JPH10504508A - 自動車用スタビライザーのダンピング装置とその取り付け方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 スタビライザーに外嵌締め付け自在で、かつ、自動車の車体にダンピングアタッチメントを取り付けるための取り付け部品を具備した取り付け装置にクランプされる貫通穴付き弾性ブッシュからなり、前記ブッシュが、外形が略円筒状で、かつ、その円筒部(17)に同軸の貫通穴(15)を有する非分割スリーブ(10)によって構成され、前記取り付け装置が、円筒状の貫通開口を有し、かつ、前記自動車車体に取り付けるための取り付け部品(20)をそれ自体既知の方法で装置したスリーブ(11)によって構成される自動車用スタビライザー（安定器）のダンピング装置において、前記取り付けスリーブ(11)の前記開口(14)が円筒状であり、その内径が外力の影響を受けない時の前記ブッシュ(10)の円筒部(17)の外径より小さく、前記ブッシュ(10)が取り付け位置において、前記ブッシュの弾性材の作用で発生する対称締め付け力により前記取り付けスリーブ(11)内でクランプされ、前記ブッシュ(10)の円筒部(17)の少なくとも片側に傾斜端部が形成されたことを特徴とする自動車用スタビライザーのダンピング装置。

Description

【発明の詳細な説明】 自動車用スタビライザーのダンピング装置とその取り付け方法 技術分野 本発明は、自動車用スタビライザー（安定器）に用いられるダンピング（緩衝 ）装置、より詳細には、スタビライザーに外嵌締め付け自在で、自動車車体への ダンピングアタッチメント取り付けパーツを具備した取り付け装置にクランプさ れる貫通穴を有する弾性ブッシュからなり、前記ブッシュが、略円筒状の外形を 有し該円筒部に同軸に貫通穴を配した非分割スリーブで構成され、前記取り付け 装置が、自動車車体に取り付けるための取り付け部品をそれ自身既知の方法で具 備した円筒状の貫通開口を有するスリーブで構成されたことを特徴とする自動車 のスタビライザー用ダンピング装置に関する。 本発明は、上述のようなダンピング装置の取り付け方法も含んでいる。 旋回時に働く遠心力による自動車の揺動を制限するために、揺動を制限して外 側及び内側前輪用のホイールサスペンション内のスプリング間の荷重を平衡させ るスタビライザーが用いられる。このようなスタビライザーは、中間部が略まっ すぐで両端部が曲がっているロッドからなり、それぞれ異なるホイールサスペン ションに取り付けられている。スタビライザーの直線部にねじれが働くことによ り揺動が押えられる。このために、スタビライザーは、ダンピングラバーブッシ ュを介して、スタビライザーの中間直線部またはその付近において、自 動車の車体に取り付けられる。 ラバーブッシュは、以前はスタビライザーの中間直線部に取り付けられていた 。例えば、貫通穴付きの異形ラバー本体にスロットを設け、スタビライザーの上 にブッシュを引きかぶせ易くしていた。さらに、このスロット付きブッシュを２ 分割アタチメントにして、望ましくはネジ継ぎ手で締め付けてクランプして車体 に取り付けていた。しかしながら、この構造では自動車走行時に水がスロットを 通って浸透し、協働面をぬらすので、悲鳴に似た騒音が生じ、さらに、ブッシュ の寿命をかなり縮めることになるという危険を有している。 これらの問題を取り除くために用いられるもう１つの方法は、スタビライザー を型に入れてラバーブッシュをアーム上に直接形成する方法である。こうすれば 、短寿命と高騒音レベルの問題はかなり解決されるが、一方、スロット式ブッシ ュに比べて約２倍の製造コストがかかる。どちらの場合も、異形ラバーブッシュ の本体は、自動車の構造及びモデルによって多数の変種を要する。 本発明の目的は、前記の問題を生じず、かつ、従来のスロット式ダンピングブ ッシュと同じかそれ以下のコストで製作できるダンピングブッシュ付きのスタビ ライザーを供給することであり、これは、特許請求の範囲の請求項１に規定され る特徴により実現される。本発明は、このようなダンピング装置を取り付ける方 法を含み、該方法による段階を請求項４の特徴部に規定している。 付図に示された実施例を参照し、本発明について以下に説明する。 第１図は、先行技術によるスロット付きラバーブッシュと付属取り付け部材を 具備したスタビライザー部分の分解図である。 第２図は、本発明による付属取り付け部品付きブッシュを取り付けた第１図に 相当するスタビライザー部分を示す図である。 第３図は、本発明によるブッシュの側面図である。 