JPH052279A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JPH052279A
JPH052279A JP15471491A JP15471491A JPH052279A JP H052279 A JPH052279 A JP H052279A JP 15471491 A JP15471491 A JP 15471491A JP 15471491 A JP15471491 A JP 15471491A JP H052279 A JPH052279 A JP H052279A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phthalocyanine
crystal
mixed crystal
titanyl phthalocyanine
binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15471491A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazumasa Watanabe
一雅 渡邉
Akihiko Itami
明彦 伊丹
Shinichi Suzuki
眞一 鈴木
Akira Kinoshita
昭 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP15471491A priority Critical patent/JPH052279A/ja
Publication of JPH052279A publication Critical patent/JPH052279A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の課題を解決し、帯電性に優れ高感度で
繰り返し使用において優れ、かつ塗布液の保存安定性の
良好な電子写真感光体の提供。 【構成】 電荷発生物質としてCuKα特性X線(波長
1.541Å)に対するブラッグ角2θの27.2°±0.2°にピ
ークを必須に有するチタニルフタロシアニンとバナジル
フタロシアニンの混晶を、側鎖の一部に水酸基を有する
ポリマーを少なくとも一つの成分とするバインダに分散
した電荷発生層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
特に光導電性材料として特定の結晶型を有するチタニル
フタロシアニンとバナジルフタロシアニンの結晶を用
い、プリンタ、複写機等に有効であって、かつ露光手段
として半導体レーザ光及びLED光等を用いて像形成を
行うときにも好適な電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光導電性材料の研究が盛んに行わ
れており、電子写真感光体をはじめとして太陽電池、イ
メージセンサなどの光電変換素子として応用されてい
る。従来、これらの光導電性材料には主として無機系の
材料が用いられ、例えば電子写真感光体においてはセレ
ン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性材料を
主成分とする感光層を設けた無機感光体が広く使用され
てきた。
【0003】しかしながら、このような無機感光体は複
写機、プリンタ等の電子写真感光体として要求される光
感度、熱安定性、耐湿性、耐久性等の特性において必ず
しも満足できるものではなかった。例えばセレンは熱や
指紋の汚れ等により結晶化するために電子写真感光体と
しての特性が劣化しやすい。また、硫化カドミウムを用
いた電子写真感光体は耐湿性、耐久性に劣り、また、酸
化亜鉛を用いた電子写真感光体も耐久性に問題がある。
【0004】更に近年、環境問題が特に重要視されてい
るがセレン、硫化カドミウム等の電子写真感光体は毒性
の点で製造上、取扱上の制約が大きいという欠点を有し
ている。
【0005】このような無機光導電性材料の欠点を改善
するために種々の有機光導電性材料が注目されるように
なり、電子写真感光体の感光層等に使用することが試み
られるなど近年活発に研究が行われている。例えば特公
昭50-10496号にはポリビニルカルバゾールとトリニトロ
フルオレノンを含有した感光層を有する有機感光体が記
載されている。しかしながらこの感光体は感度及び耐久
性において十分なものではない。そのためキャリア発生
機能とキャリア輸送機能を異なる物質に個別に分担させ
た機能分離型の電子写真感光体が開発された。
【0006】このような電子写真感光体においては、材
料を広い範囲で選択できるので任意の特性を得やすく、
そのため高感度、高耐久の優れた有機感光体が得られる
ことが期待されている。
【0007】このような機能分離型の電子写真感光体の
キャリア発生物質及びキャリア輸送物質として種々の有
機化合物が提案されているが、特にキャリア発生物質は
感光体の基本的な特性を支配する重要な機能を担ってい
る。そのキャリア発生物質としてはこれまでジブロムア
ンスアンスロンに代表される多環キノン化合物、ピリリ
ウム化合物及びピリリウム化合物の共晶錯体、スクエア
リウム化合物、フタロシアニン化合物、アゾ化合物など
の光導電性物質が実用化されてきた。
【0008】更に電子写真感光体により高い感度を与え
るためには高いキャリア発生効率を持つキャリア発生物
質も必要である。この点について近年、フタロシアニン
化合物は優れた光導電材料として注目され、活発に研究
が行われている。
【0009】フタロシアニン化合物は、中心金属の種類
や結晶型の違いによりスペクトルや光導電性などの各種
物性が変化することが知られている。例えば、銅フタロ
シアニンにはα、β、γ、ε型の結晶型が存在し、これ
らの結晶型が異なることにより電子写真特性に大きな差
があることが報告されている(澤田 学、「染料と薬
品」、24(6)、122(1979))。
【0010】また、近年特にチタニルフタロシアニンが
注目されているが、チタニルフタロシアニンについても
A、B、C、Y型と呼ばれる4つの主な結晶型が報告さ
れている。しかしながら特開昭62-67094号のA型、特開
昭61-239248号記載のB型、特開昭62-256865号記載のC
