JPH06123993A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH06123993A
JPH06123993A JP27300692A JP27300692A JPH06123993A JP H06123993 A JPH06123993 A JP H06123993A JP 27300692 A JP27300692 A JP 27300692A JP 27300692 A JP27300692 A JP 27300692A JP H06123993 A JPH06123993 A JP H06123993A
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明彦 伊丹
Kazumasa Watanabe
一雅 渡邉
Shinichi Suzuki
眞一 鈴木
Yoshihide Fujimaki
義英 藤巻
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特性変動が少く画像特性が良好で耐用性がよ
く、更に感度調整自由で生産性の高い各種高速機用の感
光体の提供。 【構成】 感光層の赤外域780nmの透過率を90%以下
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
プリンタ、複写機等に有用であって、かつ露光手段とし
て半導体レーザ光等を用いて像形成を行うときにも好適
な電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来技術】近年、光導電性材料の研究が盛んに行われ
ており、電子写真感光体をはじめとして太陽電池、イメ
ージセンサなどの光電変換素子として応用されている。
従来、これらの光導電性材料としては主として無機系の
材料が用いられ、例えば電子写真感光体においては、セ
レン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性材料
を主成分とする感光層を設けた無機感光体が広く使用さ
れてきた。
【0003】しかしながら、このような無機感光体は複
写機、プリンタ等の電子写真感光体として要求される光
感度、熱安定性、耐湿性、耐久性等の特性において必ず
しも満足できるものではなかった。例えばセレンは熱や
指紋の汚れ等により結晶化するために電子写真感光体と
しての特性が劣化しやすい。また、硫化カドミウムを用
いた電子写真感光体は耐湿性、耐久性に劣り、また、酸
化亜鉛を用いた電子写真感光体も耐久性に問題がある。
【0004】更に近年、環境問題が特に重要視されてい
るがセレン、硫化カドミウム等の電子写真感光体は毒性
の点で製造上、取扱上の制約が大きいという欠点を有し
ている。
【0005】このような無機光導電性材料の欠点を改善
するために種々の有機光導電性材料が注目されるように
なり、電子写真感光体の感光層等に使用することが試み
られるなど近年活発に研究が行われている。例えば特公
昭50-10496号にはポリビニルカルバゾールとトリニトロ
フルオレノンを含有した感光層を有する有機感光体が記
載されている。しかしながらこの感光体は感度及び耐久
性において十分なものではない。そのためキャリア発生
機能とキャリア輸送機能を異なる物質に個別に分担させ
た機能分離型の電子写真感光体が開発された。
【0006】このような電子写真感光体においては、材
料を広い範囲で選択できるので任意の特性を得やすく、
そのため高感度、高耐久性の優れた有機感光体が得られ
ることが期待されている。
【0007】このような機能分離型の電子写真感光体の
キャリア発生物質及びキャリア輸送物質として種々の有
機化合物が提案されているが、特にキャリア発生物質は
感光体の基本的な特性を支配する重要な機能を担ってい
る。そのキャリア発生物質としてはこれまでジブロモア
ンスアンスロンに代表される多環キノン化合物、ピリリ
ウム化合物及びピリリウム化合物の共晶錯体、スクエア
リウム化合物、フタロシアニン化合物、アゾ化合物など
の光導電性物質が実用化されてきた。
【0008】なかでも特定の結晶型を有するチタニルフ
タロシアニンは特に優れた特性を示すことが知られてい
る。チタニルフタロシアニンは数多くの結晶を有し、結
晶型の違いによってまったく異なった性質を示すが、な
かでもCu-Kα線に対するX線回折スペクトルにおい
てブラッグ角2θの27.2°±0.2°に最大ピークを有す
る結晶型のチタニルフタロシアニンは著しく光量子効率
が高いため、このようなチタニルフタロシアニンをキャ
