回転電機用固定子及びその製造方法

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Publication number
JPH0522908A
JPH0522908A JP16720391A JP16720391A JPH0522908A JP H0522908 A JPH0522908 A JP H0522908A JP 16720391 A JP16720391 A JP 16720391A JP 16720391 A JP16720391 A JP 16720391A JP H0522908 A JPH0522908 A JP H0522908A
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JP
Japan
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coil
varnish
wall portion
peripheral wall
insulating cover
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Application number
JP16720391A
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English (en)
Inventor
Kichinosuke Ono
吉之助 大野
Ryuichi Uchida
柳一 内田
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Mahle Electric Drive Systems Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
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Publication date
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  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】コイルエンドの絶縁不良が生じるのを防止し、
不要箇所にワニスを付着させることなくコイルのワニス
含浸を行うことができるようにする。 【構成】コイルエンドE1 ,E2 の形を整えた後、コイ
ルエンドにコイル絶縁カバー6,7を被せ、各コイル絶
縁カバーを固定子鉄心1から突出しているウェッジ5の
内側に嵌合させる。次いでコイル絶縁カバー6の底壁部
6cの外側に設けた凹部6f内にワニスを注入し、底壁
部6cに設けたワニス滴下孔6gからワニスを滴下させ
てコイル4にワニスを含浸させる。コイル絶縁カバーを
ワニスによりウェッジに接着して保持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータ等の回転電機の
固定子、及び該固定子を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】モータ等の回転電機の固定子として、図
6及び図7に示したように、環状の固定子鉄心1に設け
られた多数の巻線スロットS,S,…にコイル導体3を
挿入してコイル4,4,…を巻回したものが用いられて
いる。この例では、合計8個のコイル4が巻回されて4
極の固定子が構成されている。
【0003】回転電機を組み立てる際には、固定子鉄心
の軸線方向の両端にアルミニウム等からなるエンドカバ
ーが取り付けられ、該エンドカバーに回転子の回転軸が
支持される。
【0004】また固定子鉄心の軸線方向の両端からそれ
ぞれ突出しているコイルエンドを固定子鉄心及びエンド
カバーに対して電気的に絶縁するため、各コイルエンド
を覆うコイル絶縁カバーが設けられる。従来はこのコイ
ル絶縁カバーをエンドカバーの内側に圧入した状態で取
り付けて、エンドカバーを鉄心に取り付ける際に、コイ
ルエンドをコイル絶縁カバー内に収容するようにしてい
た。
【0005】従来この種の固定子を製造する際には、先
ず図5に示すように、クラフト紙や樹脂等の絶縁シート
を溝形に成形したものからなる溝形絶縁物2を固定子鉄
