JPH0522831U - ボールジヨイント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ ソケットの底部に軸心方向に屈曲する環状の
係止壁を形成し、この係止壁とソケットの上端部を軸心
方向に屈曲させたかしめ部とによりシートベアリングを
挾持することにより、重量を軽くするとともに、ソケッ
トを簡素な形成装置により成形できるようにする。 ［構成］ 底部に軸心方向に屈曲する環状の係止壁を有
しかつ上面が開放された円筒状のソケットを設け、ボー
ルスタッドのボール部をプラスチック製のシートベアリ
ングを介して前記ソケット内に嵌合させ、ソケットの上
端部を軸心方向にかしめて前記シートベアリングの上端
部をソケットの底部方向に押圧する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両の操向リンク機構あるいはスタビライザ等に設けられるボール ジョイントに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の技術として、図２に示すものがあった。図２において、１は金属材によ り上面が開口されかつ底面が閉塞された有底円筒状のソケットであり、上端部に 薄肉かつ環状のかしめ片２を有し、下端部に皿状の底壁３を有する。

【０００３】 上記ソケット１内に、内面が球面状に形成されたプラスチック製のシートベア リング４を嵌合させ、このシートベアリング４内にボールスタッド５のボール部 ６を嵌合させる。そしてソケット１の上端部のかしめ片２を軸心方向に屈曲させ てシートベアリング４の上端部を押圧し、該シートベアリング４をソケット１に 係止する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記記従来のものは、ソケット１の底部に該底部の全面を覆う底壁３を形成す るようにしていたので、ソケット１が重くなるとともに、該ソケット１を成形す るために大型の成形装置を要する欠点があった。本考案は上記欠点を解消した新 規なボールジョイントを得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するために以下の如く構成したものである。即ち、 底部に軸心方向に屈曲する環状の係止壁を有しかつ上面が開放された円筒状のソ ケットを設け、ボールスタッドのボール部をプラスチック製のシートベアリング を介して前記ソケット内に嵌合させ、ソケットの上端部を軸心方向にかしめて前 記シートベアリングの上端部をソケットの底部方向に押圧する構成にしたもので ある。

【０００６】

【作用】

本考案は上記構成にしたものであるから、ボールスタッドのボール部にシート ベアリングを嵌合させ、該シートベアリングおよび上記ボール部をソケット内に 嵌合させた後、ソケットの上端部を軸心方向にかしめて上記シートベアリングの 上端部をソケットの底部方向に押圧すると、上記シートベアリングはソケットの 底部の係止壁と上端部のかしめ部とによって上下方向に挾圧され、その内面がボ ールスタッドのボール部に圧接することになる。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。図面において、図１は本考案の 実施例を示す断面図である。図１において、１０は金属製のソケットであり、円 筒状の胴部１１の下端部に軸心方向に屈曲する環状の係止壁１２を形成する。上 記ソケット１０は例えばスタビライザ１３の端部に取り付けられる。上記ソケッ ト１０内にプラスチック製のシートベアリング１５を嵌合させる。このシートベ アリング１５は、上面が開口した有底円筒状に形成するとともに、内面１６を球 面状に形成し、該内面１６の底部中心部にグリース溜め用の凹部１７を形成する 。また上記シートベアリング１５の底部の外周部に環状に凹んだ段部１８を形成 し、この段部１８をソケット１０の係止壁１２に係止する。

【０００８】 上記シートベアリング１５内に金属製のボールスタッド２０のボール部２１を 嵌合させ、次いでソケット１０の上端部１０ａを軸心方向に屈曲させてシートベ アリング１５の上端面を下方に押圧し、上端部１０ａと係止壁１２とにより上記 シートベアリング１５を軸方向（上下方向）に圧縮してその内面１６をボール部 ２１の外周面に所定の圧力で接触させ、これにより、ボールスタッド２０の作動 トルクを規定値に保持する。２２はボールスタッド２０の軸部であり、ボール部 ２１から上方に突出させてロアアーム等に連結する。

【０００９】 上記実施例によれば、ソケット１０内にボールスタッド２０のボール部２１お よびシートベアリング１５を嵌合させた後、ソケット１０の上端部１０ａを軸心 方向にかしめて上記シートベアリング１５の上端部を所定の圧力でソケット１０ の底部方向に押圧すると、上記シートベアリング１５はソケット１０の底部の係 止壁１２と上端部１０ａのかしめ部とによって上下方向に挾圧され、その内面１ ６が上記ボール部２１の外周面に圧接し、ボールスタッド２０の作動トルクが規 定値に保持されることになる。そして、ソケット１０は、その底部の軸心部に肉 部が存在していないので、重量が軽減することになる。

【００１０】

【考案の効果】

以上の説明から明らかな如く、本考案は、ソケットの底部に軸心方向に屈曲す る環状の係止壁を形成し、この係止壁とソケットの上端部を軸心方向に屈曲させ たかしめ部とによりシートベアリングを挾持するようにしたので、重量が軽くな るとともに、ソケットを小型の形成装置により成形することができる効果を奏す る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す断面図である。

【図２】従来例を示す断面図である。

【符号の説明】 １０ ソケット １０ａ 上端部 １１ 胴部 １２ 係止壁 １３ スタビライザ １５ シートベアリング １６ 内面 １７ 凹部 １８ 段部 ２０ ボールスタッド ２１ ボール部 ２２ 軸部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底部に軸心方向に屈曲する環状の係止壁
   を有しかつ上面が開放された円筒状のソケットを設け、
   ボールスタッドのボール部をプラスチック製のシートベ
   アリングを介して前記ソケット内に嵌合させ、ソケット
   の上端部を軸心方向にかしめて前記シートベアリングの
   上端部をソケットの底部方向に押圧したことを特徴とす
   るボールジョイント。