JPH05225613A - 被覆形成方法および光ディスク - Google Patents

被覆形成方法および光ディスク

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JPH05225613A
JPH05225613A JP4056816A JP5681692A JPH05225613A JP H05225613 A JPH05225613 A JP H05225613A JP 4056816 A JP4056816 A JP 4056816A JP 5681692 A JP5681692 A JP 5681692A JP H05225613 A JPH05225613 A JP H05225613A
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coating
layer
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forming
cyclic olefin
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Tsuneo Kuwabara
恒男 桑原
Hideki Hirata
秀樹 平田
Hiroyuki Endo
広行 遠藤
Takeshi Komaki
壮 小巻
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 環状ポリオレフィンの重合体の光ディスク基
板等に、ハードコート等の透明樹脂被覆を形成する場合
の接着性を高める。 【構成】 重合体に、トルエン等の溶媒を塗布溶媒と
し、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂を
用いて下塗り層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、傷防止のために
光ディスク等の表面に設けられるハードコート層等の被
覆形成方法と、それを用いた光ディスクとに関する。
【0002】
【従来の技術】大容量情報担持媒体として光ディスクが
注目されている。光ディスクは、通常、光記録ディスク
と再生専用光ディスクに大きく分類される。光記録ディ
スクとしては、光磁気記録ディスク等の消去可能タイ
プ、あるいはピット形成型光記録ディスク等の追記タイ
プなどがあり、再生専用光ディスクとしては、レーザー
ディスクやコンパクトディスクなどがある。
【0003】これらの光ディスクは、基板上に記録層あ
るいは情報担持層を有する構成となっており、基板材料
としては、成形が容易で、軽量で破損しにくく、取扱が
容易で、しかも低コストであることから、透明性を有す
る各種樹脂が用いられている。しかし、樹脂基板は硬度
が低いため傷つき易い。光ディスクは一般に基板を通し
て記録光や再生光を照射するため、基板に傷が生じると
情報の記録や再生が困難となる場合が生じる。
【0004】このため、基板の少なくとも光入射側表面
には、損傷防止のためのハードコート層が形成されてい
る。基板の光入射面側に設けられるハードコート層とし
ては、例えば特願昭62−72888号に開示されてい
るオリゴエステルアクリレート含有組成物の紫外線硬化
膜がある。
【0005】ところで、特開昭60−168708号公
報、特開昭61−120816号公報、特開昭61−1
15912号公報、特開昭61−115916号公報、
特願昭61−95905号公報、特願昭61−9090
6号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭6
1−272216号公報等には、環状オレフィンとエチ
レンとの共重合体の2種以上をブレンドしたアモルファ
スポリオレフィンを、光ディスクの基板材料として用い
る旨が開示されている。このものは、従来、光ディスク
の基板材料として汎用されてきたポリカーボネートや、
ポリメチルメタクリレートと比較して、格段とすぐれた
光学特性を示し、吸水性も極めて少なく、光ディスクの
基板材料としてきわめて有利である。
【0006】しかし、紫外線硬化型のハードコート層
等、各種透明樹脂の被覆との接着性や密着性がきわめて
低いことが判明した。
【0007】これに対処するため、被覆形成に際し、基
板材料表面に種々のカップリング剤を用いて処理する方
法やプライマー処理する方法、さらに基板表面にクロム
酸処理、火炎処理、コロナ放電処理する方法などが考え
られる。
【0008】しかし、このなかで、カップリング処理
は、一般に、無機物と有機物とを結合するときに施され
るものであり、ほとんど効果がない。
【0009】また、プライマー処理は、特定のプライマ
ーと樹脂との組合せにおいて効果が得られるのみであ
り、プライマー処理を適用して一律に効果が得られるわ
けではない。さらには、このほかの方法においても十分
な効果を得ることはできない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、環状オレフィンの重合体に透明樹脂被覆を形成する
場合、接着性が格段と向上した被覆形成方法と、この被
覆形成方法を用いて形成したハードコート層を有する光
ディスクを提供することにある。
【0011】
【課題を解決しようとする手段】このような目的は下記
(1)〜(19)の本発明によって達成される。
【0012】(1)環状オレフィンの重合体の表面に下
塗り層を形成し、次いで、この表面に、透明樹脂の被覆
を形成することを特徴とする被覆形成方法。
【0013】(2)前記下塗り層が熱可塑性樹脂を用い
て形成される上記(1)に記載の被覆形成方法。
【0014】(3)前記熱可塑性樹脂がエチレン系重合
体である上記(2)に記載の被覆形成方法。
【0015】(4)前記熱可塑性樹脂に加え、さらに透
明樹脂の被覆成分となりうる成分を用いる上記(2)ま
たは(3)に記載の被膜形成方法。
【0016】(5)前記下塗り層を形成する際に用いる
塗布溶媒が芳香族炭化水素系溶媒および脂環式炭化水素
系溶媒の少なくとも1種以上を含む上記(1)ないし
(4)のいずれかに記載の被覆形成方法。
【0017】(6)前記芳香族炭化水素系溶媒がトルエ
ンである上記(5)に記載の被覆形成方法。
【0018】(7)前記下塗り層の厚さが、乾燥膜厚で
0.1〜100μm である上記(1)ないし(6)のい
ずれかに記載の被覆形成方法。
【0019】(8)前記重合体が透明成形体である上記
(1)ないし(7)のいずれかに記載の被膜形成方法。
【0020】(9)前記環状オレフィンの重合体が、下
記化1の繰り返し構造単位を有する上記(1)ないし
(8)のいずれかに記載の被覆形成方法。
【0021】
【化3】
【0022】(10)前記環状オレフィンの重合体が、
下記化2の環状オレフィンとエチレンとの共重合体であ
る上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の被覆形成
方法。
【0023】
【化4】
【0024】(11)前記透明樹脂の被覆が、放射線硬
化型化合物の塗膜を放射線硬化したものである上記
(1)ないし(10)のいずれかに記載の被覆形成方
法。
【0025】(12)前記放射線硬化型化合物がアクリ
ル基を有する上記(11)に記載の被覆形成方法。
【0026】(13)前記環状オレフィンの重合体の基
板を有し、この基板の少なくとも一方の面に、上記
(1)ないし(12)のいずれかに記載の被覆形成方法
によって形成された透明樹脂の被覆を有し、他方の面に
記録層または情報担持層を担持した光ディスク。
【0027】(14)前記基板は、環状オレフィンの重
合体を射出成形したものである上記(13)に記載の光
ディスク。
【0028】(15)前記基板は記録層を担持してお
り、前記基板は、記録層側表層部に熱軟化点140℃以
下のスキン層を有する上記(14)に記載の光ディス
ク。
【0029】(16)前記基板は、一方の面に記録層を
担持しており、この記録層を形成した面に下塗り層を形
成した後、樹脂製の保護コートを設けた上記(13)な
いし(15)のいずれかに記載の光ディスク。
【0030】(17)前記下塗り層が熱可塑性樹脂を用
いて形成される上記(16)に記載の光ディスク。
【0031】(18)前記熱可塑性樹脂がエチレン系重
合体である上記(17)に記載の光ディスク。
【0032】(19)前記保護コートは、放射線硬化型
化合物を紫外線硬化したものである上記(13)ないし
(18)のいずれかに記載の光ディスク。
【0033】なお、本出願人は上記目的を達成するもの
として、先に、環状オレフィンの重合体の表面に紫外線
を照射し、次いで、この表面に、透明樹脂の被覆を形成
することを特徴とする被覆形成方法を提案している(特
願平3−177162号)。そして、さらに、透明樹脂
の被覆との接着性を向上させる方法を検討し、本発明を
なすに至ったものである。
【0034】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0035】本発明において、透明樹脂被覆は、環状オ
レフィンの重合体表面に形成される。本発明が適用可能
な環状オレフィンの重合体としては、公知の種々のもの
であってよいが、特に光ディスク用基板として有用な環
状オレフィンの重合体としては、前記化3をくり返し構
造単位とするアモルファスの環状ポリオレフィンである
ことが好ましい。
【0036】前記化3において、R1 およびR2 は、な
かでも炭化水素残基であることが好ましく、特に、炭素
数1〜5の非置換のアルキル基であることが好ましい。
用いる環状ポリオレフィンは、このような化3のくり返
し単位のなかの同一の単位のみからなるホモポリマーで
あることが好ましいが、R1 、R2 あるいはq の異なる
化3のくり返し単位の複数からなるコポリマーであって
もよい。また、場合によっては、これに加え他の構造単
位を含むコポリマーであってもよい。そして、その数平
均分子量は、5千〜10万、特に1万〜4万であること
が好ましい。
【0037】なお、化3において、ハロゲン原子、エス
テル基、ニトリル基、ピリジル基は以下において極性基
と称することもある。
【0038】このような環状ポリオレフィンは、単量体
として、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキルお
よび/またはアルキリデン置換体、例えば、5−メチル
−2−ノルボルネン、5,6−ジメチル−2−ノルボル
ネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2
−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン
等:ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロ
ペンタジエン、これらのメチル、エチル、プロピル、ブ
チル等のアルキル置換体、およびハロゲン等の極性基置
換体:ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキル
および/またはアルキリデン置換体、およびハロゲン等
の極性基置換体、例えば、6−メチル−1,4:5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−
ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−
ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジ
メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジ
メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:
5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8
a−オクタヒドロナフタレン等;シクロペンタジエンの
3〜4量体、例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3
a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ
−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9
−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9
a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H
−シクロペンタアントラセン等を使用し、公知の開環重
合方法により重合して得られる開環重合体を、通常の水
素添加方法により水素添加して製造される飽和重合体で
ある。
【0039】なお、このような環状ポリオレフィンにつ
いては、特開平3−223341号、特願昭60−26
024号等に記載されている。
【0040】このような環状ポリオレフィンは、市販品
を用いてもよく、例えば日本ゼオン社製Zeonex 280等と
して市販されているものを用いることができる。
【0041】また、環状オレフィンの重合体としては、
特開平2−257446号等に記載された前記化4の環
状オレフィンとエチレンとの共重合体の好ましくはブレ
ンド体も好適である。前記化4で表わされる環状オレフ
ィンは、シクロペンタジエン類とこれに相応するオレフ
ィン類とをディールス・アルダー反応で縮合させて合成
すればよい。
【0042】化4で表わされる環状オレフィンとして具
体的には、テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン(1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン)、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−プロピル−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタ
ノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒド
ロナフタレン、2−メチル−3−エチル−1,4,5,
8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−
オクタヒドロナフタレン、2−クロロ−1,4,5,8
−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、2−ブロモ−1,4,5,8−
メメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−
ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,
8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−
オクタヒドロナフタレン、2−シクロヘキシル−1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−n−ブチル−
−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチ
ル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどのオク
タヒドロナフタレン類などの化合物を挙げることができ
る。
【0043】さらに、化4で表わされる環状オレフィン
の例としては、以下に記載する化合物を挙げることがで
きる。ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−
メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,
6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、6−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、6−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、などのようなビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン誘導体;テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、5,10−ジメチルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデ
セン、2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、11,12−ジメチ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−
ドデセン、2,7,9−トリメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、9−エチル
−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、9−イソブチル−2,
7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、9,11,12−トリメチルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデ
セン、9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、9−
イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、5,8,
9,10−テトラメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8
−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
−3−ドデセン、8−プロピルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−ヘキシルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデ
セン、8−ステアリルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン、−メチル−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−クロロテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ブロモテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−フルオロテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,
9−ジクロロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−シクロヘキシルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8
−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−ブチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−エチリ
デンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−
イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−ブチルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデ
セン、8−n−プロピリデンテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピ
リデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン
−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−イ
ソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−
ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
3−ドデセン、8−イソプロピリデンテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピ
リデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン
−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン
−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、などのテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン誘導体;ヘキサシ
クロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7
9,14]−4−ヘプタデセン、12−メチルヘキサシク
ロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14
−4−ヘプタデセン、12−エチルヘキサシクロ[6.
6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘ
プタデセン、12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.
1.13,6 .110,13 .02,7 .09, 14]−4−ヘプタ
デセン、1,6,10−トリメチル−12−イソブチル
ヘキサシクロ[6.6.1.13, 6 .110,13 .0
2,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、などのヘキサシク
ロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14
−4−ヘプタデセン誘導体;オクタシクロ[8.8.