型チタニルフタロシアニンは帯電性、電子写真感度とも
に未だ不十分な点がある。また最近発表されたY型チタ
ニルフタロシアニン(織田ら、「電子写真学会誌」、29
(3)、250、(1990))は高感度であるが帯電性に関
してはまだ不十分な点もあり、帯電性が良好でかつ高感
度なキャリア発生物質の開発が望まれている。
【0011】またバナジルフタロシアニンについても数
多くの報告が有るが感光体としては例えば特開平1-2170
74号に記載されて有るチタニルフタロシアニンのB型結
晶に相当する結晶型や特開平1-204968号に記載のA型に
相当する結晶型を含んだ感光体が開示されている。しか
しこれらの結晶型では十分な感度は得られない。更に特
開平1-268763号にはチタニルフタロシアニンの特開昭62
-67094号の比較例に記載されてある結晶型と類似のブラ
ッグ角2θの27.2゜にピークを有する結晶型が記載され
ているが、この結晶型も感度の点で不十分である。これ
はバナジルフタロシアニンもチタニルフタロシアニンと
同様、単に27.2゜にピークを有する結晶は三次元的な結
晶配列を考えると9.5゜に明瞭なピークを有する高感度
のチタニルフタロシアニンのY型結晶の結晶配列とは異
なっているためである。このようにバナジルフタロシア
ニンについても高感度な特性の得られる結晶型は報告さ
れていないのが現状である。
【0012】また、近年単一のフタロシアニンだけでな
く複数のフタロシアニンを用いて特定の結晶配列を形成
させるというフタロシアニンの混晶が報告されている。
この混晶は単なる複数のフタロシアニンの混合とは異な
り、混晶を形成することによって単一のフタロシアニン
とは異なった特性を得られるという利点がある。このフ
タロシアニンの混晶の例としては例えば特開平2-84661
号には2種以上のフタロシアニンを気相状態を経て基盤
上に再凝集させるフタロシアニンの共蒸着による混晶の
形成が開示されている。しかしながらこれに開示されて
いる結晶型の銅フタロシアニンと無金属フタロシアニン
の混晶やチタニルフタロシアニンと無金属フタロシアニ
ンの混晶は感度が低いという問題がある。
【0013】また特開平2-70763号に記載されている蒸
着によるチタニルフタロシアニンとバナジルフタロシア
ニンの混晶はチタニルフタロシアニンのA型及びB型に
相当する結晶型を示している。しかしながらこれらの結
晶型では感度の点で不十分である。このように混晶にお
いても要求される特性を満足するためには混晶を構成す
るフタロシアニンの種類や結晶型の選択が重要である。
そのためには材料の選択だけではなく特定の結晶型を得
るための結晶制御技術も重要で現在知られている蒸着に
よる混晶の形成方法以外の結晶変換技術の開発も望まれ
ている。
【0014】
【発明が解決しようとする問題点】一般にフタロシアニ
ンを電子写真感光体に用いる場合、中心金属の種類や結
晶型によって特性は著しく変化することは良く知られて
いる。したがって、電子写真感光体用のフタロシアニン
としては帯電性が良好で高い感度を有する安定な結晶型
が必要である。一方、ブラッグ角2θの27.2゜±0.2゜
にピークを有するチタニルフタロシアニンは公知の光導
電性物質の中では極めて高い感度を有していることは良
く知られているが、このチタニルフタロシアニンを電子
写真感光体に用いた場合には帯電性が不十分で、高い特
性が要求される電子写真感光体においては高い感度を維
持し、さらに帯電能の優れた電荷発生物質が望まれる。
【0015】本発明はこのような従来の課題を解決し、
帯電性に優れ高感度で繰返し使用において優れ、かつ塗
布液の保存安定性の良好な電子写真感光体を提供するこ
とを目的とする。
【0016】
【問題点を解決するための手段】本発明の目的は電荷発
生物質としてCuKα特性X線(波長1.541Å)に対す
るブラッグ角2θの27.2゜±0.2゜にピークを必須に有
するチタニルフタロシアニンとバナジルフタロシアニン
の混晶を、側鎖の一部に水酸基を有するポリマーを少な
くとも一つの成分とするバインダに分散した電荷発生層
を持つことによって達成することができる。
【0017】側鎖の一部に水酸基を有するポリマーとは
側鎖にアルコール性OH基を一部分持ったもので例えば
ポリビニルアルコールから誘導されるものをあげること
ができる。ここで言う誘導されるものとはポリビニルア
ルコールから作られる物ばかりでなく、逆に部分加水分
解によってポリマーの一部がポリビニルアルコール構造
になったものも含まれる。例としては部分鹸化した酢酸
ビニル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール
などをあげることができる。これらのポリマーは共重合
してもよく、例えばエチレン-酢酸ビニル-ビニルアルコ
ール共重合体、ホルマール-酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル-酢酸ビニル共重合体などを上げることができ
る。また本発明におけるバインダポリマーは今述べたラ
ジカル共重合体だけではなく水酸基の一部をもって他の
ポリマーと脱水縮合した共重合体をもその範疇に含む。
この様な物の例としてはシリコーン樹脂とブチラール樹
脂との縮合物などをあげることができる。
【0018】本発明では電荷発生物質を分散するに上述
のポリマー単独でバインダとしてもよく、あるいはポリ
アミド樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂などと混
合して使用しても良い。バインダに対するキャリア発生
物質の割合は10〜600wt%が望ましく、さらには50〜400
wt%とするのが望ましい。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】本発明に用いられるフタロシアニンの混晶
について、まず混晶とは一般に2種またはそれ以上の物
質が混合し、均一な溶相となった結晶をつくる場合、そ
の結晶のことをいうが、明礬類に見られるような同形の
塩や結晶格子が類似、或いは原子半径のあまり違わない
金属間においては混晶が形成されることが知られてい
る。