リア発生物質として用いた電子写真感光体は高速のプリ
ンタや高速のデジタル複写機及び高速のファクシミリ等
の設計にきわめて有用なものとなっている。
【0009】しかしながら、このような高い量子効率を
有する化合物をキャリア発生物質として用いた場合、高
い感度を有しているため僅かな光量にも反応する。この
場合使用環境において僅かの光の漏れなどもすべて画像
として拾われ欠陥となる場合がある。又、例えば露光手
段として半導体レーザを用いた場合、照射光強度のばら
つきにより感光体上に多くの光量が照射された場合には
細線の再現性などに影響を与えることも予想される。ま
た、用いる画像形成プロセスにより感光体の光減衰特性
を任意に調節することが望まれているが、従来の技術で
はキャリア発生物質及びキャリア輸送物質を換えない限
り、光減衰特性を所望の特性にすることは不可能であっ
た。更に、キャリア発生物質とキャリア輸送物質の組合
せ等を換えることによりコスト面の上昇だけでなくイオ
ン化ポテンシャルの差異などの要因による繰返し使用時
の感光体の安定性などに問題が生じることも考えられ
る。これらの点から繰返し特性等の電子写真感光体に要
求される諸特性を損なわずに一種の感光層を用いて電子
写真感光体を種々の画像形成プロセスに適応させるため
の技術が望まれている。
【0010】
【発明の目的】本発明の目的は、上記問題点を克服した
高感度で、高速プリンタや高速デジタル複写機或いは高
速ファクシミリに用いるのに有用な電子写真感光体を提
供することにある。
【0011】本発明の目的はまた繰返し使用時における
特性の安定した電子写真感光体を得ることにある。
【0012】本発明の更なる目的は生産安定性に優れ、
特性変動が少なく画像特性に優れた電子写真感光体を得
ることにある。
【0013】
【発明の構成及び効果】本発明の上記の目的は導電性支
持体上に感光層と保護層を順次積層してなる電子写真感
光体において、前記保護層の780nmの単色光に対する透
過率を制御することによって達成される。保護層の透過
率の範囲は90%以下であり、これ以上の透過率では本発
明に見られるような効果が得られない。透過率を制限す
る手段としては種々考えられるが、一般的には保護層の
780nmの吸光度を上げることにより透過率を90%以下に
することができ、例えば赤外域に吸収をもつ色素を含有
させることによって目的を達成することができる。
【0014】本発明に用いられる赤外吸収色素としては
780nmに吸収を有する色素であれば良いが、特にナフタ
ロシアニン化合物は780nm付近にシャープな吸収を示
し、また繰返し使用時の電位安定性に優れているので好
ましい。
【0015】ナフタロシアニンについては既に種々の中
心金属のナフタロシアニンが知られており、例えば特開
昭63-55556号には積層感光体においてナフタロシアニン
がキャリア発生物質として使用されている。しかしなが
ら本発明の感光体では赤外吸収ナフタロシアニンはキャ
リアの発生による感度への機能は持たず、更にキャリア
発生層ではなく保護層においてその機能を発現する点で
全く異なるものである。
【0016】本発明で用いられるナフタロシアニンは次
の一般式〔2〕で表される。
【0017】
【化2】
【0018】式中、Mは水素原子或いは金属原子を表
し、好ましくはSi,Ge,Sn,Cu,Zn,Mg,Ti,
V,Al,Inなどが挙げられる。またYは置換もしくは
無置換のアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、ハロゲン原子、酸素原子、シロキシ基、或いは水酸
基を表し、X1,X2,X3,X4は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、或いはアルコキシ基、アリールオキシ
基を表す。
【0019】更に、本発明に使用されるナフタロシアニ
ン化合物は、保護層中でバインダに溶解させた形で使用
するには有機溶媒や種々のバインダへの溶解性の高いナ
フタロシアニンが好ましく、例えば炭素数の大きいアル
キル基を分子内に有するものは溶解性が高く、炭素数が
6以上のアルキル基を有することが好ましい。
【0020】従って、一般式〔2〕で表されるナフタロ
シアニン中、M,Y,Xを特定し、前記〔化1〕に示し
た一般式〔1〕で表されるシリコンナフタロシアニンが
特に好ましい。
【0021】また、これらのシリコンナフタロシアニン
はJ.Am,Chem.Soc.,106,7404(1984)に記載されてあ
る方法にしたがって合成することができる。