心1のスロットS内に挿入する。次いでスロットS,S
内の溝形絶縁物の内側に所定の順序でエナメル被覆銅線
から成るコイル導体3を挿入してコイル4,4,…を巻
回するか、または予め巻回されたコイルを一括して各ス
ロット内の溝形絶縁物内に挿入して鉄心にコイルを巻装
し、各スロットの開口部側に絶縁物からなる短冊状のウ
ェッジ5を挿入してコイルをスロットS内に固定する。
専用のコイル挿入機を用いてコイルを挿入する場合に
は、通常コイルの挿入とウェッジ5の挿入とは同時に行
われる。
【0006】コイル4,4,…を巻回し、ウェッジ5,
5,…を挿入した後、成形機を用いて固定子鉄心の軸線
方向の両端からそれぞれ突出している1対のコイルエン
ドE1 ,E2 の形を整える。次いでコイルエンドの形が
崩れないようにコイルエンドを糸8で縛る糸縛り(レー
シング)工程を行う。
【0007】その後、コイルエンド部及びスロットS内
のコイルが動かないようにワニスを含浸させてコイルを
かためる。ワニスの含浸は、コイルにワニスを滴下する
ことにより含浸する滴下含浸法または、コイルをワニス
中に浸漬することにより含浸するドブ漬け法が行われて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の回転電機用固定
子では次のような問題があった。
【0009】(a)コイルにワニスを含浸してからコイ
ル絶縁カバーを取り付けていたため、ワニス含浸前に各
コイルエンドの形を整えておく必要があった。そのた
め、ワニス含浸前に必ずレーシングを行う必要があり、
工数が多くなるのを避けられなかった。
【0010】(b)コイル絶縁カバーをエンドカバーの
内側に取り付けておいて(コイル絶縁カバーはエンドカ
バーの内側に隠れて見えない状態にある)、エンドカバ
ーを取り付ける際に同時にコイル絶縁カバーの内側にコ
イルエンドを収容するようにしていたため、コイル絶縁
カバー内にコイルエンドを収容する作業を手探りで行う
必要があった。そのためコイルエンドの一部がコイル絶
縁カバーからはみ出して鉄心に接触する状態になること
があり、これが絶縁不良の原因となることがあった。
【0011】(c)ワニスの含浸をドブ漬け法により行
った場合には、不要部分に付着したワニスを除去する後
処理のために多くの工数を必要とする。
【0012】(d)滴下含浸法による場合には、後処理
が比較的容易でるが、含浸装置として大掛かりのものを
必要とし、設備費が高くなる。
【0013】本発明の目的は、コイルエンドの絶縁不良
が生じるのを防止するとともに、滴下含浸を容易に行い
得るようにして含浸設備の小形化とコストの低減とを図
ることができるようにした回転電機用固定子及びその製
造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明は、環状
の固定子鉄心に設けられた巻線スロット内に溝形絶縁物
を介してコイルが挿入され、各巻線スロットの開口部側
にウェッジが挿入されている回転電機用固定子に係わる
ものである。
【0015】本発明においては、固定子鉄心の軸線方向
の両端からそれぞれ突出している1対のコイルエンドの
それぞれを覆う1対のコイル絶縁カバーを設け、これら
のコイル絶縁カバーによりコイルエンドを覆う。
【0016】各コイル絶縁カバーは、巻線スロットの開
口部側からウェッジに嵌合する第1の周壁部と該第1の
周壁部と同心的に伸びる第2の周壁部と両周壁部間に跨
るように設けられた底壁部とを有していて、第1の周壁
部と第2の周壁部との間の間隔が成形されたコイルエン
ドの径方向の最大厚み寸法よりも大きく設定されてい
る。
【0017】また1対のコイル絶縁カバーの少なくとも
一方の底壁部の外側に凹部が設けられるとともに、該凹
部の内側で前記底壁部を貫通させてワニス滴下孔が多数
設けられている。
【0018】各コイル絶縁カバーはコイルに含浸された
ワニスによりウェッジに接着されている。
【0019】本願第2の発明は、環状の固定子鉄心に設
けられた巻線スロット内に溝形絶縁物を介してコイルが
挿入され、各巻線スロットの開口部側にウェッジが挿入
されている回転電機用固定子を製造する方法に係わるも
のである。
【0020】本発明においては、各溝形絶縁物の両端及
びウェッジの両端を固定子鉄心の軸線方向端面より外方
