JPH047655Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は回転電機の固定子用絶縁コイルボビ
ン、特に円筒形のヨークに放射状に値設した複数
個の磁極と、この磁極の先端の弧状のポールシユ
ーとを備えた回転電機の固定子鉄芯に絶縁して巻
線を巻装する為のコイルボビンに関するものであ
る。

（従来の技術） 従来回転電機の固定子用絶縁コイルボビンとし
ては種々のものが知られている。

（考案が解決しようとする課題） 然しながら従来のものでは何れも固定子鉄芯と
巻線間の絶縁が不充分である欠点があつた。

本考案は上記の欠点を除くようにしたものであ
る。

（課題を解決するための手段） 本考案の回転電機の固定子用絶縁コイルボビン
は円筒形のヨーク１と、このヨーク１の内周面に
放射状に植設した複数個の磁極２と、この磁極２
の先端に設けた弧状のポールシユー３とを備えた
回転電機の固定子鉄芯に絶縁して巻線を巻装する
為の第１、第２の絶縁コイルボビン８，９より成
り、該第１の絶縁コイルボビン８は上記ヨーク１
の内周面に対向する上記各ポールシユー３の外周
面に当接して更に軸方向及び円周方向に上記ポー
ルシユー３の外周面を越えて延びる鍔部４と、上
記磁極２の軸方向端面及び円周方向端面を覆う複
数個のコア部５と、上記ヨーク１の内周面に当接
して円周方向に延びる円弧状部６ａと、該円弧状
部６ａの側面と上記コア部５の軸方向端面部の外
周縁に接し軸方向に外方に延びる外輪部６ｂとを
一体的に連接して有し且つその軸方向に２つの部
分に分割されている一対のものより成り、この一
対の第１の絶縁コイルボビン８が固定子鉄芯にそ
の軸方向の両端から嵌装されるものであり、上記
第２の絶縁コイルボビン９は上記外輪部６ｂの外
径と同じ外径の外周面と、上記鍔部４の内径より
小さい内径の内周面とを有する環状円板１１と、
固定子鉄芯の端面より軸方向外方に延伸した上記
外輪部６ｂの長さと同じ長さだけ上記環状円板１
１の内周面より軸方向に突出した短円筒部１２
と、該短円筒部１２の側面から延び上記互いに隣
接するポールシユー３の互いに対向する端面相互
間を埋める幅を有し且つ上記固定子鉄芯の軸方向
の長さと固定子鉄芯の端面より軸方向外方に延伸
した上記鍔部４の長さとの和に等しい長さの複数
個の楔１３とを一体的に連接したものであること
を特徴とする。

（実施例） 以下図面に従い本考案の実施例を説明する。

図において１は円筒形のヨーク、２は該ヨーク
１の内周面に放射状に植設された複数個の磁極、
３は該磁極の先端に設けたポールシユーを示し、
本考案においては上記ヨーク１の内周面に対向す
る上記各ポールシユー３の外周面に当接して更に
軸方向及び円周方向に上記ポールシユー３の外周
面を越えて延びる鍔部４と、上記各磁極２の軸方
向端面及び円周方向端面を覆うコア部５と、上記
ヨーク１の内周面に当接して更に円周方向に延び
る円弧状部６ａと、この円弧状部６ａの側面と上
記コア部５の軸方向端面部の外周縁に接し軸方向
に外方に延びる外輪部６ｂとを夫々樹脂絶縁物に
よつて一体的に連接して第１の絶縁コイルボビン
８を形成し、この第１の絶縁コイルボビン８を軸
方向に２つの部分に分割して上記ヨーク１と、磁
極２とポールシユー３とより成る固定子鉄芯にそ
の軸方向の両端から嵌装せしめるようにする。又
上記外輪部６ｂの磁極２と接する側と反対側にリ
ード線を引出す切欠部７を設ける。

上記ポールシユー３の外周面に当接して更に円
周方向に上記ポールシユー３の外周面を越えて延
びる鍔部４の部分によつて以下説明する第２の絶
縁コイルボビン９をおさえるようにする。

第３図ａ，ｂは上記第２の絶縁コイルボビン９
の外観を示す図で、この第２の絶縁コイルボビン
９はその外径D₂が上記第１の絶縁コイルボビン
８の外輪部６ｂの外径D₁と等しく、内径d₂が前
記第１の絶縁コイルボビン８の鍔部４の内径d₁よ
り僅かに小さい環状円板１１の一側面に、外径が
上記内径d₂に等しく固定子鉄芯の端面より軸方向
外方に延伸した上記第１の絶縁コイルボビン８の
外輪部６ｂの長さと同じ長さの短円筒部１２を軸
方向に突出し、該短円筒部１２の外端からヨーク
１の磁極２の数と同じ数及び位置の舌状楔１３を
軸方向に突出して形成し、該楔１３の長さはヨー
ク１内を貫通して反対側の前記第１の絶縁コイル
ボビン８の鍔部４の端に達する長さとし、その幅
が互に隣接する２個のポールシユー３相互間の弧
長とほぼ等しい大きさとする。