【0022】以下に本発明に用いられるシリコンナフタ
ロシアニンの具体例を次に示す。
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】本発明に用いられるキャリア発生物質とし
てはLD光に対して感度を有するものであればかまわな
いが、具体的にはα,β,τ,X等の結晶型の無金属フ
タロシアニン、A,B,Cの各型結晶、アモルファス及
びブラック角2θの27.2°に最大ピークを有するチタニ
ルフタロシアニン、チタニルフタロシアニンとバナジル
フタロシアニンの混晶に代表される複数のフタロシアニ
ンの混晶、銅フタロシアニン等に代表される各種の金属
フタロシアニン、ナフタロシアニン、その他ポルフィリ
ン誘導体、アゾ化合物、ジブロモアンスアンスロンに代
表される多環キノン化合物、ピリリウム化合物及びピリ
リウム化合物の共晶錯体、スクエアリウム化合物などが
挙げられ、なかでもブラッグ角2θの27.2°±0.2に最
大ピークを有するチタニルフタロシアニンが好ましく、
更にブラッグ角2θ(±0.2°)の9.5°、24.1°、27.2
°にピークを有するチタニルフタロシアニンが最も好ま
しい。
【0028】X線回折スペクトルは次の条件で測定さ
れ、ここでいうピークとは、ノイズとは異なった明瞭な
鋭角の突出部のことである。
【0029】 X線管球 Cu 電 圧 40.0 KV 電 流 100 mA スタート角度 6.0 deg. ストップ角度 35.0 deg. ステップ角度 0.02 deg. 測定時間 0.50 sec. 本発明の電子写真感光体は上記キャリア発生物質を併用
してもよい。
【0030】次に、本発明の電子写真感光体に用いられ
るキャリア輸送物質としては種々のものが使用できる
が、代表的なものとして例えばオキサゾール、オキサジ
アゾール、チアゾール、チアジアゾール、イミダソール
等に代表される含窒素複素環核及びその縮合環核を有す
る化合物、ポリアリールアルカン系の化合物、ピラゾリ
ン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリアリールアミン
化合物、スチリル系化合物、ポリス(ビス)スチリル系
化合物、スチリルトリフェニルアミン系化合物、β-フ
ェニルスチリルフェニルアミン系化合物、ブタジエン系
化合物、ヘキサトリエン系化合物、カルバゾール系化合
物、縮合多環系化合物等が挙げられる。これらのキャリ
ア輸送物質の具体例としては例えば特開昭61-107356号
に記載のキャリア輸送物質を挙げることができるが、特
に代表的なものの構造を次に示す。
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】感光体の構成は種々の形態が知られてい
る。本発明の感光体はそれらのいずれの形態もとりうる
が、通常は図1の(1)から(8)のような構成とな
る。
【0038】(1)に示す層構成は、導電性支持体1上
にキャリア発生層2を形成し、これにキャリア輸送層3
を積層して感光層4を形成したものであり、(2)はこ
れらのキャリア発生層2とキャリア輸送層3を逆にした
感光層4′を形成したものである。(3)は(1)の層
構成の感光層4と導電性支持体1の間に中間層5を設け
たものである。(5)の層構成はキャリア発生物質6と
キャリア輸送物質7を含有する感光層4″を形成したも
のであり、(6)はこのような感光層4″と導電性支持
体1との間に中間層5を設けたものである。(7)の層
構成は1の導電性支持体上にキャリア発生層2を設けた
ものであり、(8)はキャリア発生層2と導電性支持体
1との間に中間層5を設けたものである。これら(1)
から(8)の構成においては最表層には780nmの単色光
に対する透過率が90%以下である保護層8が設けてあ
る。
【0039】感光層の形成においてはキャリア発生物質
或はキャリア輸送物質を単独でもしくはバインダや添加
剤とともに溶解させた溶液を塗布する方法が有効であ
る。しかし、一般にキャリア発生物質の溶解度は低いた
め、そのような場合キャリア発生物質を超音波分散機、
ボールミル、サンドミル、ホモミキサ等の分散装置を用
いて適当な分散媒中に微粒子分散させた液を塗布する方
法が有効となる。この場合、バインダや添加剤は分散液
中に添加して用いられるのが通常である。
【0040】感光層の形成に使用される溶剤或は分散媒
としては広く任意のものを用いることができる。例え