に突出させておく。そして固定子鉄心の軸線方向の両端
からそれぞれ突出している1対のコイルエンドの形を整
えるコイル成形工程を行い、該1対のコイルエンドにそ
れぞれコイル絶縁カバーを取り付ける。
【0021】各コイル絶縁カバーは、巻線スロットの開
口部側からウェッジに嵌合する第1の周壁部と該第1の
周壁部と同心的に伸びる第2の周壁部と両周壁部間に跨
るように設けられた底壁部とを有し、第1の周壁部と第
2の周壁部との間の間隔が成形されたコイルエンドの径
方向の最大厚み寸法よりも大きく設定されている。また
少なくとも一方のコイル絶縁カバーの底壁部の外側に凹
部を設けるとともに、該凹部の内側で該一方のコイル絶
縁カバーの底壁部を貫通したワニス滴下孔を多数設けて
おく。
【0022】そして第1のコイル成形工程により成形さ
れた1対のコイルエンドにそれぞれ1対のコイル絶縁カ
バーを被せた後、底壁部の外側に凹部が設けられたコイ
ル絶縁カバーを上側に位置させた状態で配置して、該上
側のコイル絶縁カバーの凹部内にワニスを注入し、該ワ
ニスをワニス滴下孔を通してコイル内に滴下させてコイ
ルにワニスを含浸する。
【0023】尚本明細書において、コイルエンドとは、
固定子鉄心の軸線方向の端面から外方に突出している複
数のコイルのそれぞれの端部をいうのではなく、複数の
コイルの端部の集合体をいう。例えば図7に示したよう
にコイル4,4,…が設けられる場合には、コイル4,
4,…の端部の集合体をコイルエンドと呼ぶ。
【0024】
【作用】上記のように、コイル絶縁カバーにワニス滴下
孔を設けておくと、コイル絶縁カバーを取り付けてから
ワニスの含浸を行うことができる。従って、エンドカバ
ーの内側に隠れたコイル絶縁カバー内に手探りでコイル
エンドを挿入していた従来のものに比べて、コイル絶縁
カバー内にコイルエンドを挿入する作業を容易にするこ
とができる上に、コイルエンドがコイル絶縁カバーから
はみ出して絶縁不良が生じるのを確実に防ぐことができ
る。
【0025】また上記のように一方のコイル絶縁カバー
の底壁部の外側に凹部を設けるとともに、該底壁部にワ
ニス滴下孔を設けて、凹部内に注入したワニスをワニス
滴下孔からコイル内に滴下させるようにすると、ワニス
が不要部分に付着するのを防ぎつつ、ワニスの含浸を行
うことができる。この場合、ワニスの含浸設備は一方の
コイル絶縁カバーの凹部内にワニスを注入する機能を有
する簡単なもので良いため、含浸設備の小形化とコスト
の低減とを図ることができる。
【0026】尚本発明の方法によれば、各コイルエンド
部のレーシング(糸縛り)を省略できるが、必要であれ
ば、レーシングを行っても差支えない。
【0027】
【実施例】以下図1ないし図4を参照して本発明の実施
例を説明する。
【0028】図1は本発明の一実施例の固定子の外観を
示す斜視図、図2は図1の縦断面図、図3は本発明の実
施例で用いる一方のコイル絶縁カバーの半部を示す斜視
図、図4は本発明の実施例で用いる固定子鉄心及びコイ
ルと、コイル絶縁カバーの相互の位置関係及び各部の寸
法を示した断面図である。以下本発明の固定子をその製
造方法とともに説明する。
【0029】本実施例で用いる固定子鉄心は、その内周
側が磁極面となっており、該磁極面に開口させて、周方
向に並ぶ多数のスロットS,S,…が設けられている。
【0030】本発明においても、先ず、環状の固定子鉄
心1に設けられた多数の巻線スロットS,S,…内に溝
形絶縁物2を挿入する。次いで専用のコイル挿入機を用
いて、溝形絶縁物2が挿入された多数の巻線スロットS
内にコイル4とウェッジ5とを同時に挿入する。またコ
イル導体を巻線スロットに所定の順序で挿入してコイル
を巻回する方法をとっても良い。ここまでの工程は従来
の方法と同様である。本発明においては、溝形絶縁物2
及びウェッジ5の両端2a,2b及び5a,5bが固定
子鉄心1の軸線方向端面より外方に突出するように、そ
れぞれの長さを設定しておく。
【0031】上記のようにして溝形絶縁物2とコイル4
とウェッジ5とをスロット内に挿入した後、各コイルエ
ンドの形を整えるコイル成形工程を行う。本実施例で
は、図4に示したように、固定子鉄心1の軸線方向の両
端からそれぞれ突出している1対のコイルエンドE1 ,