0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .0
12,17 ]−5−ドコセン、15−メチルオクタシクロ
[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .113,16
3,8 .012,17 ]−5−ドコセン、15−エチルオク
タシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18 .1
13,16.03,8 .012,17 ]−5−ドコセン、などのオ
クタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,18
13,16 .03, 8 .012,17 ]−5−ドコセン誘導体;
ペンタシクロ[6.6.1.13,6 .02,7 .09,14
−4−ヘキサデセン、1,3−ジメチルペンタシクロ
[6.6.1.13,6 .02,7 .09,14]−4−ヘキサ
デセン、1,6−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.
3,6 .02,7 .09,14]−4−ヘキサデセン、15,
16−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13,6 .0
2,7 .09,14]−4−ヘキサデセン、などのペンタシク
ロ[6.6.1.13,6 .02,7 .09,14]−4−ヘキ
サデセン誘導体;ヘプタシクロ[8.7.0.12,9
4,7 .111,17 .03,8 .012,16 ]−5−イコセ
ン、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9 .14,7 .1
11,17 .03,8 .012,16 ]−5−ヘンエイコセン、な
どのヘプタシクロ−5−イコセン誘導体あるいはヘプタ
シクロ−5−ヘンエイコセン誘導体;トリシクロ[4.
3.0.12,5 ]−3−デセン、2−メチルトリシクロ
[4.3.0.12,5 ]−3−デセン、5−メチル−ト
リシクロ[4.3.0.12,5 ]−3−デセン、などの
トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−3−デセン誘導
体;トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセ
ン、10−メチル−トリシクロ[4.4.0.12,5
−3−ウンデセン、などのトリシクロ[4.4.0.1
2,5 ]−3−ウンデセン誘導体;ペンタシクロ[6.
5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセ
ン、1,3−ジメチル−ペンタシクロ[6.5.1.1
3,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセン、1,6−
ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7
9,13]−4−ペンタデセン、14,15−ジメチルペ
ンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−
4−ペンタデセン、などのペンタシクロ[6.5.1.
3,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセン誘導体;
ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13
−4,10−ペンタデカジエン誘導体;ペンタシクロ
[4.7.0.12,5 .08,13.09,12]−3−ペンタ
デセン、メチル置換ペンタシクロ[4.7.0.1
2,5 .08,13.09,12]−3−ペンタデセン、などのペ
ンタシクロ[4.7.0.12,5 .08,13.09,12]−
3−ペンタデセン誘導体;ヘプタシクロ[7.8.0.
3,6 .02,7 .110,17 .011,16 .112,15 ]−4
−エイコセン、ジメチル置換ヘプタシクロ[7.8.
0.13,6 .02,7 .110,17 .011,16.112,15
−4−エイコセン、などのヘプタシクロ[7.8.0.
3,6 .02,7 .110,17 .011,16 .112 ,15 ]−4
−エイコセン誘導体;ノナシクロ[9.10.1.1
4,7 .03,8 .02,10.012,21 .113,20 .0
14,19 .115,18 ]−5−ペンタコセン、トリメチル置
換ノナシクロ[9.10.1.14,7 .03,8
2,10.012,21.113,20 .014,19 .115,18 ]−
5−ペンタコセン、などのノナシクロ[9.10.1.
4,7 .03,8 .02,10.012,21 .113,2 0 .0
14,19 .115,18 ]−5−ペンタコセン誘導体。
【0044】化4の環状オレフィンの重合体は、エチレ
ンと前記化4で表わされる環状オレフィンを必須成分と
するものであるが、この他、必要に応じて他の共重合可
能な不飽和単量体成分を含有させ もよい。例えばプロ
ピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコ
センなどの炭素原子数が3〜20のα−オレフィンなど
を挙げることができる。
【0045】これら環状オレフィンの重合体を1種用い
るか、または2種以上をブレンドして用いて、基板材質
とする。このような1種以上の環状オレフィン共重合体
は、特開昭60−168708号公報、特開昭61−1
20816号公報、特開昭61−115912号公報、
特開昭61−115916号公報、特願昭61−959
05号公報、特願昭61−90906号公報、特開昭6
1−271308号公報、特開昭61−272216号
公報などの方法に従い適宜条件を選択することにより、
製造することができる。
【0046】また、環状オレフィンのランダム共重合体
とともに、化4で表わされる環状オレフィンが開環重合
することにより形成される繰り返し単位を含む重合体、
もしくは共重合体が含まれていてもよく、さらに、この
繰り返し単位を水添することにより形成される繰り返し
単位を含む重合体あるいは共重合体が含まれていてもよ
い。
【0047】さらに、これら各種環状オレフィンの重合
体には酸化防止剤や安定剤が含有されていてもよい。こ
のような環状オレフィンの重合体は、常法に従い射出成
形等により、光ディスクの基板等の透明成形体とすれば
よい。
【0048】このような環状オレフィンの重合体には、
樹脂被覆の形成に際し、下塗り層を形成する。
【0049】下塗り層は、熱可塑性樹脂を用いて形成す
ればよい。具体的にはエチレン系重合体、例えば、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン等が好
ましく用いられる。すなわち、ガラス転移点(Tg)が
低く、粘着性があるものを用いることが好ましく、Tg
は100℃程度以下、特に−150℃〜80℃のもので
あることが好ましい。
【0050】このような樹脂材質の下塗り層を設けるこ
とによって、粘着性が付与され、樹脂被覆との接着性が
格段と向上する。
【0051】また、下塗り層は、このような熱可塑性樹
脂を含む塗布溶液を用いて形成される。このとき用いる
塗布溶媒は、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系