ば、ブチルアミン、エチレンジアミン、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、4-メトキシ-4-メチル-2-ペンタノン、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、
酢酸-t-ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、トルエン、キシレン、アセトフェノン、クロロ
ホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタン、トリクロル
エタン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール等が挙げられる。
【0041】キャリア発生層もしくはキャリア輸送層の
形成にバインダを用いる場合に、バインダとして任意の
ものを選ぶことができるが、特に疎水性でかつフィルム
形成能を有する高分子重合体が望ましい。このような重
合体としては例えば次のものをあげることができるが、
これらに限定されるものではない。 ポリカーボネート ポリカーボネートZ樹脂 アクリル樹脂 メタクリル樹脂 ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニリデン ポリスチレン スチレン-ブタジエン共
重合体 ポリ酢酸ビニル ポリビニルホルマール ポリビニルブチラール ポリビニルアセタール ポリビニルカルバゾール スチレン-アルキッド樹
脂 シリコーン樹脂 シリコーン-アルキッド
樹脂 シリコーン-ブチラール樹脂 ポリエステル ポリウレタン ポリアミド エポキシ樹脂 フェノール樹脂 塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体 バインダに対するキャリア発生物質の割合は10〜600重
量%が望ましく、さらには、50〜400重量%とするのが
望ましい。バインダに対するキャリア輸送物質の割合は
10〜500重量%とするのが望ましい。キャリア発生層の
厚さは0.01〜20μmとされるが、さらには0.05〜5μmが
好ましい。キャリア輸送層の厚みは1〜100μmである
が、さらには5〜30μmが好ましい。
【0042】次に本発明においては感光層の上層に保護
層が設けられるが、保護層に使用される樹脂は熱可塑
性、熱硬化性のいずれの樹脂も使用することができ、ま
たこれらの樹脂を混合して使用してもかまわない。保護
層に用いられる樹脂としては例えば前記キャリア発生
層、キャリア輸送層に用いられる樹脂が挙げられるが、
この他にも縮重合型、付加重合型の熱硬化性樹脂を挙げ
ることができる。縮重合型にはフェノール樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、グアナミン樹脂、
及びシリコーン樹脂等があり、また付加重合型には不飽
和ポリエステル樹脂、アルキル樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、エポキシ樹脂及びポリブタジエン樹脂等があ
る。
【0043】尚、性能を損なわぬ範囲でその他の樹脂を
併用しても良い。
【0044】保護層のバインダに対する赤外吸収色素の
割合は0.0001〜10重量%であり、特に好ましくは0.001
〜1重量%である。保護層の厚みは1〜100μmである
が、さらには3〜20μmが好ましい。また保護層中には
必要に応じてキャリア輸送物質を含有させてもよい。
【0045】上記感光層には感度の向上や残留電位の減
少、或は反復使用時の疲労の低減を目的として電子受容
性物質を含有させることができる。このような電子受容
性物質としては例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、
ジブロム無水琥珀酸、無水フタル酸、テトラクロル無水
フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、3-ニトロ無水フ
タル酸、4-ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、
無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノ
キノジメタン、o-ジニトロベンゼン、m-ジニトロベンゼ
ン、1,3,5-トリニトロベンゼン、p-ニトロベンゾニトリ
ル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラ
ニル、ブロマニル、ジクロルジシアノ-p-ベンゾキノ
ン、アントラキノン、ジニトロアントラキノン、9-フル
