JPH0522833U - ボールジヨイントの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】例えばサスペンションリンク先端と車輪支持部
材とをボールジョイントにて連結したサスペンション装
置において、車輪支持部材からサスペンションリンクへ
伝わる振動を低減させる。 【構成】サスペンションリンク１の先端に固着したソケ
ット３と、ボールシート４と、ボールスタッド５とから
なるボールジョイント２のボールスタッド軸部５２に筒
部材６を嵌装固定し、筒部材６の外周にゴムブッシュ９
を固着し、ゴムブッシュ９の外周に外筒１０を固着し、
外筒１０を車輪支持部材１１の取付孔１１ａに圧入して
固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えばサスペンションリンクの基端部と車体との連結用或はサスペ ンションリンクの先端部と車輪を支持する車輪支持部材との連結用等に使用され るボールジョイントの取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車用サスペンション装置において、サスペンションリンク先端部を車輪を 支持するナックル等の車輪支持部材にボールジョイントにて結合したものは従来 より公知である。

【０００３】 上記ボールジョイントは一般に、サスペンションリンクの先端部に固着される ソケットと、該ソケット内に嵌着されるボールシートと、該ボールシート内に嵌 装抱持される球状部を一端部にもち車輪支持部材に嵌合締付固着されるボールス タッドとからなる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のようなボールジョイントを用いたサスペンション装置においては、車輪 側からの振動がボールジョイントを介してサスペンションリンクに伝わり、車体 の振動，騒音のより一層の低減をはかることが困難であるという課題を有してい る。

【０００５】 本考案は上記のような従来の課題に対処することを主目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、一方の部材例えばサスペンションリンクに固着されたソケットと、 該ソケットに嵌着されるボールシートと、該ボールシート内に嵌装抱持される球 状部をもったボールスタッドとからなるボールジョイントにおいて、該ボールス タッドの軸部に筒部材を嵌装固定し、該筒部材の外周にゴムブッシュを固着し、 該ゴムブッシュの外周を他方の部材例えば車輪支持部材の円筒部内に嵌着したこ とを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

上記により、他方の部材例えば車輪支持部材の振動はゴムブッシュにて吸収さ れ、一方の部材例えばサスペンションリンクへの振動伝達は著しく低減される。

【０００８】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面を参照して説明する。

【０００９】 図１は本考案の第１の実施例を示すもので、１はサスペンションリンクでその 基端部は図示しない車体に揺動可能に取付けられる。２はサスペンションリンク １の先端部に取付けられたボールジョイントであり、該ボールジョイント２は、 サスペンションリンク１の先端に固着されたソケット３と、該ソケット３に嵌着 される合成樹脂製のボールシート４と、該ボールシート４内に嵌装抱持される球 状部５１を一端に有するボールスタッド５とから構成される。

【００１０】 ボールスタッド５の軸部５２には上下端にフランジ６１，６２をもった筒部材 ６が嵌装され、ワッシャ７を介してナット８にて締付固定される。

【００１１】 ９はゴムブッシュであり、該ゴムブッシュ９の内周面は上記筒部材６の外周面 に接合固着され、該ゴムブッシュ９の外周面は外筒１０の内周面に接合固着され 、該外筒１０はナックル等の車輪支持部材１１に設けた取付孔１１ａ内に圧入さ れ溶接或はカシメ等の手段にて固定される。

【００１２】 上記のようにボールスタッド５の軸部５２外周に筒部材６を嵌装固定し、該筒 部材６の外周に固定したゴムブッシュ９の外周を車輪支持部材１１に嵌装固定し て取付けたことにより、車輪支持部材１１からボールジョイント２に入力される 振動は上記ゴムブッシュ９により吸収され、ボールジョイント２，サスペンショ ンリンク１への振動伝達は大幅に低減される。

【００１３】 図２は本考案の第２の実施例を示すもので、この例ではボールスタッド５の軸 部５２をテーパ軸とし、それに嵌装固定される筒部材６の内周面を上記テーパ軸 に適合するテーパ状とした点が図１の実施例と異なるだけで、他の構造は図１の ものと同じであり、作用，効果も図１のものとほぼ同じである。

【００１４】 図３は本考案の第３の実施例を示すもので、この例ではサスペンションリンク １の基端部をボールジョイント２にて車体１３に取付けたものにおいて、該ボー ルジョイント２の車体への取付部に本考案を適用した例を示している。

【００１５】 即ち、サスペンションリンク１の基端部に固着されたソケット３と、それに嵌 着される合成樹脂製のボールシート４と、ボールシート４に嵌装抱持される球状 部５１を一端に有するボールスタッド５とからなるボールジョイント２の該ボー ルスタッド５の軸部５２に筒部材６を嵌装してこれをワッシャ７，ナット８にて 締付固定し、この筒部材６の外周面にゴムブッシュ９の内周面を接合固着し、車 体１３に固定されるブラケット１２の筒状部１２ａの内周面に上記ゴムブッシュ ９の外周面を接合固着したものである。

【００１６】 尚図３において、ボールスタッド５の軸部５２をテーパ軸とし、筒部材６の内 周面を該テーパ軸に適合するテーパ状とした構造としても良い。

【００１７】 図３の実施例では、サスペンションリンク１の振動をゴムブッシュ９にて吸収 し、車体１３に伝わる振動を低減させることができるものであり、上記図１又は 図２に示すものと該図３に示すものとを組合せることにより、車輪側から車体へ 入力される振動をより一層低減させ、車室内騒音の著しい低減をはかることがで きるものである。

【００１８】 尚本考案は、上記各実施例に限らず防振を必要とするボールジョイント取付構 造としてあらゆるボールジョイント連結部に適用可能である。

【００１９】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、一方の部材例えば車輪支持部材からボールジョ イントへ入力する振動はゴムブッシュにより吸収され、他方の部材例えばサスペ ンションリンクへの振動伝達を大幅に低減することができるもので、構造簡単， 組付容易なることと相俟って実用上多大の効果をもたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示す断面図である。

【図２】本考案の第２の実施例を示す断面図である。

【図３】本考案の第３の実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ サスペンションリンク ２ ボールジョイント ３ ソケット ４ ボールシート ５ ボールスタッド ６ 筒部材 ９ ゴムブッシュ １０ 外筒 １１ 車輪支持部材 １２ ブラケット １２ａ 筒状部 １３ 車体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方の部材に固着されたソケットと、ソ
   ケットの内腔部内に嵌着されたボールシートと、該ボー
   ルシート内に嵌装抱持された球状部をもつボールスタッ
   ドとからなるボールジョイントにおいて、上記ボールス
   タッドの軸部外周に筒部材を嵌装固定し、該筒部材の外
   周にゴムブッシュを固着し、該ゴムブッシュの外周を他
   方の部材の円筒部内に嵌装固着したことを特徴とするボ
   ールジョイントの取付構造。