【0021】本発明の結晶型をとるフタロシアニンの混
晶についても良く似た傾向が見られ、チタニルフタロシ
アニンと比較的類似の構造のものが混晶を形成しやすい
傾向が見られた。チタニルフタロシアニンはW.Hillerら
によって結晶構造解析がなされており(Z.Kristallog
r.,159,173(1982))、その構造はTi=Oがフタロシアニ
ン環の共役平面に対して上方に突き出たような構造をし
ている。
【0022】このチタニルフタロシアニンに対して例え
ば平面構造を有する無金属フタロシアニンとの間では結
晶純度の高い本発明の結晶型の混晶を得るのは困難で、
本発明の結晶型に他の結晶が混入してくるなどの問題が
生じ、性能低下の原因となりやすい。一方、バナジルフ
タロシアニンにおいても結晶構造解析がなされており
(R.Ziolo etal.,J.Chem.Soc.Dalton,2300(1980))、チ
タニルフタロシアニンとはTi=O結合とV=O結合にわず
かに違いはあるものの良く似た立体構造をとっているこ
とが報告されている。したがって、バナジルフタロシア
ニンはチタニルフタロシアニンと混晶を形成するのに有
利な立体構造を有していると考えられ、実際にバナジル
フタロシアニンにおいて他のいくつかのフタロシアニン
とは異なり、本発明の結晶型の混晶を得ることができ
た。
【0023】本発明のチタニルフタロシアニンとバナジ
ルフタロシアニンの混晶の結晶型はCuKα特性X線
(波長1.541Å)に対するブラッグ角2θの27.2°±0.2
°に主たる明瞭なピークを有しているものはすべて含ま
れるが、なかでも27.2°±0.2°以外にも9.6°±0.2°
或いは9.0°±0.2°に明瞭なピークを有している結晶型
が望ましい。更には9.6°±0.2°及び27.2°±0.2°に
明瞭なピークを有するような結晶型が最も望ましい。
【0024】本発明で用いられるチタニルフタロシアニ
ン(TiOPc)はつぎの一般式〔I〕で表される。
【0025】
【化1】
【0026】但し、X1,X2,X3,X4は水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、或いはアルコキシ基、アリー
ルオキシ基を表し、k、l、m、nは0〜4の整数を表
す。また、本発明で用いられるバナジルフタロシアニン
(VOPc)はつぎの一般式〔II〕で表される。
【0027】
【化2】
【0028】但し、X1,X2,X3,X4は水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、或いはアルコキシ基、アリー
ルオキシ基を表し、k、l、m、nは0〜4の整数を表
す。
【0029】X線回折スペクトルは次の条件で測定さ
れ、ここでいうピークとはノイズとは異なった明瞭な鋭
角の突出部のことである。
【0030】 X線管球 Cu 電 圧 40.0 KV 電 流 100 mA スタート角度 6.0 deg. ストップ角度 35.0 deg. ステップ角度 0.02 deg. 測定時間 0.50 sec. 本発明に用いられるチタニルフタロシアニンの合成には
種々の方法を用いることができるが、代表的には次の反
応式(1)或いは(2)に従って合成することができ
る。
【0031】
【化3】
【0032】式中、R1〜R4は脱離基を表す。
【0033】また、本発明に用いられるバナジルフタロ
シアニンはチタニルフタロシアニンと同様にo-フタロニ
トリルや1,3-ジイミノイソインドリンと五酸化バナジウ
ム、アセチルアセトンバナジウムに代表されるバナジウ
ム試薬を1-クロルナフタレン等の不活性溶媒中で反応さ
せることにより得ることができる。
【0034】上記のようにして得られたチタニルフタロ
シアニンとバナジルフタロシアニンの混晶の形成は従来
技術としては共蒸着の方法のみが知られているにすぎな
かったが、本発明者らによる詳細な検討の結果、そのほ
かにも溶媒中に均一に溶媒させた後析出させる方法、或
は固体状態にて混合後、ミリング等の剪断力を付与する
方法などによっても混晶の形成が可能であることが判っ
た。
【0035】具体的には再結晶、再沈殿、アシッドペー
スト処理、或は乾式又は湿式によるミリングによる方法
などが挙げられるが、このような混晶の形成法の確立に
より本発明の結晶型を得るに至った。しかしながら混晶
を形成させる方法はこれらの方法に限定されるものでは
ない。
【0036】次に本発明に用いられる結晶型のチタニル
フタロシアニン-バナジルフタロシアニン混晶を得る方
法を例示的に示す。例えば通常のアシッドペースト処理
により任意の結晶型のチタニルフタロシアニン及びバナ
ジルフタロシアニンを濃硫酸に溶解し、その硫酸溶液を
水にあけて析出した結晶を濾取する方法、或は任意の結
晶型のチタニルフタロシアニンとバナジルフタロシアニ
ンを混合し、その混合物をミリング等の機械的な力によ
り粉砕する方法などによってチタニルフタロシアニン-
バナジルフタロシアニンより構成されるアモルファス結
晶が得られる。ここでアシッドペースト処理によりアモ
ルファス化を行う場合は一般的な条件にて達成され、フ
タロシアニンに対する濃硫酸の重量比は特に限定されな
いが、5倍から200倍程度が望ましい。また、濃硫酸に
対する水あけに用いる水の量は重量比で通常、5倍から
100倍程度が望ましい。更に、フタロシアニンを濃硫酸
に溶解する温度は5℃以下、水あけ温度は通常0℃以上
50℃以下が望ましい。
【0037】次いでこのアモルファス結晶を特定の有機
溶媒で処理することによって本発明に用いられる結晶型
を得ることができる。用いられる有機溶媒としては炭化
水素系溶媒、芳香族系溶媒、ハロゲン系溶媒、アルコー
ル、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、有機酸、有機ア
ミン類、複素環化合物などが挙げられるが、必要に応じ
てスルホン酸やトリクロル酢酸等の酸を添加してもよ
い。一方、アモルファス結晶の状態は水分を含んだウエ
ットペーストの状態或は水分を含んでいない乾燥状態の
もののどちらも用いることができるが、これは処理する
有機溶媒の種類や目的によって選択する事ができる。さ
らにこの溶媒処理においては必要に応じて加熱あるいは