オレニリデンマロノニトリル、ポリニトロ-9-フルオレ
ニリデンマロノニトリル、ピクリン酸、o-ニトロ安息香
酸、p-ニトロ安息香酸、3,5-ジニトロ安息香酸、ペンタ
フルオロ安息香酸、5-ニトロサリチル酸、3,5-ジニトロ
サリチル酸、フタル酸、メリット酸、その他の電子親和
力の大きい化合物を挙げることができる。電子受容性物
質の添加割合はキャリア発生物質の重量100に対して0.0
1〜200が望ましく、さらには0.1〜100が好ましい。
【0046】また、上記感光層中には保存性、耐久性、
耐環境依存性を向上させる目的で酸化防止剤や光安定剤
等の劣化防止剤を含有させることができる。そのような
目的に用いられる化合物としては例えばトコフェロール
等のクロマノール誘導体及びそのエーテル化化合物もし
くはエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、
ハイドロキノン誘導体及びそのモノ及びジエーテル化化
合物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導
体、チオエーテル化合物、ホスホン酸エステル、亜燐酸
エステル、フェニレンジアミン誘導体、フェノール化合
物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化合物、
環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物などが有効
である。特に有効な化合物の具体例としては「IRGANOX
1010」,「IRGANOX 565」(チバ・ガイギー社製)、「スミラ
イザー BHT」,「スミライザーMDP」(住友化学工業社製)
等のヒンダードフェノール化合物、「サノール LS-262
6」,「サノール LS-622LD」(三共社製)等のヒンダード
アミン化合物が挙げられる。
【0047】中間層、保護層等に用いられるバインダと
しては、上記のキャリア発生層及びキャリア輸送層用に
挙げたものを用いることができるが、そのほかにナイロ
ン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢
酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル−メタクリル酸共重合体等のエチレン系樹脂、ポリ
ビニルアルコール、セルロース誘導体等が有効である。
また、メラミン、エポキシ、イソシアネート等の熱硬化
或は化学的硬化を利用した硬化型のバインダを用いるこ
とができる。
【0048】導電性支持体としては金属板、金属ドラム
が用いられる他、導電性ポリマーや酸化インジウム等の
導電性化合物、もしくはアルミニウム、パラジウム等の
金属の薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により紙
やプラスチックフィルムなどの基体の上に設けてなるも
のを用いることができる。
【0049】
【実施例】次に実施例によって本発明を具体的に説明す
る。
【0050】実施例1〜3 図2のブラッグ角2θの9.5°、24.1°、27.2°にピー
クを有するチタニルフタロシアニン1重量部にメチルエ
チルケトン100重量部、ポリビニルブチラール樹脂1重
量部を加え、ボールミルを用いて分散した。得られた分
散液の一部を蒸発乾固の後、X線回折スペクトルを測定
すると図3のようであった。
【0051】一方、アルミニウムを蒸着したポリエステ
ルベース上にワイヤバー塗布法によって、ポリアミド樹
脂「CM-8000」(東レ社製)からなる厚さ0.3μmの下
引層を設けた後、得られた分散液をワイヤバー塗布して
厚さ0.2μmのキャリア発生層とした。次いでキャリア輸
送物質(21)1重量部とポリカーボネート樹脂「ユーピ
ロン Z-200」(三菱瓦斯化学社製)1.33重量部、及び
微量のシリコーンオイル「KF-54」(信越化学社製)
を1,2-ジクロルエタン8重量部に溶解させた液をブレー
ド塗布して厚さ20μmのキャリア輸送層を形成させた。
更にポリカーボネート樹脂「ユーピロン Z-200」(三
菱瓦斯化学社製)1重量部とシリコンナフタロシアニン
(2)を1,2-ジクロルエタン6重量部に添加して溶解さ
せた後、この液をキャリア輸送層上に塗布して厚さ5μ
mの保護層とした。このようにして得られた感光体をサ
ンプル1〜3とする。
【0052】実施例4 実施例3においてポリビニルブチラール樹脂の代りにシ
リコーン−ブチラール樹脂を用いた他は実施例3と同様