E2 のそれぞれの固定子鉄心寄りの第1の部分E1a,E
2aを、軸線方向に沿ってほぼ均一な内径d1 を有する円
筒状の形状に成形するとともに、該第1の部分よりも外
側に位置するコイルエンドの第2の部分E1b,E2bを、
固定子鉄心の磁極面と反対側に向うように円錐状に傾斜
した形状に成形してその外径をD1 とするコイル成形工
程を行っている。
【0032】尚コイルエンドE1 ,E2 の内径d1 及び
外径D1 は、図7に示したように、コイル4,4,…の
端部の集合体の内径及び外径である。
【0033】本発明においてはまた、上記のコイル成形
工程を行った後、1対のコイルエンドに1対のコイル絶
縁カバー6及び7を取り付ける工程を行う。
【0034】この工程で用いるコイル絶縁カバー6及び
7は、図2ないし図4に示したように、固定子鉄心の磁
極面側から一連のウェッジ5に嵌合する第1の周壁部6
a及び7aと、第1の周壁部6a及び7aと同心的に伸
びる第2の周壁部6b及び7bと、両周壁部間に跨るよ
うに設けられた底壁部6c及び7cとを一体に有し、第
1の周壁部と第2の周壁部との間の間隔は、第1のコイ
ル成形工程で成形されたコイルエンドの径方向の最大厚
み寸法よりも大きく設定されている。
【0035】本実施例では、各コイルエンドの第1の部
分の内径をd1 、各コイルエンドの第2の部分の最大内
径をd2 、各コイル絶縁カバーの第1の周壁部6a,7
aの外径をd3 、コイルエンドの第2の部分の最大外径
をD1 、コイル絶縁カバーの第2の周壁部の内径をD2
としたときに、d1 ,d2 <d3 、及びD1 <D2 の関
係を満たすように各部の寸法が設定されている。
【0036】また本実施例では、成形されたコイルエン
ドE1 及びE2の突出長をそれぞれH1 及びH3 とし、
コイル絶縁カバー6及び7の内側の溝の深さをそれぞれ
H2及びH4 としたときに、H1 >H2 及びH3 >H4
の関係を満たすように、即ち、各コイル絶縁カバーの内
側の溝部の深さを各コイルエンドの突出長よりも浅く設
定している。
【0037】更に、一方のコイル絶縁カバー6の底壁部
6cの内径側及び外径側にそれぞれ突出部6d及び6e
が周設されて、両突出部の間に環状の凹部6fが形成さ
れ、該凹部6fの幅方向のほぼ中央部でコイル絶縁カバ
ーの底壁部6cを貫通した多数のワニス滴下孔6g,6
g,…が周方向に等しい間隔をあけた状態で設けられて
いる。
【0038】本実施例ではまた、図1及び図3に見られ
るように、凹部6f内に注入したワニスを各ワニス滴下
孔6gに均等に導くため、等角度間隔の多数の放射状の
溝部6h,6h,…と、放射状の溝部6h,6h,…を
横切って伸びる1つの環状の溝部6iとが設けられてい
る。図示の例では、前記ワニス滴下孔6g,6g,…
が、1つ置きの放射状の溝部6hと環状の溝部6iとが
交差する部分に設けられている。
【0039】上記1対のコイル絶縁カバー6及び7をそ
れぞれコイルエンドE1 及びE2 に被せて、両コイル絶
縁カバーを固定子鉄心側に押すと、図2に示すように各
コイルエンドが成形される。即ち、各コイルエンドの内
径側は、各コイル絶縁カバーの第1の周壁部6a,7a
により規制されているため、上記のようにコイル絶縁カ
バーを固定子鉄心1側に押すと、各コイルエンドの外径
側の部分が外側に押し出された形に成形される。
【0040】上記のようにコイル絶縁カバーを取り付け
た後、コイルが巻回された固定子鉄心とコイル絶縁カバ
ーとを加熱乾燥炉に入れて全体の加熱乾燥を行う。
【0041】加熱乾燥が終了した後、底壁部の外側に凹
部6fが設けられた一方のコイル絶縁カバー6を上にし
た状態で配置して、該一方のコイル絶縁カバー6の凹部
6f内にワニスを注入する。本実施例では、凹部6fの
底部に多数の溝部6h,6iが設けられているため、凹
部6f内に注入されたワニスはこれらの溝部内を通って
各ワニス滴下孔6gに円滑に導かれる。ワニス滴下孔6
gから滴下したワニスはコイル4内に浸透し、コイル4
全体にワニスが含浸される。各ワニス滴下孔6gの大き
さを適当に設定しておくことにより、各ワニス滴下孔か
らほぼ均等にワニスを滴下させて、従来の滴下含浸と同
様の含浸効果を得ることができる。しかもこの場合、含
浸設備は、凹部6f内に適量のワニスを注入する機能を