やシクロヘキサン等の脂環式炭化水素系などの溶媒の1
種以上を含むものとするのがよい。
【0052】上記のトルエン等の溶媒は、環状オレフィ
ンの重合体に対し溶解性を有するものであり、塗布に際
し、上記重合体の表面層を一部溶解したり、粗面化する
作用を有する。従って、このような溶媒を用いることに
よって上記重合体と下塗り層との密着性が向上する。し
かしながら、このような溶媒を用いても、後述する環状
オレフィンの重合体のスキン層がすべて溶解除去される
ほどのものではなく、スキン層がなお存在したままの状
態にある。
【0053】また、本発明においては、上記熱可塑性樹
脂に加えて、後に詳述するように、樹脂被覆材質として
好ましく用いられるアクリレート化合物等を併用しても
よい。アクリレート化合物はモノマー、オリゴマー、ポ
リマー等のいずれの形で用いてもよい。
【0054】アクリレート化合物は、熱可塑性樹脂との
混合物全体に対し、20wt% 以下、好ましくは0.5〜
10wt% とすることが好ましい。
【0055】この化合物の併用は樹脂被覆材質にこれを
用いるときに特に有効であり、樹脂被覆材質と一部同材
質のものを用いることによって樹脂被覆との接着性が一
段と向上する。
【0056】塗布溶液における樹脂全体の含有量は、1
〜50wt% 程度とすればよい。
【0057】また、塗布溶媒としては、上記溶媒のほ
か、これらの溶媒にメチルイソブチルケトン等のケトン
系、エチルセロソルブ等のセロソルブ系、イソプロピル
アルコール等のアルコール系などを混合した溶媒として
もよい。このような混合溶媒においては、トルエン等が
5vol%以上、好ましくは10vol%以上であるものとすれ
ばよい。
【0058】塗布は、公知のいずれの方法によってもよ
く、スピンコート、グラビアコート、スプレーコート、
ディッピング等のいずれであってもよい。塗布条件等
は、通常の方法に準じることができる。
【0059】下塗り層の厚さは、乾燥膜厚で、0.1〜
100μm 、好ましくは1〜50μm とすればよい。こ
のような厚さとすることにより、重合体の光学特性に何
ら変化を与えることなく、本発明の効果が得られる。厚
さが小さくなると、本発明の実効が得られず、厚さが大
きくなると、本発明の効果が飽和してしまい、生産性等
の点で不利になる。
【0060】このように下塗り層を形成することによっ
て、重合体の光学特性、例えば透明性、複屈折等には何
ら変化がないので、接着が高く、しかも光学的特性に何
ら影響を与えない透明樹脂のハードコート等の被覆が実
現する。
【0061】なお、下塗り層形成に際し、本発明では、
トルエン等の溶媒を含む溶剤を、環状オレフィンの重合
体表面に付与する予備処理を行なってもよい。これによ
り、上記重合体と下塗り層との密着性がさらに向上す
る。
【0062】予備処理は、溶剤を環状オレフィンの重合
体表面に塗布する方法によっても、溶剤中に環状オレフ
ィンの重合体を浸漬する方法によってもよく、いずれの
方法によってもよい。
【0063】塗布によるときは、スピンコート、グラビ
アコート、スプレーコート、ディッピング等のいずれの
方法によって行なってもよく、条件等は通常の方法に準
じることができる。また、浸漬するときの浸漬時間は1
秒〜30秒とする。
【0064】本発明においては、後述のように、光ディ
スクの基板等として用いることから、基板の一方の面の
みを処理することが好ましいこともあり、このような場
合には塗布による方が好ましい。
【0065】また、このような予備処理によっては、前
記同様、スキン層を完全に溶解除去するものではない。
【0066】本発明においては、上記のように下塗り層
を形成する方法と併せて、環状オレフィンの重合体の表
面をオゾンにさらしながら重合体に紫外線を照射する方
法を適用してもよい。
【0067】この場合、紫外線を照射してから下塗り層
を形成すればよい。
【0068】さらに、紫外線を照射する方法を併用する
ことにより、樹脂被覆との接着性を向上させることがで
きる。
【0069】紫外線は、酸素存在下に照射すればよく、
オゾンの連続的な生成と分解を行なう上で、照射する紫
外線は少なくとも270nm以下の波長を有するものであ
ることが好ましい。
【0070】この紫外線を照射する方法の詳細について
は、本出願人による特願平3−177162号に記載さ
れている。
【0071】被覆を構成する樹脂材質には特に制限はな
いが、より簡便に、しかも良好な膜物性をもち、さらに
は接着力が格段と向上する点で、放射線、特に紫外線硬
化型化合物の塗膜を放射線、特に紫外線照射により硬化
したものであることが好ましい。そして、放射線、特に
紫外線硬化型化合物としては、特にアクリル基を有する
ものや、エポキシ樹脂と光カチオン重合触媒とを含有す
るものなどが、接着力向上の点で好ましく、これに他の
放射線、特に紫外線硬化型化合物や他の樹脂成分、光重
合開始剤、増感剤等を含有する塗布組成物を用いること
が好ましい。これらについては、後に詳述する。
【0072】被覆の厚さは一般に1〜30μm 程度とす
る。そして、各種光ディスク、各種レンズ、ミラー、フ
ィルター等の光学部品や、透明カバー、透明ケーシング
等に適用可能である。
【0073】次に、本発明の被覆形成方法を、光ディス
クに適用した場合について説明する。
【0074】本発明の光ディスクは、情報を予め担持し
ている再生専用の光ディスク、および光記録により情報
を担持させうる記録層を有する光記録ディスクの双方を
指す。ただし、ここでは好適例として図1に示される光
磁気記録ディスクを例に挙げて説明する。図1に示され
る光磁気記録ディスク1は基板2表面上に、保護層4、
中間層5、記録層6、保護層7および保護コート8を順
次有する。この際、ディスク表面、すなわち基板2の裏
面側には、ハードコート3が設けられる。ハードコート
3は、各構成層設層前に予め形成しておくことが好まし
い。
【0075】このようなハードコート3は、前記のとお
り、特に、放射線硬化型化合物やその重合用組成物を、
放射線硬化させた物質から構成されることが好ましい。
このようなものとしては、イオン化エネルギーに感応
し、ラジカル重合性を示す不飽和二重結合を有するアク
リル酸、メタクリル酸、あるいはそれらのエステル化合
物のようなアクリル系二重結合、ジアリルフタレートの
ようなアリル系二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導
体等の不飽和二重結合等の放射線照射による架橋あるい
は重合する基を分子中に含有または導入したモノマー、
オリゴマーおよびポリマー等を挙げることができる。こ
れらは多官能、特に3官能以上であることが好ましく、
1種のみ用いても2種以上併用してもよい。
【0076】放射線硬化性モノマーとしては、分子量2
000未満の化合物が、オリゴマーとしては分子量20
00〜10000のものが好適である。
【0077】なかでも、放射線硬化性オリゴマーである
各種ウレタンエラストマーのアクリル変性体を用いるこ
とが好ましく、あるいはこれにCOOH等の官能基が導
入されたもの等であってもよい。
【0078】また、スチレン、エチルアクリレート、エ
チレングリコールジアクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールメタクリレート、1,6-ヘキサ
ングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサングリコール
ジメタクリレート等であってもよく、好ましいものとし
ては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(メタ
クリレート) 、ペンタエリスリトールアクリレート(メ
タクリレート) 、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート(メタクリレート) 、トリメチロールプロパンジア
クリレート(メタクリレート) 、ウレタンエラストマー
(ニッポラン4040)のアクリル変性体、あるいはこ
れらのものにCOOH等の官能基が導入されたもの、フ
ェノールエチレンオキシド付加物のアクリレート(メタ
クリレート) 、特願昭62−072888号に示される
ペンタエリスリトール縮合環にアクリル基(メタクリル
基)またはε−カプロラクトン−アクリル基のついた化
合物、および特願昭62−072888号に示される特
殊アクリレート類等のアクリル基含有モノマーおよび/
またはオリゴマーが挙げられる。この他、放射線硬化性
オリゴマーとしては、オリゴエステルアクリレート、あ
るいはこれにCOOH等の官能基が導入されたもの等が
挙げられる。
【0079】また、上記の化合物に加えて、あるいはこ
れにかえて熱可塑性樹脂を放射線感応変性することによ
って得られる放射線硬化型化合物を用いてもよい。この
ような放射線硬化性樹脂の具体例としては、ラジカル重
合性を示す不飽和二重結合を有するアクリル酸、メタク
リル酸、あるいはそれらのエステル化合物のようなアク
リル系二重結合、ジアリルフタレートのようなアリル系
二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和結
合等の、放射線照射による架橋あるいは重合する基を熱
可塑性樹脂の分子中に含有、または導入した樹脂であ
る。放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例と
しては、塩化ビニル系共重合体、飽和ポリエスルテル樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、フ
ェノキシ系樹脂、繊維素誘導体等を挙げることができ
る。その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂
としては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエス
テル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(P
VPオレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミ
ド樹脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸
基を含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステ
ルを重合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂等
も有効である。
【0080】重合用塗布組成物は放射線照射、特に紫外
線照射により硬化されるので、重合用組成物中には光重
合開始剤ないし増感剤が含有されることが好ましい。用
いる光重合開始剤ないし増感剤に特に制限はなく、例え
ば、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン
系、チオキサントン系等の通常のものから適宜選択すれ
ばよい。なお、光重合開始剤ないし増感剤として、複数
の化合物を併用してもよい。重合用組成物中における光
重合開始剤の含有量は、通常0.5〜5重量%程度とす
ればよい。このような透明樹脂製ハードコートを形成す
るための重合用組成物は、常法に従い合成してもよく、
市販の化合物を用いて調製してもよい。
【0081】ハードコート3を形成するための放射線硬
化型化合物を含有する組成物としては、エポキシ樹脂お
よび光カチオン重合触媒を含有する組成物も使用でき
る。
【0082】エポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹
脂が好ましく、特に、分子内に2個以上のエポキシ基を
有するものが好ましい。
【0083】脂環式エポキシ樹脂としては、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル)アジペート、ビス−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)アジペート、2−(3,4−
エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エ
ポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス
(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ビニル
シクロヘキセンジオキシド等の1種以上が好ましい。脂
環式エポキシ樹脂のエポキシ当量に特に制限はないが、
良好な硬化性が得られることから、60〜300、特に
100〜200であることが好ましい。
【0084】光カチオン重合触媒は、公知のいずれのも
のを用いてもよく、特に制限はない。例えば、1種以上
の金属フルオロホウ酸塩および三フッ化ホウ素の錯体、
ビス(ペルフルオロアルキルスルホニル)メタン金属
塩、アリールジアゾニウム化合物、6A族元素の芳香族
オニウム塩、5A族元素の芳香族オニウム塩、3A族〜
5A族元素のジカルボニルキレート、チオピリリウム
塩、MF6 アニオン(ただしMは、P、AsまたはS
b)を有する6A族元素、トリアリールスルホニウム錯
塩、芳香族イオドニウム錯塩、芳香族スルホニウム錯塩
等を用いることができ、特に、ポリアリールスルホニウ
ム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族スルホニウム塩
またはイオドニウム塩、3A族元素、5A族元素および
6A族元素の芳香族オニウム塩の1種以上を用いること
が好ましい。
【0085】また、有機金属化合物と光分解性を有する
有機けい素化合物とを含有する光カチオン重合触媒も用
いることができる。このような光カチオン重合触媒は非
強酸系であるため、光磁気記録ディスク等の腐食性の高
い記録層に対する悪影響を避けることができる。有機金
属化合物としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Zn、Al 、Zr等の金属原子に、ア
ルコキシ基、フェノキシ基、β−ジケトナト基等が結合
した錯体化合物が好ましい。これらのうち特に有機アル
ミニウム化合物が好ましく、具体的には、トリスメトキ
シアルミニウム、トリスプロピオナトアルミニウム、ト
リストリフルオロアセチルアルミニウム、トリスエチル
アセトアセトナトアルミニウムが好ましい。
【0086】光分解性を有する有機けい素化合物は、紫
外線等の光照射によりシラノールを生じるものであり、
ペルオキシシラノ基、o−ニトロベンジル基、α−ケト
シリル基等を有するけい素化合物が好ましい。
【0087】組成物中の光カチオン重合触媒の含有量
は、エポキシ樹脂100重量部に対し、0.05〜0.