にして本発明の感光体を得た。これをサンプル4とす
る。
【0053】実施例5 実施例4において得られた分散液に1,4-ブタンジオール
1重量部を添加した他は実施例4と同様にして感光体を
作製した。これをサンプル5とする。
【0054】実施例6 実施例3におけるチタニルフタロシアニンを図4のブラ
ッグ角2θの27.2°、24.1°、9.0°にピークを有する
X線回折スペクトルを示すチタニルフタロシアニンに変
えた他は実施例3と同様にして本発明の感光体を得た。
これをサンプル6とする。
【0055】比較例(1) 実施例1においてシリコンナフタロシアニンを除いた他
は実施例1と同様にして比較の感光体を得た。これらを
比較サンプル(1)とする。
【0056】比較例(2) 実施例5においてシリコンナフタロシアニンを除いた他
は実施例5と同様にして比較の感光体を得た。これらを
比較サンプル(2)とする。
【0057】比較例(3) 実施例6において、本発明中のシリコンナフタロシアニ
ンを除いた他は実施例6と同様にして比較の感光体を得
た。これらを比較サンプル(3)とする。
【0058】実施例7及び8 アルミニウムを蒸着したポリエステルベース上に、塩化
ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体(エスレ
ックMF-10:積水化学工業社製)よりなる厚さ0.1μm
の中間層を形成した。次いでキャリア輸送物質(2)/
ポリカーボネート樹脂(パンライトL-1250,帝人化成
社製)=75/100(重量比)を16.5%含有する1,2-ジク
ロルエタン溶液を前記中間層上にディップ塗布、乾燥し
て15μm厚のキャリア輸送層を得た。
【0059】次いで図2のブラッグ角2θの9.5°、24.
1°、27.2°にピークを有するチタニルフタロシアニン
1重量部にメチルエチルケトン30重量部、ポリビニルブ
チラール樹脂1重量部を加え、サンドミルを用いて分散
した。得られた分散液の一部を蒸発乾固の後、X線回折
スペクトルを測定すると図3のようであった。この分散
液を前記キャリア輸送層上にスプレー塗布方法により厚
さ1μmの感光層を形成した。
【0060】さらに2,4,7-トリニトロ-9-フルオレノン
をボールミルで24時間粉砕し、パンライトL-1250を6
重量部、1,2-ジクロルエタンを100重量部、酸化防止剤
「サノールLS2626」(三共社製)1重量部よりなる溶
液に3重量部加え、さらにキャリア輸送物質(2)2重
量部及びシリコンナフタロシアニン(1)を加えて分散
液を得た。
【0061】この分散液にモノクロルベンゼンを加えて
もモノクロルベンゼン/1,2-ジクロルエタン=3/7
(体積比)になるように調製したものを感光層上にスプ
レー塗布方法により厚さ5μmの保護層を形成し、積層
構成の感光体層を有する本発明の感光体試料を得た。こ
れをサンプル7、サンプル8とする。
【0062】比較例(4) 実施例7においてシリコンナフタロシアニンを除いた他
は実施例7と同様にして比較の感光体を得た。これらを
比較サンプル(4)とする。
【0063】実施例9及び10 図2のブラッグ角2θの9.5°、24.1°、27.2°にピー
クを有するチタニルフタロシアニン4重量部、ポリエス
テル樹脂(「アルマテックスP-645」三井東圧化学社
製)8重量部、メラミン樹脂(「ユーバン21R」三井東
圧化学社製)2重量部及びシクロヘキサノン90部をサン
ドミルを用いて分散して分散液を得た。この分散液をア
ルミニウムを蒸着したポリエステルベース上にブレード
塗布した後、120℃で1時間熱処理して、膜厚15μmの感
光層を得た。
【0064】次にポリカーボネート樹脂「ユーピロン
Z-200」(三菱瓦斯化学社製)1.33重量部、及び微量の
シリコーンオイル「KF-54」(信越化学社製)を1,2-
ジクロルエタン8重量部に溶解させた液にシリコンナフ
タロシアニン(2)を添加して溶解させた後、この液を
感光層上に塗布して厚さ5μmの保護層とした。このよ
うにして得られた感光体をサンプル9、10とする。
【0065】比較例(5) 実施例9において保護層中のシリコンナフタロシアニン
を除いた他は実施例9と同様にして感光体を作製した。
これを比較サンプル(5)とする。
【0066】評価1 得られたサンプルの保護層の780nm光に対する透過率T
(%)を測定した。
【0067】評価2 得られたサンプルを20℃、50%RHの環境下にて「Koni
ca 9028」(コニカ社製、半導体レーザ光源使用)改造
機に搭載し、グリッド電圧VGを600Vに調節し、未露光
