JPH0242046Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はトルクモータ用ステータの改良に関
するものである。

従来のこの種のステータの構造および構造工程
について第１図〜第４図にしたがつて説明する。
第１図はステータの一部分を断面にして示す正面
図、第２図はその半分を断面にして示す側面図、
第３図、第４図はステータの製造工程を示す断面
図である。これらの図において、１は環状鉄心
出、ドーナツ状鋼板を積層してある。２はコイル
で、マグネツトロータ６と同じ数の極を有するよ
うに（この実施例の場合４極）マグネツトワイヤ
が環状鉄心１に巻回されている。３は耐熱絶縁樹
脂層ａ（以下、樹脂層ａ）で、たとえばエポキシ
系樹脂で注型されたもので、環状鉄心１、コイル
２および補強リング５に含浸または付着させて固
め、ステータを成型すると共に、この樹脂層ａは
コイル２と補強リング５との絶縁の役目も果たし
ている。

４は樹脂層ｂ、７は注型用治具ａで、環状鉄心
１に巻回したコイル２の内周部の直径ｄと同一寸
法を有する突部７ａを設けると共に、補強リング
５の内径と同一寸法を有する段付部７ｂを設けた
ものである。

８は注型用治具ｂで、注型用治具ａ７に設けら
れた突部７ａの直径より小さい直径を有する突部
８ａを設けると共に、補強リング５の内径と同一
寸法を有する段付部８ｂを設けたものであり、こ
の段付部８ｂの高さは、注型用治具ａ７に設けら
れた段付部７ｂの高さより低く形成されている。

なお、樹脂層ａ３は、第３図に示すように突部
７ａに、環状鉄心１に巻回したコイル２を挿入し
て位置決めをすると共に、段付部７ｂに補強リン
グ５を挿入して位置決めをして、前記エポキシ系
樹脂を注入し、乾燥させて成形したものである。
また、樹脂層ｂ４は、前記注型用治具ａ７でコイ
ル２の外周部に樹脂層ａ３を成形した後、第４図
に示すようにそのコイル２を注型用治具ｂ８の突
部８ａに挿入すると共に、補強リング５を段付部
８ｂに挿入して位置決めして、樹脂を注入するこ
とにより樹脂層ｂ４がコの字状に成形される。

トルクモータの性能を向上させるには、たとえ
ば、環状鉄心１とマグネツトロータ６との磁気的
ギヤツプｇ（第２図に示す）をできる限り狭くす
る必要があり、そのためにはコイル２の内周部２
ａに成形された樹脂層ｂ４をできるだけ薄くする
必要がある。（樹脂層ｂ４がなくコイル２が露出
していれば、マグネツトロータ６を挿入する等の
ときにコイル２に傷がつくため、これをなくすこ
とはできない。） しかるに、樹脂層ａ３および樹脂層ｂ４を１回
の注型（成形）で実施するには、環状鉄心１に巻
回されたコイル２を注型用治具に保持し、位置決
めする方法がなく、樹脂層ｂ４が不均一になつた
り、あるいはコイル２の内周部２ａが部分的に露
出するため、前記のように、樹脂層ａ３および樹
脂層ｂ４を別々に注型（成形）する必要があつ
た。

このように、従来のステータでは樹脂を２回に
分離して注型（成形）する必要があり、注型用治
具も２種類を必要とし、また、製造工程も複雑に
なるなどの欠点があつた。

この考案は、上記欠点を解消できる構造のステ
ータを提供することを目的としたものである。

以下この考案の一実施例を第５図および第６図
にしたがつて説明する。第５図はステータの半分
を断面にして示す側面図、第６図は矢視Ｘ−Ｘ向
から見た正面図である。図において、１は還状鉄
心で、ドーナツ状鋼板を積層してある。２はコイ
ルで、マグネツトロータ６と同じ数の極を有する
ようにマグネツトワイヤが還状鉄心１に巻回され
ている。９はコイル絶縁テープで、第６図に示す
ように樹脂等の浸透性の良いクロステープを使用
し、コイル２の内周部の面において互いに幅方向
に隣接した状態で、かつ、コイル２の外周部の面
が等ピツチで露出するようにコイル２に巻き付け
られている。

１０は耐熱絶縁樹脂層ｃ（以下樹脂層ｃという）
で、たとえばエポキシ系樹脂で注型されたもの
で、還状鉄心１、コイル２、コイル絶縁テープ９
および補強リング５を固着すると共にコイル２と
補強リング５との絶縁の役目も果たしている。こ
の樹脂層ｃ１０は、前記の要領でコイル２に巻き
付けたコイル絶縁テープ９の内周部の直径寸法ｄ
１と同一寸法にできた注型用治具の突部（図示せ
ず）により、第３図と同じ方法で注型されたもの
である。

以上のようにこの考案によれば、還状鉄心に巻
回したコイルに対して、コイル絶縁テープをコイ
ル巻回方向に巻き付けると同時に、そのコイルの
内周部の面において、そのテープ間の両端が互い
に密接するように巻き付けてなる内径と同一寸法
の突部を有する注型用治具で樹脂層を成形するよ
うにしたので、製造工程が簡単になり、かつ製造
コストが格段に改善できるという効果が得られて
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来のステータの構造を示す
もので、第１図は一部分を断面にして示す正面
図、第２図は半分を断面にして示す側面図であ
る。第３図、第４図は従来のステータの製造方法
を示す断面図である。第５図はこの考案の一実施
例を示すステータの半分を断面にして示す側面
図、第６図は矢視Ｘ−Ｘ方向から見た正面図であ
る。 なお、図中同一符号は同一または相当部分を示
し、１は還状鉄心、２はコイル、９はコイル絶縁
テープ、１０は樹脂層ｃである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 環状鉄心と、この環状鉄心に偶数個の磁極を有
   するように巻回したコイルとを備え、前記環状鉄
   心及び前記コイルに耐熱絶縁樹脂を含浸または付
   着させて固め、ステータを成型したトルクモータ
   用ステータにおいて、 絶縁テープが、コイルの内周部の面において互
   いに幅方向に隣接した状態で、かつ、コイル外周
   部の面が等ピツチで露出するようにコイルに巻き
   付けられ、更に、内周部のテープ巻回箇所を除い
   た箇所に前記耐熱絶縁樹脂を含浸または付着させ
   てなるトルクモータ用ステータ。