ミリング処理等の操作を行うことができる。また一旦こ
れらの方法にて本発明の結晶型に変換された結晶に対し
て更に上述の有機溶媒で処理するなどの必要に応じた結
晶処理を行うことができる。しかしながら結晶変換の方
法は必ずしもこのような方法に限定されるものではな
い。
【0038】本発明のチタニルフタロシアニンとバナジ
ルフタロシアニンの混晶におけるチタニルフタロシアニ
ンとバナジルフタロシアニンの組成比は両方のフタロシ
アニンが存在していれば特に限定されないが、チタニル
フタロシアニンの存在比は50%以上が望ましい。さらに
望ましくはチタニルフタロシアニンの存在比が80%以上
である。さらにはチタニルフタロシアニンの存在比が90
%以上が最も望ましい。ここでいう存在比とは全重量に
対しての含有されているチタニルフタロシアニンの重量
比を表す。
【0039】本発明の電子写真感光体は上記のチタニル
フタロシアニンとバナジルフタロシアニンの混晶の他に
光導電性物質を併用してもよい。他の光導電性物質とし
てはA、B、C、アモルファス、その他Y型に代表され
るブラッグ角2θの27.2゜にピークを有する各チタニル
フタロシアニンやバナジルフタロシアニン、更には無金
属フタロシアニンの各結晶型、銅フタロシアニン等に代
表される各種の金属フタロシアニン、ナフタロシアニ
ン、その他ポルフィリン誘導体、アゾ化合物、ジブロモ
アンスアンスロンに代表される多環キノン化合物、ピリ
リウム化合物及びピリリウム化合物の共晶錯体、スクエ
アリウム化合物などが挙げられる。
【0040】また、本発明の電子写真感光体はキャリア
輸送物質を併用してもよい。キャリア輸送物質としては
種々のものが使用できるが、代表的なものとして例えば
オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジ
アゾール、イミダゾール等に代表される含窒素複素環
核、及びその縮合環核を有する化合物、ポリアリールア
ルカン系の化合物、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系
化合物、トリアリールアミン系化合物、スチリル系化合
物、ポリス(ビス)スチリル系化合物、スチリルトリフ
ェニルアミン系化合物、β-フェニルスチリルトリフェ
ニルアミン系化合物、ブタジエン系化合物、ヘキサトリ
エン系化合物、カルバゾール系化合物、縮合多環系化合
物等が挙げられる。このキャリア輸送物質の具体例とし
ては例えば特開昭61-107356号に記載のキャリア輸送物
質を挙げることができるが、特に代表的なものの構造を
次に示す。
【0041】
【化4】
【0042】
【化5】
【0043】
【化6】
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】
【化9】
【0047】感光体の構成は種々の形態が知られてい
る。本発明の感光体はそれらのいずれの形態もとりうる
が、積層型もしくは分散型の機能分離型感光体とするの
が望ましい。この場合、通常は図1(a)から同図
(f)のような構成となる。図1(a)に示す層構成
は、導電性支持体1上にキャリア発生層2を形成し、こ
れにキャリア輸送層3を積層して感光層4を形成したも
のであり、同図(b)はこれらのキャリア発生層2とキ
ャリア輸送層3を逆にした感光層4′を形成したもので
ある。同図(e)は同図(a)の層構成の感光層4と導
電性支持体1の間に中間層5を設けたものである。同図
(e)の層構成はキャリア発生物質6とキャリア輸送物
質7を含有する感光層4″を形成したものであり、同図
(f)はこのような感光層4″と導電性支持体1との間
に中間層5を設けたものである。同図(a)から同図
(f)の構成において、最表層にはさらに保護層を設け
ることができる。
【0048】感光層の形成においてはキャリア発生物質
或はキャリア輸送物質を単独でもしくはバインダや添加
剤とともに溶解させた溶液を塗布する方法が有効であ
る。しかし、一般にキャリア発生物質の溶解度は低いた
め、そのような場合キャリア発生物質を超音波分散機、
ボールミル、サンドミル、ホモミキサ等の分散装置を用
いて適当な分散媒中に微粒子分散させた液を塗布する方
法が有効となる。この場合、バインダや添加剤は分散液
中に添加して用いられるのが通常である。
【0049】感光層の形成に使用される溶剤或は分散媒
としては広く任意のものを用いることができる。例え
ば、ブチルアミン、エチレンジアミン、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、4-メトキシ-4-メチル-2-ペンタノン、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、
酢酸-t-ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、トルエン、キシレン、アセトフェノン、クロロ
ホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタン、トリクロル
エタン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール等が挙げられる。
【0050】キャリア輸送層の形成にバインダを用いる
場合に、バインダとして任意のものを選ぶことができる
が、特に疎水性でかつフィルム形成能を有する高分子重
合体が望ましい。このような重合体としては例えば次の
ものをあげることができるが、これらに限定されるもの
ではない。 ポリカーボネート ポリカーボネートZ樹脂 アクリル樹脂 メタクリル樹脂 ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニリデン ポリスチレン スチレン−ブタジエン共
重合体 ポリ酢酸ビニル ポリビニルホルマール ポリビニルブチラール ポリビニルアセタール ポリビニルカルバゾール スチレン-アルキッド樹
脂 シリコーン樹脂 シリコーン-アルキッド
樹脂 シリコーン-ブチラール樹脂 ポリエステル ポリウレタン ポリアミド エポキシ樹脂 フェノール樹脂 塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体 バインダに対するキャリア輸送物質の割合は10〜500wt