7重量部、特に0.1〜0.5重量部であることが好ま
しい。
【0088】ハードコート3を形成するには、例えば下
記のようにすればよい。まず、前記したようなハードコ
ート用組成物の塗膜を少なくとも基板2裏面上に形成す
る。塗膜の形成方法に特に制限はなく、通常、スピンコ
ート、グラビアコート、スプレーコート、ディッピング
等、種々の公知の方法を組み合わせて形成すればよい。
この際の塗布条件は、重合用組成物の粘度、目的とする
塗膜厚さ等を考慮して適宜決定すればよい。
【0089】次いで、塗膜を加熱する。加熱温度は、通
常、60〜90℃程度とすればよい。そして、加熱後
に、紫外線を照射して塗膜を硬化する。なお、場合によ
っては、加熱せずに紫外線を照射してもよく、紫外線の
かわりに電子線等を照射してもよい。
【0090】塗膜に照射する紫外線強度は、通常、50
mW/cm2程度以上、照射量は、通常、500〜2000mJ
/cm2程度とすればよい。また、紫外線源としては、水銀
灯などの通常のものを用いればよい。紫外線の照射によ
り、上記各化合物はラジカル重合する。
【0091】硬化後の塗膜の厚さ、すなわちハードコー
ト3の厚さは、1〜30μm 、特に3〜10μm である
ことが好ましい。膜厚が薄すぎると一様な膜を形成する
ことが困難となり、耐久性が不十分となってくる。ま
た、厚すぎると、硬化の際の収縮によりクラックが生じ
たり、ディスクに反りが発生し易くなってくる。
【0092】このようなハードコート3を塗布した基板
2の記録光および再生光に対する透過率は、80%以
上、特に85%以上であることが好ましい。なお、両面
記録型の光磁気記録ディスクでは、両基板にハードコー
トを設ける。また、ハードコートは、ディスク主面のみ
に限らず、外周側面や内周側面にも形成されていてもよ
い。
【0093】基板2の材質としては、前記のとおり、環
状オレフィンの重合体を用いる。そして、基板2の記録
層設層側の表層部にはスキン層が存在し、このスキン層
の熱軟化点は、140℃以下、特に100〜140℃、
より好ましくは100〜135℃、さらに好ましくは1
10〜135℃であることが好ましい。熱軟化点140
℃以下のスキン層を設けることによって、ハードコート
の接着性はさらに向上する。ただし、熱軟化点が低くな
りすぎると、成膜時の耐熱性に問題が生じたり、寸法精
度が低下してきたりする。
【0094】この場合、表層部のスキン層の熱軟化点と
は、下記のように測定された温度である。まず、被検基
板の上に針を置いて、5g 程度の荷重を加え、昇温速度
2℃/min 程度で、30℃程度から昇温していって、針
の進入量を測定する。針の断面は直径1mm程度の円柱形
とする。このように測定される温度と針進入量との関係
が図2に示される。図2に示されるように、本発明の基
板では、針進入量の温度特性プロファイルにおいて、第
1の屈曲点と第2の屈曲点とが生じる。
【0095】例えば、注型基板や、ある種の射出成形基
板では、針進入量の温度特性には1つの屈曲点しか現わ
れないか、あるいは第1の屈曲点はわずかにしか現われ
ない。また、第1の屈曲点によって生じる1段目の針進
入量は、概ね200μm程度以下である。従って、これ
らから第1の屈曲点は、基板表層のスキン層の軟化点に
由来するものと考えられる。そこで、温度特性プロファ
イルの第1の屈曲点近傍にて、針進入前の直線部と、1
段目の進入時の直線部との交点をT1 とし、これをスキ
ン層の熱軟化点T1 と定義する。そして、このT1 を前
記のとおり規制するものである。
【0096】一方、第2の屈曲点近傍においても、1段
目の進入時と2段目の進入時との直線部の交点をT2
し、これを第2の熱軟化点T2 と定義する。この第2の
熱軟化点T2 は、基板中心部での熱軟化点であると考え
られる。そして、この第2の熱軟化点T2 は、第1の熱
軟化点T1 より10℃以上、より好ましくは10〜50
℃高い温度であり、140℃以上、特に145〜180
℃の温度であると好ましい。これにより、寸法精度や機
械的特性や耐熱性等がすぐれたものとなる。
【0097】なお、スキン層は、基板表層部断面のSE
M像からも、周囲と色の異なる層として確認でき、その
厚さは、一般に1〜200μm、特に10〜100μm
程度であると考えられる。また、前記の針進入量の温度
特性プロファイルは、TMA(熱機械分析装置、サーモ
メカニカルアナライザー)として市販されている各種装
置、例えばデュポン社製943熱機械分析装置等によっ
て測定すればよい。
【0098】このようなスキン層を形成するには、特に
環状オレフィンの重合体を射出成形して基板を形成する
ことが好ましい。そして、射出圧を250〜400kg/c
m2程度に設定することが好ましい。また、溶融温度は3
00〜400℃程度、金型温度は80〜120℃程度と
し、その他、保圧や型締力等は通常の条件とすればよ
い。
【0099】なお、基板2の記録層6形成面には、トラ
ッキング用のグルーブが形成されていてもよい。
【0100】図1に示される光磁気記録ディスクにおい
て、基板2上には、下地層としての保護層4、中間層5
を介して記録層6が形成されている。中間層5は、C/
N比を向上させるために設けられ、各種誘電体物質から
形成されることが好ましく、その層厚は30〜150nm
程度であることが好ましい。
【0101】また保護層4とともに記録層6の上にも保
護層7を設けることもできる。併用する場合には、保護
層4と保護層7の組成は同一であっても異っていてもよ
い。必要に応じて設けられる保護層4および保護層7
は、記録層6の耐食性向上のために設けられるものであ
り、これらは少なくとも一方、好ましくは両方が設けら
れることが好ましい。これら保護層は、各種酸化物、炭
化物、窒化物、硫化物あるいはこれらの混合物からなる
無機薄膜から構成されることが好ましい。また、保護層
4、7は、上記の中間層材質で形成してもよい。保護層
の層厚は30〜300nm程度であることが耐食性向上の
点から好ましい。このような保護層4、7や中間層5
は、スパッタ、蒸着、イオンプレーティング等の各種気
相成膜法、特にスパッタによって形成されることが好ま
しい。
【0102】記録層6は、変調された熱ビームあるいは
変調された磁界により、情報が磁気的に記録されるもの
であり、記録情報は磁気−光変換して再生されるもので
ある。記録層6は、光磁気記録が行なえるものであれば
その材質に特に制限はないが、希土類金属元素を含有す
る合金、特に希土類金属と遷移金属との合金を、スパッ
タ、蒸着、イオンプレーティング等、特にスパッタによ
り、非晶質膜として形成したものであることが好まし
い。希土類金属としては、Tb、Dy、Nd、Gd、S
m、Ceのうちの1種以上を用いることが好ましい。遷
移金属としては、FeおよびCoが好ましい。この場
合、FeとCoの総含有量は、65〜85at%であるこ
とが好ましい。そして、残部は実質的に希土類金属であ
る。
【0103】好適に用いられる記録層の組成としては、
TbFeCo、DyTbFeCo、NdDyFeCo、
NdGdFeCo等がある。なお、記録層中には、10
at%以下の範囲でCr、Al、Ti、Pt、Si、M
o、Mn、V、Ni、Cu、Zn、Ge、Au等が含有
されてもよい。また、10at%以下の範囲で、Sc、
Y、La、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu等の他の希土類金属元素を含有し