又上記環状円板１１と短円筒部１２、楔１３は
樹脂絶縁物で一体的に形成せしめる。

以上のように本考案の実施例においては鍔部４
と、コア部５と円弧状部６ａと、外輪部６ｂとを
相連接して一体的に形成した第１の絶縁コイルボ
ビン８の２つ割りしたものを、積層したヨーク１
にその両端面から嵌着することで磁極２に巻線を
巻装する際に電線が磁極２に接触する場所は全て
絶縁することができ巻線工程中でも電線を破損す
ることはなく、巻線した後の絶縁も安全確実であ
る。

又上記第２の絶縁コイルボビン９は楔１３と、
短円筒部１２と環状円板部１１とが一体的に形成
されているから、この第２の絶縁コイルボビン９
を１個装着することでポールシユー３間より、リ
ード線や巻線が突出するのを防ぎ、リード線を押
え、エンドブラケツトとの間の絶縁ができる等多
くの効果を１個の部品で得ることができる。

尚本考案の他の実施例においては環状円板１１
の外周において２個の楔１３の中間の位置にリー
ド線保護ブツシユ１４を半径方向外方に突出して
形成せしめる。

この実施例においては巻線が終りその端末にリ
ード線を取り付け、該リード線を外輪部６ｂの切
欠部７より外部に引き出し上記第２の絶縁コイル
ボビン９のリード線保護ブツシユ１４でガイドせ
しめれば、リード線と巻線の端末との接続部及び
巻線部は楔１３と短円筒部１２と環状円板１１と
で完全に覆われるから従来のようにリード線を糸
で縛り付けることは不要となる。

又上記リード線保護ブツシユ１４を用いればエ
ンドブラケツト（図示せず）に設けた切欠溝に巻
着してリード線を直接エンドブラケツトに接触す
ることなく引出することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に依る第１の絶縁コイルボビン
を装着した固定子の正面図、第２図ａは縦断正面
図、第２図ｂは第２図ａのＡ−A′線断面図、第
２図ｃ，ｄは夫々第１の絶縁コイルボビンの側面
図及び縦断側面図、第３図ａは本考案の第２の絶
縁コイルボビンの正面図、第３図ｂはその側面
図、第４図ａは巻線した固定子に第２の絶縁コイ
ルボビンを挿入して完成した固定子の正面図、第
４図ｂはその縦断正面図、第５図は第４図ｂのＢ
−B′線断面図である。 １……ヨーク、２……磁極、３……ポールシユ
ー、４……鍔部、５……コア部、６ａ……円弧状
部、６ｂ……外輪部、７……切欠部、８，９……
絶縁コイルボビン、１１……環状円板、１２……
短円筒部、１３……楔、１４……リード線保護ブ
ツシユ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 円筒形のヨーク１と、このヨーク１の内周面
   に放射状に植設した複数個の磁極２と、この磁
   極２の先端に設けた弧状のポールシユー３とを
   備えた回転電機の固定子鉄芯に絶縁して巻線を
   巻装する為の第１、第２の絶縁コイルボビン
   ８，９より成り、該第１の絶縁コイルボビン８
   は上記ヨーク１の内周面に対向する上記各ポー
   ルシユー３の外周面に当接して更に軸方向及び
   円周方向に上記ポールシユー３の外周面を越え
   て延びる鍔部４と、上記磁極２の軸方向端面及
   び円周方向端面を覆う複数個のコア部５と、上
   記ヨーク１の内周面に当接して円周方向に延び
   る円弧状部６ａと、該円弧状部６ａの側面と上
   記コア部５の軸方向端面部の外周縁に接し軸方
   向に外方に延びる外輪部６ｂとを一体的に連接
   して有し且つその軸方向に２つの部分に分割さ
   れている一対のものより成り、この一対の第１
   の絶縁コイルボビン８が固定子鉄芯にその軸方
   向の両端から嵌装されるものであり、上記第２
   の絶縁コイルボビン９は上記外輪部６ｂの外径
   と同じ外径の外周面と、上記鍔部４の内径より
   小さい内径の内周面とを有する環状円板１１
   と、固定子鉄芯の端面より軸方向外方に延伸し
   た上記外輪部６ｂの長さと同じ長さだけ上記環
   状円板１１の内周面より軸方向に突出した短円
   筒部１２と、該短円筒部１２の側面から延び上
   記互いに隣接するポールシユー３の互いに対向
   する端面相互間を埋める幅を有し且つ上記固定
   子鉄芯の軸方向の長さと固定子鉄芯の端面より
   軸方向外方に延伸した上記鍔部４の長さとの和
   に等しい長さの複数個の楔１３とを一体的に連
   接したものであることを特徴とする回転電機の
   固定子用絶縁コイルボビン。 (2) 上記第２の絶縁コイルボビンが上記楔１３の
   互いに隣接するものゝ中間の位置において上記
   環状円板１１の外周面から半径方向外方に突出
   されたリード線保護ブツシユを有する実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の回転電機の固定子
   用絶縁コイルボビン。