%とするのが望ましい。キャリア発生層の厚さは0.01〜
20μmとされるが、さらには0.05〜5μmが好ましい。キ
ャリア輸送層の厚みは1〜100μmであるが、さらには5
〜30μmが好ましい。
【0051】上記感光層には感度の向上や残留電位の減
少、或は反復使用時の疲労の低減を目的として電子受容
性物質を含有させることができる。このような電子受容
性物質としては例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、
ジブロム無水琥珀酸、無水フタル酸、テトラクロル無水
フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、3-ニトロ無水フ
タル酸、4-ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、
無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノ
キノジメタン、o-ジニトロベンゼン、m-ジニトロベンゼ
ン、1,3,5-トリニトロベンゼン、p-ニトロベンゾニトリ
ル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラ
ニル、ブロマニル、ジクロルジシアノ-p-ベンゾキノ
ン、アントラキノン、ジニトロアントラキノン、9-フル
オレニリデンマロノニトリル、ポリニトロ-9-フルオレ
ニリデンマロノニトリル、ピクリン酸、o-ニトロ安息香
酸、p-ニトロ安息香酸、3,5-ジニトロ安息香酸、ペンタ
フルオル安息香酸、5-ニトロサリチル酸、3,5-ジニトロ
サリチル酸、フタル酸、メリット酸、その他の電子親和
力の大きい化合物を挙げることができる。電子受容性物
質の添加割合はキャリア発生物質の重量100に対して0.0
1〜200が望ましく、さらには0.1〜100が好ましい。
【0052】また、上記感光層中には保存性、耐久性、
耐環境依存性を向上させる目的で酸化防止剤や光安定剤
等の劣化防止剤を含有させることができる。そのような
目的に用いられる化合物としては例えばトコフェロール
等のクロマノール誘導体及びそのエーテル化化合物もし
くはエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、
ハイドロキノン誘導体及びそのモノ及びジエーテル化化
合物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導
体、チオエーテル化合物、ホスホン酸エステル、亜燐酸
エステル、フェニレンジアミン誘導体、フェノール化合
物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化合物、
環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物などが有効
である。特に有効な化合物の具体例としては「IRGANOX
1010」、「IRGANOX 565」(チバ・ガイギー社製)、「ス
ミライザー BHT」、「スミライザーMDP」(住友化学工
業社製)等のヒンダードフェノール化合物、「サノール
LS-2626」、「サノール LS-622LD」(三共社製)等のヒ
ンダードアミン化合物が挙げられる。
【0053】中間層、保護層等に用いられるバインダと
しては、上記のキャリア輸送層用に挙げたものを用いる
ことができるが、そのほかにナイロン樹脂、エチレン-
酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル-無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン-酢酸ビニル-メタクリル酸共重
合体等のエチレン系樹脂、ポリビニルアルコール、セル
ロース誘導体等が有効である。また、メラミン、エポキ
シ、イソシアネート等の熱硬化或は化学的硬化を利用し
た硬化型のバインダを用いることができる。
【0054】導電性支持体としては金属板、金属ドラム
が用いられる他、導電性ポリマーや酸化インジウム等の
導電性化合物、もしくはアルミニウム、パラジウム等の
金属の薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により紙
やプラスチックフィルムなどの基体の上に設けてなるも
のを用いることができる。
【0055】
【実施例】
:チタニルフタロシアニンの合成: 1,3-ジイミノイソインドリン29.2gとo-ジクロルベンゼ
ン200ml及びチタニウムテトラ-n-ブトキシドシド20.4g
を混合し、窒素気流下にて3時間還流させた。放冷して
室温に戻した後折出した結晶を濾取し、o-ジクロルベン
ゼンで洗浄し、更にメタノールで洗浄した。更に得られ
た結晶を2%塩酸水溶液中室温にて数回撹拌洗浄し、さ
らに脱イオン水で数回洗浄を繰り返した。その後メタノ
ールで洗浄後、乾燥して青紫色のチタニルフタロシアニ
ン結晶24.2gを得た。
【0056】:バナジルフタロシアニンの合成: 1,3-ジイミノイソインドリン29.2gとo-ジクロルベンゼ
ン200ml及びバナジルアセチルアセトナート8gを混合
し、窒素気流下にて5時間還流させた。その後放冷して
室温に戻した後析出した結晶を濾取し、o-ジクロルベン
ゼンで洗浄し、更にメタノールで洗浄した。更に得られ
た結晶を2%塩酸水溶液中室温にて数回撹拌洗浄し、さ
らに脱イオン水で数回洗浄を繰返した。乾燥後この結晶
を1-クロルナフタレンで再結晶して紫色のバナジルフタ
ロシアニン結晶18.9gを得た。
【0057】合成例1 チタニルフタロシアニン4g及びバナジルフタロシアニ
ン1gを氷冷下250gの96%硫酸に溶解し、この硫酸溶液
を5lの水にあけて析出したアモルファス状態のウエッ
トペーストを濾取した。
【0058】更にこのウエットペーストとo-ジクロルベ
ンゼン50gを混合し、50℃の温度で2時間撹拌した。こ
の反応液をメタノールで希釈後濾過し、更に得られた結
晶をメタノールで数回洗浄して青色結晶を得た。この結
晶は図2に示すようにブラッグ角2θの9.6°及び27.2