てもよい。このような記録層6の層厚は、通常、10〜
1000nm程度である。そして、保護層7上には金属製
の反射層が設けられていてもよい。
【0104】このような記録層6や、下地層としての保
護層4や中間層5をスパッタ等の気相成膜法で設層して
も、前記のスキン層により、記録層や下地層等の基板2
からの膜はがれを効果的に防止することができる。
【0105】保護層7上には、保護コート8が設層され
ることが好ましい。保護コート8は、例えば紫外線硬化
樹脂等の各種樹脂材質から、通常は、0.1〜100μ
m程度の厚さに設層すればよい。保護コート8は、層状
であってもシート状であってもよい。保護コート8は、
特に放射線硬化型化合物および光重合増感剤ないし開始
剤を含有する塗膜を放射線、特に紫外線硬化したもので
あることが好ましい。このような放射線硬化型化合物と
しては、前述のアクリル基を含有するものが好ましい。
そして、前記ハードコートと同様にして、光重合増感剤
ないし開始剤が添加され、好ましくは紫外線硬化され
る。
【0106】このような場合、基板上に各構成層を気相
法により形成したのち、構成層最上層(保護層7)表面
と、記録層形成側の基板の構成層が形成されていない領
域とに、前記と同様に、好ましくはエチレン系重合体の
熱可塑性樹脂を用いて形成された下塗り層を形成するこ
とが好ましい。これによって、保護コート8の密着性が
向上する。
【0107】また本発明は、この他、いわゆる相変化型
等の記録層を有し、反射率変化により記録・再生を行な
う光記録ディスクにも適用することができる。さらに
は、色素の塗布膜等を記録層とし、この上に空隙を設け
て内封したり、色素層上に反射層を密着して積層した光
記録ディスクであってもよい。特に、密着型のものはコ
ンパクトディスク(CD)規格対応やビデオディスク用
の光記録ディスク等として好適であるが、このもので
は、スキン層の生成により、感度やC/Nが向上する。
密着型の色素層を有するものや、相変化型のものは、上
記の保護コートを設けることが好ましい。このとき、前
記と同様、保護コート形成前に下塗り層を形成しておく
ことが好ましい。
【0108】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0109】実施例1 前記化3の繰り返し単位を有する環状ポリオレフィンと
して市販品である日本ゼオン社製Zeonex280 のペレット
を得た。これを350℃にて溶融し、金型温度100
℃、射出圧350kg/cm2で射出成形し、120mm径、厚
さ1.2mmの基板サンプルNo. 1を得た。
【0110】基板の熱軟化点を、TMAにて下記のよう
に測定した。 針断面:1mm径円柱 荷重:5g 昇温速度:2℃/min
【0111】上記条件にて、針進入量の温度プロファイ
ルを測定し、第1および第2の熱軟化点T1 、T2 を算
出したところ、T1 =130℃、T2 =165℃であっ
た。また、この基板のSEM像から、スキン層の厚さは
100μm程度以下であると考えられた。
【0112】次に、上記基板No. 1を用い、基板の記録
層形成側面に下塗り層を形成した。このとき、トルエン
−メチルイソブチルケトン混合溶媒(トルエンが40vo
l%)を塗布溶媒とし、エチレン−酢酸ビニル共重合体を
20wt% 含有する塗布溶液を調製した。
【0113】この塗布溶液を用いて、スピンコートによ
り塗膜を形成した。これにより乾燥膜厚で10μmの下
塗り層を設層し、基板No. 2を得た。
【0114】なお、EVAは、市販品〔商品名EVA−
AD−5:昭和高分子(株)製〕を用いた。
【0115】基板No. 2において、下塗り層を形成する
かわりに、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン〔CH2 =C(CH3 )COOC36 Si(OC
33 〕を用いてカップリング処理を行なうほかは同
様にして基板No. 3を得た。ただし、上記のシランカッ
プリング剤を塗布後、70℃で2時間乾燥するものとし
た。
【0116】基板No. 2において、下塗り層を形成する
かわりに、シアノアクリレート系の瞬間接着剤用のプラ
イマー〔商品名ポリプライマー:東亜合成(株)製〕を
用いてプライマー処理するほかは同様にして基板No. 4
を得た。
【0117】基板No. 1〜No. 4をそれぞれ用い、基板
の記録層形成側裏面および周面に、ハードコート層用組
成物の塗膜を形成し、この塗膜を紫外線硬化してハード
コートを形成した。ハードコートは、アクリレート系の
重合用組成物[商品名 SD−17:大日本インキ
(株)製として市販されているもの]をスピンコートに
より塗布し、加熱した後、紫外線を照射して硬化したも
のであり、硬化後の平均厚さは5μm とした。
【0118】このようにして作製した各基板のハードコ
ートについて密着性試験を行なった。密着性試験はJI
S K5400の碁盤目試験に準じて行なった。すなわ
ち、サンプルのハードコート上に、直交する縦横11本
ずつの平行線をカッターナイフを用いて2mmの間隔でひ
き、4cm2 の中に100個の升目ができるように碁盤目
状の切傷をつけ、この上にセロハンテープ(ニチバン
製)を貼りつけ剥離評価を行なった。
【0119】密着性試験は、ハードコート形成直後と、
温度80℃、湿度80%RHの条件下で1000時間保
存した後について行なった。
【0120】結果を表1に示す。なお、表中の100/
100は100個の升目のうち剥離しなかった升目が1
00個あることを示す。
【0121】
【表1】
【0122】表1に示される結果から、本発明の効果が
明らかである。
【0123】次いで、上記のようにハードコートを形成
した基板の他面上の一定領域に、ガラス製の保護層を高
周波マグネトロンスパッタにより40nmの層厚に設層し
た。この保護層上に、SiNx 中間層を高周波マグネト
ロンスパッタにより層厚80nmに設層した。次に、この
中間層上に、Tb23Fe72Co5 の組成を有する記録層
を、スパッタにより層厚80nmに設層した。
【0124】さらに、この記録層上に、前記保護層と同
組成100nmの保護層を高周波マグネトロンスパッタに
より設層し、この保護層上に、保護コートを設層した。
なお、保護コートは、前記のハードコートに用いたもの
と同じ重合用組成物をスピンコートにより塗布し、加熱
した後、紫外線を照射して硬化したものであり、硬化後
の平均厚さは5μm とした。
【0125】本発明の被覆方法を用いた本発明のディス
クは、良好な記録再生特性を示した。
【0126】実施例2 実施例1の基板No. 2において、下塗り層形成の際、E
VAのほかに、ブチルアクリレートを併用するほかは同
様にして下塗り層を形成し、基板No. 21を得た。
【0127】なお、ブチルアクリレートの添加量はEV
A−ブチルアクリレート全体の5wt% とした。
【0128】この基板No. 21について、実施例1と同
様にして密着性試験を行なったところ、基板No. 2と同
等以上の良好な結果を示した。
【0129】また、光ディスクとしても、良好な結果を
示した。
【0130】実施例3 実施例1の基板No. 2において、下塗り層を形成する前
に、下記の条件で低圧水銀灯を用いて、基板の記録層形
成側裏面から光照射を行なうほかは同様にして基板No.