備えたものであれば良く、従来の滴下含浸設備のよう
に、コイルの各部に均等にワニスを滴下させるようにコ
ントロールする機能をもつ必要が無いため、その小形化
を図ることができる。余分なワニスは他方のコイル絶縁
カバー7内に受け止められるため、外部に漏出すること
はない。従って不要部分に付着したワニスを除去する後
処理も必要としない。
【0042】上記のようにしてコイルにワニスを含浸さ
せた後、全体を加熱乾燥炉に入れて、ワニスを加熱硬化
させる。尚、この加熱乾燥の際にコイル絶縁カバー6,
7がコイルのスプリングバックにより浮き上がる恐れが
ある場合には、適当な治具を用いて両コイル絶縁カバー
を押えておく。
【0043】ワニスが加熱硬化された後は、各コイル絶
縁カバーがワニスにより一連のウェッジ5に接着された
状態で保持される。ワニスが硬化した後、固定子鉄心の
内側に回転子を挿入し、またエンドカバーを取り付けて
回転子の回転軸を該エンドカバーに支持させる。尚図1
において、10はコイルから導出されたリード線であ
る。
【0044】上記の実施例では、固定子鉄心の内周側が
回転子磁極に対向する磁極面となっていて、該磁極面側
に各巻線スロットSが開口しているが、固定子鉄心の外
周側に巻線スロットが開口している場合(回転子外回転
形の回転電機の場合)にも同様に本発明を適用すること
ができる。この場合には、各コイル絶縁カバーの第2の
部分が径方向の内側に(固定子鉄心の磁極面と反対側
に)傾斜した形状に成形される。コイル絶縁カバーを取
り付ける際に、該カバーの第1の周壁部によりコイルエ
ンドの第1の部分の外径を規制する必要がある。従って
コイル絶縁カバーの外側の周壁部が第1の周壁部とな
る。
【0045】上記の実施例では、コイル成形工程におい
て、コイルエンドの形を整える際に、コイルエンドの固
定子鉄心寄りの第1の部分をほぼ円筒状に成形し、該第
1の部分より外側の第2の部分をほぼ円錐状に傾斜した
形状に成形したが、各コイルエンド全体をほぼ円筒状に
成形するようにしても良い。
【0046】上記の実施例では、コイル絶縁カバー7の
底壁部に孔が設けられていないが、このコイル絶縁カバ
ー7の底壁部に上記ワニス滴下孔と同様の孔を設けてお
いても良い。例えば、コイル絶縁カバーを成形する金型
を節約するために、コイル絶縁カバー7としてコイル絶
縁カバー6と同じものを用いるようにしても良い。この
場合には、コイル絶縁カバー7内に滴下したワニスが該
コイル絶縁カバー7の底部の孔から外部に滴下するの
で、これを受ける受け皿または容器を下方に配置してお
く。この場合、ワニスの流出箇所は定まっているので、
作業性が損なわれることはなく、また固定子鉄心の内面
や外面等の余分な箇所にワニスが付着する恐れもない。
【0047】上記の実施例では、コイル絶縁カバー6及
び7の内側の溝の深さH2 及びH4をそれぞれコイルエ
ンドの突出長H1 及びH3 よりも浅くして、コイル絶縁
カバーを取り付けた際に、コイルエンドが図2に示すよ
うに成形されるようにしたが、このように構成すれば、
固定子の軸線方向長さを短くすることができる。しかし
本発明においては、必ずしもこのように構成する必要は
なく、コイル絶縁カバー6及び7の内側の溝の深さH2
及びH4 をそれぞれコイルエンドの突出長H1及びH3
以上に設定するようにしても良い。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、コイル
絶縁カバーにワニス滴下孔を設けたので、コイル絶縁カ
バーを取り付けてからワニスの含浸を行うことができ
る。従って、エンドカバーの内側に隠れたコイル絶縁カ
バー内に手探りでコイルエンドを挿入していた従来のも
のに比べて、コイル絶縁カバー内にコイルエンドを挿入
する作業を容易にすることができる上に、コイルエンド
がコイル絶縁カバーからはみ出して絶縁不良が生じるの
を確実に防ぐことができる。
【0049】また本発明においては、一方のコイル絶縁
カバーの底壁部の外側に凹部を設けるとともに、該底壁
部にワニス滴下孔を設けて、凹部内に注入したワニスを
ワニス滴下孔からコイル内に滴下させるようにしたの
で、ワニスが不要部分に付着するのを防ぎつつ、ワニス
の含浸を行うことができる。この場合、ワニスの含浸設
備は一方のコイル絶縁カバーの凹部内にワニスを注入す