第４図は、第３図によるブッシュ用の取り付けスリーブの側面図である。 第５図は、第４図のスリーブに取り付けた第３図のブッシュの一部断面を含む 側面図である。 第１図は、スタビライザー１の部分概略図であり、スタビライザー１は、両端 に耳が設けてあり、座金，ラバーブッシュ及びロックナットを用いてホイールサ スペンションのスリーブブラケット４に固定できる。先行技術による実施例に従 って、長手方向にスロット６を加工したラバーブッシュ５が、スタビライザーの 各端部から或距離をおいて取り付けてある。スロットがついているので、ブッシ ュ５はスタビライザーのアーム上の延伸部に沿った所望の場所に、容易に引いて 移動させ、取り付けることができる。ブレース７とブラケット８を用いて、ブッ シュ５を本体の適当な部品（図示しない）にフランジねじ９で取り付ける。ねじ ９は、本体に取り付けると同時にブッシュ５をスタビライザー１の回りに締め付 けている。ブッシュ５の外形のために、ブッシュ全体に均等な締め付け力を加え るのは困難で、締め付け時に調節不能な歪みが生じ易く、スロットに漏れが生じ ることになる。これは、自動車走行時に水が漏れ、ブッシュに、悲鳴に似た高い 騒音が生じ、その寿命を縮める結果となる危険を意味する。 第２図は、第１図のスタビライザーに対応する、スタビライザー１の一部分を 示している。このスタビライザーには、本発明によるラバ ーブッシュ１０とスタビライザーに取り付ける際に協働するスリーブ１１を装備 している。ブッシュ１０は可撓性を有し、スロットをつけることなくスタビライ ザー１の末端取り付け耳部１３を通し、棒状部分に移動させることができ、また 、ブッシュ１０を覆うスリーブ１１も取り付け耳部１３を通すことができる大き さの内径を有している。 第３図に示すように、ブッシュ１０は、好ましくは外力の影響を受けない場所 に同軸の貫通穴１５を有する回転対称の略円筒体であり、その内径は、ブッシュ １０の止め位置のスタビライザー１の外径を越えない。“略円筒体”という表現 は、純粋な円筒形状とは異なる形状、例えば、やや楕円体である得る。図示の実 施例の場合、ブッシュ１０は両端部１６が円錐状に傾斜している。ブッシュの円 筒部１７と両端部１６間は、環状のボスまたはリッジ（隆起）１８が設けられて いる。しかしながら、ラバーブッシュのこの構造は、スリーブをブッシュに正確 に取り付けることを容易にするのに適しているにしても、目的とする結果を左右 するものではない。一方、ブッシュ１０の回転対称である主形状は、スリーブ１ １が、ブッシュ１０を取り付けた状態でブッシュの周囲に対称的な締め付け力を 作用させるための必須条件である。この締め付け力により、ブッシュとスタビラ イザーロッドの相互運動が阻止されて騒音が除去され、ブッシュの寿命が延びる 。 図示の好ましい実施例では、取り付けスリーブ１１は、図２と図４に示すよう に、同軸貫通穴１５を有する管状主部を有し、その内径は、ラバーブッシュに外 力が働かない間はラバーブッシュの円筒部１７の外径より小さい。図示の実施例 において、円筒スリーブ１１には２個の突出シャンク１９が形成されており、各 シャンクのフランジ２０に は、スリーブ１１を自動車の適当な場所に固定するためのねじ等の取り付け部材 用の穴が加工されている。スリーブを自動車に取り付けるための取り付け部材の 図示の構造は、本発明を制限するものではなく、いくつかの異なる実施例中の可 能な解決策を示したに過ぎない。 第５図は、ラバーブッシュ１０をスリーブ１１に取り付ける方法を示す図であ る。スリーブ１１の開口１４でラバーブッシュの略円筒部１７を覆い、ラバーブ ッシュ１０の全周にわたって対称的で均等な締め付け力を加える。ラバーブッシ ュ１０は、内面全体に均等に配分された締め付け力でスタビライザー１上にクラ ンプされる。図示の取り付け位置において、ラバーブッシュ１０は内半径方向に 圧縮されるために、第３図の締め付けられていない状態のラバーブッシュに比べ 、幾分外径が小さくなり長さが長くなる。 本発明によるラバーブッシュ１０をスタビライザー１に取り付けるには種々の 方法が可能であるが、基本的には２つの異なる方法を用いることができる。いず れの場合も、ラバーブッシュをスタビライザーの一端からはめ込む。スタビライ ザー端部の取り付け部を形成する過剰寸法部は、この位置でラバーブッシュを引 っ張り出せるように補正できる。取り付けスリーブの貫通穴１４は、スタビライ ザーの末端を通す大きさを有しているので、スタビライザー上に押しはめること ができる。