31を得た。なお、光照射には、市販の紫外線−オゾン
洗浄装置を用いた。
【0131】 紫外線照射出力 100W 紫外線照射時間 3分 光源と試料との距離 50mm 雰囲気 1気圧・空気 試料温度 室温 この基板No. 31について、実施例1と同様にして密着
性試験を行なったところ、基板No. 2と同等以上の良好
な結果を示した。
【0132】また、光ディスクとしても、良好な結果を
示した。
【0133】実施例4 実施例1の基板No. 2において、下塗り層を形成する前
に、下塗り層形成用の塗布溶媒を用い、基板の記録層形
成側面にスピンコートにより塗布する予備処理を行なう
ほかは同様にして基板No. 41を得た。
【0134】この基板No. 41について、実施例1と同
様にして密着性試験を行なったところ、基板No. 2と同
等以上の良好な結果を示した。
【0135】実施例5 実施例1の基板No. 2、実施例2の基板No. 21、実施
例3の基板No. 31および実施例4の基板No. 41をそ
れぞれ用いた各光ディスクにおいて、保護コート成膜直
前に、記録層形成面に、基板と同様に、各基板に対応さ
せて下塗り層を形成するほかは、同様にして光ディスク
を作製した。
【0136】この下塗り層の形成により、保護コートの
密着性が向上した。
【0137】
【発明の効果】本発明によれば、環状オレフィンの重合
体の基板と、透明樹脂のハードコート等の接着性が格段
と向上し、きわめて高い耐久性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスクの1例を示す部分断面図で
ある。
【図2】基板の熱軟化点を説明するためのグラフであ
る。
【符号の説明】
1 光ディスク 2 基板 3 ハードコート 4 保護層 5 中間層 6 記録層 7 保護膜 8 保護コート T1 第1の軟化点 T2 第2の軟化点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小巻 壮 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状オレフィンの重合体の表面に下塗り
    層を形成し、 次いで、この表面に、透明樹脂の被覆を形成することを
    特徴とする被覆形成方法。
  2. 【請求項2】 前記下塗り層が熱可塑性樹脂を用いて形
    成される請求項1に記載の被覆形成方法。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂がエチレン系重合体で
    ある請求項2に記載の被覆形成方法。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂に加え、さらに透明樹
    脂の被覆成分となりうる成分を用いる請求項2または3
    に記載の被膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記下塗り層を形成する際に用いる塗布
    溶媒が芳香族炭化水素系溶媒および脂環式炭化水素系溶
    媒の少なくとも1種以上を含む請求項1ないし4のいず
    れかに記載の被覆形成方法。
  6. 【請求項6】 前記芳香族炭化水素系溶媒がトルエンで
    ある請求項5に記載の被覆形成方法。
  7. 【請求項7】 前記下塗り層の厚さが、乾燥膜厚で0.
    1〜100μm である請求項1ないし6のいずれかに記
    載の被覆形成方法。
  8. 【請求項8】 前記重合体が透明成形体である請求項1
    ないし7のいずれかに記載の被膜形成方法。
  9. 【請求項9】 前記環状オレフィンの重合体が、下記化
    1の繰り返し構造単位を有する請求項1ないし8のいず
    れかに記載の被覆形成方法。 【化1】
  10. 【請求項10】 前記環状オレフィンの重合体が、下記
    化2の環状オレフィンとエチレンとの共重合体である請
    求項1ないし9のいずれかに記載の被覆形成方法。 【化2】
  11. 【請求項11】 前記透明樹脂の被覆が、放射線硬化型
    化合物の塗膜を放射線硬化したものである請求項1ない
    し10のいずれかに記載の被覆形成方法。
  12. 【請求項12】 前記放射線硬化型化合物がアクリル基
    を有する請求項11に記載の被覆形成方法。
  13. 【請求項13】 前記環状オレフィンの重合体の基板を
    有し、この基板の少なくとも一方の面に、請求項1ない
    し12のいずれかに記載の被覆形成方法によって形成さ
    れた透明樹脂の被覆を有し、他方の面に記録層または情
    報担持層を担持した光ディスク。
  14. 【請求項14】 前記基板は、環状オレフィンの重合体
    を射出成形したものである請求項13に記載の光ディス
    ク。
  15. 【請求項15】 前記基板は記録層を担持しており、前
    記基板は、記録層側表層部に熱軟化点140℃以下のス
    キン層を有する請求項14に記載の光ディスク。
  16. 【請求項16】 前記基板は、一方の面に記録層を担持
    しており、この記録層を形成した面に下塗り層を形成し
    た後、樹脂製の保護コートを設けた請求項13ないし1
    5のいずれかに記載の光ディスク。
  17. 【請求項17】 前記下塗り層が熱可塑性樹脂を用いて
    形成される請求項16に記載の光ディスク。
  18. 【請求項18】 前記熱可塑性樹脂がエチレン系重合体
    である請求項17に記載の光ディスク。
  19. 【請求項19】 前記保護コートは、放射線硬化型化合
    物を紫外線硬化したものである請求項13ないし18の
    いずれかに記載の光ディスク。
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