部電位VH及び0.7mWの光照射時の露光部の電位VL
測定した。次にサンプルを10℃、20%RHの環境に移し
十分環境に順応させた後、前述の条件でVH、VLを測定
した。また、10℃、20%RHの環境下において1万プリ
ントの繰返し使用を行った後のVH、VLも合わせて測定
した。
【0068】評価3 サンプルはまた55℃、80%RHの雰囲気下に一週間放置
した後、20℃、50%RHの環境下で「Konica 9028」の
改造機に搭載し、VH、VLを測定した。
【0069】評価の結果は表1に示した。本発明の感光
体は湿度変動、繰返し使用による感光体特性の変化の低
減、分散液及び感光体の安定化に著しい効果を示すとと
もに用いた赤外吸収色素の添加量に応じて用途にあった
感度を有する感光体を得ることができる。
【0070】
【表1】
【0071】評価4 「Konica 9028」(コニカ社製)改造機に実施例9、10
及び比較例5で得られた感光体を装着した。これらのサ
ンプルを帯電した後、波長780nmのレーザ光を光量を変
化させて照射し、0.7秒後の表面電位を測定した。結果
を図5に示す。
【0072】本発明では単層感光体においても保護層中
のナフタロシアニンの添加量によって特性を損なうこと
なく、また素材を換えることなく光量依存性を変化させ
ることができる。つまり素材を換えることなく用途に応
じた感度の感光体を提供することができることが確認さ
れた。
【0073】
【発明の効果】本発明の構成によって、キャリア発生物
質及びキャリア輸送物質を換えることなく、また電子写
真感光体に要求される諸特性を損なわずに光減衰特性を
所望の特性に調整することが可能となった。更に本発明
の電子写真感光体は種々の環境下においても安定でかつ
繰返し使用時の電位安定性を大幅に向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の断面図。
【図2】実施例1で用いられるチタニルフタロシアニン
のX線回折スペクトル図。
【図3】実施例1において分散液を蒸発乾固した後のX
線回折スペクトル図。
【図4】実施例6に用いられるチタニルフタロシアニン
のX線回折スペクトル図。
【図5】評価4により得られる照射光量と表面電位の関
係を表したグラフ。
【符号の説明】
1,1′導電性支持体 2 キャリア発生層 3 キャリア輸送層 4,4′ 感光層 5 中間層 6 キャリア発生物質 7 キャリア輸送物質 8 保護層
フロントページの続き (72)発明者 藤巻 義英 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層、保護層を順次
    積層してなる電子写真感光体において、前記保護層の78
    0nmの単色光に対する透過率が90%以下であることを特
    徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記保護層が赤外吸収色素を含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記赤外吸収色素がナフタロシアニンで
    あることを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記ナフタロシアニンが下記一般式
    〔1〕で表されるシリコンナフタロシアニンであること
    を特徴とする請求項3記載の電子写真感光体。 【化1】 〔式中、Yは(Rn)3SiO−基(Rnはアルキル基又はアリ
    ール基を表し、Rnのうち少なくとも1つは炭素数6以
    上のアルキル基)を表し、X1,X2,X3,X4は水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、或いはアルコキシ基、
    アリールオキシ基を表す。〕
  5. 【請求項5】 キャリア発生物質としてフタロシアニン
    を含有することを特徴とする請求項1〜4のいづれかに
    記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 キャリア発生物質としてCu−Kα線
    (波長1.541Å)に対するブラッグ角2θの27.2°に最
    大ピークを有するチタニルフタロシアニンを含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいづれかに記載の電子写
    真感光体。
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