°にピークを有する本発明のチタニルフタロシアニンと
バナジルフタロシアニンの混晶であることが判った。
【0059】合成例2 合成例1のウエットペーストを乾燥して得られた粉末5
g及びp-トルエンスルホン酸25gを混合し、更に酢酸500m
lを加えて5時間加熱還流した。反応物を濾取した後、
濾液が完全に中性になるまで水洗を数回繰り返した。更
にメタノール中で30分間撹拌した後、濾過、乾燥して青
色結晶を得た。この結晶は図3に示すようにブラッグ角
2θの9.0°及び27.2°にピークを有するデタニルフタ
ロシアニンとバナジルフタロシアニンの混晶であること
が判った。
【0060】合成例3 チタニルフタロシアニン4g及びバナジルフタロシアニ
ン1gを冷却下250gの96%硫酸に溶解し、この硫酸溶液
を5lの水にあけて析出したアモルファス状態のウェッ
トペーストを濾取した。このウェットペーストをとって
メタノール250ml中にて24時間ミリング処理を行った。
その後、結晶を濾過、乾燥して青紫色の結晶を得た。こ
の結晶のX線回折スペクトルは図4に示すようにブラッ
グ角2θの27.2°に明瞭なピークを有するが、その他は
ブロードになっており明瞭なピークは観測されなかっ
た。
【0061】合成例4 合成例1においてチタニルフタロシアニン2.5g及びバナ
ジルフタロシアニン2.5gを用いた他は合成例1と同様に
して青色結晶を得た。この結晶は図5に示すようにブラ
ッグ角2θの9.6°及び27.2°にピークを有していた。
【0062】合成例5 合成例1においてチタニルフタロシアニン4.75g及びバ
ナジルフタロシアニン0.25gを用いた他は合成例1と同
様にして青色結晶を得た。この結晶は図6に示すように
ブラッグ角2θの9.6°及び27.2°にピークを有してい
た。
【0063】比較合成例1 合成例1のウエットペーストを乾燥して得られた粉末2
gを1-クロルナフタレンにより再結晶した。得られた結
晶は図7に示すようにブラッグ角2θの9.2゜、10.5
゜、13.1゜、15.0゜、26.2゜、27.1゜にピークを有する
チタニルフタロシアニンとバナジルフタロシアニンの混
晶のA型結晶であることが判った。
【0064】比較合成例2 合成例1のウエットペーストを乾燥して得られた粉末2
gを150mlの1,1,2,2-テトラクロルエタン中で加熱還流し
て図8のようなブラッグ角2θの7.5゜及び28.6゜にピ
ークを有するチタニルフタロシアニンとバナジルフタロ
シアニンの混晶のB型結晶を得た。
【0065】実施例1 共重合ポリアミド『アミラン CM8000』(東レ)3部
をメタノール100部に加熱溶解させ下引き液を得た。こ
れをアルミニウムを蒸着したポリエステルベース上にワ
イヤバーを用いて塗布し膜厚0.5μmの下引き層を得た。
【0066】ついで合成例1で得られた本発明のチタニ
ルフタロシアニン-バナジルフタロシアニン混晶1部、
バインダ樹脂としてブチラール樹脂『BL−1』(低重
合度タイプ ブチラール基63mol% 積水化学)1部、
分散媒としてメチルエチルケトン100部をサンドミルを
用いて分散し、分散液を得た。これを上記の下引き層の
上にワイヤバーを用いて塗布し膜厚0.2μmのキャリア発
生層とした。さらにこの上にキャリア輸送物質として例
示化合物(13)1部をポリカーボネート樹脂『ユーピロ
ンZ200』(三菱瓦斯化学)を1,2ジクロルエタン10部に
溶解した液をブレード塗布機を用いて塗布、乾燥の後、
膜厚20μmのキャリア輸送層を形成しサンプル1とす
る。
【0067】実施例2 実施例1において、合成例1で得られたチタニルフタロ
シアニン-バナジルフタロシアニン混晶を用いる代りに
合成例2で得られたチタニルフタロシアニン-バナジル
フタロシアニン混晶を用いた他は実施例1と全く同様に
して感光体を作成しサンプル2とする。
【0068】実施例3 実施例1において、合成例1で得られたチタニルフタロ
シアニン-バナジルフタロシアニン混晶を用いる代りに
合成例3で得られたチタニルフタロシアニン-バナジル
フタロシアニン混晶を用いた他は実施例1と全く同様に
して感光体を作成しサンプル3とする。
【0069】実施例4 実施例1において、合成例1で得られたチタニルフタロ
シアニン-バナジルフタロシアニン混晶を用いる代りに
合成例4で得られたチタニルフタロシアニン-バナジル
フタロシアニン混晶を用いた他は実施例1と全く同様に
して感光体を作成しサンプル4とする。
【0070】実施例5 実施例1において、合成例1で得られたチタニルフタロ
シアニン-バナジルフタロシアニン混晶を用いる代りに
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン-バナジル
フタロシアニン混晶を用いた他は実施例1と全く同様に
して感光体を作成した。これをサンプル5とする。
【0071】実施例6 実施例1において、キャリア発生層のバインダ樹脂とし
て低重合度タイプのブチラール樹脂『BL−1』の代り
に高重合度のブチラール樹脂『BH−3』(積水化学)
を用いて分散した他は実施例1と全く同様にして感光体
を作成した。サンプル6とする。
【0072】実施例7 実施例1において、キャリア発生層のバインダ樹脂とし
て低重合度かつ、ブチラール化度の低い(63mol%)タ
イプのブチラール樹脂『BL−1』の代りにブチラール
化度の高い(70mol%)ブチラール樹脂『BH−3』
(積水化学)を用いて分散した他は実施例1と全く同様
にして感光体を作成しサンプル7とする。 実施例8 実施例1において、キャリア発生層のバインダ樹脂とし
てブチラール樹脂の代りにシリコーン変性のブチラール
樹脂(信越化学工業)を用いて分散した他は実施例1と
全く同様にして感光体を作成しサンプル8とする。
【0073】実施例9 実施例1において、キャリア発生層のバインダ樹脂とし
てブチラール樹脂の代りに塩化ビニル-酢酸ビニル-ビニ
ルアルコール共重合体『ビニライトVAGH』(UCC
社製)を用いて分散した他は実施例1と全く同様にして
感光体を作成しサンプル9とする。
【0074】実施例10 実施例1において、キャリア発生層のバインダ樹脂とし
てブチラール樹脂の代りにホルマール樹脂『ビニレック