場合によっては、ラバーブッシュ１０を軸方向に固定、又は、矩形止 め部材に向けて移動させて軸方向に保持し、取り付けスリーブ１１の開口１４に ラバーブッシュ１０の円錐傾斜端部１６を通して押し込む。このようにして、ブ ッシュを圧縮し、取り付けスリーブ１１の横端平面の外側にブッシュのリッジ（ 隆起）部１８が配置されるよ うに取り付けスリーブ１１をブッシュの円筒部１７に外嵌めする。これに代わる もう１つの方法として、分割ノズルまたはジョー（顎）の形状をした特殊工具を 使用することができる。ラバーブッシュ１０をスタビライザー上の正しい位置に 移動させて特殊工具で圧縮し、取り付けスリーブを移動させ、予め圧縮したラバ ーブッシュに外嵌めし、ノズル部分またはジョーの荷重を取り去ってブッシュを 膨張させ、スリーブ１１の開口１４内にしっかりと嵌着させる。この時、ラバー ブッシュは、対称締め付け力でスタビライザー上にクランプされる。 提案の構造を用いると、前記の目的のために要する、異なるラバーブッシュの 種類数を大幅に削減でき、同時に、取り付けスリーブを、少なくとも、いくつか の実施態様で、アルミニウム押出し成形をし、希望の長さに切断してよいので、 製造コストを低く押えることができる。従来の実施態様と比較し、取り付けが容 易であり、自動的に行うことができるが、これは本発明の部分を構成するもので はないので詳述はしない。 本発明は、付図に示され、付図を参照して説明された実施態様に制限されるも のではなく、特許請求の範囲において種々の変更が可能である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．スタビライザーに外嵌締め付け自在で、かつ、自動車の車体にダンピングア タッチメントを取り付けろための取り付け部品を具備した取り付け装置にクラン プされる貫通穴を有する弾性ブッシュからなる自動車用スタビライザーのダンピ ング装置であって、前記ブッシュが、外形が略円筒状で、かつ、該円筒部(17)に 該円筒部と同軸の貫通穴(15)を有する非分割スリーブ(10)によって構成され、前 記取り付け装置が、円筒状の貫通開口(14)を有し、前記自動車車体に取り付ける ための取り付け部品(20)をそれ自体既知の方法で装備したスリーブ(11)によって 構成された前記自動車用スタビライザーのダンピング装置において、前記スリー ブ(11)の開口(14)が円筒状であり、かつ、その内径が外力の影響を受けない時の 前記ブッシュ(10)の円筒部(17)の外径より小さく、前記ブッシュ(10)が、取り付 け位置において、前記ブッシュの弾性材の作用で発生する対称締め付け力により 前記スリーブ(11)内でクランプされ、前記ブッシュ(10)の円筒部(17)の少なくと も片側に傾斜端部が形成されたことを特徴とする自動車用スタビライザーのダン ピング装置。 ２．前記ブッシュ(10)に、前記取り付けスリーブ(11)との正確な相互結合位置を 簡単に確定するための複数のノッチ(18)を設けたことを特徴とする請求項１に記 載のダンピング装置。 ３．前記ノッチが、前記ブッシュの円筒部(17)を囲むリッジ形状の環状隆起部(1 8)であることを特徴とする請求項２に記載のダンピング装置。 ４．前記貫通穴付き非分割弾性ブッシュ(10)を前記スタビライザー(1) に該スタビライザーの端部(13)から押して外嵌し、前記貫通穴付き非分割取り付 けスリーブ(11)を、前記スタビライザー(1)に前記端部(13)から押して外嵌し、 前記ブッシュ(10)を対称半径方向に圧縮して、前記取り付けスリーブ(11)と共に 軸方向に移動させ、前記ブッシュを前記取り付けスリーブ(11)内に対称に締め付 けることにより、前記スタビライザー(1)の回りを均一に締め付けることを特徴 とする請求項１に対応するダンピングアタッチメントブッシュ(10)をスタビライ ザーに取り付ける方法。 ５．前記ブッシュ(10)を前記スタビライザー(1)上の取り付け位置に保持し、前 記取り付けスリーブ(11)を前記ブッシュ(10)に対して軸方向に移動させ、前記取 り付けスリーブ(11)が、前記ブッシュ(10)上の正しい位置に設置されるまで前記 ブッシュの傾斜端部(16)を使用して前記ブッシュを連続して圧縮することを特徴 とする請求項４に記載の取り付け方法。 ６．圧縮部材を用いて前記ブッシュ(10)を圧縮し、前記取り付けスリーブ(11)を 前記ブッシュ上の正しい位置まで移動させて前記圧縮部材から荷重を取り去り、 前記ブッシュを膨張させることにより、前記ブッシュが、前記取り付けスリーブ (11)内で対称的に締め付けられることを特徴とする請求項４に記載の取り付け方 法。