る機能を有する簡単なもので良いため、含浸設備の小形
化とコストの低減とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造された固定子の一例を
示す斜視図である。
【図2】本発明の方法により製造された固定子の縦断面
図である。
【図3】本発明の方法で用いるコイル絶縁カバーの半部
を示す斜視図である。
【図4】本発明の方法で用いる固定子鉄心及びコイルと
コイル絶縁カバーとの関係を説明するための断面図であ
る。
【図5】固定子鉄心のスロット内に溝形絶縁物とコイル
とウェッジとを挿入した状態を拡大して示した断面図で
ある。
【図6】従来の方法により製造された固定子の斜視図で
ある。
【図7】本発明が対象とする固定子におけるコイルの配
置を説明する上面図である。
【符号の説明】
1…固定子鉄心、S…巻線スロット、2…溝形絶縁物、
3…コイル導体、4…コイル、5…ウェッジ、6…一方
のコイル絶縁カバー、6a…第1の周壁部、6b…第2
の周壁部、6c…底壁部、6d,6e…突出部、6f…
凹部、6g…ワニス滴下孔、7…他方のコイル絶縁カバ
ー。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状の固定子鉄心に設けられた巻線スロ
    ット内に溝形絶縁物を介してコイルが挿入され、各巻線
    スロットの開口部側にウェッジが挿入されている回転電
    機用固定子において、 前記固定子鉄心の軸線方向の両端からそれぞれ突出して
    いる1対のコイルエンドのそれぞれを覆う1対のコイル
    絶縁カバーが設けられ、 各コイル絶縁カバーは、前記巻線スロットの開口部側か
    らウェッジに嵌合する第1の周壁部と該第1の周壁部と
    同心的に伸びる第2の周壁部と両周壁部間に跨るように
    設けられた底壁部とを有して、第1の周壁部と第2の周
    壁部との間の間隔が成形されたコイルエンドの径方向の
    最大厚み寸法よりも大きく設定され、 前記1対のコイル絶縁カバーの少なくとも一方の底壁部
    の外側に凹部が設けられるとともに、該凹部の内側で前
    記底壁部を貫通させてワニス滴下孔が多数設けられ、 前記コイル絶縁カバーは前記コイルに含浸されたワニス
    により前記ウェッジに接着されていることを特徴とする
    回転電機用固定子。
  2. 【請求項2】 環状の固定子鉄心に設けられた巻線スロ
    ット内に溝形絶縁物を介してコイルが挿入され、各巻線
    スロットの開口部側にウェッジが挿入されている回転電
    機用固定子を製造する方法において、 前記各溝形絶縁物の両端及びウェッジの両端を固定子鉄
    心の軸線方向端面より外方に突出させておき、 前記巻線スロットの開口部側から前記ウェッジに嵌合す
    る第1の周壁部と該第1の周壁部と同心的に伸びる第2
    の周壁部と両周壁部間に跨るように設けられた底壁部と
    を有して、第1の周壁部と第2の周壁部との間の間隔が
    コイルエンドの径方向の最大厚み寸法よりも大きく設定
    された絶縁性のコイル絶縁カバーを1対設け、 少なくとも一方のコイル絶縁カバーの底壁部の外側に凹
    部を設けるとともに、該凹部の内側で該一方のコイル絶
    縁カバーの底壁部を貫通したワニス滴下孔を多数設けて
    おき、 前記固定子鉄心の軸線方向の両端からそれぞれ突出して
    いる1対のコイルエンドのそれぞれの形を整えるコイル
    成形工程を行った後、 前記第1のコイル成形工程により成形された1対のコイ
    ルエンドにそれぞれ前記1対のコイル絶縁カバーを被
    せ、 底壁部の外側に凹部が設けられたコイル絶縁カバーを上
    側に位置させた状態で配置して、該上側のコイル絶縁カ
    バーの凹部内にワニスを注入し、該ワニスをワニス滴下
    孔を通してコイル内に滴下させてコイルにワニスを含浸
    することを特徴とする回転電機用固定子の製造方法。
JP16720391A 1991-07-08 1991-07-08 回転電機用固定子及びその製造方法 Pending JPH0522908A (ja)

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