Z』(チッソ株式会社)を用いて分散した他は実施例1
と全く同様にして感光体を作成しサンプル10とする。
【0075】実施例11 実施例1において、キャリア発生層のバインダ樹脂とし
てブチラール樹脂の代りにエチレン-酢酸ビニル共重合
体『エスレックC』(積水化学)を用いて分散した他は
実施例1と全く同様にして感光体を作成しサンプル11と
する。
【0076】実施例12 実施例1において、キャリア発生物質の分散媒にメチル
エチルケトンの代りにテトラヒドロフランを使用して分
散した他は実施例1と全く同様にして感光体を作成しサ
ンプル12とする。
【0077】比較例(1) 実施例1において合成例1で得られたチタニルフタロシ
アニン-バナジルフタロシアニン混晶を用いる代りに比
較合成例1で得られた混晶を用いた他は実施例1と全く
同様にして感光体を作成し比較サンプル(1)とする。
【0078】比較例(2) 実施例1において合成例1で得られたチタニルフタロシ
アニン-バナジルフタロシアニン混晶を用いる代りに比
較合成例2で得られた混晶を用いた他は実施例1と全く
同様にして感光体を作成し比較サンプル(2)とする。
【0079】比較例(3) 実施例1において、キャリア発生層のバインダ樹脂とし
てブチラール樹脂の代りにポリカーボネート樹脂『パン
ライト L-1250』(帝人化成)を用い、分散媒にテト
ラヒドロフランを用いて分散した他は実施例1と全く同
様にして感光体を作成した。比較サンプル(3)とする
(実施例12に対する比較)。
【0080】『評価1』以上のようにして得られたサン
プルはペーパアナライザーEPA-8100(川口電機社
製)を用いて以下のような評価を行った。まず−80μA
の条件で5秒間のコロナ帯電を行い、帯電直後の表面電
位Vaおよび暗所で5秒間放置後の表面電位Viを求め
た。続いて表面照度が2lux.secとなるような露光を行
い表面電位を1/2Viとするのに必要な露光量E1/2を求
めた。また、下記式から暗減衰率DDを求めた。
【0081】DD=100(Va−Vi)/Va (%) 結果を表1に示す。
【0082】『評価2』得られたサンプルをドラムに張
り付け、『U-Bix1550』(コニカ、半導体レーザ光
源搭載)改造機に装着させて、帯電、露光を繰り返して
表面電位の安定性を見た。Vbは未露光部の表面電位、
Vwは露光部の表面電位を示す。
【0083】結果を表2に示す。
【0084】 −表1− サンプルNo. CGLバインダ Va(V) Vi(V) DD E1/2 1 ブチラール -1560 -1323 15.2% 0.40 2 〃 -1480 -1214 18.0 0.45 3 〃 -1420 -1097 22.3 0.53 4 〃 -1310 -1074 18.0 0.41 5 〃 -1620 -1426 12.0 0.42 6 高分子量ブチラール -1580 -1346 14.8 0.41 7 高ブチラール化ブチラール -1600 -1373 14.2 0.41 8 シリコン変性ブチラール -1620 -1247 13.0 0.39 9 塩ビ-酢ビ-PVA -1380 -991 18.2 0.52 10 ホルマール -1390 -1008 17.5 0.50 11 エチレン-酢ビ -1680 -1428 15.0 0.60 12 ブチラール(分散THF) -1480 -1211 18.2 0.38 (1) ブチラール -1610 -1401 13.0 2.23 (2) 〃 -1280 -952 25.6 1.20 (3) ポリカーボネート -1380 -1063 23.0 0.70 −表2− 10000回後の サンプルNo. Vb(V) Vw(V) Vb(V) Vw(V) 1 -820 -25 -800 -30 2 -800 -30 -790 -35 3 -770 -50 -760 -55 4 -710 -25 -700 -30 5 -850 -20 -840 -20 6 -820 -30 -810 -35 7 -830 -30 -810 -30 8 -850 -20 -840 -20 9 -790 -40 -790 -45 10 -780 -50 -760 -50 11 -850 -65 -840 -70 12 -800 -20 -780 -20 (1) -830 -150 -830 -180 (2) -700 -100 -680 -110 (3) -780 -80 -780 -100 これらの結果から分かるように本発明の結晶型のチタ
ニルフタロシアニン-バナジルフタロシアニン混晶をポ
リビニルアルコールから誘導されるポリマー(特にブチ
ラール系)に分散して作成した感光体は帯電電位が高
く、高い感度を有し、かつ繰り返し時の電位安定性が優
れていることが分かる。
【0085】
【発明の効果】本発明の結晶型のチタニルフタロシアニ
ン-バナジルフタロシアニン混晶をポリビニルアルコー
ルから誘導されるポリマーに分散して作成した感光体は
高感度であり、かつ繰り返し使用に耐えるため、プリン
タ、デジタル複写機などにあって像形成に好適な感光体
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体態様例の断面図。
【図2】合成例1で得られたTiOPc-VOPcのX線回析スペ
クトル図。
【図3】合成例2で得られたTiOPc-VOPcのX線回析スペ
クトル図。
【図4】合成例3で得られたTiOPc-VOPcのX線回析スペ
クトル図。
【図5】合成例4で得られたTiOPc-VOPcのX線回析スペ
クトル図。
【図6】合成例5で得られたTiOPc-VOPcのX線回析スペ
クトル図。
【図7】比較例(1)で得られたTiOPc-VOPcのX線回析
スペクトル図。
【図8】比較例(2)で得られたTiOPc-VOPcのX線回析
スペクトル図。
【符号の説明】
1 支持体 2 キャリア発生層 3 キャリア輸送層 4 感光層 5 中間層 6 キャリア発生物質 7 キャリア輸送物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 昭 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、電荷発生物質および
    電荷輸送物質を含有する感光体を設けてなる電子写真感
    光体において、電荷発生物質としてCuKα特性X線
    (波長1.541Å)に対するブラッグ角2θの27.2゜±0.2
    ゜にピークを有するチタニルフタロシアニンとバナジル
    フタロシアニンの混晶を、側鎖の一部に水酸基を有する
    ポリマーを少なくとも一つの成分とするバインダに分散
    した電荷発生層を持つことを特徴とする電子写真感光
    体。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に、電荷発生物質および
    電荷輸送物質を含有する感光体を設けてなる電子写真感
    光体において、電荷発生物質としてCuKα特性X線
    (波長1.541Å)に対するブラッグ角2θの9.5゜±0.2
    ゜、27.2゜±0.2゜にピークを有するチタニルフタロシ
    アニンとバナジルフタロシアニンの混晶を側鎖の一部に
    水酸基を有するポリマーを少なくとも一つの成分とする
    バインダに分散した電荷発生層を持つことを特徴とする
    電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 導電性支持体上に、電荷発生物質および
    電荷輸送物質を含有する感光体を設けてなる電子写真感
    光体において、電荷発生物質としてCuKα特性X線
    (波長1.541Å)に対するブラッグ角2θの9.1゜±0.2
    ゜、27.2゜±0.2゜にピークを有するチタニルフタロシ
    アニンとバナジルフタロシアニンの混晶を側鎖の一部に
    水酸基を有するポリマーを少なくとも一つの成分とする
    バインダに分散した電荷発生層を持つことを特徴とする
    電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 特許請求項1,2,3においてバインダ
    に使用される側鎖の一部に水酸基を有するポリマーがポ
    リビニルアルコールから誘導されるポリマーであること
    を特徴とする電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 特許請求項1,2,3においてバインダ
    に使用される側鎖の一部に水酸基を有するポリマーがポ
    リビニルブチラール樹脂であることを特徴とする電子写
    真感光体。
JP15471491A 1991-06-26 1991-06-26 電子写真感光体 Pending JPH052279A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15471491A JPH052279A (ja) 1991-06-26 1991-06-26 電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15471491A JPH052279A (ja) 1991-06-26 1991-06-26 電子写真感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH052279A true JPH052279A (ja) 1993-01-08

Family

ID=15590361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15471491A Pending JPH052279A (ja) 1991-06-26 1991-06-26 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH052279A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7358016B2 (en) 2002-07-23 2008-04-15 Osaka Gas Co., Ltd. Electrophotographic photoreceptor and electrophoto-graphic apparatus equipped with the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7358016B2 (en) 2002-07-23 2008-04-15 Osaka Gas Co., Ltd. Electrophotographic photoreceptor and electrophoto-graphic apparatus equipped with the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2657836B2 (ja) 電子写真感光体
JP2961562B2 (ja) 電子写真感光体及び混晶の製造方法
JPH04221962A (ja) 電子写真感光体
JP2934983B2 (ja) 塗布液
JPH07168381A (ja) 電子写真感光体
JP2899833B2 (ja) 塗布液
JPH06118678A (ja) 電子写真感光体
JPH04361269A (ja) 電子写真感光体
JPH052278A (ja) 電子写真感光体
JPH052279A (ja) 電子写真感光体
JP2961573B2 (ja) 電子写真感光体
JP3455690B2 (ja) 電子写真感光体
JPH05346672A (ja) 光導電性層用塗布液及び電子写真感光体
JP2899834B2 (ja) 塗布液
JP2657839B2 (ja) 電子写真感光体
JP3103990B2 (ja) 電子写真感光体
JP3230175B2 (ja) 電子写真感光体
JPH0511469A (ja) 電子写真感光体
JP2808308B2 (ja) 電子写真感光体
JPH04333852A (ja) 電子写真感光体
JPH05333578A (ja) 電子写真感光体
JPH06118665A (ja) 電子写真感光体
JPH06123993A (ja) 電子写真感光体
JPH0511472A (ja) 電子写真感光体
JP3464937B2 (ja) 電子写真感光体